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氷山の討伐
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「「「「「いっただっきまーす!!」」」」」
「「「いただきまーす……」」」
俺たちは今、デローザの町の人達とモグラを食べようとしていた。
見た目こそは良くなったものの、モグラを見てからだとあまり食欲がわかない。
俺だけではなく、ファラとメルも同じようだ。
「いやー、やっぱり肉が一番ですな!」
「本当ですよ!いつも芋ばっかりだと肉が恋しくなりますな!」
「町長!もっとモグラを狩りましょうよ!」
「こらこら、そんなことしたらモグラがいなくなってしまうだろう」
町の人達は食べなれているようで抵抗がない。
正直いまは羨ましい。
「あれ、皆さん食べないのですか?」
「いやー、ちょっと……」
「ねぇ……」
「だよね……」
「あぁー、ご安心ください。モグラでしたけど味は美味しいので」
ええい!男は根性!
いつまでもうじうじ言ってはいけない!
俺は豪快にモグラの肉を食べた。
その瞬間、俺は震えだした。
「どうしたのディラ?」
「まさかお腹に当たったとか!?」
違う、そういう事ではない。
「…美味しい」
「「えっ?」」
「美味しいんだよ!二人も食べてみなって!」
モグラの肉はとても美味しかった。
下手したら村の時にみんなに配った、雷猪王の肉より美味しいかもしれない。
「はっはっはっ、気に入りましたか?」
「ああ!本当に美味いよ、これ!」
ついつい全部食べ切ってしまった。
そんな俺を見た二人は、ようやく口へと運んだ。
「美味しい!!」
「本当だわ……!」
二人も気に入ったみたいだ。
目のまえにあったお肉がすぐになくなった。
でもなんでこんなにも美味いんだろうか?
気候や温度のせいなのか?
でもモグラは地面の中にいるし。
「よかったら野菜もどうですか?」
「あっ、じゃあ頂こうかな」
びっくりなことに、野菜まで美味しい。
もしかしてここの土が特別なのか?
本当に面白い場所だな。
「それでアイスマウンテンロックの手がかりは見つかりましたか?」
「さっぱりだ。もしかしたら雪男みたいに幻の生物っていう可能性もあるしな」
「雪男ですか……。話は聞いたことがありますが、見たことがありませんね」
「俺たちは何回もあるけどな」
ここではないが、ゲームではよく出てきた。
何体倒したかも覚えていないほどに倒しまくった。
ポジション的には少し強いザコ敵。
「明日また調べなおしかな」
「左様ですか。でしたら泊っていかれますか?」
「いいのか?」
「ミアを助けてもらったお礼です。この町に宿はないですが、私の家は部屋が余っていますので」
こうして俺たちは今夜、町長の家に泊ることになった。
良いことをすると戻ってくるって本当みたいだな。
その日の夜、俺たちは町長の家に招かれた。
「ファラさんとメルさんには申し訳ないのですが、同じ部屋でいいでしょうか?空いている部屋が二部屋しかないので」
「「むしろみんなで一部屋でもいい」」
「いや、俺がよくないから」
美少女たちと寝るなんて相当抑えないといけないんだぞ?
ゆっくり休みたいときは別々がいい。
その後、俺は二人と別れて部屋にあるベッドに寝転がった。
一体アイスマウンテンロックはどこにいるんだか。
姿を隠すためにこんなに猛吹雪にしたのか?
それなら天候まで操らないで、ひっそりと暮らせばいい。
うーむ……。
そんな時、部屋のドアをノックされた。
「どうぞ」
「失礼しまーす!」
「遅くにごめんね、ディラ」
「大丈夫だよ。どうしたの?」
ファラとメルが部屋に入ってきた。
二人は少し真剣な顔をしていた。
そんなファラの手には何かがあった。
「ディラ、これを見て」
「…ただの石みたいだけど」
きれいな結晶みたいな石だ。
色は水色、よくこんなのを見つけたな。
「鑑定を使ってみて」
「? わかった」
鑑定は言葉通り鑑定の魔法。
分からないアイテムはこの魔法を使って調べることが多い。
調べた結果、なんとこの石は生きているとわかった。
「石が生きているだと!?」
「そうなのよ。不思議だと思わないかしら?」
「思うけど、一体これをどこで見つけたんだ?」
「あのモグラ、アイスモールにくっついていたのよ」
モグラにくっついていたってことは地面にこの石があるということか。
待てよ、確か俺たちが討伐しに来たのはアイスマウンテンロック。
そしてこの石は生きていると分かった。
「――もしかして!」
「そう、アイスマウンテンロックは地下にいるかもしれないわ」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
宣伝です。
昨日、『虚構少女シナリオコンテスト』の応募作品を公開しました。
タイトルは『なんで私が異世界に!?』ジャンルはファンタジーで異世界モノです。
よろしければ読んでみてください!
面白いと思ったらお気に入りや感想をお願いしますm(_ _)m
URL( https://www.alphapolis.co.jp/novel/117450540/644207041 )
※URLからいけない場合は、ユーザー名(銀狐)をクリックし、
『Webコンテンツ』を開くと作品があります。
「「「いただきまーす……」」」
俺たちは今、デローザの町の人達とモグラを食べようとしていた。
見た目こそは良くなったものの、モグラを見てからだとあまり食欲がわかない。
俺だけではなく、ファラとメルも同じようだ。
「いやー、やっぱり肉が一番ですな!」
「本当ですよ!いつも芋ばっかりだと肉が恋しくなりますな!」
「町長!もっとモグラを狩りましょうよ!」
「こらこら、そんなことしたらモグラがいなくなってしまうだろう」
町の人達は食べなれているようで抵抗がない。
正直いまは羨ましい。
「あれ、皆さん食べないのですか?」
「いやー、ちょっと……」
「ねぇ……」
「だよね……」
「あぁー、ご安心ください。モグラでしたけど味は美味しいので」
ええい!男は根性!
いつまでもうじうじ言ってはいけない!
俺は豪快にモグラの肉を食べた。
その瞬間、俺は震えだした。
「どうしたのディラ?」
「まさかお腹に当たったとか!?」
違う、そういう事ではない。
「…美味しい」
「「えっ?」」
「美味しいんだよ!二人も食べてみなって!」
モグラの肉はとても美味しかった。
下手したら村の時にみんなに配った、雷猪王の肉より美味しいかもしれない。
「はっはっはっ、気に入りましたか?」
「ああ!本当に美味いよ、これ!」
ついつい全部食べ切ってしまった。
そんな俺を見た二人は、ようやく口へと運んだ。
「美味しい!!」
「本当だわ……!」
二人も気に入ったみたいだ。
目のまえにあったお肉がすぐになくなった。
でもなんでこんなにも美味いんだろうか?
気候や温度のせいなのか?
でもモグラは地面の中にいるし。
「よかったら野菜もどうですか?」
「あっ、じゃあ頂こうかな」
びっくりなことに、野菜まで美味しい。
もしかしてここの土が特別なのか?
本当に面白い場所だな。
「それでアイスマウンテンロックの手がかりは見つかりましたか?」
「さっぱりだ。もしかしたら雪男みたいに幻の生物っていう可能性もあるしな」
「雪男ですか……。話は聞いたことがありますが、見たことがありませんね」
「俺たちは何回もあるけどな」
ここではないが、ゲームではよく出てきた。
何体倒したかも覚えていないほどに倒しまくった。
ポジション的には少し強いザコ敵。
「明日また調べなおしかな」
「左様ですか。でしたら泊っていかれますか?」
「いいのか?」
「ミアを助けてもらったお礼です。この町に宿はないですが、私の家は部屋が余っていますので」
こうして俺たちは今夜、町長の家に泊ることになった。
良いことをすると戻ってくるって本当みたいだな。
その日の夜、俺たちは町長の家に招かれた。
「ファラさんとメルさんには申し訳ないのですが、同じ部屋でいいでしょうか?空いている部屋が二部屋しかないので」
「「むしろみんなで一部屋でもいい」」
「いや、俺がよくないから」
美少女たちと寝るなんて相当抑えないといけないんだぞ?
ゆっくり休みたいときは別々がいい。
その後、俺は二人と別れて部屋にあるベッドに寝転がった。
一体アイスマウンテンロックはどこにいるんだか。
姿を隠すためにこんなに猛吹雪にしたのか?
それなら天候まで操らないで、ひっそりと暮らせばいい。
うーむ……。
そんな時、部屋のドアをノックされた。
「どうぞ」
「失礼しまーす!」
「遅くにごめんね、ディラ」
「大丈夫だよ。どうしたの?」
ファラとメルが部屋に入ってきた。
二人は少し真剣な顔をしていた。
そんなファラの手には何かがあった。
「ディラ、これを見て」
「…ただの石みたいだけど」
きれいな結晶みたいな石だ。
色は水色、よくこんなのを見つけたな。
「鑑定を使ってみて」
「? わかった」
鑑定は言葉通り鑑定の魔法。
分からないアイテムはこの魔法を使って調べることが多い。
調べた結果、なんとこの石は生きているとわかった。
「石が生きているだと!?」
「そうなのよ。不思議だと思わないかしら?」
「思うけど、一体これをどこで見つけたんだ?」
「あのモグラ、アイスモールにくっついていたのよ」
モグラにくっついていたってことは地面にこの石があるということか。
待てよ、確か俺たちが討伐しに来たのはアイスマウンテンロック。
そしてこの石は生きていると分かった。
「――もしかして!」
「そう、アイスマウンテンロックは地下にいるかもしれないわ」
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タイトルは『なんで私が異世界に!?』ジャンルはファンタジーで異世界モノです。
よろしければ読んでみてください!
面白いと思ったらお気に入りや感想をお願いしますm(_ _)m
URL( https://www.alphapolis.co.jp/novel/117450540/644207041 )
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