24 / 60
ガルガン王国
19
しおりを挟む
「着きました。ガルガン王国です」
ゲームにある国のような見た目だ。
だけど今はまだ門の前。
まずはここを通ってから。
「デルガンさん、お疲れ様です」
「おう、そっちこそ」
「そちらの方々は?」
「お客様だ。通してくれ」
門番の人は頭にハテナが浮かび上がりそうな顔をしていた。
そんな顔をするあたり俺たちは珍しいのかな。
「隊長に友人がいたんですね」
「バカなことを言うな!!」
「……俺でよかったら」
「しっかりいますから!!」
俺は肩に手を置いた。
友達がいないと、つらいだろ?
「それはどうでもよくて、通っていいか?」
「あ、はい。どうぞ」
敵から襲われているのに楽々入れるなあ。
さっそく心配になってきたぞ。
「では行きましょうか」
国の中はどこかで見たことあるような風景だった。
「これってメインタウンのところだよね?」
「そうみたいだわ。だけどあんな城はなかったけど」
ゲームを始めた時に飛ばされる場所にそっくりだ。
いつもいたところだけあって少し落ち着く。
歩いて5分ぐらいで中心にある城に着いた。
途中、街ではみんな元気みたいで子供の遊び声も響いていた。
城の入口には数人の門番がいて、さっきと似たような会話をしていた。
どんだけ友達いないと思われているんだよ。
「では私はこれで。これを置いてきます」
「みなさんはこちらへどうぞ」
ミラさんはイグザタートルを別のところへと持っていった。
さっそく加工でもするのかな?
ゲームでも加工は本物のようにやっていたから、こっちだとどうやるのか少し気になる。
それは置いておき、連れて行かれたの長い机がある部屋。
これよく見るけど先と先で座ったらほとんど声が聞こえないよな。
「こちらでお待ちください」
中にはメイドがいて、椅子を引いてくれた。
ちなみに先と先ではなく、真ん中らへんに椅子があった。
場所の無駄使いじゃねぇか……。
全然来ねぇ。
茶と茶菓子をくれたけどもう3杯ぐらいお替りしている。
でもうめぇ……。
そんなとき、白いひげを生やした人が入ってきた。
「待たせて申し訳ない。サン・ガルガンだ」
「よろしく、俺は――」
「話は聞いた。話が本当なら、ぜひ頼みたい」
国王は苦しい顔をしながら下を向いた。
そこまで切羽詰まっているのか。
「それならさっそく会議を始めよう。という前に」
「どうかしたのか?報酬ならそれ相応に用意するつもりだが」
「入り口にいるやつ。姿を現せ」
「!?」
隠れているつもりだろうが、俺たちには丸わかりだ。
隠れていたやつは徐々に姿を現した。
「誰だこやつは!?」
「ちっ!」
姿を完全に現すと同時に何か凶器みたいなのを投げてきた。
俺は瞬時に国王の前へ出て、手でその凶器をつかんだ。
「これは投げるのに特化したナイフか。暗殺しようとしていたようだな」
「こんなやつがいるとは聞いていない!!」
「残念だったわね。邪魔だから寝ていてちょうだい、催眠」
初期のほうに使える魔法だが、ファラが使うと効果は強い。
一瞬で寝てしまった。
「推測だが、作戦を練っても練っても敵に弱点を突かれていたんじゃないのか?」
「どうしてそれを……」
「それも大事だが、一度長い間休んだ方がいいぞ。ひどい顔をしている」
最初見た時にすぐ気づいた。
誤魔化すために何か化粧みたいなのをしているが、よく見ればすぐわかる。
「攻められたのはいつから?」
「最近からだが……」
「そういえばデルガンさんがそう言っていたな。
そうなると今まで戦力を溜めていたのか、もしくは新しい技術を手に入れたとか。それなら今後の対策として何かこっちでも用意しておかないとまた攻められる」
「一つ、聞いていいか?」
「ん?別にいいよ」
「なぜそこまでやってくれるのだ」
助けるためなら相手の国を潰せばいい。
だがそれ以上に今後のことまで考えてくれている。
そんなことでも思っているんだろう。
「ここに来る途中、街の人は自分の国が襲われているとは思えないほど明るかった。それなのに国王のあなたは弱っている。全部自分で何かやり遂げようとしている」
「……」
「だけど俺はしっかり助けようと思ったんだ」
「本当に……ありがとう。民が苦しむ姿だけは見たくないのだ」
「その気持ちはわかるけど、自分が死んだから元も子もないからな。次からは気を付けろよ」
「わかった。今後気を付けよう」
ゲームにある国のような見た目だ。
だけど今はまだ門の前。
まずはここを通ってから。
「デルガンさん、お疲れ様です」
「おう、そっちこそ」
「そちらの方々は?」
「お客様だ。通してくれ」
門番の人は頭にハテナが浮かび上がりそうな顔をしていた。
そんな顔をするあたり俺たちは珍しいのかな。
「隊長に友人がいたんですね」
「バカなことを言うな!!」
「……俺でよかったら」
「しっかりいますから!!」
俺は肩に手を置いた。
友達がいないと、つらいだろ?
「それはどうでもよくて、通っていいか?」
「あ、はい。どうぞ」
敵から襲われているのに楽々入れるなあ。
さっそく心配になってきたぞ。
「では行きましょうか」
国の中はどこかで見たことあるような風景だった。
「これってメインタウンのところだよね?」
「そうみたいだわ。だけどあんな城はなかったけど」
ゲームを始めた時に飛ばされる場所にそっくりだ。
いつもいたところだけあって少し落ち着く。
歩いて5分ぐらいで中心にある城に着いた。
途中、街ではみんな元気みたいで子供の遊び声も響いていた。
城の入口には数人の門番がいて、さっきと似たような会話をしていた。
どんだけ友達いないと思われているんだよ。
「では私はこれで。これを置いてきます」
「みなさんはこちらへどうぞ」
ミラさんはイグザタートルを別のところへと持っていった。
さっそく加工でもするのかな?
ゲームでも加工は本物のようにやっていたから、こっちだとどうやるのか少し気になる。
それは置いておき、連れて行かれたの長い机がある部屋。
これよく見るけど先と先で座ったらほとんど声が聞こえないよな。
「こちらでお待ちください」
中にはメイドがいて、椅子を引いてくれた。
ちなみに先と先ではなく、真ん中らへんに椅子があった。
場所の無駄使いじゃねぇか……。
全然来ねぇ。
茶と茶菓子をくれたけどもう3杯ぐらいお替りしている。
でもうめぇ……。
そんなとき、白いひげを生やした人が入ってきた。
「待たせて申し訳ない。サン・ガルガンだ」
「よろしく、俺は――」
「話は聞いた。話が本当なら、ぜひ頼みたい」
国王は苦しい顔をしながら下を向いた。
そこまで切羽詰まっているのか。
「それならさっそく会議を始めよう。という前に」
「どうかしたのか?報酬ならそれ相応に用意するつもりだが」
「入り口にいるやつ。姿を現せ」
「!?」
隠れているつもりだろうが、俺たちには丸わかりだ。
隠れていたやつは徐々に姿を現した。
「誰だこやつは!?」
「ちっ!」
姿を完全に現すと同時に何か凶器みたいなのを投げてきた。
俺は瞬時に国王の前へ出て、手でその凶器をつかんだ。
「これは投げるのに特化したナイフか。暗殺しようとしていたようだな」
「こんなやつがいるとは聞いていない!!」
「残念だったわね。邪魔だから寝ていてちょうだい、催眠」
初期のほうに使える魔法だが、ファラが使うと効果は強い。
一瞬で寝てしまった。
「推測だが、作戦を練っても練っても敵に弱点を突かれていたんじゃないのか?」
「どうしてそれを……」
「それも大事だが、一度長い間休んだ方がいいぞ。ひどい顔をしている」
最初見た時にすぐ気づいた。
誤魔化すために何か化粧みたいなのをしているが、よく見ればすぐわかる。
「攻められたのはいつから?」
「最近からだが……」
「そういえばデルガンさんがそう言っていたな。
そうなると今まで戦力を溜めていたのか、もしくは新しい技術を手に入れたとか。それなら今後の対策として何かこっちでも用意しておかないとまた攻められる」
「一つ、聞いていいか?」
「ん?別にいいよ」
「なぜそこまでやってくれるのだ」
助けるためなら相手の国を潰せばいい。
だがそれ以上に今後のことまで考えてくれている。
そんなことでも思っているんだろう。
「ここに来る途中、街の人は自分の国が襲われているとは思えないほど明るかった。それなのに国王のあなたは弱っている。全部自分で何かやり遂げようとしている」
「……」
「だけど俺はしっかり助けようと思ったんだ」
「本当に……ありがとう。民が苦しむ姿だけは見たくないのだ」
「その気持ちはわかるけど、自分が死んだから元も子もないからな。次からは気を付けろよ」
「わかった。今後気を付けよう」
0
お気に入りに追加
2,003
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。
水定ユウ
ファンタジー
村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。
異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。
そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。
生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!
※とりあえず、一時完結いたしました。
今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。
その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。
突然だけど、空間魔法を頼りに生き延びます
ももがぶ
ファンタジー
俺、空田広志(そらたひろし)23歳。
何故だか気が付けば、見も知らぬ世界に立っていた。
何故、そんなことが分かるかと言えば、自分の目の前には木の棒……棍棒だろうか、それを握りしめた緑色の醜悪な小人っぽい何か三体に囲まれていたからだ。
それに俺は少し前までコンビニに立ち寄っていたのだから、こんな何もない平原であるハズがない。
そして振り返ってもさっきまでいたはずのコンビニも見えないし、建物どころかアスファルトの道路も街灯も何も見えない。
見えるのは俺を取り囲む醜悪な小人三体と、遠くに森の様な木々が見えるだけだ。
「えっと、とりあえずどうにかしないと多分……死んじゃうよね。でも、どうすれば?」
にじり寄ってくる三体の何かを警戒しながら、どうにかこの場を切り抜けたいと考えるが、手元には武器になりそうな物はなく、持っているコンビニの袋の中は発泡酒三本とツナマヨと梅干しのおにぎり、後はポテサラだけだ。
「こりゃ、詰みだな」と思っていると「待てよ、ここが異世界なら……」とある期待が沸き上がる。
「何もしないよりは……」と考え「ステータス!」と呟けば、目の前に半透明のボードが現れ、そこには自分の名前と性別、年齢、HPなどが表記され、最後には『空間魔法Lv1』『次元の隙間からこぼれ落ちた者』と記載されていた。
無職だけど最強でした〜無職と馬鹿にされたが修行して覚醒したから無双してくる〜
えんじょい
ファンタジー
ある日、いつものように幼なじみと学校から帰宅している時に、交通事故に遭い幼なじみと共に死んでしまった…
気がつくとそこは異世界だった。
俺は転生してしまったらしい。
俺が転生してきた世界は、職というものがあり、その職によって人生が決まるという。
俺は職受礼の儀式という神々から職をもらう儀式で、無職という職を貰う。
どうやら無職というのは最弱の職らしい。
その職により俺は村から追放された。
それから修行を重ね数年後、初めてダンジョンをクリアした時に俺の職に変化が起きる。
俺の職がついに覚醒した。
俺は無職だけど最強になった。
無職で無双してやる!
初心者ですが、いい作品を書けるように頑張ります!
感想などコメント頂けると嬉しいです!
異世界楽々通販サバイバル
shinko
ファンタジー
最近ハマりだしたソロキャンプ。
近くの山にあるキャンプ場で泊っていたはずの伊田和司 51歳はテントから出た瞬間にとてつもない違和感を感じた。
そう、見上げた空には大きく輝く2つの月。
そして山に居たはずの自分の前に広がっているのはなぜか海。
しばらくボーゼンとしていた和司だったが、軽くストレッチした後にこうつぶやいた。
「ついに俺の番が来たか、ステータスオープン!」
キャンピングカーで往く異世界徒然紀行
タジリユウ
ファンタジー
《第4回次世代ファンタジーカップ 面白スキル賞》
【書籍化!】
コツコツとお金を貯めて念願のキャンピングカーを手に入れた主人公。
早速キャンピングカーで初めてのキャンプをしたのだが、次の日目が覚めるとそこは異世界であった。
そしていつの間にかキャンピングカーにはナビゲーション機能、自動修復機能、燃料補給機能など様々な機能を拡張できるようになっていた。
道中で出会ったもふもふの魔物やちょっと残念なエルフを仲間に加えて、キャンピングカーで異世界をのんびりと旅したいのだが…
※旧題)チートなキャンピングカーで旅する異世界徒然紀行〜もふもふと愉快な仲間を添えて〜
※カクヨム様でも投稿をしております
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
クラス転移で神様に?
空見 大
ファンタジー
集団転移に巻き込まれ、クラスごと異世界へと転移することになった主人公晴人はこれといって特徴のない平均的な学生であった。
異世界の神から能力獲得について詳しく教えられる中で、晴人は自らの能力欄獲得可能欄に他人とは違う機能があることに気が付く。
そこに隠されていた能力は龍神から始まり魔神、邪神、妖精神、鍛冶神、盗神の六つの神の称号といくつかの特殊な能力。
異世界での安泰を確かなものとして受け入れ転移を待つ晴人であったが、神の能力を手に入れたことが原因なのか転移魔法の不発によりあろうことか異世界へと転生してしまうこととなる。
龍人の母親と英雄の父、これ以上ない程に恵まれた環境で新たな生を得た晴人は新たな名前をエルピスとしてこの世界を生きていくのだった。
現在設定調整中につき最新話更新遅れます2022/09/11~2022/09/17まで予定
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる