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14.潜伏99
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「かくれんぼしよ!」
「…普通だね」
「?」
魔法を使ったり、急に森に行ったりしていたから何か違和感がある。
無理のないことだからいいと思うけど。
「かくれんぼはいいけど、隠れられる場所はこの家の中だけね」
「外はダメなの?」
「家の中でも十分広いからね。外まで入ると探しきれないよ」
「そっか、わかった!」
家の中だけでも下手したら一日中見つからない可能性だってあるんだ。
それに加えて外が入ると、スキルなしでは不可能かもしれない。
かくれんぼだけど、最初はスキルなしでいこうかな。
エイミーが魔法を使っているなら使ってもいいかもしれないけど。
使っていないのに僕だけ使っていたらズルい気がする。
「最初はエイミーが隠れる番でいいよ」
「じゃあ食堂で1分数えてて!そのうちに隠れるから!」
「わかった。いーち、にー、さーん……」
僕は数を数え始めた。
それにしても1分って長いよな。
隠れる場所が広いから長くしたのかな。
ようやく1分数え終わった。
こうして数えると1分って結構長いな。
「よし!探すか!」
まず探す場所はエイミーの部屋。
勝手に入っていいのかと思うけど、エイミーは気にしないと言っていた。
そういわれても、一応僕には抵抗はあるんだけど。
でも一番隠れていそうな場所を外すわけにはいかない。
一通りモノを動かさずに探したけどいなかった。
その時にわかったことだが、ここには隠れていなさそうだ。
隠れる場所はあるけど、動かした形跡がなかった。
埃はないものの、扉の前には大体人形やぬいぐるみが置いてある。
エイミーの部屋ではなさそうだ。
「さて次の部屋はっと」
僕の部屋だ。
もう一つ隠れそうな場所の一つ。
よく出入りしているからエイミーは中をよく知っている。
「ワンッ!」
「ん?こんなところにいたのか」
部屋の中にはドラグノールがいた。
どこにもいないなあって思ったけど、こんなところにいたのか。
まさかごはんの催促とか?
「くぅーん」
「わっ、どうしたんだよ」
急になめてきた。
もしかして遊びたいのかな?
「ドラグノール、今はエイミーとかくれんぼをしているんだ」
「ワウッ!」
「分かっているのかなあ……。じゃあ一緒に探すか?」
「ワンッ!」
ただ遊びたかったみたいだ。
一緒に探すのはズルいだろうけど、ドラグノールをほっとくのもかわいそうだ。
「じゃあ探すか」
僕の部屋はエイミーの部屋と違って人形やぬいぐるみはない。
何処かに隠れている可能性はある。
そんな時だ。
ドラグノールがクローゼットのほうへ歩き始めた。
「ワンッ!」
「ここにいるのか?」
ドラグノールの手、鼻を借りるのはズルいと思うが。
開けてほしそうにしているから開けてみた。
「ワンッ!ワンッ!」
「ボール……」
開けた瞬間、クローゼットを漁っているかと思ったらボールを加えていた。
他のことで遊ぶ気満々じゃないか。
「ドラグノール、今はだめだよ」
あ、しっぽが下がっちゃった。
本当に大きさが違ったら普通の犬だな。
さて、それはさておきかくれんぼの続きだ。
「ベッドの下とか?」
ベッドの下にはいなかった。
他のも開けたクローゼットや棚も調べたがいなかった。
どうやら僕の部屋にはいなさそうだな。
「ん?」
入口の近くの棚の上にぬいぐるみがあった。
あれ、こんなところにぬいぐるみなんて置いてあったっけ?
エイミーかお姉ちゃんでも置いたのかな。
よく出入りしているし。
別に邪魔ではないからこのまま置いておこう。
「ワンッ!」
「こらっ!これはおもちゃじゃないから」
ドラグノールはぬいぐるみを奪おうとしてきた。
噛んだら中の綿が出てきてしまいそうだ。
僕の物ならまだしも、これは二人のどっちかのだ。
壊したりしたら後で何を言われることやら。
「他の部屋探しに行こうか」
「バウッ!」
それから廊下や食堂、念のためにお父さんとお母さんの部屋まで探した。
だけど一向に見つからない。
一体どこに隠れたんだ?
そんな時、ドラグノールがぬいぐるみを乗せてやってきた。
口で咥えずに背中に乗せて。
「何しているんだ?」
ドラグノールは背中のぬいぐるみが落ちないようにずっと立っている。
…まさかだよ?
まさかこのぬいぐるみがエイミーだとか?
「バレちゃったー?」
「合ってるのかよ!」
まさかぬいぐるみに化けていたとは……。
って魔法使っているし!
それなら僕はスキルを使えばよかった。
「じゃあ次はアンディが隠れる番ね!」
攻守交代。
よし、それなら僕もスキルを使おう。
「スキルオープン」
隠れると言ったら潜伏だよね。
これを99にあげてっと。
変身なんてよさそうだな。
エイミーが使った魔法もこれかも。
「じゃあ30秒数えるから隠れてね!」
「あれ?短くなっ――」
「いーち、にー、さーん」
僕だけ時間が半分と……。
そんなことより早く隠れる場所を考えないと。
そうだ!エイミーの部屋のぬいぐるみに化けるなんてどうだろう?
さっそく移動して変身してみよう。
*
30秒数え終わったらしく、エイミーがやってきた。
最初にこの部屋を探しに来るなんてついていないな。
「アンディー、どこー?」
エイミーが部屋へと入ってきた。
これはさすがにバレないだろうな。
なにせここには物が多いからね!
「見つけた!このぬいぐるみがアンディだ!」
「えっ!?」
嘘でしょ!?
なんですぐに分かったんだ?
「どうしてわかったの?」
「持っているぬいぐるみは全部覚えているからね!」
「…すごいね」
「えへへっ」
たくさんあるのにたった1個ぬいぐるみが増えたらわかるって……。
すごすぎる。
勝敗だが、僕もエイミーを見つけたけど実際に見つけたのはドラグノールだ。
これは完敗だな。
「アンディかくれんぼ弱いねー!」
「うぬぬっ……!」
何も言い返せない。
くっそー!手に取った時分かればよかったのに!
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
宣伝です。
昨日、『虚構少女シナリオコンテスト』の応募作品を公開しました。
タイトルは『なんで私が異世界に!?』ジャンルはファンタジーで異世界モノです。
よろしければ読んでみてください!
面白いと思ったらお気に入りや感想をお願いしますm(_ _)m
URL( https://www.alphapolis.co.jp/novel/117450540/644207041 )
※URLからいけない場合は、ユーザー名(銀狐)をクリックし、
『Webコンテンツ』を開くと作品があります。
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無理のないことだからいいと思うけど。
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「外はダメなの?」
「家の中でも十分広いからね。外まで入ると探しきれないよ」
「そっか、わかった!」
家の中だけでも下手したら一日中見つからない可能性だってあるんだ。
それに加えて外が入ると、スキルなしでは不可能かもしれない。
かくれんぼだけど、最初はスキルなしでいこうかな。
エイミーが魔法を使っているなら使ってもいいかもしれないけど。
使っていないのに僕だけ使っていたらズルい気がする。
「最初はエイミーが隠れる番でいいよ」
「じゃあ食堂で1分数えてて!そのうちに隠れるから!」
「わかった。いーち、にー、さーん……」
僕は数を数え始めた。
それにしても1分って長いよな。
隠れる場所が広いから長くしたのかな。
ようやく1分数え終わった。
こうして数えると1分って結構長いな。
「よし!探すか!」
まず探す場所はエイミーの部屋。
勝手に入っていいのかと思うけど、エイミーは気にしないと言っていた。
そういわれても、一応僕には抵抗はあるんだけど。
でも一番隠れていそうな場所を外すわけにはいかない。
一通りモノを動かさずに探したけどいなかった。
その時にわかったことだが、ここには隠れていなさそうだ。
隠れる場所はあるけど、動かした形跡がなかった。
埃はないものの、扉の前には大体人形やぬいぐるみが置いてある。
エイミーの部屋ではなさそうだ。
「さて次の部屋はっと」
僕の部屋だ。
もう一つ隠れそうな場所の一つ。
よく出入りしているからエイミーは中をよく知っている。
「ワンッ!」
「ん?こんなところにいたのか」
部屋の中にはドラグノールがいた。
どこにもいないなあって思ったけど、こんなところにいたのか。
まさかごはんの催促とか?
「くぅーん」
「わっ、どうしたんだよ」
急になめてきた。
もしかして遊びたいのかな?
「ドラグノール、今はエイミーとかくれんぼをしているんだ」
「ワウッ!」
「分かっているのかなあ……。じゃあ一緒に探すか?」
「ワンッ!」
ただ遊びたかったみたいだ。
一緒に探すのはズルいだろうけど、ドラグノールをほっとくのもかわいそうだ。
「じゃあ探すか」
僕の部屋はエイミーの部屋と違って人形やぬいぐるみはない。
何処かに隠れている可能性はある。
そんな時だ。
ドラグノールがクローゼットのほうへ歩き始めた。
「ワンッ!」
「ここにいるのか?」
ドラグノールの手、鼻を借りるのはズルいと思うが。
開けてほしそうにしているから開けてみた。
「ワンッ!ワンッ!」
「ボール……」
開けた瞬間、クローゼットを漁っているかと思ったらボールを加えていた。
他のことで遊ぶ気満々じゃないか。
「ドラグノール、今はだめだよ」
あ、しっぽが下がっちゃった。
本当に大きさが違ったら普通の犬だな。
さて、それはさておきかくれんぼの続きだ。
「ベッドの下とか?」
ベッドの下にはいなかった。
他のも開けたクローゼットや棚も調べたがいなかった。
どうやら僕の部屋にはいなさそうだな。
「ん?」
入口の近くの棚の上にぬいぐるみがあった。
あれ、こんなところにぬいぐるみなんて置いてあったっけ?
エイミーかお姉ちゃんでも置いたのかな。
よく出入りしているし。
別に邪魔ではないからこのまま置いておこう。
「ワンッ!」
「こらっ!これはおもちゃじゃないから」
ドラグノールはぬいぐるみを奪おうとしてきた。
噛んだら中の綿が出てきてしまいそうだ。
僕の物ならまだしも、これは二人のどっちかのだ。
壊したりしたら後で何を言われることやら。
「他の部屋探しに行こうか」
「バウッ!」
それから廊下や食堂、念のためにお父さんとお母さんの部屋まで探した。
だけど一向に見つからない。
一体どこに隠れたんだ?
そんな時、ドラグノールがぬいぐるみを乗せてやってきた。
口で咥えずに背中に乗せて。
「何しているんだ?」
ドラグノールは背中のぬいぐるみが落ちないようにずっと立っている。
…まさかだよ?
まさかこのぬいぐるみがエイミーだとか?
「バレちゃったー?」
「合ってるのかよ!」
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それなら僕はスキルを使えばよかった。
「じゃあ次はアンディが隠れる番ね!」
攻守交代。
よし、それなら僕もスキルを使おう。
「スキルオープン」
隠れると言ったら潜伏だよね。
これを99にあげてっと。
変身なんてよさそうだな。
エイミーが使った魔法もこれかも。
「じゃあ30秒数えるから隠れてね!」
「あれ?短くなっ――」
「いーち、にー、さーん」
僕だけ時間が半分と……。
そんなことより早く隠れる場所を考えないと。
そうだ!エイミーの部屋のぬいぐるみに化けるなんてどうだろう?
さっそく移動して変身してみよう。
*
30秒数え終わったらしく、エイミーがやってきた。
最初にこの部屋を探しに来るなんてついていないな。
「アンディー、どこー?」
エイミーが部屋へと入ってきた。
これはさすがにバレないだろうな。
なにせここには物が多いからね!
「見つけた!このぬいぐるみがアンディだ!」
「えっ!?」
嘘でしょ!?
なんですぐに分かったんだ?
「どうしてわかったの?」
「持っているぬいぐるみは全部覚えているからね!」
「…すごいね」
「えへへっ」
たくさんあるのにたった1個ぬいぐるみが増えたらわかるって……。
すごすぎる。
勝敗だが、僕もエイミーを見つけたけど実際に見つけたのはドラグノールだ。
これは完敗だな。
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「うぬぬっ……!」
何も言い返せない。
くっそー!手に取った時分かればよかったのに!
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
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