上 下
93 / 99

元Sランクの俺、必要なものを知る

しおりを挟む






 キラキラと輝く星と、満月のように見える小望月が煌めく草原の真ん中で、レンは1本の聖剣を握って魔物と戦闘を繰り広げる。

 だが今回は1人ではない。
 昨日ティエリナに説教を受けたばかりなので、今回はライネリアとローザがレンの近くでその戦闘を眺めていた。

 といっても加勢するわけではなく、あくまで襲いかかってくる魔物は全てレンが相手をするという、明らかに昨日よりも激しくなっていた。

 餌が1つよりも3つあった方がもちろん魔物がやってくるわけで。ローザは自分のことを餌を見る目で見てくる魔物にイラつきながらも、手を出すことはなくレンの動きを静かに見守っていた。

『……あれからもうどれほど時間がかかっておる? 奴は化け物かなにかかの?』

『化け物は余計です。ですが、確かにここまで疲れた顔を見せないのは驚きですね。しかしそれはやる気があるということなので、いいことだと思いますよ』

『ふむ。それはそうじゃが……なぜ急にあそこまでやる気を見せたのじゃ?』

『それはですね──』

 ライネリアが前日レンとリルネスタに説明したことを再度ローザに伝えると、ローザは『なんと!』と驚きを顕にしていた。

 そしてある程度察したのかローザは腕を胸の下で組みながら納得しており、笑みを浮かべながら天に向けて手を上げ、黒炎を纏わせていた。

『ならば、妾も少しは手伝ってやろうかの』

 と言い、ローザは空に向かって黒炎を放ち、パァンと破裂させる。

 それにより熱風や音が辺り一帯に広がり、ちょうど魔物を倒し終えたレンは突然の事で肩を跳ね上がらせていた。

「……ローザ、今なにをした?」

『なぁに。お主のために魔物を呼んでのじゃよ』

「魔物を、呼ぶ?」

『うむ。どうせなら強い魔物の方が鍛錬になるじゃろ? ほれ、噂をすれば』

 ローザが顎を前に出してレンの後ろを指すと、そこには大きな砂煙が上がっており、ドドドドと激しい地鳴りが地面を伝って響いてくる。

 その正体はAランク指定されている《グラントドラゴン》であり、通称《地竜》とも呼ばれるその魔物は、四足歩行なのだが姿勢がとても低く、朝に活発的に動き回り夜には洞穴の奥底で眠るという魔物であった。

 そんなグラントドラゴンがなぜ、とレンが頭を捻るが、直ぐにローザの発言を思い出して小さくため息を吐き捨てていた。

『ほれ、頑張れ頑張れ。妾を楽しませよ』

「別にこれは見世物じゃないんだがな……まぁ、せっかくだ。やってやるよ」

 高速で接近してくるグラントドラゴンに対し、レンは空に向けて《ライト》を展開してから横に走っていく。

 するとグラントドラゴンはそんな《ライト》に反応して進行方向を変えていき、レンはとりあえずライネリアとローザの安全を確保することに成功した。

 ライネリアとローザなら別にこんなことをしなくても平気だとは思うが、あくまでこれは己を鍛えるためなので、戦闘面ではライネリアとローザの手助けは今のレンにとっては無用であった。

「思い出せ……ヤツの鱗はディオマインのように硬い。それなのに俊敏で、頭が切れる。だが、ヤツは旋回が苦手だ。なら──」

 レンは腰を低く構え、《一閃》の構えをとる。
 だがいつまで経っても《一閃》の詠唱を始めようとしない。

 そもそも《一閃》の詠唱は元々不要であったのだ。

 それなのに普段レンが詠唱を唱えるのは、魔力の暴走を抑えるための儀式のようなものであった。

 初めてレンが《一閃》が使えるようになった時、あまりの威力に武器の方が壊れてしまい、何本も武器を無駄にしてきた。

 なので詠唱を取り入れたのだが、今回はその魔力の暴走、もしくは魔力の過剰反応を利用しようとレンは企んでいた。

「まだだな」

 まだ、とは。
 1つは魔力の溜まり具合であり、レンは手のひらが熱くなっていくのを感じつつも、更に魔力を流し込んでいく。

 今握っている聖剣は《ホーリーメアキャンサー》という魔法に対する耐性が異常に高い魔物の素材を使ったので、放出する分にも優秀で、溜め込む分にも優秀であった。

 なので普段よりも2倍以上魔力を注いでいるころには、既にグラントドラゴンは顔の筋が見えるくらいの距離まで近付いていた。

 そしてもう1つのまだは、グラントドラゴンとの距離である。

 最も安全で、なおかつ強力な一撃をグラントドラゴンに叩き込むには、とある方法が定石であるとレンは学んでいた。

『ガギャァァアアァァア!!』

「──ここっ!」

 待ちに待って石礫が飛んでくる中、レンは瞬時に横に飛び、グラントドラゴンの真横に移動する。

 旋回が苦手なグラントドラゴンはそんなレンの動きに反応出来ず、そのまま通り過ぎようとする。

 だがその隙をレンは好機と捉え、着地した瞬間地を蹴り、グラントドラゴンの後ろ足辺りに移動して全力で聖剣を抜き放つ。

「一閃ッ!」

 まるでかつてスレイヴスネークに使用した《一閃・瞬光天翔斬》よりも遥かに高威力の一撃がグラントドラゴンの尻尾の付け根あたりに叩き込まれ、まず初めに地面が大きく抉れる。

 そして順を追うようにグラントドラゴンの尻尾が付け根ごと切り落とされ、下半身はあまりの熱量に肉が爛れ、骨が見え隠れする。

 そして上半身は衝撃を受け止めきれなかったのか破裂したかのように歪になっており、見るも無残な肉塊へと姿を変えたグラントドラゴンを前にレンは一息つきながら自分の力に若干引き気味になっていた。

「勇者の恩恵か、魔力に関してはまだまだ余裕がある。それに聖剣も至って普通。ということはこの倍以上の威力出せそうだな。だが……」

 問題点を上げるとすると、それは反動の大きさであった。

 衝撃が大きい分、もちろんレンに伝わる反動も大きいわけで、レンの右手はプルプルと震えていた。

 幸いにも腕が痛いだとか、骨が折れただとかいう一大事にはなっていないものの、これ以上威力を上げると最悪の場合腕が折れてしまうかもしれない。

 そうなれば戦闘の続行は不可能になる。
 治癒能力の高いライネリアなら治してもらえると思うが、頼りきりになるのは申し訳なく、そもそも治してもらうにしても何度も腕が折れる痛みを味わうのは肉体的にも精神的にも辛いわけで。

 なので今はがむしゃらに魔物を倒すよりも、基本中の基本である体作りを徹底した方がいいかもしれないと、レンの中で結論が導き出されていた。

『ふむ、さすがの威力じゃのぉ……む? どうしたのじゃ?』

「いや、きっと勇者の力を引き出すには体作りが必要だと思ったんだ。今の一撃で分かった。俺に必要なのは勇者の力を引き出すための体ではなく、勇者の力にも耐えることができる体だってな」

 もしこのまま魔物を倒し続け、勇者の力を引き出せたとしよう。

 それはそれで勇者の力に認められたということになるのだが、その力の負荷に体が耐えることが出来なければ、本末転倒である。

 なのでまずは勇者の力を引き出すことではなく、勇者の力を引き出してもその力に振り回されないような強靭な肉体が必要なのだ。

『ならば、妾は良い方法を知っておるぞ』

「良い方法?」

『うむ。まず初めに、体が壊れるまで筋肉を酷使するのじゃ。その名の通り、歩くことすら許されぬくらいにな。そして次にそこの猫に体を癒してもらい、また体が壊れるまで筋肉を酷使する。これを繰り返せばいつの間にか肉体だって強靭になってるはずじゃ』

「…………それは最終手段だな。いい案とは言えないが、否定もできない」

『……もしレン様がどうしてもというのなら私は協力しますが、私はそんな鍛錬は反対です。そもそもそれは鍛錬というより一種の拷問ですよ』

 あまりにもスパルタ過ぎる方法にライネリアは割と真剣に拒んでおり、レンも苦笑いを浮かべながらローザの案を濁していた。

 一方のローザは自分の中では最善の方法だと思っているらしく、認められないのが不思議で仕方がないのか『悪くないと思うがのぉ……』と呟きながらグラントドラゴンの亡骸を見下ろしていた。

『のぉ、先程から気になるのじゃが……』

「……? なにがだ?」

『いや、気の所為かも知れぬが……今宵の月はなにやら不気味なのじゃよ。嫌な予感と言えばいいのかの。なにやらゾワゾワとして仕方がないのじゃよ』

『……実は私も同じことを思っていました。嫌な予感……主に北の方面から感じるんです。理由は不明ですが、酷く気味の悪いなにかがこちらを見つめているかのように……』

 そう言われてレンが北の方角を見つめるが、見えるのは竜の山や竜刻の祠のある山など、山ばかり。

 むしろそんな山々と満点の夜空が相まって、程よい月明かりのおかげで幻想的な風景が広がっていた。

 そんな事を感じるということは嫌な予感などは伝わってこないというわけで、レンは『どこかから魔物に見られてるんだろ』と2人に告げると、納得しない様子ではあったが疑っても仕方が無いと判断したのかレンの言葉にライネリアは頷き、ローザは相槌を打っていた。

「さて、じゃあ今日はもう切り上げるか。ライネリア、今日の夜、少しお願いしてもいいか?」

『はい。検査ですね、お任せ下さい』

『律儀じゃのぉ。ならば妾は少し空を舞ってから戻る。人化魔法の魔力消費は少ないといっても何日も継続だと不安になるからの』

「そうか。なら行こうか、ライネリア」

『そうですね。もし魔物が襲ってきたとしても私がお守りいたします』

 そんな心強いことを言ってくれるライネリアと共に、レンはローザを置いてグランニールへと向かう。

 すると後ろから眩い光が周囲を照らしたので、レンが後ろを振り向くとローザが黒竜の姿へと姿を変えており、大きな両翼を羽ばたかせて空を舞い、見る見るうちに姿が見えなくなってしまった。

「ライネリアもたまには羽を伸ばさなくていいのか?」

『……そうですね。私は昔から人化魔法を使っていたので大丈夫です。それに、私はレン様の傍にいられる方が羽を伸ばすことよりもよっぽど重要ですから』

 そんな小恥ずかしいことを言いながら肩を寄せてくるライネリアにレンは妙な胸騒ぎを抱きつつも、後方から魔物の遠吠えが聞こえてくるので和やかな雰囲気が殺伐としたものになる。

 レンが気付く頃にはその魔物は遠くで黒焦げになっており、隣から舌打ちが聞こえてくるが、レンは気のせいだと信じて足を再び動かす。

 その後、ライネリアがレンに身を寄せようとする度に魔物が襲ってくるので、レンの髪の毛が若干逆立つほど空気がピリピリとしており、ライネリアは笑顔であったがいつしかのティエリナのようにその笑顔の裏には想像出来ない位の怒りが募っていた。

 なのでレンが気を使ってライネリアに感謝の言葉を告げると、ピリピリとしていた空気は少しだけ和らぎ、ライネリアの雰囲気も元に戻っていた。

 結局、その後グランニールに到着するまでに3回ほど魔物の襲撃があり、ライネリアの怒りが爆発しそうになったのは言うまでもないだろう。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

「おっさんはいらない」とパーティーを追放された魔導師は若返り、最強の大賢者となる~今更戻ってこいと言われてももう遅い~

平山和人
ファンタジー
かつては伝説の魔法使いと謳われたアークは中年となり、衰えた存在になった。 ある日、所属していたパーティーのリーダーから「老いさらばえたおっさんは必要ない」とパーティーを追い出される。 身も心も疲弊したアークは、辺境の地と拠点を移し、自給自足のスローライフを送っていた。 そんなある日、森の中で呪いをかけられた瀕死のフェニックスを発見し、これを助ける。 フェニックスはお礼に、アークを若返らせてくれるのだった。若返ったおかげで、全盛期以上の力を手に入れたアークは、史上最強の大賢者となる。 一方アークを追放したパーティーはアークを失ったことで、没落の道を辿ることになる。

さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。

ヒツキノドカ
ファンタジー
 誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。  そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。  しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。  身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。  そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。  姿は美しい白髪の少女に。  伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。  最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。 ーーーーーー ーーー 閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります! ※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!

えっ、能力なしでパーティ追放された俺が全属性魔法使い!? ~最強のオールラウンダー目指して謙虚に頑張ります~

たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
コミカライズ10/19(水)開始! 2024/2/21小説本編完結! 旧題:えっ能力なしでパーティー追放された俺が全属性能力者!? 最強のオールラウンダーに成り上がりますが、本人は至って謙虚です ※ 書籍化に伴い、一部範囲のみの公開に切り替えられています。 ※ 書籍化に伴う変更点については、近況ボードを確認ください。 生まれつき、一人一人に魔法属性が付与され、一定の年齢になると使うことができるようになる世界。  伝説の冒険者の息子、タイラー・ソリス(17歳)は、なぜか無属性。 勤勉で真面目な彼はなぜか報われておらず、魔法を使用することができなかった。  代わりに、父親から教わった戦術や、体術を駆使して、パーティーの中でも重要な役割を担っていたが…………。 リーダーからは無能だと疎まれ、パーティーを追放されてしまう。  ダンジョンの中、モンスターを前にして見捨てられたタイラー。ピンチに陥る中で、その血に流れる伝説の冒険者の能力がついに覚醒する。  タイラーは、全属性の魔法をつかいこなせる最強のオールラウンダーだったのだ! その能力のあまりの高さから、あらわれるのが、人より少し遅いだけだった。  タイラーは、その圧倒的な力で、危機を回避。  そこから敵を次々になぎ倒し、最強の冒険者への道を、駆け足で登り出す。  なにせ、初の強モンスターを倒した時点では、まだレベル1だったのだ。 レベルが上がれば最強無双することは約束されていた。 いつか彼は血をも超えていくーー。  さらには、天下一の美女たちに、これでもかと愛されまくることになり、モフモフにゃんにゃんの桃色デイズ。  一方、タイラーを追放したパーティーメンバーはというと。 彼を失ったことにより、チームは瓦解。元々大した力もないのに、タイラーのおかげで過大評価されていたパーティーリーダーは、どんどんと落ちぶれていく。 コメントやお気に入りなど、大変励みになっています。お気軽にお寄せくださいませ! ・12/27〜29 HOTランキング 2位 記録、維持 ・12/28 ハイファンランキング 3位

大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います

騙道みりあ
ファンタジー
 魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。  その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。  仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。  なので、全員殺すことにした。  1話完結ですが、続編も考えています。

スキルが全ての世界で無能力者と蔑まれた俺が、《殺奪》のスキルを駆使して世界最強になるまで 〜堕天使の美少女と共に十の塔を巡る冒険譚〜

石八
ファンタジー
スキルが全ての世界で、主人公──レイは、スキルを持たない無能力者であった。 そのせいでレイは周りから蔑まされ、挙句の果てにはパーティーメンバーに見限られ、パーティーを追放させられる。 そんなレイの元にある依頼が届き、その依頼を達成するべくレイは世界に十本ある塔の一本である始まりの塔に挑む。 そこで待っていた魔物に危うく殺されかけるレイだが、なんとかその魔物の討伐に成功する。 そして、そこでレイの中に眠っていた《殺奪》という『スキルを持つ者を殺すとそのスキルを自分のものにできる』という最強のスキルが開花し、レイは始まりの塔で数多のスキルを手にしていく。 この物語は、そんな《殺奪》のスキルによって最強へと駆け上がるレイと、始まりの塔の最上階で出会った謎の堕天使の美少女が力を合わせて十本の塔を巡る冒険譚である。

スキルスティール〜悪い奴から根こそぎ奪って何が悪い!能無しと追放されるも実はチート持ちだった!

KeyBow
ファンタジー
 日常のありふれた生活が一変!古本屋で何気に手に取り開けた本のタイトルは【猿でも分かるスキルスティール取得法】  変な本だと感じつい見てしまう。そこにはこう有った。  【アホが見ーる馬のけーつ♪  スキルスティールをやるから魔王を倒してこい!まお頑張れや 】  はっ!?と思うとお城の中に。城の誰かに召喚されたが、無能者として暗殺者をけしかけられたりする。  出会った猫耳ツインズがぺったんこだけど可愛すぎるんですが!エルフの美女が恋人に?何故かヒューマンの恋人ができません!  行き当たりばったりで異世界ライフを満喫していく。自重って何?という物語。  悪人からは遠慮なくスキルをいただきまーーーす!ざまぁっす!  一癖も二癖もある仲間と歩む珍道中!

俺だけレベルアップできる件~ゴミスキル【上昇】のせいで実家を追放されたが、レベルアップできる俺は世界最強に。今更土下座したところでもう遅い〜

平山和人
ファンタジー
賢者の一族に産まれたカイトは幼いころから神童と呼ばれ、周囲の期待を一心に集めていたが、15歳の成人の儀で【上昇】というスキルを授けられた。 『物質を少しだけ浮かせる』だけのゴミスキルだと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 途方にくれるカイトは偶然、【上昇】の真の力に気づく。それは産まれた時から決まり、不変であるレベルを上げることができるスキルであったのだ。 この世界で唯一、レベルアップできるようになったカイトは、モンスターを倒し、ステータスを上げていく。 その結果、カイトは世界中に名を轟かす世界最強の冒険者となった。 一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトを追放したことを後悔するのであった。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

処理中です...