上 下
36 / 99

元Sランクの俺、指名依頼が届く

しおりを挟む




 静かになった決闘場の扉を引いて開き、カウンターで談笑していたリルネスタとティエリナに再会したレンはカウンターテーブルにある椅子に座る。

 その隣にリルネスタが座り、正面にはティエリナがいるという丁度いい距離感が好きなのか、レンは気分よくしていた。

「お疲れ様です、レンさん。少し前まで心配していたのがバカみたいに思えるほどの圧勝でしたね」

「そうだねっ! ユークさんがなんかすごい剣技? を使うと分かったときはヒヤヒヤしたけど、やっぱりレンはすごいんだね!」

「まぁ、あれくらい普通だ。まず剣技をするなら下手に構えず、バレずに接近してする必要がある。それに──いや、なんでもない。ありがとうな、二人共」

 剣技や戦法について熱く語ろうとするレンであったが、それは今話すべきことではないと知り、話を切り上げる。

 きっとリルネスタとティエリナならレンの話を1から10まで聞き逃すことなく聞きそうだが、それでもレンは褒められたことに対し素直に感謝の気持ちを伝えていた。

「それにしても、レンさんって本当に強いんですね。EランクなのにBランクを倒すなんて、これはもう才能とかいう問題ではありませんね」

「うんっ、きっとレンは剣の天才なんだよ!」

 純粋な気持ちで会話する二人を見て、レンはどこかいたたまれなくなる。

 ここまで強くなったのも、努力が全てという訳ではない。少なからず才能もあるとは思うのだが、努力をしなかったらこのレベルには到達することはなかっただろう。

 だからこそ、本当はSランク並の実力なのにEランクとして話されて褒められると、むず痒くてむず痒くて仕方がないのだ。

「ま、まぁ。もう過ぎたことはいいじゃないか。さっさと忘れようぜ」

「いえいえ、これは偉業ですよ、偉業! むしろ勝利したのにそこまでサッパリしてる方が不思議ですよ」

「そうだよ! レンは素直に勝ったことを喜ばなきゃ!」

「あー……そういうものなのか?」

 一度視線を外し、レンが申し訳程度に視線を戻すと二人は動きを揃えて首を縦に振る。

 別に勝利して嬉しくないわけではないのだが、今後の展開を考えるとどうも呑気に喜んでいるわけにはいられないのである。

「これから大変ですね。きっと決闘に申し込まれたり、厄介事に巻き込まれたりしますよ」

「……はぁ、やっぱりそうだよなぁ」

「大丈夫だよ。レンがもし厄介事に巻き込まれても、私が助けてあげるから!」

「そうか? なら心強いな。ありがとう」

 何気ない発言だが、レンにとっては本当に嬉しいことであった。

 なので素直にお礼を言うと、リルネスタはどこか恥ずかしそうに笑いながら自分の頭を撫でていた。

 そんな和やかな会話を交わしていると、なにかを思い出したかのようにティエリナが手のひらに手をポンと置き、カウンターの下からなにかを探し出す。

 そして取り出したのは一枚のクエスト用紙であった。

「唐突ですが、なんとレンさんに指名依頼です」

「指名依頼?」

「ん? あれ、リルネスタは指名依頼を知らないのか?」

 レンがそう聞くと、リルネスタは無言で頷く。

「指名依頼ってのはな、簡単に言えば『この人に依頼したい』っていう人がギルドに直接やって来て、受付カウンターで名前を指名して依頼することだな」

「へぇ~、それはすごいの?」

「まぁ、滅多にないくらい珍しくて、すごいことだな。でも指名されたのはいいとして、一体誰からなんだ?」

「ふっふっふ、その言葉を待ってたんだよねぇ」

 突然後方から声が聞こえたので、レンとリルネスタは同時に後ろを振り向く。

 するとそこには気さくに笑いながら小さく手を振るカラリアの姿があった。

「やっほ~、ティエリナにレンさん。そして……えーと、リルネスタちゃんって言うんだっけ?」

「あ、はい。リルネスタっていいます」

「良かった良かった。いや~、ティエリナに聞いてたとおり可愛い子だね~。よろしく~」

「ひゃっ! よ、よろしくお願いします……」

 初対面のカラリアとどう接すればいいのか分からず、もじもじとするリルネスタであったが、その特に意味の無い行動がカラリアの心を射抜いたのか、我慢出来ないといった様子でリルネスタに飛びついていく。

 きっとカラリアにはリルネスタが小動物のように見えたのだろう。突然抱きついたと思えば、髪の毛を撫でたりして満足気な表情を浮かべていた。

「こらっ! まったく、いきなりそんなことしたらリルネスタさんがビックリするでしょ?」

「え? あ、ごめーん! ボク、可愛いものを見ると無性に撫でたくなっちゃうんだ。あ、レンさんも撫でてあげようか?」

「絶対にやめろよ」

 そう強めに言うレンであったが、それが冗談だと分かっていたのでほんの少しだけ笑顔であった。

 そんなレンの雰囲気からカラリアは安全だと汲み取ったのか、リルネスタも笑顔になってカラリアに挨拶をする。

 どんな人でも積極的に接することができる。これがリルネスタの良いところであろう。

「おい、大丈夫だと思うがリルネスタの力とか覗いてないだろうな?」

「うん、それは安心してよ。前やってしまったことは本当に反省してるんだ。だからリルネスタちゃんの力は覗いてない。神に誓ってね」

「ならいいんだがな」

 釘を刺すようにレンが疑問を投げかけると、カラリアはそれに対し大丈夫だと答える。

 なのでレンは変に疑うことなく素直に頷くと、リルネスタはなにを話してるのか分からない様子で頭の上にクエスチョンマークを浮かべていた。

「リルネスタちゃん、私は魔眼系のスキルを持っているんだよ。あんまり大きい声では言えないけど、相手の力が見える能力だね」

「あぁ、なるほど。鑑識眼ですね」

「おっ、まさか一発で当てるとは。意外に詳しいんだな」

「意外!? ねぇ、意外ってなに? 意外ってなーにー!」

 頬を膨らませ、不満げに怒るリルネスタをレンが宥めていると、話が進まないと判断したのかティエリナが二回ほど咳き込みをして場を静める。

 それにすぐ気付き、レンとリルネスタは同じタイミングでティエリナの方を向くが、呑気なカラリアは特に気にする様子もなくカウンターに肘をついて中腰体勢になっていた。

「まぁ、話を戻すとね。レンさんとリルネスタちゃんに依頼があるんだよ」

「それは俺たちじゃないといけない依頼なのか?」

「いや? 別にそんなことはないよ? でも、ボクは信用できる人の仕事しか受けないし、頼まない主義なんだよねぇ。まぁ、詳しくはクエスト用紙を見てほしいな」

「変なプライドだな。まぁ……せっかくの指名依頼だし。ティエリナ、見てもいいか?」

「はい、いいですよ」

 差し出されたクエスト用紙を受け取ると、そこにはビッシリと文字が書かれていた。

 依頼内容はここから南にある《ガロド大鉱山》から《ヴァーナライト鉱石》という名の鉱石を大量に回収し、カラリア本人に届けるものであった。

 肝心の報酬はなんと金貨5枚ととんでもない額なのだが、その分このクエストがどれだけ大変なものかレンは知っていた。

「ヴァーナライト鉱石って、ガロド大鉱山に眠るオールイーターの背中に生成される鉱石じゃねぇか」

「オ、オールイーター……?」

「あぁ、ドラゴン──というより、トカゲに近い容姿だな。ヤツは大きな口でなんでもかんでも丸呑みすることからオールイーターっていう名前が付けられたんだ。とんでもない悪食なモンスターで有名だぞ」

「へぇ、知ってるんだ。さすがレンさんだね」

「そんなことはいいんだ。問題はここじゃない」

 レンは一度クエスト用紙を畳み、隣で見たそうにしていたリルネスタに渡すと、ティエリナとカラリアに目配せする。

 その目配せの意味を理解しているのか、ティエリナとカラリアは無言で小さく頷いていた。

「うん、レンさんの思ってるとおり。オールイーターはレンさんたちEランクが相手するモンスターではない」

「確か、オールイーターはCランクでしたっけ?」

「正確にはね。でも、ボクが欲しているヴァーナライト鉱石を生成するオールイーターは、通常のオールイーターより大きな個体なんだ。ちなみに、そのオールイーターはAに近いBランク指定だね」

 それを聞き、リルネスタの体がピクッと跳ねる。
 きっと自分たちにそんな強敵を倒す依頼が来るとは思いもしなかったのだろう。

 その証拠に、オールイーターがC~Bと聞いてからリルネスタの表情が強ばっていた。まるで未知の存在に恐怖しているような、そんな感情を顕にしていた。

「ティエリナ、一応聞くが……普通ならこのクエストを受けることはできないよな?」

「はい、なら──ですね」

 そんな意味深な二人のやり取りを聞き、リルネスタは困り果てていた。

 この中で一番ギルドやクエストについて知らないのはリルネスタだ。なのでこうなってしまうのも仕方がないことだ。

 通常、クエストというものはギルドランクに応じて受けれるものや受けれないものが異なる。

 例えばCランクの冒険者にAランクモンスターを倒せるはずがないので、なにをどう足掻いてもそのクエストを受けることは出来ない。

 だが、ギルドのクエスト依頼にはほんの僅かながあるのだ。

「これはあくまで指名依頼。通常のクエストはギルドが判断して、ランクを分ける。だがこれは指名だからギルドがクエストを扱うのは御法度というわけだ」

「ですが、一応達成によるクエストランクの変動はあります。なので指名依頼というのは裏工作がある可能性があり、厳重に調べる必要があるのですが……ここは私の判断で裏工作は無いと判断します」

 裏工作というのは、簡単に言えばギルドランクを苦労せず上げることである。

 指名依頼はギルドがランク分けすることができないので、指名されればFランクなのにAランクのクエストを受けることができることが可能なのだ。

 そして、そのクエストの内容にあるモンスターは既に雇っておいた別の冒険者が討伐しており、それを依頼された側が依頼主に報告し、サインを受け取ってからギルドに提出することで一瞬でギルドランクを上げるというものだ。

 過去にそれによる不正なギルドランク上げが発覚し、大勢の冒険者を失ったという大惨事が起きたことから、全てのギルドで指名依頼が届いたら裏を調査するように指示されているのである。

 だが今回はティエリナの判断──これはあまりよろしくないことなのだが、昔からの友人として裏工作はないと判断したティエリナは、クエストをレンに提示したのだ。

「一つ、質問いいか?」

「ん? どうしたの?」

「なんでこれをわざわざ俺に指名した? 今はプライドとかはどうでもいい。ヴァーナライト鉱石が欲しいということは、推測だが鍛冶に使う道具に施すんだろ? 鍛冶師にとって、鍛治道具は命だ。それなのにEランクの俺に依頼するのは些か疑問なのだが」

 もしこのクエストをギルドに依頼した場合、きっと指定ランクはBもしくはAに指定されていただろう。

 それはこのクエストがいかに難しいかを示すものであり、それと同時にいかに危険であるかを示すものであった。

「指名してくれるのは嬉しいが、なぜEランクの俺なんだ? 信用して依頼してくれるのは分かる。だがこのレベルのクエストをレベル不相応の俺に依頼するのはどうなんだ?」

「うん、最初は渋々ギルドに依頼しようとしたよ? でも丁度レンさんが決闘をしてて気になって見て、判断したんだ。キミに指名依頼しようって」

「その根拠はなんだ? 前勝手に覗いた俺の力での判断か?」

「それはないと言えば嘘になる。でも決闘を見て決心したのは本当さ。もしレンさんがこのクエストを受けないのなら、ボクの目は価値にならないモノになるね」

 静寂が訪れ、ピリピリとした風が吹く。

 レンはカラリアを睨みつけるかのように無言で見つめ、一方のカラリアは余裕そうな表情で若干笑みを浮かべながら静かにレンの目線に応えていた。

「はぁ、分かったよ。受ける、受けてやるよ」

「っ! レ、レンさん!? 本気ですか!?」

「あぁ、男に二言はない。それにこのクエストをよく見てくれ」

 リルネスタの手から零れ落ちていたクエスト用紙を拾い上げ、ティエリナにクエスト用紙の一部分を強調させるように見せつける。

 そこには『必ず四人で向かうように。期間はいつでもいいが、延ばしすぎないように』と書かれていた。

「つまり、このクエストは俺とリルネスタだけじゃ向かえないってことだ。向かうにはあと二人は必要……そうだよな?」

「ご明察、その通りだよ。でもあと二人はもう決まってるようなものでしょ?」

「……なんか手のひらの上で転がされてるような気もするが、いいだろう。今回のクエストは受ける。ティエリナもいいだろ?」

「……そ、そうですね、ユークさんとシスティさんが同行してくれるなら安心ですしね」

 とのことで、ティエリナから許可を貰ったレンはペンを掴み、クエスト用紙にサインを書いてリルネスタに渡す。

 そしてリルネスタもレンと同じようにサインを書き、依頼は受注されたことになった。

 終始『え、みんななに話してるの……?』と言いたげな顔をしていたリルネスタだが、とりあえずレンが話を進めてくれたので『まぁ、いっか』とポジティブになっていた。

 そして早速レンはリルネスタと共にその場を後にし、ユークとシスティを探すためギルドの中を隈無く散策するのであった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

恋人を寝取られ死刑を言い渡された騎士、魔女の温情により命を救われ復讐よりも成り上がって見返してやろう

灰色の鼠
ファンタジー
騎士として清くあろうとし国民の安寧を守り続けようとした主人公カリヤは、王都に侵入した魔獣に襲われそうになった少女を救うべく単独で撃破する。 あれ以来、少女エドナとは恋仲となるのだが「聖騎士」の称号を得るための試験を間近にカリヤの所属する騎士団内で潰し合いが発生。 カリヤは同期である上流貴族の子息アベルから平民出身だという理由で様々な嫌がらせを受けていたが、自身も聖騎士になるべく日々の努力を怠らないようにしていた。 そんなある日、アベルに呼び出された先でカリヤは絶望する。 恋人であるエドナがアベルに寝取られており、エドナが公爵家令嬢であることも明かされる。 それだけに留まらずカリヤは令嬢エドナに強姦をしたという濡れ衣を着せられ国王から処刑を言い渡されてしまう———

外れスキル「ハキ」が覚醒したら世界最強になった件 ~パーティを追放されたけど今は楽しくやってます~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
ファンタジー
「カイル、無能のお前を追放する!」 「なっ! ギゼル、考え直してくれ! リリサからも何か言ってくれ! 俺とお前は、同じ村で生まれ育って……。5歳の頃には結婚の約束だって……」 「……気持ち悪い男ね。いつまで昔のことを引きずっているつもりかしら? 『ハキ』スキルなんて、訳の分からない外れスキルを貰ってしまったあなたが悪いんじゃない」  カイルのスキルが覚醒するのは、これから少し後のことである。

家族に無能と追放された冒険者、実は街に出たら【万能チート】すぎた、理由は家族がチート集団だったから

ハーーナ殿下
ファンタジー
 冒険者を夢見る少年ハリトは、幼い時から『無能』と言われながら厳しい家族に鍛えられてきた。無能な自分は、このままではダメになってしまう。一人前の冒険者なるために、思い切って家出。辺境の都市国家に向かう。  だが少年は自覚していなかった。家族は【天才魔道具士】の父、【聖女】の母、【剣聖】の姉、【大魔導士】の兄、【元勇者】の祖父、【元魔王】の祖母で、自分が彼らの万能の才能を受け継いでいたことを。  これは自分が無能だと勘違いしていた少年が、滅亡寸前の小国を冒険者として助け、今までの努力が実り、市民や冒険者仲間、騎士、大商人や貴族、王女たちに認められ、大活躍していく逆転劇である。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

スキルが全ての世界で無能力者と蔑まれた俺が、《殺奪》のスキルを駆使して世界最強になるまで 〜堕天使の美少女と共に十の塔を巡る冒険譚〜

石八
ファンタジー
スキルが全ての世界で、主人公──レイは、スキルを持たない無能力者であった。 そのせいでレイは周りから蔑まされ、挙句の果てにはパーティーメンバーに見限られ、パーティーを追放させられる。 そんなレイの元にある依頼が届き、その依頼を達成するべくレイは世界に十本ある塔の一本である始まりの塔に挑む。 そこで待っていた魔物に危うく殺されかけるレイだが、なんとかその魔物の討伐に成功する。 そして、そこでレイの中に眠っていた《殺奪》という『スキルを持つ者を殺すとそのスキルを自分のものにできる』という最強のスキルが開花し、レイは始まりの塔で数多のスキルを手にしていく。 この物語は、そんな《殺奪》のスキルによって最強へと駆け上がるレイと、始まりの塔の最上階で出会った謎の堕天使の美少女が力を合わせて十本の塔を巡る冒険譚である。

創造眼〜異世界転移で神の目を授かり無双する。勇者は神眼、魔王は魔眼だと?強くなる為に努力は必須のようだ〜

ファンタジー
【HOTランキング入り!】【ファンタジーランキング入り!】 【次世代ファンタジーカップ参加】応援よろしくお願いします。 異世界転移し創造神様から【創造眼】の力を授かる主人公あさひ! そして、あさひの精神世界には女神のような謎の美女ユヅキが現れる! 転移した先には絶世の美女ステラ! ステラとの共同生活が始まり、ステラに惹かれながらも、強くなる為に努力するあさひ! 勇者は神眼、魔王は魔眼を持っているだと? いずれあさひが無双するお話です。 二章後半からちょっとエッチな展開が増えます。 あさひはこれから少しずつ強くなっていきます!お楽しみください。 ざまぁはかなり後半になります。 小説家になろう様、カクヨム様にも投稿しています。

大切”だった”仲間に裏切られたので、皆殺しにしようと思います

騙道みりあ
ファンタジー
 魔王を討伐し、世界に平和をもたらした”勇者パーティー”。  その一員であり、”人類最強”と呼ばれる少年ユウキは、何故か仲間たちに裏切られてしまう。  仲間への信頼、恋人への愛。それら全てが作られたものだと知り、ユウキは怒りを覚えた。  なので、全員殺すことにした。  1話完結ですが、続編も考えています。

追放?俺にとっては解放だ!~自惚れ勇者パーティに付き合いきれなくなった俺、捨てられた女神を助けてジョブ【楽園創造者】を授かり人生を謳歌する~

和成ソウイチ
ファンタジー
(全77話完結)【あなたの楽園、タダで創ります! 追放先はこちらへ】 「スカウトはダサい。男はつまらん。つーことでラクター、お前はクビな」 ――その言葉を待ってたよ勇者スカル。じゃあな。 勇者のパワハラに愛想を尽かしていたスカウトのラクターは、クビ宣告を幸いに勇者パーティを出て行く。 かつては憧れていた勇者。だからこそここまで我慢してきたが、今はむしろ、追放されて心が晴れやかだった。 彼はスカルに仕える前から――いや、生まれた瞬間から決めていたことがあった。 一生懸命に生きる奴をリスペクトしよう。 実はラクターは転生者だった。生前、同じようにボロ布のようにこき使われていた幼馴染の同僚を失って以来、一生懸命に生きていても報われない奴の力になりたいと考え続けていた彼。だが、転生者であるにも関わらずラクターにはまだ、特別な力はなかった。 ところが、追放された直後にとある女神を救ったことでラクターの人生は一変する。 どうやら勇者パーティのせいで女神でありながら奴隷として売り飛ばされたらしい。 解放した女神が憑依したことにより、ラクターはジョブ【楽園創造者】に目覚める。 その能力は、文字通り理想とする空間を自由に創造できるチートなものだった。 しばらくひとりで暮らしたかったラクターは、ふと気付く。 ――一生懸命生きてるのは、何も人間だけじゃないよな? こうして人里離れた森の中で動植物たちのために【楽園創造者】の力を使い、彼らと共存生活を始めたラクター。 そこで彼は、神獣の忘れ形見の人狼少女や御神木の大精霊たちと出逢い、楽園を大きくしていく。 さらには、とある事件をきっかけに理不尽に追放された人々のために無料で楽園を創る活動を開始する。 やがてラクターは彼を慕う大勢の仲間たちとともに、自分たちだけの楽園で人生を謳歌するのだった。 一方、ラクターを追放し、さらには彼と敵対したことをきっかけに、スカルを始めとした勇者パーティは急速に衰退していく。 (他サイトでも投稿中)

処理中です...