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第三章 少女期 女神編
第三百九十一話 外の異変
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「ひっ!」
「あら? どうされましたか? リリアナ様?」
笑顔で出迎えて差し上げれば、リリアナ様は引きつったような悲鳴をあげる。それでもって、その顔色も青白い。
「あぁ、まだ怪我が治っていませんか? それなら、ちょうど良い薬が「治ってるっ! 治ってるからっ!!」……そうですか」
せっかく、かなーり染みて、三日三晩は眠れなくなる代わりに痕すら残らなくなる傷薬を出そうと思ったのに、その前に止められてしまった。
「そ、そちらに居られるのは、イリアス、か?」
「はい、そうです」
「ぶ、無事、なのだろうな?」
「……もし無事じゃなければ、私、何をするか分かりませんよ?」
創世神様からのお墨付きでイルト様の無事は確定しているものの、もし、イルト様に何かあったらと考えれば……軽く、千や二千の世界の破壊くらいはしてしまうかもしれない。
「ま、巻き込んですまなかった!」
「良いんですよ、それは。リリアナ様も本意ではなかったのでしょうしね? それよりも……私達が死んだ後の話を聞かせてもらえますか? それと、あの邪神について、分かってることを全て、ね?」
「うむうむ、ユレイラ達が死んだ後の話であれば、ワシも聞いておきたいのぉ」
「創世神様まで!? と、いうか、ご存知なんじゃ……」
「無論、知らないわけではない。じゃが、別の神の口から告げられる話も聞きたいではないか」
なぜか、私の隣に座り込んで、ワクワクとリリアナ様を見つめる創世神様。
(……まっ、いっか!)
創世神様の意図なんて分からないし、リリアナ様を助けるつもりもない。
膝に感じるイルト様の頭を優しく撫でながら、完全に固まるリリアナ様へ視線を送る。
「っ、わ、分かりました。では、ユレイラ達の死後、ユレイラ達の周りに居た神達の動向、及び、異変や事件を述べさせていただきます」
実直な性格のリリアナ様であれば、私達の要望を断ったりはしない。
リリアナ様が話す内容は、どれもこれも、興味深いものだった。
私達の死を悲しむ神に、喜ぶ神、怯える神達の姿と、邪神勢力の急激な増強。亡者の管理が行き届かなくなるという大事件が発生し、調査の結果、断罪の神と審判の神が姿を消していることを確認。二柱の神の失踪が大体的に公表され、審判の神は……先程、邪神として現れた彼女は、この神界の侵略を開始した、とのことだった。
「恐らくは、まだ外では戦いが続いていることでしょう。私も、早く戦場へ戻らなければ」
一通りの話を終えて、神鏡邸の外に意識を移すリリアナ様。しかし……。
「……私達は、ここに来るまでに、邪神以外の神を見ていません」
「えっ……?」
私の言葉で、リリアナ様は、再び青ざめた。しかし、事実は事実。門番も、それ以外の神も存在しなかった神界。戦闘音らしき音は聞こえていても、彼らの存在を認識できないのは、きっと異常事態だ。
「ここから出て行動するなら、慎重にいかないと不味いと思いますよ」
何が起こるか分からない場所へ向かわなければならない。それでも、リリアナ様は、覚悟を決めた表情でうなずいた。
「あら? どうされましたか? リリアナ様?」
笑顔で出迎えて差し上げれば、リリアナ様は引きつったような悲鳴をあげる。それでもって、その顔色も青白い。
「あぁ、まだ怪我が治っていませんか? それなら、ちょうど良い薬が「治ってるっ! 治ってるからっ!!」……そうですか」
せっかく、かなーり染みて、三日三晩は眠れなくなる代わりに痕すら残らなくなる傷薬を出そうと思ったのに、その前に止められてしまった。
「そ、そちらに居られるのは、イリアス、か?」
「はい、そうです」
「ぶ、無事、なのだろうな?」
「……もし無事じゃなければ、私、何をするか分かりませんよ?」
創世神様からのお墨付きでイルト様の無事は確定しているものの、もし、イルト様に何かあったらと考えれば……軽く、千や二千の世界の破壊くらいはしてしまうかもしれない。
「ま、巻き込んですまなかった!」
「良いんですよ、それは。リリアナ様も本意ではなかったのでしょうしね? それよりも……私達が死んだ後の話を聞かせてもらえますか? それと、あの邪神について、分かってることを全て、ね?」
「うむうむ、ユレイラ達が死んだ後の話であれば、ワシも聞いておきたいのぉ」
「創世神様まで!? と、いうか、ご存知なんじゃ……」
「無論、知らないわけではない。じゃが、別の神の口から告げられる話も聞きたいではないか」
なぜか、私の隣に座り込んで、ワクワクとリリアナ様を見つめる創世神様。
(……まっ、いっか!)
創世神様の意図なんて分からないし、リリアナ様を助けるつもりもない。
膝に感じるイルト様の頭を優しく撫でながら、完全に固まるリリアナ様へ視線を送る。
「っ、わ、分かりました。では、ユレイラ達の死後、ユレイラ達の周りに居た神達の動向、及び、異変や事件を述べさせていただきます」
実直な性格のリリアナ様であれば、私達の要望を断ったりはしない。
リリアナ様が話す内容は、どれもこれも、興味深いものだった。
私達の死を悲しむ神に、喜ぶ神、怯える神達の姿と、邪神勢力の急激な増強。亡者の管理が行き届かなくなるという大事件が発生し、調査の結果、断罪の神と審判の神が姿を消していることを確認。二柱の神の失踪が大体的に公表され、審判の神は……先程、邪神として現れた彼女は、この神界の侵略を開始した、とのことだった。
「恐らくは、まだ外では戦いが続いていることでしょう。私も、早く戦場へ戻らなければ」
一通りの話を終えて、神鏡邸の外に意識を移すリリアナ様。しかし……。
「……私達は、ここに来るまでに、邪神以外の神を見ていません」
「えっ……?」
私の言葉で、リリアナ様は、再び青ざめた。しかし、事実は事実。門番も、それ以外の神も存在しなかった神界。戦闘音らしき音は聞こえていても、彼らの存在を認識できないのは、きっと異常事態だ。
「ここから出て行動するなら、慎重にいかないと不味いと思いますよ」
何が起こるか分からない場所へ向かわなければならない。それでも、リリアナ様は、覚悟を決めた表情でうなずいた。
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