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第三章 少女期 女神編
第三百六十六話 大切なあの子(???視点)
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(あの子は、無事だろうか? 怪我を、していないだろうか? 辛い思いをしていないだろうか?)
私は、私に唯一許された思考の中、目の前の惨劇をただただ、見ていることしかできない。
(私には、もう、何もできない)
同朋が狩られ、次々に命を散らす。その魂を掌握され、悲鳴をあげながら、意思を奪われる。
(この世界は、きっと、もう、終わる……)
どうにか防げたと思っていた世界の崩壊。あの子を送り込むことで、均衡を保っていた世界。しかし、こちら側がここまで侵攻されてしまえば、そんなものに意味などなかった。
(あぁ……創世神様……)
守れない。それが、とても、とても、口惜しい。しかし、それが現実で、私は、目の前で、創世神様が倒れるところを見ることしかできない。血塗られた剣を持つのは、私自身。大切な、創世神様を殺そうとしているのも、私自身……。
(いや……いやぁ…………)
位が高いおかげで、完全に意識を乗っ取られることはなかった。しかし、そのせいで、今、私は、大切な友を、自分で手にかけている様子を、まざまざと見せつけられている。
創世神様が消えれば、この世界は終わる。世界が終われば、その世界に属する存在は、消滅する。そうなればきっと……あの子以外は、全員、炙り出されてしまう。
(約束……守れなくて、ごめんなさい……)
倒れる創世神様に、神殺しの剣を振り下ろす。そして、私も、この世界も、終わりを迎える……はずだった。
「ダメですよっ! まだ、貴方様に死なれるわけにはいきませんっ!!」
ふわりと視界に広がる金髪。記憶の中のあの子よりも、少しばかり成長した姿の彼女は、真面目な顔で、私が持っていた剣を弾く。
「まだ、この世界を終わらせるわけにはいかないんです。まだ、貴方様を救う手段は残っているんです。まだ、創世神様も、ユレイラ様も、イリアス様も、誰一人、諦めていないんですっ。だから……諦めないでくださいっ。リリアナ姉様っ!!」
リリアナ……そうだ。それが、私の名前だ。剣の神であり、この世界では、強い女性の象徴として存在する名前。女神アリアナの妹であり、この子の……姉。
「馬鹿、ね……あなた、罠以外、使えないじゃ、ないの……」
天真爛漫で、いたずら好きだった幼い女神。せっかく、逃したのに、帰ってきてしまった、大切な妹。それは、絶望であるはずなのに、最期に会えたことが嬉しいと思えてしまう。
「今の私は、違いますよ? 何たって、ヒロインなんですからっ」
満面の笑みとともに告げられた言葉の意味を理解する前に、目を開けていられないほどの光が辺りを包む。そうして……私は、いつの間にか、意識を失っていた。
私は、私に唯一許された思考の中、目の前の惨劇をただただ、見ていることしかできない。
(私には、もう、何もできない)
同朋が狩られ、次々に命を散らす。その魂を掌握され、悲鳴をあげながら、意思を奪われる。
(この世界は、きっと、もう、終わる……)
どうにか防げたと思っていた世界の崩壊。あの子を送り込むことで、均衡を保っていた世界。しかし、こちら側がここまで侵攻されてしまえば、そんなものに意味などなかった。
(あぁ……創世神様……)
守れない。それが、とても、とても、口惜しい。しかし、それが現実で、私は、目の前で、創世神様が倒れるところを見ることしかできない。血塗られた剣を持つのは、私自身。大切な、創世神様を殺そうとしているのも、私自身……。
(いや……いやぁ…………)
位が高いおかげで、完全に意識を乗っ取られることはなかった。しかし、そのせいで、今、私は、大切な友を、自分で手にかけている様子を、まざまざと見せつけられている。
創世神様が消えれば、この世界は終わる。世界が終われば、その世界に属する存在は、消滅する。そうなればきっと……あの子以外は、全員、炙り出されてしまう。
(約束……守れなくて、ごめんなさい……)
倒れる創世神様に、神殺しの剣を振り下ろす。そして、私も、この世界も、終わりを迎える……はずだった。
「ダメですよっ! まだ、貴方様に死なれるわけにはいきませんっ!!」
ふわりと視界に広がる金髪。記憶の中のあの子よりも、少しばかり成長した姿の彼女は、真面目な顔で、私が持っていた剣を弾く。
「まだ、この世界を終わらせるわけにはいかないんです。まだ、貴方様を救う手段は残っているんです。まだ、創世神様も、ユレイラ様も、イリアス様も、誰一人、諦めていないんですっ。だから……諦めないでくださいっ。リリアナ姉様っ!!」
リリアナ……そうだ。それが、私の名前だ。剣の神であり、この世界では、強い女性の象徴として存在する名前。女神アリアナの妹であり、この子の……姉。
「馬鹿、ね……あなた、罠以外、使えないじゃ、ないの……」
天真爛漫で、いたずら好きだった幼い女神。せっかく、逃したのに、帰ってきてしまった、大切な妹。それは、絶望であるはずなのに、最期に会えたことが嬉しいと思えてしまう。
「今の私は、違いますよ? 何たって、ヒロインなんですからっ」
満面の笑みとともに告げられた言葉の意味を理解する前に、目を開けていられないほどの光が辺りを包む。そうして……私は、いつの間にか、意識を失っていた。
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