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第二章 訪問者
第三十六話 唐突な来訪
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『マキョウ』という場所で買ってきたというフルーツタルトは、とても美味しかった。それはもう、ほっぺが落ちそうなくらいに。……『マキョウ』を咄嗟に漢字変換して、『魔境』ではないかと思ったりだとか、『買ってきた』がなぜか『狩ってきた』というアクセントに聞こえたりだとかはあったけれど、きっとそれは気のせいだ。まさか、植物が動くわけがない。
(それにしても、初めの緊張感とか、なくなっちゃったなぁ)
今現在、私は再び鎖に繋がれて部屋に一人、椅子に座って本を開いていた。初めて鎖に繋がれた時の悲壮感だとか、恐怖心だとかは、どうやらお出かけしたまま帰ってくる様子がない。これは不味いのではないかとも思うものの、どうにも緊張感が湧かなかった。
(うーん、メアリー達は良くしてくれるし、リド姉さんもわりと友好的だからってこともあるけれど、ジークフリートさんやハミルトン様が来ないことも、緊張しない原因なんだろうなぁ)
ここに来てからというもの、暴力を奮われることも、罵声を浴びせられることもない。穏やかな日々だけがただ過ぎ去っていく。
(こんなに幸せなら、ずっとこのままでも良いような気がする……)
とうとうダメな方へと考えが傾きかけて、私はさすがにそれは不味いと首を振る。
(いやいや、ちゃんと働けるようになるまでだからっ。それ以上ここに居たら、本格的にダメ人間になっちゃう)
危ない危ないと思いつつ、それだけここの生活が魅力的なのだということを改めて思い知る。
(ちゃんと危機感、持たなきゃ。ここは、私が居た世界とは別の世界なんだから)
『ファンタジー』も『高校生』もこの世界にはない言葉らしく、どうにも意味が分かっていなかったリド姉さん達を思い浮かべ、私は気を引き締める。
(……そういえば、つい説明しちゃったけれど、あまり私の世界の話はしない方が良かったかな?)
今思い至ったとばかりに、私はハッとする。私の事情を知って、元の世界に戻そうとされるのは困る。もう、二度と、あんな世界には戻りたくないのだから。
(うーん、とりあえず、気をつけるだけ気をつけておけば良いかな?)
現状、どんな言葉がこの世界にないものなのか分からない。だから、本来は気をつけようがないのだけれど、この世界にない言葉なら、周りの人達は皆不審がる。それを見て判断すれば、それなりに何とかなりそうだった。
そうやって、自分の考えに捕らわれていた私は、その時、扉がそっと開いていたことに気づいていなかった。
(リド姉さんの言い方だと、この国には一つしか学校がないような感じだったなぁ。リド姉さんは公爵家とか言ってたし、もしかしたら貴族だけが通える学校だったりする?)
本の文字を追うよりも、頭の中の思考が優先されている状態で、私は文字をじっと睨みつける。
(識字率とかも、日本とは違う可能性もあるよね)
ほとんどの人間が文字を理解できない世界だったとしても不思議はない。そう考えていると、ふいに、影が落ちてくる。
「何を読んでいるんだい?」
(っ!!??!?)
すぐ目の前にあった美青年の顔に、私は大きく仰け反って……そのまま椅子ごと倒れていくのを感じる。
(不味いっ)
すぐに訪れるであろう背中や頭への衝撃を思って、私は思わず目を閉じる。……けれど、椅子が倒れる音はしたものの、覚悟していた衝撃は、いつになっても来なかった。
(…………?)
おそるおそる目を開けてみると、そこには美青年のドアップ。トパーズの瞳が、鋭い輝きを持って、私を見据えていた。
「危ないよ」
「(ご、ごめんなさい)」
どうやら私は、ハミルトン様に支えてもらっている状態らしかった。けれど、私はその不機嫌そうな声に、思わずブルリと震えてしまう。
「……とりあえず、こっちに座ろうか」
ハミルトン様が目を向けるのは、この机とセットになっている椅子の一つ。元々、ここには三つの椅子があったため、一つが倒れたとしても後二つ残っているのは道理だった。
(って、待って待って! これって、今の状況って、お姫様抱っこ!?)
そして、今さらながらに、自分の体勢に気づいた私は、大きく動揺する。正直、お姫様抱っこなんて恥ずかしい以外の何物でもない。
(うぅ……)
恥ずかしい一時。それは、すぐ側に椅子があったことによって、早々に終わりを告げる……はずだった。
「……ねぇ、ちゃんと食べてる? さすがに軽過ぎるよ?」
数歩歩いたところで、ハミルトン様は私を抱きかかえたまま立ち止まる。
(下ろしてっ、体重は良いから、下ろしてくださいっ)
もう、頭の中は大パニックだ。体重のことを女性に直球で尋ねるのが失礼だとか、そんな感想すら浮かばない。
「……ほら、もう転ばないでよ。心臓に悪いし」
ものすごく不機嫌そうにそう言って下ろされた私は、ようやく地面に足がついたことに安堵する。
(地面最高っ!)
少々思考が暴走しているのは、ご愛嬌だ。ただ……。
「…………」
「(え、えっと?)」
鋭い目付きでじっと見つめられていることに気づいた私は、それはそれで落ち着かないとタジタジになる。
(どうしよう。何か、不機嫌そうだし、怒られるようなこと、しちゃったっけ?)
あんまり不機嫌そうにされると、フラッシュバックが起こりそうだ。
(もしかして、お茶会で鎖を外したのが気に食わないとか?)
確か、この鎖はハミルトン様の仕業だったはず。そうなると、もしかしなくとも、鎖を外すということはハミルトン様の意思に反するわけだ。
「(ご、ごめんなさい)」
鋭い視線が居心地悪くて、いつの間にか震えていた体を抱き締めながら、謝罪を口にする。
「……確かに、ちょっと違う?」
ただ、じっと観察された後に呟かれた言葉は、全く意味が分からず、困惑するしかない。
「また、来るから」
そうして、困惑を残したまま、ハミルトン様は部屋を出ていくのだった。
(よし、早く仕事を探そうっ)
ついでに、私は決意を新たにするのだった。
(それにしても、初めの緊張感とか、なくなっちゃったなぁ)
今現在、私は再び鎖に繋がれて部屋に一人、椅子に座って本を開いていた。初めて鎖に繋がれた時の悲壮感だとか、恐怖心だとかは、どうやらお出かけしたまま帰ってくる様子がない。これは不味いのではないかとも思うものの、どうにも緊張感が湧かなかった。
(うーん、メアリー達は良くしてくれるし、リド姉さんもわりと友好的だからってこともあるけれど、ジークフリートさんやハミルトン様が来ないことも、緊張しない原因なんだろうなぁ)
ここに来てからというもの、暴力を奮われることも、罵声を浴びせられることもない。穏やかな日々だけがただ過ぎ去っていく。
(こんなに幸せなら、ずっとこのままでも良いような気がする……)
とうとうダメな方へと考えが傾きかけて、私はさすがにそれは不味いと首を振る。
(いやいや、ちゃんと働けるようになるまでだからっ。それ以上ここに居たら、本格的にダメ人間になっちゃう)
危ない危ないと思いつつ、それだけここの生活が魅力的なのだということを改めて思い知る。
(ちゃんと危機感、持たなきゃ。ここは、私が居た世界とは別の世界なんだから)
『ファンタジー』も『高校生』もこの世界にはない言葉らしく、どうにも意味が分かっていなかったリド姉さん達を思い浮かべ、私は気を引き締める。
(……そういえば、つい説明しちゃったけれど、あまり私の世界の話はしない方が良かったかな?)
今思い至ったとばかりに、私はハッとする。私の事情を知って、元の世界に戻そうとされるのは困る。もう、二度と、あんな世界には戻りたくないのだから。
(うーん、とりあえず、気をつけるだけ気をつけておけば良いかな?)
現状、どんな言葉がこの世界にないものなのか分からない。だから、本来は気をつけようがないのだけれど、この世界にない言葉なら、周りの人達は皆不審がる。それを見て判断すれば、それなりに何とかなりそうだった。
そうやって、自分の考えに捕らわれていた私は、その時、扉がそっと開いていたことに気づいていなかった。
(リド姉さんの言い方だと、この国には一つしか学校がないような感じだったなぁ。リド姉さんは公爵家とか言ってたし、もしかしたら貴族だけが通える学校だったりする?)
本の文字を追うよりも、頭の中の思考が優先されている状態で、私は文字をじっと睨みつける。
(識字率とかも、日本とは違う可能性もあるよね)
ほとんどの人間が文字を理解できない世界だったとしても不思議はない。そう考えていると、ふいに、影が落ちてくる。
「何を読んでいるんだい?」
(っ!!??!?)
すぐ目の前にあった美青年の顔に、私は大きく仰け反って……そのまま椅子ごと倒れていくのを感じる。
(不味いっ)
すぐに訪れるであろう背中や頭への衝撃を思って、私は思わず目を閉じる。……けれど、椅子が倒れる音はしたものの、覚悟していた衝撃は、いつになっても来なかった。
(…………?)
おそるおそる目を開けてみると、そこには美青年のドアップ。トパーズの瞳が、鋭い輝きを持って、私を見据えていた。
「危ないよ」
「(ご、ごめんなさい)」
どうやら私は、ハミルトン様に支えてもらっている状態らしかった。けれど、私はその不機嫌そうな声に、思わずブルリと震えてしまう。
「……とりあえず、こっちに座ろうか」
ハミルトン様が目を向けるのは、この机とセットになっている椅子の一つ。元々、ここには三つの椅子があったため、一つが倒れたとしても後二つ残っているのは道理だった。
(って、待って待って! これって、今の状況って、お姫様抱っこ!?)
そして、今さらながらに、自分の体勢に気づいた私は、大きく動揺する。正直、お姫様抱っこなんて恥ずかしい以外の何物でもない。
(うぅ……)
恥ずかしい一時。それは、すぐ側に椅子があったことによって、早々に終わりを告げる……はずだった。
「……ねぇ、ちゃんと食べてる? さすがに軽過ぎるよ?」
数歩歩いたところで、ハミルトン様は私を抱きかかえたまま立ち止まる。
(下ろしてっ、体重は良いから、下ろしてくださいっ)
もう、頭の中は大パニックだ。体重のことを女性に直球で尋ねるのが失礼だとか、そんな感想すら浮かばない。
「……ほら、もう転ばないでよ。心臓に悪いし」
ものすごく不機嫌そうにそう言って下ろされた私は、ようやく地面に足がついたことに安堵する。
(地面最高っ!)
少々思考が暴走しているのは、ご愛嬌だ。ただ……。
「…………」
「(え、えっと?)」
鋭い目付きでじっと見つめられていることに気づいた私は、それはそれで落ち着かないとタジタジになる。
(どうしよう。何か、不機嫌そうだし、怒られるようなこと、しちゃったっけ?)
あんまり不機嫌そうにされると、フラッシュバックが起こりそうだ。
(もしかして、お茶会で鎖を外したのが気に食わないとか?)
確か、この鎖はハミルトン様の仕業だったはず。そうなると、もしかしなくとも、鎖を外すということはハミルトン様の意思に反するわけだ。
「(ご、ごめんなさい)」
鋭い視線が居心地悪くて、いつの間にか震えていた体を抱き締めながら、謝罪を口にする。
「……確かに、ちょっと違う?」
ただ、じっと観察された後に呟かれた言葉は、全く意味が分からず、困惑するしかない。
「また、来るから」
そうして、困惑を残したまま、ハミルトン様は部屋を出ていくのだった。
(よし、早く仕事を探そうっ)
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