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第一章 帰還と波乱
第七十話 相棒と戦闘(フィオナ視点)
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と、いうわけで、私達は、最短で邪神巡り……あ、いえ、これでは何だか旅行みたいで、楽しんでいるみたいですが……そう、邪神討伐の旅を行うべく、サクッとその場所へと転移して行くことにします。私達の気配が城から消えて、慌てる神が居るかもしれませんが、そこのところは……まぁ、後で考えることにしましょう。
「ところで、僕達だけで、どうやって邪神を倒すの?」
「そんなの決まっています。ラルフの力で邪神の心を純真なものへとしてしまって、そこから私の罪悪感を増長する力を使えば、勝手に自殺してくれます」
「そっか、そうしたら、死ぬ前に罪の告白ってことでユレイラ様達の居場所を聞き出すこともできるね」
「そういうことです」
私達の力は、邪神相手だとあまりにも凶悪なものとなります。と、いうより、相手の心が黒ければ黒いほど、ラルフと私の力のコンボを受ければ、全員が自殺してしまうのです。
「邪神の数は……十三ですね」
「そっか、じゃあ、十三回、自殺させれば良いんだね?」
「いえ、そのうちの一柱は、ミーシャさん達のところに居るみたいなので、実質十二回です」
「うん、分かったよ」
自殺してもらう邪神の数が判明したところで、私達は、転移します。
「うわぁ、これ、砂漠だよね?」
「そうですね。知識として知ってはいましたが、初めて見ますね」
辿り着いた先は、砂漠のド真ん中。こんな場所に邪神が居るのかと思われるかもしれませんが、この下に、私達は確実に邪神の気配を感知していました。ただし……。
「気づかれちゃいましたね」
「うん、気づかれたみたいだ」
こちらが気づくということは、相手も同じように気づけるということであり、ズンッと砂漠が大きく揺れます。
「私、邪神と戦うのは初めてです」
戦闘の準備として、私は薙刀を構えます。黒い薙刀は、所々に金が入っていて、とても美しい一品に仕上がっています。お母様からいただいたこの薙刀は、私の大切な相棒で、銘を『死告』と言います。
「僕も初めてだけど……フィオナはちゃんと守るよ」
「ラルフっ」
ラルフのカッコイイセリフに、思わず感動して抱きつきたくなりましたが、ラルフは真剣に前を向いているので、我慢です。ラルフが取り出したのは、大量の刃が付いた鞭。これもまた、お母様作の武器で、銘が『涅槃』です。真っ黒な鞭に付いたその刃は、光を受けると赤く光る仕様で、それを振るうラルフの姿はとってもカッコイイのです。
銘が物騒だとか言われることの多い私達の武器ですが、私達は二人して、自分の武器を愛用しています。
「来ますっ」
砂漠の下から巨大な何かが盛り上がり、私達の戦いは始まりました。
「ところで、僕達だけで、どうやって邪神を倒すの?」
「そんなの決まっています。ラルフの力で邪神の心を純真なものへとしてしまって、そこから私の罪悪感を増長する力を使えば、勝手に自殺してくれます」
「そっか、そうしたら、死ぬ前に罪の告白ってことでユレイラ様達の居場所を聞き出すこともできるね」
「そういうことです」
私達の力は、邪神相手だとあまりにも凶悪なものとなります。と、いうより、相手の心が黒ければ黒いほど、ラルフと私の力のコンボを受ければ、全員が自殺してしまうのです。
「邪神の数は……十三ですね」
「そっか、じゃあ、十三回、自殺させれば良いんだね?」
「いえ、そのうちの一柱は、ミーシャさん達のところに居るみたいなので、実質十二回です」
「うん、分かったよ」
自殺してもらう邪神の数が判明したところで、私達は、転移します。
「うわぁ、これ、砂漠だよね?」
「そうですね。知識として知ってはいましたが、初めて見ますね」
辿り着いた先は、砂漠のド真ん中。こんな場所に邪神が居るのかと思われるかもしれませんが、この下に、私達は確実に邪神の気配を感知していました。ただし……。
「気づかれちゃいましたね」
「うん、気づかれたみたいだ」
こちらが気づくということは、相手も同じように気づけるということであり、ズンッと砂漠が大きく揺れます。
「私、邪神と戦うのは初めてです」
戦闘の準備として、私は薙刀を構えます。黒い薙刀は、所々に金が入っていて、とても美しい一品に仕上がっています。お母様からいただいたこの薙刀は、私の大切な相棒で、銘を『死告』と言います。
「僕も初めてだけど……フィオナはちゃんと守るよ」
「ラルフっ」
ラルフのカッコイイセリフに、思わず感動して抱きつきたくなりましたが、ラルフは真剣に前を向いているので、我慢です。ラルフが取り出したのは、大量の刃が付いた鞭。これもまた、お母様作の武器で、銘が『涅槃』です。真っ黒な鞭に付いたその刃は、光を受けると赤く光る仕様で、それを振るうラルフの姿はとってもカッコイイのです。
銘が物騒だとか言われることの多い私達の武器ですが、私達は二人して、自分の武器を愛用しています。
「来ますっ」
砂漠の下から巨大な何かが盛り上がり、私達の戦いは始まりました。
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