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一章 ジョゼフィーヌ○○エンド
013.ジョゼフィーヌ、
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いつものように、ジョゼは歩いて聖教会へと向かう。決して近くはない距離ではあるのだが、歩いていく間、サフィールとの結婚生活に思いを馳せるのも幸せだ。
杏のケーキはうまく焼けた。サフィールはきっと、喜んで食べてくれるだろう。
今日はきちんと緋色の花飾りを杏色の帽子に飾ることができた。それだけでサフィールは笑ってくれるだろう。幸福な気分だ。
時鐘塔で密会をするのも、これが最後になるはずだ。伯爵がサフィールとジョゼの結婚を了承した瞬間から、二人は婚約者同士となる。つまり、密会をする必要がなくなるのだ。
「明日からは、宮殿でサフに会うことができるのね。誰に見られても、構わない関係になるんだわ」
聖教会に着き、神官に子どもたちへのお菓子をことづける。聖母神に祈ったあと、庭へと向かう。大きな鐘が規則正しく時間を告げる時鐘塔まで、あと少し。
「でも、サフとどんな話をすればいいのかしら? 婚約中って、どんなことをすればいいのかしら?」
婚約中、宮殿の厨房を使ってもいいかどうか聞いてみようとジョゼは思う。そうすれば、焼き立てのケーキやクッキーをサフィールに食べてもらうことができる。一緒に菓子作りをするのもいいかもしれない、とも思う。
第一王子の結婚は、大々的に行われるはずだ。サフィールとアレクサンドラのときがそうだった。ジョゼは伯爵令嬢とはいえ、出自は男爵家だ。王妃にはふさわしくないと言われるかもしれない。
そう言われたら、仕方がない。男爵家の娘らしく、驕ることなく、穏やかに、慎ましく生きていけばいい。彼の隣で。
「子どもは、できるかしら……?」
サフィールは今まで誰の間にも子どもができなかったと言っていた。ならば、自分が彼を父親にしてあげたい、とも思う。
「わたくしも、母になってみたいわ」
気が早いかしら、とジョゼは笑う。まだ婚約すら告知されていないのに、と。
だが、子どもができたら、無事に生まれたら、何事もなく育ったら、孫の顔まで見ることができたら、最期の瞬間にサフィールの手を握ることができたら、それはきっと幸福な一生なのだろう。
「幸せに、なれるかしら」
――いいえ。幸せになる、幸せと信じる、それが大切なのよね。
そんなふうに思いながら、ジョゼは時鐘塔の扉を開ける。サフィールの姿は見られない。階上から声も聞こえてこない。まだ来ていないのだろう。もしかしたら、伯爵が国王と謁見しているところに同席しているのかもしれない。
待っていよう、とジョゼが石階段を上り始めたときだ。
閉めたはずの扉が、キィと音を立てた。
「サフ……?」
振り向こうとした瞬間に、何か黒いものがジョゼに覆いかぶさってくる。ジョゼはそのまま押し倒され、階段に腰や背中をぶつける。
「いっ……た」
しかし、鋭い痛みが走ったのは、腰や背中ではない。腹だ。何か硬いものが腹に当たっている。
――何?
硬いものが引き抜かれた瞬間、熱く、激しい痛みがジョゼを襲う。立ち上がることができず、力が入らない。
帽子が傾く。カゴがぼとりと落ち、中の杏ケーキが転がる。サフィールと一緒に食べようと思っていたケーキだ。
――誰?
ジョゼを刺した人影は、ナイフか包丁のようなものを放り投げて、扉へと走って逃げていく。
「……っ、あ」
生ぬるいものが、下腹部へと肌を伝っていく。血は止まらない。痛みが徐々に酷くなってくる。
「……サ、フ」
――ごめんなさい、サフ。
床に転がる杏のケーキを、ジョゼは拾おうとする。けれど、血だらけの手を伸ばしても、ケーキには届かない。
「あっ、あ……」
体が動いたせいで杏色の帽子が床に落ちる。石を伝っていった血が、帽子を赤く染めていく。
――ごめんなさい。幸福を望んだから、浮かれていたから、きっと罰が当たったんだわ。
腹が痛い。涙が溢れる。ジョゼは階段から、ぼんやりと帽子とケーキを見下ろす。
――サフ、あなたを幸せにできるのは、わたくしではないのかしら。
目が霞む。ジョゼはゆっくりと目を閉じる。
――また、記憶が戻ったとき、わたくしを好いてくれるかしら。
ジョゼは微笑む。サフィールが幸せそうに焼き菓子を頬張る姿を思い返して。暗号入りの恋文を必死で考えている姿を想像して。あの日「結婚してほしい」と訴えかけてきた姿を思い出して。
――あぁ、サフ。こんな姿を、あなたに見せたくはないのに。
ジョゼは既に死を受け入れている。
ジョゼの亡骸を最初に発見するのは、サフィールだろう。血だらけの帽子とケーキと、息をしないジョゼを見つけて、サフィールはきっと泣いて叫んで、自分の名を呼び続けるだろう。
そうして、どうするのだろう。
――サフがわたくしのことを忘れて、幸せになってくれるといいのだけれど。
アレクサンドラでも、髪の長い娘でも、棺の中の娘でも、誰でもいいから、サフィールを救ってくれればいい。そんなふうに思う。
――あぁ、痛い……。聖母神様も意地が悪いわ……。痛いのは、嫌よ……。
ジョゼの思考は、ゆっくりと底の見えない闇の中へと沈んでいく。沈んで、沈んで、二度と浮かぶことはない。
ジョゼは、そうして、何十回目ともわからない死を、迎えた。
ジョゼフィーヌ デッドエンド
杏のケーキはうまく焼けた。サフィールはきっと、喜んで食べてくれるだろう。
今日はきちんと緋色の花飾りを杏色の帽子に飾ることができた。それだけでサフィールは笑ってくれるだろう。幸福な気分だ。
時鐘塔で密会をするのも、これが最後になるはずだ。伯爵がサフィールとジョゼの結婚を了承した瞬間から、二人は婚約者同士となる。つまり、密会をする必要がなくなるのだ。
「明日からは、宮殿でサフに会うことができるのね。誰に見られても、構わない関係になるんだわ」
聖教会に着き、神官に子どもたちへのお菓子をことづける。聖母神に祈ったあと、庭へと向かう。大きな鐘が規則正しく時間を告げる時鐘塔まで、あと少し。
「でも、サフとどんな話をすればいいのかしら? 婚約中って、どんなことをすればいいのかしら?」
婚約中、宮殿の厨房を使ってもいいかどうか聞いてみようとジョゼは思う。そうすれば、焼き立てのケーキやクッキーをサフィールに食べてもらうことができる。一緒に菓子作りをするのもいいかもしれない、とも思う。
第一王子の結婚は、大々的に行われるはずだ。サフィールとアレクサンドラのときがそうだった。ジョゼは伯爵令嬢とはいえ、出自は男爵家だ。王妃にはふさわしくないと言われるかもしれない。
そう言われたら、仕方がない。男爵家の娘らしく、驕ることなく、穏やかに、慎ましく生きていけばいい。彼の隣で。
「子どもは、できるかしら……?」
サフィールは今まで誰の間にも子どもができなかったと言っていた。ならば、自分が彼を父親にしてあげたい、とも思う。
「わたくしも、母になってみたいわ」
気が早いかしら、とジョゼは笑う。まだ婚約すら告知されていないのに、と。
だが、子どもができたら、無事に生まれたら、何事もなく育ったら、孫の顔まで見ることができたら、最期の瞬間にサフィールの手を握ることができたら、それはきっと幸福な一生なのだろう。
「幸せに、なれるかしら」
――いいえ。幸せになる、幸せと信じる、それが大切なのよね。
そんなふうに思いながら、ジョゼは時鐘塔の扉を開ける。サフィールの姿は見られない。階上から声も聞こえてこない。まだ来ていないのだろう。もしかしたら、伯爵が国王と謁見しているところに同席しているのかもしれない。
待っていよう、とジョゼが石階段を上り始めたときだ。
閉めたはずの扉が、キィと音を立てた。
「サフ……?」
振り向こうとした瞬間に、何か黒いものがジョゼに覆いかぶさってくる。ジョゼはそのまま押し倒され、階段に腰や背中をぶつける。
「いっ……た」
しかし、鋭い痛みが走ったのは、腰や背中ではない。腹だ。何か硬いものが腹に当たっている。
――何?
硬いものが引き抜かれた瞬間、熱く、激しい痛みがジョゼを襲う。立ち上がることができず、力が入らない。
帽子が傾く。カゴがぼとりと落ち、中の杏ケーキが転がる。サフィールと一緒に食べようと思っていたケーキだ。
――誰?
ジョゼを刺した人影は、ナイフか包丁のようなものを放り投げて、扉へと走って逃げていく。
「……っ、あ」
生ぬるいものが、下腹部へと肌を伝っていく。血は止まらない。痛みが徐々に酷くなってくる。
「……サ、フ」
――ごめんなさい、サフ。
床に転がる杏のケーキを、ジョゼは拾おうとする。けれど、血だらけの手を伸ばしても、ケーキには届かない。
「あっ、あ……」
体が動いたせいで杏色の帽子が床に落ちる。石を伝っていった血が、帽子を赤く染めていく。
――ごめんなさい。幸福を望んだから、浮かれていたから、きっと罰が当たったんだわ。
腹が痛い。涙が溢れる。ジョゼは階段から、ぼんやりと帽子とケーキを見下ろす。
――サフ、あなたを幸せにできるのは、わたくしではないのかしら。
目が霞む。ジョゼはゆっくりと目を閉じる。
――また、記憶が戻ったとき、わたくしを好いてくれるかしら。
ジョゼは微笑む。サフィールが幸せそうに焼き菓子を頬張る姿を思い返して。暗号入りの恋文を必死で考えている姿を想像して。あの日「結婚してほしい」と訴えかけてきた姿を思い出して。
――あぁ、サフ。こんな姿を、あなたに見せたくはないのに。
ジョゼは既に死を受け入れている。
ジョゼの亡骸を最初に発見するのは、サフィールだろう。血だらけの帽子とケーキと、息をしないジョゼを見つけて、サフィールはきっと泣いて叫んで、自分の名を呼び続けるだろう。
そうして、どうするのだろう。
――サフがわたくしのことを忘れて、幸せになってくれるといいのだけれど。
アレクサンドラでも、髪の長い娘でも、棺の中の娘でも、誰でもいいから、サフィールを救ってくれればいい。そんなふうに思う。
――あぁ、痛い……。聖母神様も意地が悪いわ……。痛いのは、嫌よ……。
ジョゼの思考は、ゆっくりと底の見えない闇の中へと沈んでいく。沈んで、沈んで、二度と浮かぶことはない。
ジョゼは、そうして、何十回目ともわからない死を、迎えた。
ジョゼフィーヌ デッドエンド
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