10 / 37
一章 ジョゼフィーヌ○○エンド
010.いつもと違う、展開
しおりを挟む
「さあ、お手をどうぞ」
白いシャツに柳茶色のズボンのアルジャンの手を取り馬車を下りて、ジョゼは「わぁ」と目を見開く。色とりどりの花が咲き乱れる、美しい庭園が広がっている。
――そういえば、ここは、アルのお気に入りの場所だったわね。
庭園の一角に、白色大理石でできた東屋がある。アルジャンと結婚したあとには、よくここでゆっくりと過ごしていたことを思い出している。
既にテーブルの上には香茶やジョゼの焼いたケーキやタルトなどが準備されている。ジョゼが寝ている間に整えられていたらしい。
東屋の形に合うように作られた、大きめのソファが一つだけ置いてある。ジョゼはそこに座るよう促される。
「ドレス、よくお似合いです。あなたの瞳の色と、僕の瞳の色が刺繍されているのですね」
「はい。今日のお招きにふさわしいようにと、両親があつらえてくださいました。アルジャン王子殿下のお姿も、大変素敵です」
アルジャンは銀色の目を細め、「よい心がけです」と微笑む。どうやら伯爵家の戦略は気に入ったらしい。
「どれも美味しそうなものばかり。早速、いただきましょうか」
東屋のそばには誰もいない。執事や侍女すらも、遠く離れたところで待機しているようだ。
アルジャンは手慣れた様子でポットから香茶を注ぎ、給仕をする。「ジョゼフィーヌ嬢は僕の客人だから」と、ジョゼの手伝いを断りながら、アルジャンはケーキやタルトを切り分けていく。
「どうぞ、召し上がれ」
「アルジャン王子殿下、その、毒味はお済みですか?」
「へえ。ジョゼフィーヌ嬢は僕を毒殺するつもりなのですか?」
「いえ、そんなことは、決して……!」
「ふふ。大丈夫ですよ。そんな愚かなことをするわけはないと、知っていますから」
どうして、と尋ねる前に皿が置かれていく。甘さを控えめにしたチーズケーキと、ベリーのタルトだ。長持ちするからと作って持ってきたクッキーも並べられている。
アルジャンはジョゼの隣に座る。
「こんなにたくさん作ってきてくださって、ありがとうございます」
「約束でしたから」
「今朝までケーキを作っていたと伺いました。道理で、馬車の中が甘い匂いで満たされていたのですね」
名前を呼ばれたときのことを思い出して、ジョゼは真っ赤になる。どうやら匂いまで嗅がれていたらしい。とても恥ずかしいことだ。
「ジョゼ、と呼んでも構いませんか?」
「はい」
「では、ジョゼ。僕のことはアルとでもお呼びください」
ジョゼは頷き、アルジャンが美しい所作でケーキを口に運ぶのを見る。ジョゼの手作りのものをアルジャンが食べるのは、初めてだ。まじまじと横顔を凝視していると、その視線に気づいたアルジャンが苦笑する。
「そんなに見つめられると照れるではありませんか。とても美味しいですよ、ジョゼ」
「い、痛みいります」
ジョゼはアルジャンが切り分けたチーズケーキを口に運ぶ。王家の人々が食べているものに比べたら、大変貧相なものに違いない。それでも、アルジャンはパクパクと食べている。
――サフそっくり。血は争えないわねぇ。
アルジャンの食べる姿は、杏の菓子を食べるサフィールそっくりだ。ジョゼは微笑みながら香茶を飲む。
「ところで、ジョゼ。あなたと僕の兄はどういう関係なのでしょう?」
澄んだ銀色の瞳がジョゼの胸を射抜く。ジョゼは思わず香茶を吹き出しそうになる。
「え、あの、サフ、サフィール王子殿下のことでございますか?」
「ええ。三日前にも会っていたでしょう? 恋仲なのですか? 結婚の約束でもしているのでしょうか?」
王子殿下のことは存じ上げません、としらを切ろうとしたものの、先にアルジャンから牽制される。既に「密会している」ことは彼も把握しているのだろう。
結婚の約束は、まだしていない。サフィールのことは大切な存在だと思っているが、結婚するべきなのかどうか、彼が『真に愛する者』なのかどうか、ジョゼの中でもまだ結論は出ていない。
「……サフィール王子殿下とはただの友人です」
「そうですか。それなら良かった」
膝に置いていた右手が、アルジャンに取られる。ぴりぴりとしびれるような感覚が、また体を駆け巡る。サフィールのときと同じだ。
「あなたが兄の恋人でないのなら、結婚を申し込んでも構いませんか?」
「え」
アルジャンはジョゼの右手を恭しく持ち上げ、その甲に口づけを落とす。一度だけではなく、二度、三度と。
――求婚!? ちょっと、待って!!
アルジャンからの求婚が何度目であるかは覚えていないが、この先には不幸な結末しかない。ドキドキと高鳴る胸を隠しながら、ジョゼは思わず手のひらをくるりと返してアルジャンの口を塞ぐ。
「むぐ」
「ア、アル王子殿下、それは時期尚早というものでございます。王子殿下は成人したばかり。見聞を広め、世界を見てみてはいかがでしょう?」
「僕が年下だから? 年上の兄のほうがよいと?」
「そういう、意味ではないのですが」
アルジャンの唇が手のひらで動くため、大変くすぐったい。だが、幸福な未来のために我慢しなければならない。
今アルジャンから求婚されたら、彼からは逃れられないとジョゼは知っている。王族の命令は絶対だ。おそらく、父伯爵には先に話が通っているのだろう。「断るな」と何度も言っていたことがその証左だ。
ジョゼが戸惑っている間に、アルジャンは少し困ったような表情を浮かべて「わかりました、これ以上は言いません」と微笑む。ジョゼはホッとして手のひらを引っ込め、アルジャンに無礼を詫びる。
「兄が気になりますか? やはり、ただの友人ではないようですねぇ」
「なんと、言いますか」
「三日前に会ったのが最後のはず……なるほど、求婚の手紙でももらいましたか」
どうやらすべて見通されているようである。ジョゼはカチコチに凍ってしまったかのようにぎこちない動きで香茶を飲む。既に香茶の味すらもわからない。
「三日前、僕がジョゼに求婚することは止めない、と兄は言いました」
「……え」
――サフは、わたくしがアルと結婚してもいいと言ったの?
その一瞬のジョゼの表情の変化を、アルジャンは見逃さない。
「あぁ、安心してください。そのあと、兄は『結婚式までにジョゼを奪う』と宣言いたしましたから」
「へっ、えっ!?」
「なるほど、その態度だと、奪う側になるのは僕になりそうですねぇ。相手にとって不足なし。兄とはいい勝負ができそうです」
ジョゼはますます混乱する。状況が全く飲み込めない。どちらかを選んで結婚する――こんな展開になるのは初めてだ。
「では、ジョゼ。これを」
緋色の花飾りに、ジョゼは思わず反応する。早く返してもらいたくて手を伸ばしたのが、間違いだった。
ぐいと腕を絡め取られ、ジョゼはアルジャンをソファに押し倒した形となる。アルジャンの服についている金色のボタンに鼻をぶつけ、ジョゼは「んぶ」と情けない声をあげる。
「そんなに積極的に求めてくれるなんて、嬉しいですよ」
「か、かえし――」
顔を上げ、さらに手を伸ばして、ジョゼは眼前に迫った銀色の瞳に気づく。しまった、と思ったときには遅い。唇が触れそうになり、ジョゼはぎゅうと目を閉じる。
だが、いつまでたっても、唇は重ならない。薄く目を開けると、カタカタと震えるジョゼを見つめ、アルジャンがそっと頬にキスをするところだった。
「そんなに怖がらなくても、取って食べたりはしませんよ」
「王子、殿下……」
「あぁ、でも、残念。時間切れですね」
花畑の向こうから「ジョゼー!!」と叫びながら青の王子が駆けてくる。まるで獣のような形相で、土煙を上げながら花畑の通路を走ってくる。
「……ひえ」
今すぐに帰りたくなったジョゼだが、その腰をアルジャンがしっかりと捕らえている。
「可愛いジョゼ。求婚はまたの機会にいたしましょう」
「アルジャン! ジョゼから離れろ! 今すぐにー!」
サフィールに見せつけるかのように、アルジャンはジョゼに抱きつく。二人の兄弟王子を見比べながら、ジョゼはうわ言のように「いつもと違う」と繰り返すのだった。
白いシャツに柳茶色のズボンのアルジャンの手を取り馬車を下りて、ジョゼは「わぁ」と目を見開く。色とりどりの花が咲き乱れる、美しい庭園が広がっている。
――そういえば、ここは、アルのお気に入りの場所だったわね。
庭園の一角に、白色大理石でできた東屋がある。アルジャンと結婚したあとには、よくここでゆっくりと過ごしていたことを思い出している。
既にテーブルの上には香茶やジョゼの焼いたケーキやタルトなどが準備されている。ジョゼが寝ている間に整えられていたらしい。
東屋の形に合うように作られた、大きめのソファが一つだけ置いてある。ジョゼはそこに座るよう促される。
「ドレス、よくお似合いです。あなたの瞳の色と、僕の瞳の色が刺繍されているのですね」
「はい。今日のお招きにふさわしいようにと、両親があつらえてくださいました。アルジャン王子殿下のお姿も、大変素敵です」
アルジャンは銀色の目を細め、「よい心がけです」と微笑む。どうやら伯爵家の戦略は気に入ったらしい。
「どれも美味しそうなものばかり。早速、いただきましょうか」
東屋のそばには誰もいない。執事や侍女すらも、遠く離れたところで待機しているようだ。
アルジャンは手慣れた様子でポットから香茶を注ぎ、給仕をする。「ジョゼフィーヌ嬢は僕の客人だから」と、ジョゼの手伝いを断りながら、アルジャンはケーキやタルトを切り分けていく。
「どうぞ、召し上がれ」
「アルジャン王子殿下、その、毒味はお済みですか?」
「へえ。ジョゼフィーヌ嬢は僕を毒殺するつもりなのですか?」
「いえ、そんなことは、決して……!」
「ふふ。大丈夫ですよ。そんな愚かなことをするわけはないと、知っていますから」
どうして、と尋ねる前に皿が置かれていく。甘さを控えめにしたチーズケーキと、ベリーのタルトだ。長持ちするからと作って持ってきたクッキーも並べられている。
アルジャンはジョゼの隣に座る。
「こんなにたくさん作ってきてくださって、ありがとうございます」
「約束でしたから」
「今朝までケーキを作っていたと伺いました。道理で、馬車の中が甘い匂いで満たされていたのですね」
名前を呼ばれたときのことを思い出して、ジョゼは真っ赤になる。どうやら匂いまで嗅がれていたらしい。とても恥ずかしいことだ。
「ジョゼ、と呼んでも構いませんか?」
「はい」
「では、ジョゼ。僕のことはアルとでもお呼びください」
ジョゼは頷き、アルジャンが美しい所作でケーキを口に運ぶのを見る。ジョゼの手作りのものをアルジャンが食べるのは、初めてだ。まじまじと横顔を凝視していると、その視線に気づいたアルジャンが苦笑する。
「そんなに見つめられると照れるではありませんか。とても美味しいですよ、ジョゼ」
「い、痛みいります」
ジョゼはアルジャンが切り分けたチーズケーキを口に運ぶ。王家の人々が食べているものに比べたら、大変貧相なものに違いない。それでも、アルジャンはパクパクと食べている。
――サフそっくり。血は争えないわねぇ。
アルジャンの食べる姿は、杏の菓子を食べるサフィールそっくりだ。ジョゼは微笑みながら香茶を飲む。
「ところで、ジョゼ。あなたと僕の兄はどういう関係なのでしょう?」
澄んだ銀色の瞳がジョゼの胸を射抜く。ジョゼは思わず香茶を吹き出しそうになる。
「え、あの、サフ、サフィール王子殿下のことでございますか?」
「ええ。三日前にも会っていたでしょう? 恋仲なのですか? 結婚の約束でもしているのでしょうか?」
王子殿下のことは存じ上げません、としらを切ろうとしたものの、先にアルジャンから牽制される。既に「密会している」ことは彼も把握しているのだろう。
結婚の約束は、まだしていない。サフィールのことは大切な存在だと思っているが、結婚するべきなのかどうか、彼が『真に愛する者』なのかどうか、ジョゼの中でもまだ結論は出ていない。
「……サフィール王子殿下とはただの友人です」
「そうですか。それなら良かった」
膝に置いていた右手が、アルジャンに取られる。ぴりぴりとしびれるような感覚が、また体を駆け巡る。サフィールのときと同じだ。
「あなたが兄の恋人でないのなら、結婚を申し込んでも構いませんか?」
「え」
アルジャンはジョゼの右手を恭しく持ち上げ、その甲に口づけを落とす。一度だけではなく、二度、三度と。
――求婚!? ちょっと、待って!!
アルジャンからの求婚が何度目であるかは覚えていないが、この先には不幸な結末しかない。ドキドキと高鳴る胸を隠しながら、ジョゼは思わず手のひらをくるりと返してアルジャンの口を塞ぐ。
「むぐ」
「ア、アル王子殿下、それは時期尚早というものでございます。王子殿下は成人したばかり。見聞を広め、世界を見てみてはいかがでしょう?」
「僕が年下だから? 年上の兄のほうがよいと?」
「そういう、意味ではないのですが」
アルジャンの唇が手のひらで動くため、大変くすぐったい。だが、幸福な未来のために我慢しなければならない。
今アルジャンから求婚されたら、彼からは逃れられないとジョゼは知っている。王族の命令は絶対だ。おそらく、父伯爵には先に話が通っているのだろう。「断るな」と何度も言っていたことがその証左だ。
ジョゼが戸惑っている間に、アルジャンは少し困ったような表情を浮かべて「わかりました、これ以上は言いません」と微笑む。ジョゼはホッとして手のひらを引っ込め、アルジャンに無礼を詫びる。
「兄が気になりますか? やはり、ただの友人ではないようですねぇ」
「なんと、言いますか」
「三日前に会ったのが最後のはず……なるほど、求婚の手紙でももらいましたか」
どうやらすべて見通されているようである。ジョゼはカチコチに凍ってしまったかのようにぎこちない動きで香茶を飲む。既に香茶の味すらもわからない。
「三日前、僕がジョゼに求婚することは止めない、と兄は言いました」
「……え」
――サフは、わたくしがアルと結婚してもいいと言ったの?
その一瞬のジョゼの表情の変化を、アルジャンは見逃さない。
「あぁ、安心してください。そのあと、兄は『結婚式までにジョゼを奪う』と宣言いたしましたから」
「へっ、えっ!?」
「なるほど、その態度だと、奪う側になるのは僕になりそうですねぇ。相手にとって不足なし。兄とはいい勝負ができそうです」
ジョゼはますます混乱する。状況が全く飲み込めない。どちらかを選んで結婚する――こんな展開になるのは初めてだ。
「では、ジョゼ。これを」
緋色の花飾りに、ジョゼは思わず反応する。早く返してもらいたくて手を伸ばしたのが、間違いだった。
ぐいと腕を絡め取られ、ジョゼはアルジャンをソファに押し倒した形となる。アルジャンの服についている金色のボタンに鼻をぶつけ、ジョゼは「んぶ」と情けない声をあげる。
「そんなに積極的に求めてくれるなんて、嬉しいですよ」
「か、かえし――」
顔を上げ、さらに手を伸ばして、ジョゼは眼前に迫った銀色の瞳に気づく。しまった、と思ったときには遅い。唇が触れそうになり、ジョゼはぎゅうと目を閉じる。
だが、いつまでたっても、唇は重ならない。薄く目を開けると、カタカタと震えるジョゼを見つめ、アルジャンがそっと頬にキスをするところだった。
「そんなに怖がらなくても、取って食べたりはしませんよ」
「王子、殿下……」
「あぁ、でも、残念。時間切れですね」
花畑の向こうから「ジョゼー!!」と叫びながら青の王子が駆けてくる。まるで獣のような形相で、土煙を上げながら花畑の通路を走ってくる。
「……ひえ」
今すぐに帰りたくなったジョゼだが、その腰をアルジャンがしっかりと捕らえている。
「可愛いジョゼ。求婚はまたの機会にいたしましょう」
「アルジャン! ジョゼから離れろ! 今すぐにー!」
サフィールに見せつけるかのように、アルジャンはジョゼに抱きつく。二人の兄弟王子を見比べながら、ジョゼはうわ言のように「いつもと違う」と繰り返すのだった。
0
お気に入りに追加
95
あなたにおすすめの小説
【完結】「ループ三回目の悪役令嬢は過去世の恨みを込めて王太子をぶん殴る!」
まほりろ
恋愛
※「小説家になろう」異世界転生転移(恋愛)ランキング日間2位!2022年7月1日
公爵令嬢ベルティーナ・ルンゲは過去三回の人生で三回とも冤罪をかけられ、王太子に殺されていた。
四度目の人生……
「どうせ今回も冤罪をかけられて王太子に殺されるんでしょ?
今回の人生では王太子に何もされてないけど、王子様の顔を見てるだけで過去世で殺された事を思い出して腹が立つのよね!
殺される前に王太子の顔を一発ぶん殴ってやらないと気がすまないわ!」
何度もタイムリープを繰り返しやさぐれてしまったベルティーナは、目の前にいる十歳の王太子の横っ面を思いっきりぶん殴った。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します。
※小説家になろうにも投稿しています。
ぽっちゃりな私は妹に婚約者を取られましたが、嫁ぎ先での溺愛がとまりません~冷酷な伯爵様とは誰のこと?~
柊木 ひなき
恋愛
「メリーナ、お前との婚約を破棄する!」夜会の最中に婚約者の第一王子から婚約破棄を告げられ、妹からは馬鹿にされ、貴族達の笑い者になった。
その時、思い出したのだ。(私の前世、美容部員だった!)この体型、ドレス、確かにやばい!
この世界の美の基準は、スリム体型が前提。まずはダイエットを……え、もう次の結婚? お相手は、超絶美形の伯爵様!? からの溺愛!? なんで!?
※シリアス展開もわりとあります。
《夢見の女王》婚約破棄の無限ループはもう終わり! ~腐れ縁の王太子は平民女に下げ渡してあげます
真義あさひ
恋愛
公爵令嬢のマーゴットは卒業式の日、王太子バルカスから婚約破棄された。彼の愛する平民女性を虐げたことが理由らしい。
だが、彼は知らない。
冤罪なのはもちろん、事情があって彼はマーゴットと結婚しなければ王家に残れない仮初の王太子であったことを。
それを指摘された王太子は怒り狂い、マーゴットを暴力によって殺害してしまう。
マーゴットはそんな人生を何度も何度もループしていた。
マーゴットはそんな王太子でも愛していた。けれど愛があってもこのループからは逃れられないと知って、覚悟を決めることになる。
これは、後に女王となった公爵令嬢が自分の本当の想いを取り戻して、腐れ縁の幼なじみ王太子と訣別するまでの物語。
※女性向けHOTランキング2位ありがとうございます!
※タイトルに本題追加しました。(2022/11/18)
四回目の人生は、お飾りの妃。でも冷酷な夫(予定)の様子が変わってきてます。
千堂みくま
恋愛
「あぁああーっ!?」婚約者の肖像画を見た瞬間、すべての記憶がよみがえった。私、前回の人生でこの男に殺されたんだわ! ララシーナ姫の人生は今世で四回目。今まで三回も死んだ原因は、すべて大国エンヴィードの皇子フェリオスのせいだった。婚約を突っぱねて死んだのなら、今世は彼に嫁いでみよう。死にたくないし!――安直な理由でフェリオスと婚約したララシーナだったが、初対面から夫(予定)は冷酷だった。「政略結婚だ」ときっぱり言い放ち、妃(予定)を高い塔に監禁し、見張りに騎士までつける。「このままじゃ人質のまま人生が終わる!」ブチ切れたララシーナは前世での経験をいかし、塔から脱走したり皇子の秘密を探ったりする、のだが……。あれ? 冷酷だと思った皇子だけど、意外とそうでもない? なぜかフェリオスの様子が変わり始め――。
○初対面からすれ違う二人が、少しずつ距離を縮めるお話○最初はコメディですが、後半は少しシリアス(予定)○書き溜め→予約投稿を繰り返しながら連載します。
女神様からもらったスキル「不死」はループ地獄の神罰でした!?
里見知美
恋愛
メリアンは深窓の令嬢と囁かれる麗しい侯爵令嬢だが、忌まわしい過去がいつもその後ろを付き纏っていた。7歳以前の記憶がなく、「悪魔に魅入られた少女」と神殿から監視されて聖騎士の婚約者までつけられた。本来なら気が強く口も達者なのだが、すっかりその形を潜めている。
そんなメリアンが変わったのは、国の存亡を賭ける事件が起こったあの日。
女神に授けられたスキル「不死」で正しい道を選ばなければならないのだが……。
不死って『死なない』じゃなくて、『死ねない』んだと気がついた。
※全28話+おまけの小話で完結です。なろう様にも投稿中。
悪魔だと呼ばれる強面騎士団長様に勢いで結婚を申し込んでしまった私の結婚生活
束原ミヤコ
恋愛
ラーチェル・クリスタニアは、男運がない。
初恋の幼馴染みは、もう一人の幼馴染みと結婚をしてしまい、傷心のまま婚約をした相手は、結婚間近に浮気が発覚して破談になってしまった。
ある日の舞踏会で、ラーチェルは幼馴染みのナターシャに小馬鹿にされて、酒を飲み、ふらついてぶつかった相手に、勢いで結婚を申し込んだ。
それは悪魔の騎士団長と呼ばれる、オルフェレウス・レノクスだった。
人質生活を謳歌していた虐げられ王女は、美貌の公爵に愛を捧げられる
美並ナナ
恋愛
リズベルト王国の王女アリシアは、
敗戦に伴い長年の敵対国である隣国との同盟のため
ユルラシア王国の王太子のもとへ嫁ぐことになる。
正式な婚姻は1年後。
本来なら隣国へ行くのもその時で良いのだが、
アリシアには今すぐに行けという命令が言い渡された。
つまりは正式な婚姻までの人質だ。
しかも王太子には寵愛を与える側妃がすでにいて
愛される見込みもないという。
しかし自国で冷遇されていたアリシアは、
むしろ今よりマシになるくらいだと思い、
なんの感慨もなく隣国へ人質として旅立った。
そして隣国で、
王太子の側近である美貌の公爵ロイドと出会う。
ロイドはアリシアの監視役のようでーー?
これは前世持ちでちょっぴりチートぎみなヒロインが、
前向きに人質生活を楽しんでいたら
いつの間にか愛されて幸せになっていくお話。
※設定がゆるい部分もあると思いますので、気楽にお読み頂ければ幸いです。
※前半〜中盤頃まで恋愛要素低めです。どちらかというとヒロインの活躍がメインに進みます。
■この作品は、エブリスタ様・小説家になろう様でも掲載しています。
恋した男が妻帯者だと知った途端、生理的にムリ!ってなったからもう恋なんてしない。なんて言えないわ絶対。
あとさん♪
恋愛
「待たせたね、メグ。俺、離婚しようと思うんだ」
今まで恋人だと思っていた彼は、まさかの妻帯者だった!
絶望するメグに追い打ちをかけるように彼の奥さまの使いの人間が現れた。
相手はお貴族さま。自分は平民。
もしかしてなにか刑罰を科されるのだろうか。泥棒猫とか罵られるのだろうか。
なにも知らなかったメグに、奥さまが言い渡した言葉は「とりあえず、我が家に滞在しなさい」
待っていたのは至れり尽くせりの生活。……どういうこと?
居た堪れないメグは働かせてくれと申し出る。
一方、メグを騙していた彼は「メグが誘拐された」と憲兵に訴えていた。
初めての恋は呆気なく散った。と、思ったら急に仕事が忙しくなるし、あいつはスト○カ○っぽいし、なんだかトラブル続き?!
メグに次の恋のお相手は来るのか?
※全48話。脱稿済。
※R15は保険。
※設定はゆるんゆるん。
※作者独自のなんちゃってご都合主義異世界だとご了承ください。
※このお話は小説家になろうにも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる