42 / 55
篠宮小夜の受難(三十七)
しおりを挟む
あたたかい。
人の肌のあたたかさだ。
気持ちいい。
このまままどろんでいたい。
……今日は予定があった気がする。
「ん」
スマートフォンを取ろうとして手を上げようとした瞬間に、暖かいものに触れた。驚いて目を開けると、誰かの唇が目の前にあった。
「!?」
顔の持ち主を慌てて見上げると、里見宗介。礼二ではない。ビックリした。
宗介の腕枕で、彼と裸で抱き合っている。少し足を動かして確認すると、お互いに下着は穿いている。ようだ。
Tシャツを着て寝たはずなのに、見当たらない。……脱がされた? 油断も隙もありゃしない。
それにしても……私、二週間で落ちたのか。
宗介の六年間の執念が実ったということだ。
情けないやら、恥ずかしいやらで、とても複雑な気分だ。
宗介の髭は薄い。少ししか生えていない。一日くらい剃らなくても大丈夫そうだ。指で髭を触ると、ジョリジョリしている。痛い。
あ、まつ毛長い。うらやましい。鼻毛は出ていないけど、鼻の穴は、へえ、そんな形。あ、ほくろ発見。眉毛に近いし小さいから目立たないんだなぁ。耳朶は柔らかい。福耳ではないけれど。
腕も胸も筋肉質だ。鍛えているのだろうか。お腹は、若干、肉付きがよいけれど。
「……」
少し宗介の下に向かって体を動かして、胸元にちゅうと吸い付く。肌を吸い上げたあと、唇を離して、赤い痕を確認してニヤリと笑う。それを何箇所か繰り返して、昨日つけられた仕返しとばかりにキスマークをつけておく。
宗介は起きない。
キスマーク三つ目くらいで起きるかと思っていたのに。もしかしたら、低血圧で朝が弱いのかもしれない。
今日は朝に何を食べようかな。パン? ごはん? 宗介はどっちがいい?
「んん」
宗介が身じろぎをして私をぎゅうと抱きしめる。肌が触れ合う。宗介の腕が私の腰を抱く。ぞくぞくする。
ペロリと宗介の下唇を舐めてみる。ちょっとかさついている。下唇を甘く食んでみる。
「ん」
宗介は起きない。
仕方がないので、頬に手を添えて唇にキスをする。ちょっと唇が動いた?
「小夜」
「わ」
いきなり名前を呼ばれてビックリした。
しっかり目を開けた宗介が私を見つめている。もしかして、たぬき寝入りでした?
「もっと」
甘い声色でキスをねだられると、拒否できない。何度か唇を重ね、舌を迎え入れていると、宗介がそっと私の上に乗ってくる。ベッドで組み敷かれてするキスは、好き。
太ももにわざと当てられたボクサーパンツの中は、硬く熱い。まぁ、朝、だもんなぁ。
「……ゴムは残ってるよ」
「……挿入(いれ)たい?」
「もちろん。いつでも」
煽ったのは、私? それとも、生理現象に乗っかっただけ? どちらでもいい。
胸の先端を宗介が舐めて捏ねて甘く噛むから、私の体も少しずつ彼を受け入れる準備が整っていく。刺激を受けてすぐ濡れるのは、便利なようだけれど、欲しがりなようにも思えて恥ずかしい。
「……そーすけ」
「いい?」
「ん、おいで」
前戯もそこそこに、濡れた蜜口に皮膜付きの楔が突き立てられる。宗介の滾った肉棒を、膣は難なく飲み込んでいく。その形さえ覚えてしまったかのように、宗介の質量を咥え込むことに痛みはない。すぐに馴染む。
「っあ、あぁ……」
「痛くない? 大丈夫?」
「だい、じょぶ。筋肉痛、のほうが、辛い」
「昨日の?」
「……久しぶり、だったのにっ、あんなに、激しくされ……っ、酷いっ」
体、特に下半身の違和感は、筋肉痛。久しく動かしていない筋肉を昨日無理やり動かされて、体が悲鳴をあげたのだ。
「久しぶりだったの? どれくらいしていなかったの?」
「……二ヶ月くらい、かな……」
「へぇ。高村礼二とはセックスレスだったんだね。嬉しい」
何が嬉しくて、どこに喜ぶべき要素があったのかは私には全くわからないけれど、宗介は満足そうに笑う。
「俺がぜんぶ上書きするから」
「あっ、おく、んんんっ!」
雨の日の朝、薄暗いベッドの上で、ただただお互いの熱を欲して貪り合う。
奥まで、奥まで、一番奥まで、来て。
獣のように荒く短い呼吸を吐き出しながら、その甘美な交わりに没頭する。
なんて気持ちのいい行為――。
「ねぇ、小夜」
「あっん、な、に?」
ゆっくり、お互いを高め合いながら、じっくり、キスをしながら、求め合う。
「好き、って言って」
「……」
「言って」
昨日の夜、寝ぼけながら言った言葉を、再度言わされるのは恥ずかしい。けれど、たぶん、宗介はそれが欲しいのだ。欲しくてたまらないのだ。
不安、なのだろう。
私が宗介の立場なら、やっぱり言ってほしい。毎日でも、聞きたい。私を想う言葉を、恋人の口から、聞きたい。
「宗介」
奥まで挿入して、子宮口をぐりぐりといじめながら、宗介は言葉を待つ。いや、だから、奥は、駄目だってば。
「好きよ」
目が見開かれたあと、一瞬で宗介は破顔する。デレデレとした、しまりのない顔だ。
「小夜、もっと」
「好き」
「小夜、俺も好き」
「私も好き」
ぎゅうぎゅうと抱き合って、高校生みたいに「好き」を言い合って、体の奥でお互いを感じ合う。幸せな時間だ。
いつ好きになったのか、なんてわからない。一目惚れではないのだし、ただ絆されたのかもしれないし、本当によくわからない。
宗介を好ましいと思い、触られても嫌だとは感じず、体の繋がりを求めている――それだけなら、恋人でなくても良いのだけれど。
私、自分のことを棚に上げて、「宗介のセックスの手順が慣れているのは、他の女の人と経験があるに違いない」と思った瞬間に、ほんの一瞬だけ、「ムッ」としたのだ。
……嫉妬、したのだ。
こんなに私を求めているのに、他の人と経験したの?
その人は、どんな人?
一人だけ? それとも、複数?
私と、どう違った?
ねぇ、宗介。
私、そんな意地悪な質問をしてみたくて仕方がないの。
もちろん、聞いたらちゃんと答えてくれるとわかっているから、聞きたくないのだけれど。
心も体も手に入れたい、と思うくらいには、宗介のことが好き。
「あっ、あぁ、そーすけぇっ」
「小夜、気持ちいい」
「私もっ、きもち、い、っ」
「でも、俺以外のことを考えないで」
「!!」
宗介が私の舌に噛み付く。痛い。血が出そう。
目の中に宗介だけを映して、私は頷く。
「ごめ、っあ!」
「何を考えていたのかはあとで聞くから……今は、気持ち良くなって、小夜」
「っあああ!」
胸の二つの先端を同時に指で摘まれて、背中がしなる。ほんとは指じゃなくて舌で蹂躙してほしい。あれは気持ちいい。
でも、舌は私の口の中いっぱいに挿入ってきている。我慢、しなくちゃ。
「あ、キツくなってきた……小夜、イキそう?」
浅めに突かれると、弱い部分に強い刺激――快楽がもたらされる。とてつもなく、気持ちいい。
十分高まってしまっていると自覚している。わかっている。
だから、あと少し――我慢。
「小夜、我慢しないで、おいで」
宗介の優しげな目が私だけを映す。
悔しいな。私、この先ずっとイカされ続けるんだろうな。
どんどん体が馴染んでいって、お互いのものでなきゃ満足できなくなって、そういう生活に慣れていくんだろう。そのときには、「好き」も「愛してる」も、普通に言えるようになっているといいな。
「そーすけ、一緒に」
「……っ、小夜」
一人じゃやだ。一緒にイキたい。
私の願いは、宗介の官能に火をつけることができた?
浅いところから深く深く膣内を穿ってくる肉茎は、擦れてぐじゅぐじゅと音を立て、その水音が二人の熱を煽る。
「小夜ッ」
宗介が私の両足首を掴んで、自分の肩の上に乗せる。肉棒の当たる角度が、圧迫感が、一気に変わった。
「いっ!? ああぁああっ!」
深すぎるっ!!
宗介の先端が、子宮口を押し開くかのような――そんな痛みに、目の前が白く爆ぜる。
手の甲を押し付けることで悲鳴を抑えて、深さゆえに生じる痛みを我慢して。朝からこんなハードな情事は辛い、と泣き言を噛みしめて。
「あぁ、小夜っ、ごめんっ」
「いっ、んんっ、く」
「止められないっ」
大丈夫。痛みは我慢する。あとで説教だけど。
私の体で気持ち良くなってくれるなら、それで構わないから。
でも、圧迫感がすごい……硬くて太くて、奥で出したいと貪欲で。
「小夜……小夜……イク」
ぐっと腰を掴んで、奥へ奥へと突き進んで、宗介は、恍惚の表情を浮かべて、果てた。
「はぁ、はぁ、っ、ごめん、小夜」
私も荒く呼吸をしながら、宗介の行動を追う。
足を投げ出してぐったりとした私から肉棒を引き抜いて、ティッシュで後始末をしたあと、起き上がろうとした私を笑顔で押し倒して、宗介は。
「我慢、できなかった……順番が逆になってごめん。いっぱいイカせてあげるから、気持ち良くなって」
しとどに濡れた蜜口と花芽に、指を何本か宛がって――宗介はまた、私を、追い詰め始める。
「気を失うまで、貪ってあげる」
宗介の真剣な視線に、彼の本気度を確認して、私は青ざめながらようやく叫んだ。
「朝から、これは、しんどいっ!!」
もちろん、盛りのついた野獣には聞こえていなかったのか……拒絶はすべて、無駄だったのだけれど。
人の肌のあたたかさだ。
気持ちいい。
このまままどろんでいたい。
……今日は予定があった気がする。
「ん」
スマートフォンを取ろうとして手を上げようとした瞬間に、暖かいものに触れた。驚いて目を開けると、誰かの唇が目の前にあった。
「!?」
顔の持ち主を慌てて見上げると、里見宗介。礼二ではない。ビックリした。
宗介の腕枕で、彼と裸で抱き合っている。少し足を動かして確認すると、お互いに下着は穿いている。ようだ。
Tシャツを着て寝たはずなのに、見当たらない。……脱がされた? 油断も隙もありゃしない。
それにしても……私、二週間で落ちたのか。
宗介の六年間の執念が実ったということだ。
情けないやら、恥ずかしいやらで、とても複雑な気分だ。
宗介の髭は薄い。少ししか生えていない。一日くらい剃らなくても大丈夫そうだ。指で髭を触ると、ジョリジョリしている。痛い。
あ、まつ毛長い。うらやましい。鼻毛は出ていないけど、鼻の穴は、へえ、そんな形。あ、ほくろ発見。眉毛に近いし小さいから目立たないんだなぁ。耳朶は柔らかい。福耳ではないけれど。
腕も胸も筋肉質だ。鍛えているのだろうか。お腹は、若干、肉付きがよいけれど。
「……」
少し宗介の下に向かって体を動かして、胸元にちゅうと吸い付く。肌を吸い上げたあと、唇を離して、赤い痕を確認してニヤリと笑う。それを何箇所か繰り返して、昨日つけられた仕返しとばかりにキスマークをつけておく。
宗介は起きない。
キスマーク三つ目くらいで起きるかと思っていたのに。もしかしたら、低血圧で朝が弱いのかもしれない。
今日は朝に何を食べようかな。パン? ごはん? 宗介はどっちがいい?
「んん」
宗介が身じろぎをして私をぎゅうと抱きしめる。肌が触れ合う。宗介の腕が私の腰を抱く。ぞくぞくする。
ペロリと宗介の下唇を舐めてみる。ちょっとかさついている。下唇を甘く食んでみる。
「ん」
宗介は起きない。
仕方がないので、頬に手を添えて唇にキスをする。ちょっと唇が動いた?
「小夜」
「わ」
いきなり名前を呼ばれてビックリした。
しっかり目を開けた宗介が私を見つめている。もしかして、たぬき寝入りでした?
「もっと」
甘い声色でキスをねだられると、拒否できない。何度か唇を重ね、舌を迎え入れていると、宗介がそっと私の上に乗ってくる。ベッドで組み敷かれてするキスは、好き。
太ももにわざと当てられたボクサーパンツの中は、硬く熱い。まぁ、朝、だもんなぁ。
「……ゴムは残ってるよ」
「……挿入(いれ)たい?」
「もちろん。いつでも」
煽ったのは、私? それとも、生理現象に乗っかっただけ? どちらでもいい。
胸の先端を宗介が舐めて捏ねて甘く噛むから、私の体も少しずつ彼を受け入れる準備が整っていく。刺激を受けてすぐ濡れるのは、便利なようだけれど、欲しがりなようにも思えて恥ずかしい。
「……そーすけ」
「いい?」
「ん、おいで」
前戯もそこそこに、濡れた蜜口に皮膜付きの楔が突き立てられる。宗介の滾った肉棒を、膣は難なく飲み込んでいく。その形さえ覚えてしまったかのように、宗介の質量を咥え込むことに痛みはない。すぐに馴染む。
「っあ、あぁ……」
「痛くない? 大丈夫?」
「だい、じょぶ。筋肉痛、のほうが、辛い」
「昨日の?」
「……久しぶり、だったのにっ、あんなに、激しくされ……っ、酷いっ」
体、特に下半身の違和感は、筋肉痛。久しく動かしていない筋肉を昨日無理やり動かされて、体が悲鳴をあげたのだ。
「久しぶりだったの? どれくらいしていなかったの?」
「……二ヶ月くらい、かな……」
「へぇ。高村礼二とはセックスレスだったんだね。嬉しい」
何が嬉しくて、どこに喜ぶべき要素があったのかは私には全くわからないけれど、宗介は満足そうに笑う。
「俺がぜんぶ上書きするから」
「あっ、おく、んんんっ!」
雨の日の朝、薄暗いベッドの上で、ただただお互いの熱を欲して貪り合う。
奥まで、奥まで、一番奥まで、来て。
獣のように荒く短い呼吸を吐き出しながら、その甘美な交わりに没頭する。
なんて気持ちのいい行為――。
「ねぇ、小夜」
「あっん、な、に?」
ゆっくり、お互いを高め合いながら、じっくり、キスをしながら、求め合う。
「好き、って言って」
「……」
「言って」
昨日の夜、寝ぼけながら言った言葉を、再度言わされるのは恥ずかしい。けれど、たぶん、宗介はそれが欲しいのだ。欲しくてたまらないのだ。
不安、なのだろう。
私が宗介の立場なら、やっぱり言ってほしい。毎日でも、聞きたい。私を想う言葉を、恋人の口から、聞きたい。
「宗介」
奥まで挿入して、子宮口をぐりぐりといじめながら、宗介は言葉を待つ。いや、だから、奥は、駄目だってば。
「好きよ」
目が見開かれたあと、一瞬で宗介は破顔する。デレデレとした、しまりのない顔だ。
「小夜、もっと」
「好き」
「小夜、俺も好き」
「私も好き」
ぎゅうぎゅうと抱き合って、高校生みたいに「好き」を言い合って、体の奥でお互いを感じ合う。幸せな時間だ。
いつ好きになったのか、なんてわからない。一目惚れではないのだし、ただ絆されたのかもしれないし、本当によくわからない。
宗介を好ましいと思い、触られても嫌だとは感じず、体の繋がりを求めている――それだけなら、恋人でなくても良いのだけれど。
私、自分のことを棚に上げて、「宗介のセックスの手順が慣れているのは、他の女の人と経験があるに違いない」と思った瞬間に、ほんの一瞬だけ、「ムッ」としたのだ。
……嫉妬、したのだ。
こんなに私を求めているのに、他の人と経験したの?
その人は、どんな人?
一人だけ? それとも、複数?
私と、どう違った?
ねぇ、宗介。
私、そんな意地悪な質問をしてみたくて仕方がないの。
もちろん、聞いたらちゃんと答えてくれるとわかっているから、聞きたくないのだけれど。
心も体も手に入れたい、と思うくらいには、宗介のことが好き。
「あっ、あぁ、そーすけぇっ」
「小夜、気持ちいい」
「私もっ、きもち、い、っ」
「でも、俺以外のことを考えないで」
「!!」
宗介が私の舌に噛み付く。痛い。血が出そう。
目の中に宗介だけを映して、私は頷く。
「ごめ、っあ!」
「何を考えていたのかはあとで聞くから……今は、気持ち良くなって、小夜」
「っあああ!」
胸の二つの先端を同時に指で摘まれて、背中がしなる。ほんとは指じゃなくて舌で蹂躙してほしい。あれは気持ちいい。
でも、舌は私の口の中いっぱいに挿入ってきている。我慢、しなくちゃ。
「あ、キツくなってきた……小夜、イキそう?」
浅めに突かれると、弱い部分に強い刺激――快楽がもたらされる。とてつもなく、気持ちいい。
十分高まってしまっていると自覚している。わかっている。
だから、あと少し――我慢。
「小夜、我慢しないで、おいで」
宗介の優しげな目が私だけを映す。
悔しいな。私、この先ずっとイカされ続けるんだろうな。
どんどん体が馴染んでいって、お互いのものでなきゃ満足できなくなって、そういう生活に慣れていくんだろう。そのときには、「好き」も「愛してる」も、普通に言えるようになっているといいな。
「そーすけ、一緒に」
「……っ、小夜」
一人じゃやだ。一緒にイキたい。
私の願いは、宗介の官能に火をつけることができた?
浅いところから深く深く膣内を穿ってくる肉茎は、擦れてぐじゅぐじゅと音を立て、その水音が二人の熱を煽る。
「小夜ッ」
宗介が私の両足首を掴んで、自分の肩の上に乗せる。肉棒の当たる角度が、圧迫感が、一気に変わった。
「いっ!? ああぁああっ!」
深すぎるっ!!
宗介の先端が、子宮口を押し開くかのような――そんな痛みに、目の前が白く爆ぜる。
手の甲を押し付けることで悲鳴を抑えて、深さゆえに生じる痛みを我慢して。朝からこんなハードな情事は辛い、と泣き言を噛みしめて。
「あぁ、小夜っ、ごめんっ」
「いっ、んんっ、く」
「止められないっ」
大丈夫。痛みは我慢する。あとで説教だけど。
私の体で気持ち良くなってくれるなら、それで構わないから。
でも、圧迫感がすごい……硬くて太くて、奥で出したいと貪欲で。
「小夜……小夜……イク」
ぐっと腰を掴んで、奥へ奥へと突き進んで、宗介は、恍惚の表情を浮かべて、果てた。
「はぁ、はぁ、っ、ごめん、小夜」
私も荒く呼吸をしながら、宗介の行動を追う。
足を投げ出してぐったりとした私から肉棒を引き抜いて、ティッシュで後始末をしたあと、起き上がろうとした私を笑顔で押し倒して、宗介は。
「我慢、できなかった……順番が逆になってごめん。いっぱいイカせてあげるから、気持ち良くなって」
しとどに濡れた蜜口と花芽に、指を何本か宛がって――宗介はまた、私を、追い詰め始める。
「気を失うまで、貪ってあげる」
宗介の真剣な視線に、彼の本気度を確認して、私は青ざめながらようやく叫んだ。
「朝から、これは、しんどいっ!!」
もちろん、盛りのついた野獣には聞こえていなかったのか……拒絶はすべて、無駄だったのだけれど。
0
お気に入りに追加
359
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小野寺社長のお気に入り
茜色
恋愛
朝岡渚(あさおかなぎさ)、28歳。小さなイベント企画会社に転職して以来、社長のアシスタント兼お守り役として振り回される毎日。34歳の社長・小野寺貢(おのでらみつぐ)は、ルックスは良いが生活態度はいい加減、デリカシーに欠ける困った男。
悪天候の夜、残業で家に帰れなくなった渚は小野寺と応接室で仮眠をとることに。思いがけず緊張する渚に、「おまえ、あんまり男を知らないだろう」と小野寺が突然迫ってきて・・・。
☆全19話です。「オフィスラブ」と謳っていますが、あまりオフィスっぽくありません。
☆「ムーンライトノベルズ」様にも掲載しています。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
隠れ御曹司の手加減なしの独占溺愛
冬野まゆ
恋愛
老舗ホテルのブライダル部門で、チーフとして働く二十七歳の香奈恵。ある日、仕事でピンチに陥った彼女は、一日だけ恋人のフリをするという条件で、有能な年上の部下・雅之に助けてもらう。ところが約束の日、香奈恵の前に現れたのは普段の冴えない彼とは似ても似つかない、甘く色気のある極上イケメン! 突如本性を露わにした彼は、なんと自分の両親の前で香奈恵にプロポーズした挙句、あれよあれよと結婚前提の恋人になってしまい――!? 「誰よりも大事にするから、俺と結婚してくれ」恋に不慣れな不器用OLと身分を隠したハイスペック御曹司の、問答無用な下克上ラブ!
なし崩しの夜
春密まつり
恋愛
朝起きると栞は見知らぬベッドの上にいた。
さらに、隣には嫌いな男、悠介が眠っていた。
彼は昨晩、栞と抱き合ったと告げる。
信じられない、嘘だと責める栞に彼は不敵に微笑み、オフィスにも関わらず身体を求めてくる。
つい流されそうになるが、栞は覚悟を決めて彼を試すことにした。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる