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47話、姉。

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 お風呂から出てスマートフォンを確認すると、ショウからの『今から帰る』メッセージが届いていた。
 良かったぁ。
 ほっと胸をなで下ろす。あの店長と何事もなければいいのだけれど。
 脱衣所にてバスタオルで髪を拭きながら、今からドライヤーでも使うかなと思っていたら。
 ガチャリ、と玄関の鍵が開く音がした。

「姉ちゃん、ただいま!」
「あ、おかえり、ショウ」

 脱衣所から顔を出すと、ショウが鞄を放り投げて、笑顔で抱きついてきた。

「わ、わ、ショウ?」
「姉ちゃん」
「ん、どした?」
「姉ちゃん、好き」

 汗くさいショウの体を抱きしめ返す。背中を撫でて、ぽんぽんと軽く叩く。汗くさくても、たくさん働いてきたショウの体臭は嫌いではない。

「姉ちゃん、好きだよ」
「うん、知ってる。私も大好きよ」

 言い終わると同時に、唇が重なる。唇の感触を確かめ合ったら、ショウはすぐに舌をねじ込んでくる。熱くて甘い、とろけるようなキス。
 帰ってくる直前に、午後の紅茶のミルクティーを飲んだな、ショウのやつ。
 ショウからもたらされる甘い味を堪能しながら、ぎゅうと彼を抱きしめる。息をするのももどかしい。もっと深く、もっと奥まで、私に愛をちょうだい。

「姉ちゃん、今」
「うん?」
「抱いてほしいって、思ったでしょ?」

 図星。
 指摘されると恥ずかしくなってしまう。
 でも、なんでわかっちゃうんだろう? 私、そんなに欲しがっている顔したかしら?

「……だめ?」
「ダメじゃない」

 ぐっと体重をかけられると、自分の体を支えられなくなる。慌てている間に、背中にバスタオルとひんやりとした床の感触。目の前に、ショウの笑顔。

「今すぐ、ここでしても、いい?」

 脱衣所で?
 なんて聞く間もなく、ショウのキスが降ってきた。

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