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31.友だちと(side 梛木)
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「まず、八卦って何? 」
首を傾げる高橋に本を片手に説明する。
勿論のことながら、空で暗記しているわけがない。「覚えろ」って言われたならきっと覚えられるだろうが、俺的に覚える必要性を感じられない。‥その程度の興味なのか? って言われたら‥まあ、そうなんだろう。だけど、無理やり読んでるだけとは違う。(その微妙な感じきっと伝わるだろう)必要な時に見直す必要があるから易経の本は結局購入した。
「八卦とは、陰と陽の三本の爻から構成されている」
俺が言うと高橋が
「陰と陽? 」
って首を傾げて
「男が陽で女が陰っていう考え方の奴? 」
って言うから
「だけじゃない。‥だけど、俺もそこら辺は詳しくは理解できない」
って正直に答えた。
別に俺、易者とかじゃないもん。
高橋はそういうことこだわる人かな? って思ったらそうでもないらしく。
「まあいいや。どうせ聞いても分からない」
ってあっさり話を終えてくれた。
正直助かる。俺は頷いて話を続ける。
「三本の爻で出来た卦は8種類あって、「乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤」という名前が付いてる」
紙に書きながら説明したら、
「成程。つまりキャラクターは8人。八卦をキャラクター化するってことね? 」
にこっと面白そうに笑って
「じゃあ、後はその意味みたいなのがキャラクターの特徴ってことになる。性格って言ったらいいかしら? 」
話を進めていこうとする高橋。
待て待て。さらっと流しすぎだろ。
「まずは、自分の卦を決めるところから」
そう言って俺は、「八卦合わせ」のことをざっと説明した。
「確かに山からプログラムが8枚配るのは「プログラムされてるんでしょ」って思われそうねえ。じゃあ、神経衰弱みたいに裏返しておいてその中から8枚選ぶのはどうかしら? ‥まあ、それでも表返したカードは元から選ばれてた奴でしょ? ってなるかもしれないけど、そんなこと言ったらキリがないわよね。
そうね‥画面の端にでも「乾 残り7/8とか出すようにする? そしたら、残りの64枚の中にはもう乾は7枚しか残ってないって分かりやすいし」
う~ん、でもそういう細かいことは後でいいか。
裏向けたカードから8枚選ぶっていうのはだけど採用。
「だけど、64枚ってよくわかったね」
「そりゃ‥だって8枚同じ卦のカードが揃った方が勝ちって言ったじゃない。
トランプゲームの51みたいな感じってことでしょ? 」
高橋が当たり前って顔で言った。
「8枚の同じ卦のカードにもトランプみたいに数字を振るのかしら? 」
高橋は自分の分かる言葉で人の話を理解するタイプらしい。発想が柔軟なとこは、話してて助かる。
「うんそう。だけど、これはレベルではない」
「レベル? 」
「うん。こういう考えは易経にはないんだろうけど‥卦をキャラクターとして見た場合にはさ、やっぱりレベルって考え方があってもいいんじゃないかなって。
乾は普通は天って意味で、普通は勿論唯一無二なんだろう。だけど「乾」ってタイプって考えたら‥強い弱いがあってもいいんじゃないかなって。
乾の力強め‥みたいな? 」
‥易者が聞いたら怒り出しそうな解釈だけどね。
高橋もそういうタイプかな? って思ったら、
「なるほどなるほど。それは面白いね」
って笑ってる。
うん。全然そんなタイプじゃなかった。
よかった。
その後、なんちゃって易経ゲーム政策会議は連日終業後夜遅くまで続いた。だから、くたくたで帰ったらもうばたんきゅ~だ。そんな感じで時々夕飯を食べ忘れたりしたから楠に叱られたりもした。楠はホントにオカンだ。
そして完成した「Souls gate(仮)」のお披露目。試作品は、愛すべきオカン・楠(随分お世話になりました。夕食を食べ忘れたときは夕ご飯に具沢山お握りを差し入れてもらったりね(高橋の分も))にプレイしてもらうことにした。
説明はしない。説明しないと出来ないゲームなんてクソだって思ってるから。
「8枚選べばいいんだね? 八卦合わせみたいだね」
楽しそうに始めた楠だったんだけど‥勝負はかなりすぐ終わった。え。俺たちの苦労は一体?
つまり、楠は一回で8枚「坎」が全部揃ったんだ。
坎1~坎8までずらーと、坎。
勿論文句なしにレベルMAXだよ。そんな偶然ってある??
その結果には俺だけじゃなくて高橋もぼー然となってた。‥だよね?? その反応が普通だよね?? なんで楠ケロッとしてるの?? ‥ああ、この凄さが分かってないのか。
‥いや、わかるよね?? 単純に確率の問題として見たとしても凄いよね?? 。
楠は無邪気に
「僕のキャラクターこれだって。わ~このゲーム凄いね~。グラフィック綺麗だね~」
って画面に釘付けだ。
うん。
高橋の仕事褒めてくれてありがとう。
普通はね、この後もう一回札を選び直すんだよ。
その時、2枚以上揃ったカードを手元に残し、8枚のうち残りのカードを場に戻さず横に避けておくんだ。
例えば乾が2枚で他がバラバラとかだったら、乾の2枚を手元に残し、残り6枚を横に避ける。そして、64-8=56枚の裏返した札から6枚選ぶ。その結果、乾が何枚に増えるかでレベルが決まる。(2回勝負なんだ)因みに、2回目で2枚以上の卦が出来ても、それは無効。あくまで一回目の卦が自分の卦なんだ。
最初っから2枚以上揃ったカードが二組以上ある場合はちょっと特殊で、例えば乾と坎が2枚ずつとしたら、のこり4枚を横に避けて、乾のグループとして6枚残りの裏返しのカードから選び、坎のグループとして6枚更に残りの(56-6=50枚)裏返しのカードから選ぶ。その結果、どっちが同じ卦のカードが増えたを見る。同じ卦が多い方が「自分の卦」ってことになる。またどっちも同じだったら? そのときは、卦の横に振られた数字の合計が大きい方だ。
この場合、どちらを先に引くかによっても変わって来る。だからそれは『乾、坎が2枚ずつ揃っています。どちらの分から先に選びますか? 』って風に‥自分で選択できるようにした。
‥とこういう風に色々考えて作ったのに‥!
あとね、このパターンも想定したんだよ? 8種類全部バラバラ。この場合は、「易者」っていうキャラクターにすることにしたんだ。
自分の卦が決まったら次は、レベルだ。
さっきのね。2枚揃ったパターンを例に説明しよう。
一回目 2回目
2 0
の場合は、10+0 でレベル10
1回目に2枚揃っただけなのは、レベル10なんだ。(ちなみに1回目に3枚揃った場合はレベル11、4枚ならレベル13、5枚ならレベル15、6枚ならレベル17、7枚はレベル19、MAX全揃いはレベルMAXの20)
一回目 2回目
2 1
の場合は、10+1 でレベル11
‥って風になっていくんだけど、流石に2回目で8枚揃っちゃうとかだったら凄いよね? その場合はレベル17ってことにする。
俺たちが特にこだわったのは、1回目の価値だ。
2回目足してレベル12(例えば1回目10+2回目 2)と1回目12で2回目ゼロの12は同じ12レベルだけど、ちょっと違う風にしたい。1回目が何よりも重要だから、1回目12レベルの方が、2回目足して12レベルより強いって風にしたい。そこで俺たちは、1回目を初期値、二回目は補正値っていう風にすることにした。数字上には出てこないそこは、キャラクターの見た目と能力に微妙な違いを持たせることにした。
‥っていう風に色々考えたのに‥!
キャラクターもどんだけ?? って程作ったのに!
オカンはいつでも最強‥。全然関係ないけどそんな風に思ったのだった。
首を傾げる高橋に本を片手に説明する。
勿論のことながら、空で暗記しているわけがない。「覚えろ」って言われたならきっと覚えられるだろうが、俺的に覚える必要性を感じられない。‥その程度の興味なのか? って言われたら‥まあ、そうなんだろう。だけど、無理やり読んでるだけとは違う。(その微妙な感じきっと伝わるだろう)必要な時に見直す必要があるから易経の本は結局購入した。
「八卦とは、陰と陽の三本の爻から構成されている」
俺が言うと高橋が
「陰と陽? 」
って首を傾げて
「男が陽で女が陰っていう考え方の奴? 」
って言うから
「だけじゃない。‥だけど、俺もそこら辺は詳しくは理解できない」
って正直に答えた。
別に俺、易者とかじゃないもん。
高橋はそういうことこだわる人かな? って思ったらそうでもないらしく。
「まあいいや。どうせ聞いても分からない」
ってあっさり話を終えてくれた。
正直助かる。俺は頷いて話を続ける。
「三本の爻で出来た卦は8種類あって、「乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤」という名前が付いてる」
紙に書きながら説明したら、
「成程。つまりキャラクターは8人。八卦をキャラクター化するってことね? 」
にこっと面白そうに笑って
「じゃあ、後はその意味みたいなのがキャラクターの特徴ってことになる。性格って言ったらいいかしら? 」
話を進めていこうとする高橋。
待て待て。さらっと流しすぎだろ。
「まずは、自分の卦を決めるところから」
そう言って俺は、「八卦合わせ」のことをざっと説明した。
「確かに山からプログラムが8枚配るのは「プログラムされてるんでしょ」って思われそうねえ。じゃあ、神経衰弱みたいに裏返しておいてその中から8枚選ぶのはどうかしら? ‥まあ、それでも表返したカードは元から選ばれてた奴でしょ? ってなるかもしれないけど、そんなこと言ったらキリがないわよね。
そうね‥画面の端にでも「乾 残り7/8とか出すようにする? そしたら、残りの64枚の中にはもう乾は7枚しか残ってないって分かりやすいし」
う~ん、でもそういう細かいことは後でいいか。
裏向けたカードから8枚選ぶっていうのはだけど採用。
「だけど、64枚ってよくわかったね」
「そりゃ‥だって8枚同じ卦のカードが揃った方が勝ちって言ったじゃない。
トランプゲームの51みたいな感じってことでしょ? 」
高橋が当たり前って顔で言った。
「8枚の同じ卦のカードにもトランプみたいに数字を振るのかしら? 」
高橋は自分の分かる言葉で人の話を理解するタイプらしい。発想が柔軟なとこは、話してて助かる。
「うんそう。だけど、これはレベルではない」
「レベル? 」
「うん。こういう考えは易経にはないんだろうけど‥卦をキャラクターとして見た場合にはさ、やっぱりレベルって考え方があってもいいんじゃないかなって。
乾は普通は天って意味で、普通は勿論唯一無二なんだろう。だけど「乾」ってタイプって考えたら‥強い弱いがあってもいいんじゃないかなって。
乾の力強め‥みたいな? 」
‥易者が聞いたら怒り出しそうな解釈だけどね。
高橋もそういうタイプかな? って思ったら、
「なるほどなるほど。それは面白いね」
って笑ってる。
うん。全然そんなタイプじゃなかった。
よかった。
その後、なんちゃって易経ゲーム政策会議は連日終業後夜遅くまで続いた。だから、くたくたで帰ったらもうばたんきゅ~だ。そんな感じで時々夕飯を食べ忘れたりしたから楠に叱られたりもした。楠はホントにオカンだ。
そして完成した「Souls gate(仮)」のお披露目。試作品は、愛すべきオカン・楠(随分お世話になりました。夕食を食べ忘れたときは夕ご飯に具沢山お握りを差し入れてもらったりね(高橋の分も))にプレイしてもらうことにした。
説明はしない。説明しないと出来ないゲームなんてクソだって思ってるから。
「8枚選べばいいんだね? 八卦合わせみたいだね」
楽しそうに始めた楠だったんだけど‥勝負はかなりすぐ終わった。え。俺たちの苦労は一体?
つまり、楠は一回で8枚「坎」が全部揃ったんだ。
坎1~坎8までずらーと、坎。
勿論文句なしにレベルMAXだよ。そんな偶然ってある??
その結果には俺だけじゃなくて高橋もぼー然となってた。‥だよね?? その反応が普通だよね?? なんで楠ケロッとしてるの?? ‥ああ、この凄さが分かってないのか。
‥いや、わかるよね?? 単純に確率の問題として見たとしても凄いよね?? 。
楠は無邪気に
「僕のキャラクターこれだって。わ~このゲーム凄いね~。グラフィック綺麗だね~」
って画面に釘付けだ。
うん。
高橋の仕事褒めてくれてありがとう。
普通はね、この後もう一回札を選び直すんだよ。
その時、2枚以上揃ったカードを手元に残し、8枚のうち残りのカードを場に戻さず横に避けておくんだ。
例えば乾が2枚で他がバラバラとかだったら、乾の2枚を手元に残し、残り6枚を横に避ける。そして、64-8=56枚の裏返した札から6枚選ぶ。その結果、乾が何枚に増えるかでレベルが決まる。(2回勝負なんだ)因みに、2回目で2枚以上の卦が出来ても、それは無効。あくまで一回目の卦が自分の卦なんだ。
最初っから2枚以上揃ったカードが二組以上ある場合はちょっと特殊で、例えば乾と坎が2枚ずつとしたら、のこり4枚を横に避けて、乾のグループとして6枚残りの裏返しのカードから選び、坎のグループとして6枚更に残りの(56-6=50枚)裏返しのカードから選ぶ。その結果、どっちが同じ卦のカードが増えたを見る。同じ卦が多い方が「自分の卦」ってことになる。またどっちも同じだったら? そのときは、卦の横に振られた数字の合計が大きい方だ。
この場合、どちらを先に引くかによっても変わって来る。だからそれは『乾、坎が2枚ずつ揃っています。どちらの分から先に選びますか? 』って風に‥自分で選択できるようにした。
‥とこういう風に色々考えて作ったのに‥!
あとね、このパターンも想定したんだよ? 8種類全部バラバラ。この場合は、「易者」っていうキャラクターにすることにしたんだ。
自分の卦が決まったら次は、レベルだ。
さっきのね。2枚揃ったパターンを例に説明しよう。
一回目 2回目
2 0
の場合は、10+0 でレベル10
1回目に2枚揃っただけなのは、レベル10なんだ。(ちなみに1回目に3枚揃った場合はレベル11、4枚ならレベル13、5枚ならレベル15、6枚ならレベル17、7枚はレベル19、MAX全揃いはレベルMAXの20)
一回目 2回目
2 1
の場合は、10+1 でレベル11
‥って風になっていくんだけど、流石に2回目で8枚揃っちゃうとかだったら凄いよね? その場合はレベル17ってことにする。
俺たちが特にこだわったのは、1回目の価値だ。
2回目足してレベル12(例えば1回目10+2回目 2)と1回目12で2回目ゼロの12は同じ12レベルだけど、ちょっと違う風にしたい。1回目が何よりも重要だから、1回目12レベルの方が、2回目足して12レベルより強いって風にしたい。そこで俺たちは、1回目を初期値、二回目は補正値っていう風にすることにした。数字上には出てこないそこは、キャラクターの見た目と能力に微妙な違いを持たせることにした。
‥っていう風に色々考えたのに‥!
キャラクターもどんだけ?? って程作ったのに!
オカンはいつでも最強‥。全然関係ないけどそんな風に思ったのだった。
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