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175.銛でだって、クジラは倒せる‥と思う。
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コリンの共同体の実績は?
「共同体として何かしたことあるの? 」
なんか、インタビューみたいになってる。
‥ナナフルさんたちって雑誌社の人たちだなってこういう時思うよね。
正義感も強いけど(特にザッカ)
好奇心も強いよね(これは二人とも)
「僕がリーダーとしての‥ですよね? 」
コリンが聞くと、ナナフルとザッカが頷く。
コリンが肩をすくめる。
あるわけない。
あったら、結構事件になってる。
マフィア集団を追い詰める仕事とかやってみろ。
結界内に集めて→ 凍らせて → バン! だ。
結界内に集めて、捕縛して‥誓約士のコリンが誓約して、
「大人しくお縄につかないと、‥死ぬぜ? 」
っていう‥
凄く平和的な感じとか‥
若かりし頃のコリンたちには選択肢になかっただろうな~。
「面倒だ‥。
死ね」
で、纏めて凍らせて、ボンだ。
凍ってるときはいいけど、氷が溶けたら‥
事件にならないわけがない。
そもそも、三人で集まって「なんかしようぜ☆」とか‥無かった。
「無いです」
にこ、っとコリンが笑う。
ナナフルとザッカが頷く。
「そもそも、コリンは僕らと通信回線切っちゃって、音信不通状態にしてました」
ロナウが不満そうに言って、フタバも頷く。
「共同体で卒業後も会ってる人とか‥いるの? 」
コリンが冷めた顔でロナウたちを見る。
馬鹿にしてる‥わけじゃないけど、呆れた~っていうような表情だ。
フタバが「あら? 」ってコリンを見る。
「いるわよ。起業した人とかもいるって‥この前の同窓会で言ってたわよ。コリンは他の人の話なんて聞いてなかったみたいだけど」
しょうがないわね~あなたは。
って顔。
ロナウもうんうんって頷いて
「冒険者になったりしたって言ってた人もいたね」
ってフタバの言葉を継ぐ。
「向いてないのに‥」
共同体はパーティーと違って、「役割分担」が無い。
だから、パーティーを組んで冒険者になる‥ってのは向いてない。
はあ、とコリンがため息をつくと
「分かってないのよ」
フタバもコリンに同意した。
共同体は、皆で一斉に同じことをする「力が強くなる」だけだ。
攻撃系の共同体なら、攻撃力が一人より数段上がる‥ってだけだ。
「C肉採取‥程度の単発クエストなら問題ないんじゃない? ヒーラーとか必要ないようなやつ」
皆で集中攻撃。
パワーアップでサクッと! だ。
失敗してもヒーラーがいないのは‥
パーティーとは違うところ。
「あ~。でも、食ってけないよね」
「そんなこと知らないわよ」
まさに、それ。
「正規の共同体以外‥協会だっけ? に登録してないリーダーで共同体を新たに作ったりとか‥しても大丈夫なの? 」
心配そうなナナフルがコリンたちを見る。
「ん~。それは問題かな‥でも、それを申請しに行ったら、協会内にいる裏切り者にバレるかもしれないし‥そこは、後で「特別な理由があり、やむなく」って報告しに行きます。
教会内の裏切り者をしっかり裁いた後に」
ナナフルが頷く。
‥まだちょっと心配そうだ。
そ‥とザッカがナナフルを労わるように肩を抱‥こうとしてあっさり避けられて‥地味に落ち込んでる。(相変わらずだね)
「そもそもね。普通は出来ないんです。違反とかいう以前に。だからそういう決まり‥規定とかないんです。僕がすることでのちのち出来るだろうけど‥ま、出来たところで僕以外出来ないですって(ほら、僕って特別天才ですから)」
また自慢。(こっちも相変わらずだね)
だけど、コリンが自信満々じゃないと‥
不安で何も出来ない。
皆、ギリギリの精神力で「前を向いてる」。
「護衛は‥任せとけ(ちょっと照れながら)」
「俺もいるぜ! (ここは自信満々。普段はナナフルの騎士だけど‥今回は特別だぜ! )」
「ペンは剣より強し、ですよ(私、守ってもらわなくても大丈夫ですよ? )」
「イザとなったら‥凍らせて‥バン! ですわ(うふふ)」
「魔剣がついてる! (僕ってば、ほら。それに加えて魔術も使えるし! コリンに信頼されてるし! 頼られてるし! )」
「いいの? 家宝持ち歩いちゃって‥(皆若いわ~。ってか、お子様は‥呑気でイイね‥)」
強がりでもしなければ‥やってられない。
空元気だって、仕方ない。
銛でクジラを倒そうとしてる様なものだ。
船だって、大型漁船とかじゃない、レトロな小舟だ。
だけど、
みんな同じ方向‥同じ「クジラを倒す」って方向を向いてる。
「きっと‥出来ないことはない。
‥僕らって、僕らみんなで新しい共同体みたいですよね。
僕らひとりひとりじゃない‥
全員の力を合わせる。
そしたら‥
きっと、なんでも出来る」
頷いた全員、自信なんて‥「うまく行く確信」なんてない。
だけど、「やろう」っていう意欲と、
皆に対する信頼だけはある。
自分たちは‥新しい共同体だ。
「共同体として何かしたことあるの? 」
なんか、インタビューみたいになってる。
‥ナナフルさんたちって雑誌社の人たちだなってこういう時思うよね。
正義感も強いけど(特にザッカ)
好奇心も強いよね(これは二人とも)
「僕がリーダーとしての‥ですよね? 」
コリンが聞くと、ナナフルとザッカが頷く。
コリンが肩をすくめる。
あるわけない。
あったら、結構事件になってる。
マフィア集団を追い詰める仕事とかやってみろ。
結界内に集めて→ 凍らせて → バン! だ。
結界内に集めて、捕縛して‥誓約士のコリンが誓約して、
「大人しくお縄につかないと、‥死ぬぜ? 」
っていう‥
凄く平和的な感じとか‥
若かりし頃のコリンたちには選択肢になかっただろうな~。
「面倒だ‥。
死ね」
で、纏めて凍らせて、ボンだ。
凍ってるときはいいけど、氷が溶けたら‥
事件にならないわけがない。
そもそも、三人で集まって「なんかしようぜ☆」とか‥無かった。
「無いです」
にこ、っとコリンが笑う。
ナナフルとザッカが頷く。
「そもそも、コリンは僕らと通信回線切っちゃって、音信不通状態にしてました」
ロナウが不満そうに言って、フタバも頷く。
「共同体で卒業後も会ってる人とか‥いるの? 」
コリンが冷めた顔でロナウたちを見る。
馬鹿にしてる‥わけじゃないけど、呆れた~っていうような表情だ。
フタバが「あら? 」ってコリンを見る。
「いるわよ。起業した人とかもいるって‥この前の同窓会で言ってたわよ。コリンは他の人の話なんて聞いてなかったみたいだけど」
しょうがないわね~あなたは。
って顔。
ロナウもうんうんって頷いて
「冒険者になったりしたって言ってた人もいたね」
ってフタバの言葉を継ぐ。
「向いてないのに‥」
共同体はパーティーと違って、「役割分担」が無い。
だから、パーティーを組んで冒険者になる‥ってのは向いてない。
はあ、とコリンがため息をつくと
「分かってないのよ」
フタバもコリンに同意した。
共同体は、皆で一斉に同じことをする「力が強くなる」だけだ。
攻撃系の共同体なら、攻撃力が一人より数段上がる‥ってだけだ。
「C肉採取‥程度の単発クエストなら問題ないんじゃない? ヒーラーとか必要ないようなやつ」
皆で集中攻撃。
パワーアップでサクッと! だ。
失敗してもヒーラーがいないのは‥
パーティーとは違うところ。
「あ~。でも、食ってけないよね」
「そんなこと知らないわよ」
まさに、それ。
「正規の共同体以外‥協会だっけ? に登録してないリーダーで共同体を新たに作ったりとか‥しても大丈夫なの? 」
心配そうなナナフルがコリンたちを見る。
「ん~。それは問題かな‥でも、それを申請しに行ったら、協会内にいる裏切り者にバレるかもしれないし‥そこは、後で「特別な理由があり、やむなく」って報告しに行きます。
教会内の裏切り者をしっかり裁いた後に」
ナナフルが頷く。
‥まだちょっと心配そうだ。
そ‥とザッカがナナフルを労わるように肩を抱‥こうとしてあっさり避けられて‥地味に落ち込んでる。(相変わらずだね)
「そもそもね。普通は出来ないんです。違反とかいう以前に。だからそういう決まり‥規定とかないんです。僕がすることでのちのち出来るだろうけど‥ま、出来たところで僕以外出来ないですって(ほら、僕って特別天才ですから)」
また自慢。(こっちも相変わらずだね)
だけど、コリンが自信満々じゃないと‥
不安で何も出来ない。
皆、ギリギリの精神力で「前を向いてる」。
「護衛は‥任せとけ(ちょっと照れながら)」
「俺もいるぜ! (ここは自信満々。普段はナナフルの騎士だけど‥今回は特別だぜ! )」
「ペンは剣より強し、ですよ(私、守ってもらわなくても大丈夫ですよ? )」
「イザとなったら‥凍らせて‥バン! ですわ(うふふ)」
「魔剣がついてる! (僕ってば、ほら。それに加えて魔術も使えるし! コリンに信頼されてるし! 頼られてるし! )」
「いいの? 家宝持ち歩いちゃって‥(皆若いわ~。ってか、お子様は‥呑気でイイね‥)」
強がりでもしなければ‥やってられない。
空元気だって、仕方ない。
銛でクジラを倒そうとしてる様なものだ。
船だって、大型漁船とかじゃない、レトロな小舟だ。
だけど、
みんな同じ方向‥同じ「クジラを倒す」って方向を向いてる。
「きっと‥出来ないことはない。
‥僕らって、僕らみんなで新しい共同体みたいですよね。
僕らひとりひとりじゃない‥
全員の力を合わせる。
そしたら‥
きっと、なんでも出来る」
頷いた全員、自信なんて‥「うまく行く確信」なんてない。
だけど、「やろう」っていう意欲と、
皆に対する信頼だけはある。
自分たちは‥新しい共同体だ。
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