153 / 310
151.謙遜して言ってるんですけど‥ ロナウside
しおりを挟む
僕は貴族だ。
他人から侮られないように、堂々とした態度と、それに見合うだけの実力を有している。
‥そう躾られてきたし、そうしてきた。
例えば、
他人から陥れられないように、聞く力を身に着け、
学問を治め、
剣の腕を磨いた。
貴族としての立ち振る舞い、知識‥
だけど、それに奢ることがあってはいけない。
だって、それは「当たり前のこと」だから。
目上の者に対して、謙遜の態度は取れど‥卑屈な態度は取ってはいけない。
対等ではない、
あくまで自分は下げず、相手を一つ上にあげる。
自分を下げて対応するのは使用人のすることだ。
家族は「目上の者」ではない。
しかし父親は、家長であるから、敬うべき対象になる。
家じゅうの者が父親に敬意を払っていた。
父親、母親、そして長男‥。
一介の使用人は、父親に直接話しかけることもできなかった。
父親に話しかけることが出来るのは執事のみ。
母親に対してもそう変わらない。
僕や中の兄(次男)には使用人は親切に話しかけてくれていた。幼い頃は、それを「僕や中の兄の人柄のせい」「長兄はとっつきにくいから‥」って思ってたけど、ただ‥話しかけてはいけない「きまり」だったからなんだ。
‥それだけ、僕らと長兄の扱いには、生れた時から、差があったんだ。
だけどね、僕はそれが堅苦しかった。
長兄と僕らがどう違うんだ、って思ってたよ。だって、長兄なんて先に産まれただけで能力的にそう勝ってるわけでもなかったから。
剣の腕は僕の方が勝ってたし、頭は‥確かに良かったけど、中の兄の方が学問に対して貪欲だった。‥つまり、努力する力は中の兄の方が勝ってたってことだね。長兄は変なプライドがあって‥「俺はやらなくても出来る」って言って、人前で勉強するのを嫌がってたからね。(中の兄は対して、本の虫だった)
でも、今思えば、長兄は「長兄だから」そういう‥人前で努力したりする姿‥を見せてはいけないって思ってたのかな‥って思ったり。
長兄だから、僕らと遊んでてはいけない。
長兄だから、堂々としていなければいけない。(だから、とっつきにくいように見えたんだろう)
長兄だから‥
教会で、平民と一緒になって勉強して‥
初めは「なに平民が僕に偉そうなことを‥」って思うことも多々あったけど‥そのうち慣れて‥それどころか「こっちの方が楽だな」って思ってきて‥「そもそも、貴族が何が偉いんだ? 」って「分かった」んだ。
だから、今は「好きにしてる」
家にも必要が無いと帰らないし。
コリンやフタバが「いいように使われてるだけ‥」って言ったけど、そんなの勿論気付いてるし、‥別にどうでもいい。
家族にとって僕は「その程度の価値」しかない。だけど、‥逆に「そういう価値」はある。
助け合いって奴だ。
‥出来ないことは仕方ないし、僕が必要ならば助けてあげればいい。
ただそれを「そういう風に」僕に言わずに‥僕を騙すような形で‥しているのは‥僕もちょっと許せないかなって思っては‥いるんだよ?
それだけ。
僕はそんな‥「僕を誰だと思ってんだ! 」って程、思い上がった人間じゃない。
だけどさ‥
「計画を立てる際、僕の実力は、保険を掛け過ぎてるかな‥って位の認識で考えてもらった方がいい」
って自分の事言ったのは、
単なる謙遜と場を和ませるためのジョークだ!!
そこは「まったく、お前がそういうこというと嫌味に聞こえるな! 」って苦笑いするところだし、「はいはい」って聞き流すところ!
絶対に‥
「テイナー君、やっと自覚できるようになったんだね! ここにきて、初めてテイナー君の成長を見られた。‥なんか我がことのように嬉しいよ‥」
ってコリンに涙ぐまれるようなところじゃないし、
「‥むしろ、もっと早くその成長を見たかったわ」
ってフタバに「虫を見る様な目」で見れるようなところじゃない!!
「‥いや、自分の事きちんと理解して、更にそれを口にするのは‥誰にでも出来ることじゃない。ロナウは‥なかなか大した奴だ」
‥ザッカさん‥褒めてないよ‥。
そうして、周りを「僕の思惑通り」和やかな雰囲気にすることが出来‥
僕らの「悪者を一掃したり、過去の罪を暴いたり、過去のしがらみを取り除いたりする計画」会議は開かれたのだった。
他人から侮られないように、堂々とした態度と、それに見合うだけの実力を有している。
‥そう躾られてきたし、そうしてきた。
例えば、
他人から陥れられないように、聞く力を身に着け、
学問を治め、
剣の腕を磨いた。
貴族としての立ち振る舞い、知識‥
だけど、それに奢ることがあってはいけない。
だって、それは「当たり前のこと」だから。
目上の者に対して、謙遜の態度は取れど‥卑屈な態度は取ってはいけない。
対等ではない、
あくまで自分は下げず、相手を一つ上にあげる。
自分を下げて対応するのは使用人のすることだ。
家族は「目上の者」ではない。
しかし父親は、家長であるから、敬うべき対象になる。
家じゅうの者が父親に敬意を払っていた。
父親、母親、そして長男‥。
一介の使用人は、父親に直接話しかけることもできなかった。
父親に話しかけることが出来るのは執事のみ。
母親に対してもそう変わらない。
僕や中の兄(次男)には使用人は親切に話しかけてくれていた。幼い頃は、それを「僕や中の兄の人柄のせい」「長兄はとっつきにくいから‥」って思ってたけど、ただ‥話しかけてはいけない「きまり」だったからなんだ。
‥それだけ、僕らと長兄の扱いには、生れた時から、差があったんだ。
だけどね、僕はそれが堅苦しかった。
長兄と僕らがどう違うんだ、って思ってたよ。だって、長兄なんて先に産まれただけで能力的にそう勝ってるわけでもなかったから。
剣の腕は僕の方が勝ってたし、頭は‥確かに良かったけど、中の兄の方が学問に対して貪欲だった。‥つまり、努力する力は中の兄の方が勝ってたってことだね。長兄は変なプライドがあって‥「俺はやらなくても出来る」って言って、人前で勉強するのを嫌がってたからね。(中の兄は対して、本の虫だった)
でも、今思えば、長兄は「長兄だから」そういう‥人前で努力したりする姿‥を見せてはいけないって思ってたのかな‥って思ったり。
長兄だから、僕らと遊んでてはいけない。
長兄だから、堂々としていなければいけない。(だから、とっつきにくいように見えたんだろう)
長兄だから‥
教会で、平民と一緒になって勉強して‥
初めは「なに平民が僕に偉そうなことを‥」って思うことも多々あったけど‥そのうち慣れて‥それどころか「こっちの方が楽だな」って思ってきて‥「そもそも、貴族が何が偉いんだ? 」って「分かった」んだ。
だから、今は「好きにしてる」
家にも必要が無いと帰らないし。
コリンやフタバが「いいように使われてるだけ‥」って言ったけど、そんなの勿論気付いてるし、‥別にどうでもいい。
家族にとって僕は「その程度の価値」しかない。だけど、‥逆に「そういう価値」はある。
助け合いって奴だ。
‥出来ないことは仕方ないし、僕が必要ならば助けてあげればいい。
ただそれを「そういう風に」僕に言わずに‥僕を騙すような形で‥しているのは‥僕もちょっと許せないかなって思っては‥いるんだよ?
それだけ。
僕はそんな‥「僕を誰だと思ってんだ! 」って程、思い上がった人間じゃない。
だけどさ‥
「計画を立てる際、僕の実力は、保険を掛け過ぎてるかな‥って位の認識で考えてもらった方がいい」
って自分の事言ったのは、
単なる謙遜と場を和ませるためのジョークだ!!
そこは「まったく、お前がそういうこというと嫌味に聞こえるな! 」って苦笑いするところだし、「はいはい」って聞き流すところ!
絶対に‥
「テイナー君、やっと自覚できるようになったんだね! ここにきて、初めてテイナー君の成長を見られた。‥なんか我がことのように嬉しいよ‥」
ってコリンに涙ぐまれるようなところじゃないし、
「‥むしろ、もっと早くその成長を見たかったわ」
ってフタバに「虫を見る様な目」で見れるようなところじゃない!!
「‥いや、自分の事きちんと理解して、更にそれを口にするのは‥誰にでも出来ることじゃない。ロナウは‥なかなか大した奴だ」
‥ザッカさん‥褒めてないよ‥。
そうして、周りを「僕の思惑通り」和やかな雰囲気にすることが出来‥
僕らの「悪者を一掃したり、過去の罪を暴いたり、過去のしがらみを取り除いたりする計画」会議は開かれたのだった。
0
お気に入りに追加
117
あなたにおすすめの小説
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
光る穴に落ちたら、そこは異世界でした。
みぃ
BL
自宅マンションへ帰る途中の道に淡い光を見つけ、なに? と確かめるために近づいてみると気付けば落ちていて、ぽん、と異世界に放り出された大学生が、年下の騎士に拾われる話。
生活脳力のある主人公が、生活能力のない年下騎士の抜けてるとこや、美しく格好いいのにかわいいってなんだ!? とギャップにもだえながら、ゆるく仲良く暮らしていきます。
何もかも、ふわふわゆるゆる。ですが、描写はなくても主人公は受け、騎士は攻めです。
エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!
たまむし
BL
大学受験に失敗して引きこもりニートになっていた湯島秋央は、二階の自室から転落して死んだ……はずが、直前までプレイしていたR18ゲームの世界に転移してしまった!
せっかくの異世界なのに、アキオは主人公のイケメン騎士でもヒロインでもなく、ゲーム序盤で退場するモブになっていて、いきなり投獄されてしまう。
失意の中、アキオは自分の身体から大事なもの(ち●ちん)がなくなっていることに気付く。
「オレは大事なものを取り戻して、エロゲの世界で女の子とエッチなことをする!」
アキオは固い決意を胸に、獄中で知り合った男と協力して牢を抜け出し、冒険の旅に出る。
でも、なぜかお色気イベントは全部男相手に発生するし、モブのはずが世界の命運を変えるアイテムを手にしてしまう。
ちん●んと世界、男と女、どっちを選ぶ? どうする、アキオ!?
完結済み番外編、連載中続編があります。「ファタリタ物語」でタグ検索していただければ出てきますので、そちらもどうぞ!
※同一内容をムーンライトノベルズにも投稿しています※
pixivリクエストボックスでイメージイラストを依頼して描いていただきました。
https://www.pixiv.net/artworks/105819552
悪役令息の七日間
リラックス@ピロー
BL
唐突に前世を思い出した俺、ユリシーズ=アディンソンは自分がスマホ配信アプリ"王宮の花〜神子は7色のバラに抱かれる〜"に登場する悪役だと気付く。しかし思い出すのが遅過ぎて、断罪イベントまで7日間しか残っていない。
気づいた時にはもう遅い、それでも足掻く悪役令息の話。【お知らせ:2024年1月18日書籍発売!】
腐男子ですが、お気に入りのBL小説に転移してしまいました
くるむ
BL
芹沢真紀(せりざわまさき)は、大の読書好き(ただし読むのはBLのみ)。
特にお気に入りなのは、『男なのに彼氏が出来ました』だ。
毎日毎日それを舐めるように読み、そして必ず寝る前には自分もその小説の中に入り込み妄想を繰り広げるのが日課だった。
そんなある日、朝目覚めたら世界は一変していて……。
無自覚な腐男子が、小説内一番のイケてる男子に溺愛されるお話し♡
転生先のぽっちゃり王子はただいま謹慎中につき各位ご配慮ねがいます!
梅村香子
BL
バカ王子の名をほしいままにしていたロベルティア王国のぽっちゃり王子テオドール。
あまりのわがままぶりに父王にとうとう激怒され、城の裏手にある館で謹慎していたある日。
突然、全く違う世界の日本人の記憶が自身の中に現れてしまった。
何が何だか分からないけど、どうやらそれは前世の自分の記憶のようで……?
人格も二人分が混ざり合い、不思議な現象に戸惑うも、一つだけ確かなことがある。
僕って最低最悪な王子じゃん!?
このままだと、破滅的未来しか残ってないし!
心を入れ替えてダイエットに勉強にと忙しい王子に、何やらきな臭い陰謀の影が見えはじめ――!?
これはもう、謹慎前にののしりまくって拒絶した専属護衛騎士に守ってもらうしかないじゃない!?
前世の記憶がよみがえった横暴王子の危機一髪な人生やりなおしストーリー!
騎士×王子の王道カップリングでお送りします。
第9回BL小説大賞の奨励賞をいただきました。
本当にありがとうございます!!
※本作に20歳未満の飲酒シーンが含まれます。作中の世界では飲酒可能年齢であるという設定で描写しております。実際の20歳未満による飲酒を推奨・容認する意図は全くありません。
[完結]堕とされた亡国の皇子は剣を抱く
小葉石
BL
今は亡きガザインバーグの名を継ぐ最後の亡国の皇子スロウルは実の父に幼き頃より冷遇されて育つ。
10歳を過ぎた辺りからは荒くれた男達が集まる討伐部隊に強引に入れられてしまう。
妖精姫との名高い母親の美貌を受け継ぎ、幼い頃は美少女と言われても遜色ないスロウルに容赦ない手が伸びて行く…
アクサードと出会い、思いが通じるまでを書いていきます。
※亡国の皇子は華と剣を愛でる、
のサイドストーリーになりますが、この話だけでも楽しめるようにしますので良かったらお読みください。
際どいシーンは*をつけてます。
【完結】侯爵家令息のハーレムなのに男しかいないのはおかしい
みやこ嬢
BL
【2020年12月20日完結、全69話、小話9話】
アデルは王国を裏で牛耳るヴィクランド侯爵家の跡取り息子。次世代の人脈作りを目標に掲げて貴族学院に入学するが、どうもおかしい。
寄ってくるのは男だけ!
女の子は何故か近付いてこない!!
それでも将来のためと信じて地道に周囲との親交を深めて籠絡していく。
憧れの騎士団長との閨のレッスン。
女性が苦手な気弱同級生からの依存。
家族愛を欲する同級生からの偏愛。
承認欲求に飢えた同級生からの執着。
謎多き同級生との秘密の逢瀬。
これは、侯爵家令息アデルの成長と苦難の物語。
あやしい話にはタイトルの横に*を付けてます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる