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47.落とし穴は、掘るより、抜く方が楽だ。

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「え。何それ。急に足元の板が抜けて落ちるってなに。二階にいて、急に床が抜けたってこと? 修理しておかないと危ないな。怪我はなかったのか? 」
 驚いた顔をしたアンバーが、天井を見ながら言う。
 ‥いや、ここ平屋建て。
「って、ここの話じゃないんだな。ここは、二階はないみたいだな」
 アンバーが首をひねり、コリンが苦笑いする。
「いや、現場は確かにここだ」
 にやり、と笑ったザッカの目が‥笑っていない。
「え? ここなの? 急に足元の床が抜けても、姿が消える程落ちないよね? せいぜい、足がずぼってはまるくらいじゃない? 」
 言いながら、‥なんか「もしかして~」っていうのがちら、っと浮かんできた。
 もしかして~じゃなくて、‥100%コリンの仕業だろう。
 笑ってないザッカの目がそれを肯定している。
「そうだ。普通ならな」
 普通なら、足を踏み外す位。だけど、ザッカ程の大男の姿が消える程、足元の床が抜ける‥
「コリン‥」
 魔力が余ってる「無駄に」ハイスペックな奴だから、悪戯如きに考えられない様な大魔法つかっちゃってるんだろうな~。
 瞬間に穴を掘る魔法か? それとも‥収納スペース拡大魔法? 地面と空間を置換する魔法かも‥。
「いや‥ザッカさんを単距離転移で、事務所の外に飛ばした‥」
 ‥まさかのもっと大掛かりの魔法‥。
「急にぱっと消えたら面白くないから、足元が消える‥って幻覚を見せて、外に飛ばしたの」
 ‥‥‥。
「コリン。今すぐザッカさんに謝りなさい。それは、人間としてやって良いことと悪いことのギリギリの境界線だぞ」
 アンバーに怒られてしょんぼりとなったコリンが、小声でザッカに謝った。
「はーい‥。ごめんなさい‥」
 ‥いや、100%やっちゃダメな奴だろう‥。
 シークは胡乱気な目でコリンとアンバーを見た。
 ‥魔術士ってちょっと、人間としておかしいの?

「は~。こうしてコリンを見てると魔術って色々あるんだな~っておもうよね」
 くすくすとコリンたちを見ながら笑っていたナナフルが、今度はちょっと感心した様な声を出した。
 みると、謝ったコリンがナナフルに、花を差し出していた。
 お詫び、らしい。
「ありがと。キレイだね」
 植物‥。
 薬草‥魔法に使える‥
 ギルドを通さずに薬草を手に入れる‥。薬草に詳しいのは魔術士‥そして、その薬草を使って魔術が行えるのも魔術士‥。

「‥アンバーが得意としてるのって、‥直接攻撃タイプの攻撃魔法だけ? 薬草‥薬草を使った幻術や、ポーションなんかは? 」

「俺は、苦手だった。親父は、俺に教えようとしてたけど、‥俺はどうもちまちま量をはかったりとかが苦手で‥、で、幻術とか、薬草とか燃やさないでも出来たから、とにかく適当な煙を「その薬草の煙」に見えるように錯覚させて、幻術の方は魔術で見せて‥ってダラダラ誤魔化したりしてた。
 
 あ、違うな。

 量をはかるのが嫌だった‥って以上に、なんか、一番最初に、ロングがあの幻術使ってお手本を見せた時、気分が悪くなったんだ。だから‥」

「!! 」
「! 」
 
 薬による、幻覚。催眠。

 アンバーたちへの催眠術の正体は、高度な精神操作ではなく、「魔薬」だったんだ。確かに、魔薬をつかえば、そう高位の魔術士じゃなくても、容易に幻覚を見せたり、暗示をかけたりできる。

 悪の組織が、高位の魔法使いをどうやって確保していたのか‥って疑問がこれで解決した‥。

 あの村で、子供たちに魔術を教える師匠も元々は、その薬で操られていたんだ。それで、弟子にその薬を教える際に、またその暗示が掛かり‥そうやって、暗示が解けないように強化され‥また、弟子も暗示が掛かっていく‥っていう繰り返しがいつものパターンだったんだ。

 だけど、アンバーは違った。
 最初に、暗示にかからなかった。
 それは、アンバーの魔術のレベルがその時から既に、魔薬による暗示のレベルを凌駕していたから‥。
 アンバーは、魔術が得意だったし、なにより、「運」が良かった。
 匂いが嫌いだって思って、匂いをかがないように工夫したのかもしれない。いや、「それっぽい匂いになるように‥」って言ってたから、煙を吸い込む際に、においと共に薬効も除去していたのかもしれない。そして、その魔術が、どういう魔術か分析し、摸倣した。‥模倣するだけの魔術力があった。
 つまり、アンバーは魔術解析と摸倣が出来るってことか‥。
 ‥とにかく、色々なことが重なり合って、暗示に掛けられなかったし、師匠の暗示を強化することにもならなかった。さらに、時間と共に師匠の暗示も解けて行ったのだろう。
 師匠の突然のリタイアは‥それは多分普通に年齢的なものだろう。それと、今まで暗示によって、精神的にずっと干渉を受けていたのが精神や肉体に不調をきたす原因になったのかもしれない‥。副作用って奴だな。普通は、不調に気付く前に弟子に殺されるから、今までそのことに誰も気が付かなかった‥ってことだろう。
 暗示にかかっていないアンバーは「復讐とかもういいか」という冷静な判断が出来たし、師匠にしても「意気地なしめ。俺が怖いのか。両親の死を忘れるのか」とか言って弟子を煽って、無駄に死期を早めることもなかった。
 だけど、普通に魔薬を使っている周りの弟子と師匠とは、「当たり前の様に」そのような最期を迎えている。

「なるほどねえ‥」
 分かったことは、悪の組織の精神操作方法。
 そして、分からなくなったことは‥
 アンバーがあの森を再生したのは、本当に闇魔法の再生によるものだったのだろうかってこと。‥初歩の再生を習っていたからっていって、あんな規模再生するだけの魔術というのはそんなに簡単に取得できるもんだろうか? 天才か? って、ひそかにジェラシー感じていたんだけど‥
 似ている魔法って言葉でピンときた。
あれも、違う魔法‥。高位の摸倣だったんじゃないのか? 破壊されていない、周りの森を真似して同じように真似して、全体的に見たら再生された様に見える‥。
 再生と治癒といい、摸倣と再生といい‥悪の組織は、何でもかんでもがでたらめって感じだな! 
 闇魔法の再生は、それこそ、ランクで言ったら特級位の高等魔法だ、だけど、高位の摸倣なら、A級位。二ランクは落ちる。下から、C、B、AでA´で特級だ。僕は、学生時代あんなに頑張ったのに、A´止まりだった。特級は、天才しか取れないだろうってランク‥。
 才能の差‥。こんなこと言ったら狭量だって言われるだろうが、憎かったんだ。
 ‥これは、はっきりさせとかないといけない。
 アンバーが特級じゃなくて、才能あるA´なら、もっと優しくできる気がする。
 これは、‥はっきりさせといた方が、お互いにとっていい。(注別にアンバーには関係が無い)
 再生と、摸倣。
 パッと目には分からない。だけど、分かる人はきっといる。
 再生なら、同じ位置にキノコが生える。だけど、摸倣なら、周りと同じ様な位置にキノコが生えてる‥とかあるんじゃないか? それは、地域住民のキノコ名人やなんかが知っているんじゃないか? 

「あの森を見に行く必要性があるな」

 コリンとナナフル、ザッカの声が被った。
「ああ、コリン。あそこに残った何か‥証拠を探し出してくれ。魔力が残っていたりするかもしれない。‥俺たちはそれは分からないから」
 ‥え? 証拠?
 魔力? なんのこと?
「‥あのアジトは魔薬工場だった‥って証拠をね‥」
 ナナフルが、今まで見たことない様な怖い顔をして、唇を噛みしめる。
「ああ‥」
 ザッカの目が憎しみに、強く輝いている。
 ああ、‥あそこで悪事が行われていた証拠ね?
 ちっとも考えてなかったや、そんなこと。
 え! あ、いや、考えてた考えてた。
「ええ! 探しましょう! 許せませんもんね! 魔薬」

 うん。
 魔薬、ダメ、絶対。
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