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26.鳴かないホトトギスの鳴かせ方3タイプ。

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「父さんたちは、‥その、僕が男の人の事好きになっちゃったこと、何とも言わないの? 」

 愚痴なんだか自慢なんだかよくわかんない暴露合戦が一息ついた時、ボソリとコリンが呟いた。
 
 コリンの横に座っているのは、シークそして、反対横に座っているのは、リンク。二人がコリンを見る。コリンは、俯いて、誰とも視線を合わせなかった。
 コリンの向かいに座る父親がコリンの頭にふわりと手を置いた。
「なんで? 」
 静かに微笑むと、首を傾げて俯くコリンに視線を合わせた。
 コリンは、その気配を感じたものの、だけどやっぱり顔をあげることはできなかった。
「だって、‥母さんと父さんは男と女だから子供が生まれた‥、家族が出来た‥だけど、僕じゃシークさんの子供を産めない‥、父さんたちに孫を見せてあげられない‥それに‥」
 俯いたまま、ぼそぼそと呟く言葉の、最後の言葉‥
「変だよね? 」とは、言いたくなかった。
 そう自分で思っていても‥口に出して‥認めるのは嫌だった。
「‥後悔してるの? でも、それを言うんだったら、先ずシークさんにじゃない? シークさんにアプローチしたのは、コリンからなんだろ? 」
 ふふ、と笑ったのは、父親だった。
 いつもと変わらない穏やかな声に、コリンが顔を上げて、父親を見る。
 その顔も、‥いつもと何も変わらなかった。
 嫌悪感でも、好奇な目とも違う‥いつもと変わらない、大好きな家族を見る、穏やかな表情だった。

「何か問題があるの? 君が‥君たちが納得したなら、それでいいと思うけど? 」
 父親は、静かに微笑み、相変わらずの姫顔で、じっとコリンの目を見つめた。
 話す相手と視線をあわせ、そうしていつも、相手が話すのをじっと待ってくれるんだ。(実はこれ、慣れない人は、コリン父の(可愛い顔と)視線に耐えられなくって、悶え苦しむ苦行なんだ)そうして何人かが別の世界に足を踏み入れて行ったのだった‥(余談)
 だけど‥コリンたちは勿論そんなことはない。‥見つめられても暑苦しくない(これ重要)程度の認識だ。そりゃ‥当たり前だろう。しかも、悩みを聞いてもらってるのにドキドキとか‥どんだけ失礼だよ。相手も真面目に聞いてくれてるんだから、真面目に話せよ。とだけ。
 そう、あんな顔で、ふんわりしてるけど‥父さんはアデル兄さんとは違った意味で、真面目なんだ。アデル兄さんが折り目正しい効率重視な真面目って感じだったら、父さんは効率度外視型真面目‥最終的な目的達成に向けて真面目に取り組む‥っていう、忍耐型真面目なんだ。

 我が家で話を聞く担当は、もっぱら父さんだ。‥他の誰も人の話をじっくり聞くってタイプじゃない。「自己責任」の言葉の元に、互いへの不可侵を暗黙の了解で守っている。‥つまり、皆自由に勝手気ままに好き放題してるってことだ。
 何でも出来る人って、「自己責任」ってことば好きだよね。
 そもそも、兄さんたち二人は、そう悩むようなことが無い。
 何でも自分で出来る。
 二人の兄にコンプレックスを抱えていたコリンは‥出来ないとか、どうしたらいいか分からないって言うのが恥だって‥自分の中に貯め込むことが多かった。
 だけど、時々自分の中で処理しきれなくなって、‥立ち止まる。それでも、愚痴も言えなくって、‥我慢する。
 そんな時話を聞いてくれるのが父さんだったんだ。母さんも何か言いたそうな顔で見て来ることがあるが、母さんが何か言っても「余計なこと」になりかねないって思って自重している様だ。(←そして、過去に、そうなったことも多々あった)
 同じように心配してても、‥父親と母親とはタイプが違う、そして僕に合っていたのは父さんだったってこと‥ただそれだけのことで、別に母さんを否定してるわけではない。
 ‥僕の話を聞きだすってことを『ホトトギスを鳴かせる』に例えると‥
 急に何って思う? ごめんね。鳴かないホトトギスを例として、外国の偉人の性格を3タイプに分けてたのを学校で以前習って、それが興味深かったから‥それにあてはめてみようって思ったんだ。
 A.鳴かぬなら鳴かせてみようホトトギス(これは、トヨトミって人のタイプらしい)
 B.鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス(これはトクガワ)
 C.鳴かぬなら殺してしまえホトトギス(これは、オダ)
 皆「いるいる」って感じだよね。
 父さんはこの、Bのタイプだって思った。一番、性格イイって感じするよね。Aとか頭良さそうって感じだけど、「言わされちゃったよ‥」感があって、後味悪いし、Cってなにそれ、性格ワルイって感じ。
 ‥でも、家族のタイプだったら、リンクはAってタイプかな。リンクは口が上手いんだ。アデルも案外Aってタイプなんだけど‥、自分では聞いてこないな、人を使ってって感じ。リンクをつかって自分が聞きたいことを聞く‥ってこと、過去に何度もあった。アデルはリンクの扱いが凄く上手いんだ。‥まあ、勿論コリンの扱いもね。
 ‥母さんは、鳴かないホトトギスとかに興味はない気もする。でも、生かしておいて自分以外の敵に聞きだされる脅威があるなら‥自分の手で葬っておいた方が賢明って思うかも(そういう点では、Cタイプなのかな? )‥くわばらくわばら‥。

 父さんには、物騒だったり策略だったりする感じはない。
 Bタイプって、頭はAタイプと比べてイマイチだよね‥とかじゃないよ? 人を威圧しないで待つって結構難しいよ。いるだけで、威圧感があったり‥腹立つ人っているよね。存在感なくてそのうち忘れられたり‥とかもね。これなんて、論外だよね。どんだけ、影薄いんだよって感じだよね。
 父さんは、あんな顔だけど僕は今まで一度だって父さんの事「頼りない」って思ったことない。一家の大黒柱だし、男らしいし、頼れる父さんだ。
 父さんは僕をせかしたりしない。母さんみたいにゴールを予測して誘導尋問なんかも‥しない。かってに、ポジティブなゴールを設定して‥励ましたりしない(←これも母さんの常套手段)。ボジティブな未来に誘導したりなんて‥しない。(←そして、これも、そう)
 ネガティブなら、ネガティブなままの僕で居させてくれる。
 それに安心して‥でも最後はそれに安心してる僕を‥僕が嫌悪するんだ。
 まるで、救いのないループみたいだ。
 ‥そのことに気付いた時‥僕は誰にも何も言えなくなった。
 だのに‥
 僕が何も話さないのは、‥父さんが頼りにならないからなんかじゃないのに‥父さんが「父さんじゃ頼りにならないのは分かってる」って密かに気にしてるのは‥知っている。
 違うのにね。
 でも、このことを自覚するのに、‥僕も時間がかかったんだ。
 姫顔だろうと、母さんの方が一般的に男前だろうとも。
 ‥僕はこの父さんで満足だったし、これからも満足だ。
 全然不満なんかない。
 母さんは、‥男前だけど、女の子に優しかったり、‥乙女のニーズを知ってたり、‥ホントに「乙女」なんだ。
 そういえば‥一度記念日に(地球で言うところのバレンタインだ)女子生徒が家に集まったことがあったけど、皆頬をそめて母さんに贈り物を渡してたな~。これがもっとガチだと、母さんが言ってた「記念日には2時間交代」になるのかな?
 カッコよくって、優しくって、紳士。

 僕は、両親が大好きなんだ。
 だのに
 僕は‥この二人に何も残せない。
 僕らが納得出来たらそれでいいって‥僕の心の中では‥到底納得できない。
 これが、僕の「何か問題があるの? 」の答え。
 だけど‥これを口にすることが‥出来ない。口にしてしまいたくない。わかっているのに、‥認めたくない。


 コリンが口ごもっていると、
「男だから女だから‥子供ができるから出来ないから‥ねえ」
 リンクがぼそっと呟いた。
 皆の視線がリンクに集中する。
 リンクはその視線を受けて、ふっと微笑んで小さく頷いた。
「‥コリンは、でも好きなんでしょ? シークさんの事が。コリンは、女じゃないのに」
「‥‥」
 リンクがコリンの答えを待たずに話を今度はシークに振る。
「シークさんは、コリンが女だったら問題なくコリンの事恋人だって認められた? 」
 シークは飲んでいた酒をのどに詰まらせそうになる程驚き‥
「そういう話じゃないです! 」
 と、慌てて‥否定した。
 ふふ、とリンクが微笑んで、今度はコリンを見る。
「コリンは自分が男なのが嫌なの? 女じゃないからコリンさんに恋人だって認めてもらってないって‥言い訳するの? 」
「言い訳‥! 」
 コリンが、リンクをきっと睨み付ける。
 ふふ、っとリンクが意地悪そうな笑顔を浮かべる。
「自分に魅力がないからじゃなくって、‥自分が女じゃないからだからって‥言い訳? 」
 かっと、コリンの顔が怒りで赤くなった。
「そんな言い訳はしない! 」
「コリンは女じゃないから‥だから、シークさんを諦める? 」
 リンクはコリンの言葉に被せる様に言葉を重ねる。
 ‥コリンを煽っているんだ。
 コリンから、「コリンが本当に言いたい言葉」を引き出すために。

「諦めない! ‥諦めることなんて出来ない! 」
 コリンが叫ぶ。「コリンが本当に言いたい言葉」を。
 リンクが満足そうに、二コリと微笑む。
 その微笑みは、コリンの「あざと可愛い微笑み」とは違う‥まさに本家本元の「天使の微笑」だった。

「じゃあ、‥それでいいじゃん。気にしてるのは、コリンだけだよ? 」
 ‥負けた。
 兄さんには‥勝てないなあ。
 今日も、「鳴かないホトトギス」は兄さんに鳴かされるのだった。

 しかし、リンクの微笑がすっと曇る。コリンは、はっと‥リンクを見た。
「兄さん‥? 」
「‥ああ、違うな。‥シークさんは‥コリンとは違うことを‥気にしてるんだよね? 」


「‥違うこと?  」
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