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3.若者のキラキラは、オジサンにはちょっと眩しすぎる。

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「あれ? お疑いですか? ああそうか、僕ったら、職業紋がローブで隠れてましたね」
 ふわり、と
  ゆったりと全身を隠していたローブを脱ぐ。
 真っ白な‥顔と同じく‥いや、何時も隠しているから、顔以上に真っ白な腕、その左腕にその職業紋はあった。
 青いあざのような紋章は、真っ白な腕にまるで牡丹か薔薇の花のように咲き誇っている。
 女性の様に華奢で細い腰、薄い胸板、筋肉のあまりついていない骨ばった肩。細い首、綺麗に出た鎖骨。すらりと伸びた、細く長い手足。
 コリンの身体は、思わず息をのむほど‥
 美しいと思った。
「‥その身体はそう、皆に見せない方がいい‥」
 思わず、そう言って、ローブを羽織らせた。
 コリンが小さく首を傾げ、そして、シークが自分の肩を抱いているような形になっていることに、はっと気づき‥また赤面して顔を伏せた。
 ちらり、と視線だけを上げて、シークの身体を至近距離で見る。
 自分とは全く違う、美しく筋肉の付いた‥筋肉隆々の如何にも肉体労働者という容貌の美丈夫で、その肌も、不健康に白い自分とは全く違って健康的に日焼けしている。
 一重で切れ長の瞳、鼻筋の通ってスッキリした凛々しい顔つき、真一文字に結ばれた薄い唇と、太めの凛々しい眉毛。刈り上げた短い髪は、濃茶で、瞳は澄んだ極薄い青色。よく見ると、瞳孔が僅かに緑っぽく見えた。
 ‥所謂醤油顔というやつである。
 だけど、コリンには、最高の男前‥に見えた様で、一目見た時に、無意識で告白をしてしまっていた。
 つまり、コリンはその平凡の極み‥っていうマッチョに‥一目惚れしてしまったのだ。
 普段から惚れっぽいかっていうと、そんなことは全然ない。
 今まで、神殿で規則正しい生活を送っていた「箱入り息子」だ。
 就職するにあたり、世間の厳しさを目の当たりにし‥はっきりいってついさっきまで「世の中って奴は‥」って感じで、拗ねた目で世間を見ていたような‥ひねくれ者だ。
 その
 灰色だった世間に光が見えた気がした。
 大袈裟だろうが、彼にとってそれは‥シークとの出会いは‥それほど衝撃的だった。
 他人には、理解されなくても、彼にとっては、シークは‥朝焼けに今まさに昇ろうとしている太陽に‥見えた。
 ‥女性の様に、花の様な‥って例えは、彼には当てはまらない。
 彼は、光だ。力強くて、眩しい光だ。
 薄明りを照らす朝日だ。冷えた大地を暖め、生命を育む日光だ‥!
 コリンはほんのり頬を染め、眩しいものを見る様な目でシークを見上げた。
 ‥恋は盲目って奴だ。
 他人のどストライクは、他の者には理解されないことは多い。
 改めて言おう。
 シークは、凛々しめのマッチョな平凡顔だ。

 暫く、見つめてぽーっとなっていたコリンは、シークが自分を見上げるコリンの視線に気付き、僅かに眉をひそめた瞬間、我に返った。
 そして、‥急に恥ずかしくなった。
 真っ赤になって謝りながら、シークから‥まるでバッタが跳ねるみたいに‥離れた。
「~~~! 」
 ‥僕ってば、ホントに恥ずかしいや。いくら好みどストライクの人っていっても、初めてあった人に急に告白なんて‥変な奴って思われただろうな。だのに、シークさんは僕の事心配してくれて‥、カッコいいだけじゃなくって‥すごく、いい人‥。
 もう‥すっごく‥
 好き!!
 思えば、コリンの初恋だった。


「そ‥そうですよね! 誓約紋は‥あまり見せない方がいいですよね!! 」
 ローブを慌てて着こみ直しながら、コリンは大袈裟に頷いた。
「‥誓約紋に提示義務はないからな」
 シークも頷く。
 ‥声もいい。耳に優しいちょっと低めの声。低すぎて、腰にゾクゾクって来る色っぽい声じゃないのも、いい。
 総てが、好き。
 緊張するので、シークの方は、不自然にならない程度に‥見ないようにすることにした。
 ‥見ない様にしようって思ってるんだけど、つい見ちゃうんだけど。
 因みに、さっきのシークの発言は
「証明‥専門職の職業紋の提示義務」
 の話だ。
 職業紋は、信用の証である為、専門職である職業に従事している際は、その証明としてそれを提示する必要がある。商人が身分証を携帯する様に、身体についた職業紋を隠さないで見せるのが、職業紋を持っている者の使命とされている。
 職業紋を持たない者が従事出来ない仕事が専門職と呼ばれる職種である。だから、職業紋を提示することは、その仕事につく資格を要している‥という証明になるのだ。
 警察の役割をしている騎士の職業紋・騎士紋や、司法の役割をしている神官の神官紋などがその代表格である。
 そして、確かに、誓約士も専門職の職業であるから、誓約権を行使した際には、誓約紋を提示するのが決まりであろうが‥誓約士は隠密的存在である為、その姿すら本来なら人前に晒さない。他人に顔を覚えられたら、危険だから、だ。
 だから、誓約権を行使する際、近づいたことすら気付かれない様に、気配を遮断する。
 後ろに立って、「誓約権を行使します」の一言。
 ターゲットが誓約士の存在に気付いた時には、既に拘束され、身柄は誓約士の相棒である警察官に渡っている‥。
 これが、誓約士の本来の仕事のスタイルなのだ。
 これは、警察官と相棒契約を結んでいる誓約士の場合の行動パターンだが、仕事スタイルにそう違いはない。
 だから、シークがコリンの存在に気付かなかったのも、‥無理がないことだったのだ。
 隠密のプロフェッショナル。
 誓約士は特殊である。
 だから、その能力を悪人に悪用されたり、また悪人にかどわかされたり‥考え得る危険防止の為、誓約士は職紋の提示を免除されている唯一の専門職なのである。
 つまり、誓約士は普段職業紋を晒すことはない。そして、誓約士であることを他人に話すことも、ない。
 肩をすくめながら
「悪人から身を守るための‥誓約士を守るための法律なんですけど、でもやっぱりよく分からない人に身柄を一方的に拘束されるのってどうかなあって思うから、僕は見せた方がいいんじゃないのかなあって思うんですけどね」
 というコリンの持論を、シークは
「いや、‥それはその法律に従った方がいいと思う。先人の教えはないがしろにしてはいけない」
 首を振って、否定した。
 ‥君は特に、そのローブを脱がない方がいい。
 悪人に狙われる以外にもいろいろと心配だ。
 傾国の美少女クラスの美貌で、希少職、そのうえ、エロい身体ってどんだけだ。攫われるとか、襲われるとか‥危険な要素てんこ盛りじゃないか。
 ちょっと頭痛がしてくる。
「だけど、僕、こんなチビでガリですけど、魔術には自信があるんですよ? 」
 コテン、とコリンが首を傾げる。
「それでも、だ」
 シークは、はあ、と短くため息をついた。
「う~ん。でも、ま。そうですよね。他の誓約士だって守ってるんですもんね」
 ため息をつくシークを見て、
 やっちゃった‥。
 子供みたいにごねたりしちゃった‥。シークさんに呆れられちゃったな~。
 コリンは、心の中でちょっと苦笑いした。
 
「‥それはそうと、結局君は、俺に何を聞きたいんだ? 」
「あ! そうなんです。あの、シークさん。
 僕、シークさんに「Sランク冒険者」っていうものについて、聞きたいんです。Sランク冒険者になるまでの苦労話とか、良かったこととかそういうことをなんでもいいので、話してもらえませんか? 」
 空間魔法なのだろう。
 空中から筆記具を出しながらコリンがシークを見た。
 さっきまでと違う、キラキラした目をしている。
 彼の仕事モードと言う奴なのだろう。
「Sランク冒険者になるまでの苦労話? 良かったこと? ‥話して聞かせたり‥そういうのは苦手なんだが‥それに、そんなの聞いてどうするんだ? 」
 シークは訝しそうに、首を傾げる。
 コリンは、目をキラキラさせたまま、勢いよくシークに一歩近づく
「そういうの、これから冒険者になる人だったら、きっとききたいだろうな、って思うんです」
 顔を見上げ、力説する。
 視線が、‥眩しい。
「聞きたがるとも思えないが‥」
「そんなわけないです!! 」
 苦笑いするシークをコリンが力いっぱい否定した。
 シークは、眉を寄せて、困惑の表情になった。
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