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16.いちにすらなれない存在
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僕とドールの出会いは、運命的なものだった。新品だと一体二百万円くらいするドールの噂を聞いて、僕も欲しいと思ったんだ。
だけど僕はまだ高校生で、そんなお金なんてあるはずもなくて。中古でもいいから僕にも買えそうなドールはないのかなと思って色々とネットで調べてみたけど、どれも僕の手には届きそうにもない額で半ば諦めかけていたんだけど。
「……そうか。わざわざ買わなくても手に入るんだ」
世の中には不要になったドールを他の人に譲る事があるらしい。いらなくなったのでどうぞ、とタダで譲ってくれる人も居れば、いくらかお金を要求して譲る人も居るんだとか。
あとは、人のドールを奪ったり、捨てられているドールを拾ったりすれば手に入る。何も大金を支払ってまで新品や中古のドールを買わなくたっていいんだと僕は知った。
知ったからには手あたり次第声を掛けた。
貴方の連れはドールですか?
聞けば二分の一の確率でドールだった。
そのドールを譲ってほしいと言うと、大抵の人には断られる。それでも僕は諦めなかった。この頃の僕は、ドールが世界に潤いをもたらしてくれるのだと信じて疑わなかったのだ。
そしてようやく見つけた。
降りた事のない駅で、ドールは道に捨てられていた。ダンボールに入れておくなんて可哀想に。まるで犬や猫みたいじゃないか。
ああそうか。皆、ドールをペットか何かと勘違いしているんだ。そういえば、ドールは妊娠しないんだっけ。ネットで見た事がある。
ま、捨てる人が居るくらいだからな。奴隷、ストレス発散のサンドバック、性処理、玩具、メイド、犬、ごみ、置物、観葉植物。とてもじゃないが、ドールを家族のように扱う人なんて居ないのだろう。むしろそのために存在しているのだとさえ思えるくらいだ。
そうか、妊娠しないのか。ならいくらだって中に出しても問題はないんだよな。だからドールの性別は圧倒的に女が多いんだ。玩具なんかとは違って、見た目は人間で、しかも動くんだ。言葉だってそのうち喋るようになる。
僕は迷う事なくそのドールを拾った。ドールを拾ったお陰で家に帰ろうと思えたんだ。ああでも親にはなんて説明しよう。急に女の子を連れてくるなんて。ま、説明なんてしなくてもきっと何も言わないさ。いつもの通り、僕は空気で居るだけ。
家に帰ると、僕はすぐにドールをお風呂に入れた。いつからあそこに捨てられていたのか知らないが、まずは身体を清潔にしないといけないと思ったんだ。
身体を洗うとピンと立つ突起が目立ってしょうがなかった。僕はまだ童貞なのだ。女の子の全裸なんて初めて見たのだから僕のコレがこうなるのも仕方のない事なんだよ。
お風呂から出て髪を乾かして身体を拭いて服を着せて……なんて悠長な事してられない。僕はすぐにドールの胸を口に含んだのだ。
興奮した。勃起した。自分の右手で扱きながらドールの乳首を沢山舐めた。舐めているだけで射精した。今度はドールの股を開いて、クリトリスを沢山舐めた。ドールの吐息が甘くなる。ドールが喘ぐ。ドールは感じる事が出来るんだ。沢山舐めると愛液が溢れてくる。堪らず僕は舌を捩じ込んで、ピストンする。ドールが身を捩る。僕が興奮する。ドールが身体をビクビクと震わせる。ドールもいくんだ。僕は出したばかりのちんこをドールに突っ込んだ。腰を振った。きもちよくなった。射精した。中に出した。顔に出した。胸に出した。何回も出した。それから僕は、むらむらする度にドールで抜いた。
名前なんて付けようとすら思わなかった。ドールはドールだ。必要な時にだけ使って、いらなくなったら捨てればいい。僕にとってのドールはその程度の認識だった。
そうだな。ドールはペットだ。ペットには首輪を付けておかないとな。散歩もしてあげよう。これが僕のドールだって、街行く人々に見せつけてあげるんだ。
親には何も言われなかった。後にドールには特殊能力がある事を知ったんだけど、そんな能力を駆使しなくても、きっと僕の親は何も言わなかった。そういう人達なんだよ、あいつらは。部屋は無駄に広いのに、僕はいつも一人だった。朝から夜までほとんど帰ってこない。たまに帰ってきても僕に見向きもしない。僕という人間に関心がない。だから放置する。世の中ではそれをネグレクトというらしい。
ネグレクトとは、育児放棄の事だ。これは立派な虐待に値する。
誰でもいい。僕という存在を見つけてもらいたかった。だからドールという存在が世界に潤いをもたらしてくれるのだと信じて疑わなかったのだ。
それなのに今の僕はドールをペットだと思っている。僕のストレスを吐きだす対象。僕の性欲を吐きだす対象。
最低だよね、分かってる。でもいいんだよ。ドールだから傷付かない。僕が股を開けと言えば簡単に開いてくれる便利な人形。
だから国永がいちかを家族だって言った事に驚いた。こんな奴は居ないと思っていたからだ。
だって絶対嘘に決まっている。こんなに綺麗なドールを前にして、お前は本当に一度も欲情しないのか?
ほらやっぱり。
そう思ったのに、どうしてだろう。国永は本当にいちかを家族のように扱うんだよ。大切にしているのが見ているだけで分かるんだ。
そういえば、国永の前ではドールの名前を呼んだけど、僕がドールを名前で呼ぶなんてあの時以来だったよな。
あの変態野郎。あれ以来、連絡は取ってないけどさ。
そもそも国永はなんでドールに名前を付けたがるんだ?
零。
本当に僕が適当に付けた名前。
ぜろ。
何もない存在。いちにすらなれない存在。
僕だけのドール。
「ごめんな、零……さよならだ……」
お前の名前を呼ぶのはこれが最後だ。
「どう、して、どうしてはじめ、すてるの、わたし、すてるの」
ドールが一人称を使うなんて。遂に自我が芽生えはじめたとでもいうのか?
いや、此処で怯んじゃ駄目だ。僕はこいつを連れて帰らない。
「はじめ、はじめえ」
「……じゃあな」
僕は踵を返すと駅の方へと歩きだした。もう振り返らない。負けないぞ。
「はじめえ、はじめえ」
わんわんと泣く声がする。可哀想に。僕のドールが泣いている。助けてあげないと。
「……あ?」
なんだ、助けてあげないとって。同情なんてしねえよ。いらなくなったから捨てるんだ。僕だけじゃない、皆やってる。
もしかして記憶操作か?
僕の記憶を消して、いいように上書きするつもりか?
くそ、そうはさせないぞ。僕は絶対にこいつを連れて帰らないんだから。一歩、足を前に出す度に頭がズキズキと痛くなる。駅に着く前に僕の意識を失わせるつもりなのだろう。そして次に目を覚ます時には僕の隣にこいつが居る。僕がこいつと此処にきて、こいつを捨てようとしていた事なんてきっと綺麗さっぱり忘れているだろうよ。
ふざけんな。僕は負けない。特殊能力なんてクソ食らえ。
僕はスマホを手にすると国永に電話を掛けた。
出ろ、出ろ、出ろ。僕を助けろ、佐々木国永。出ないと千冬が危ないぞ。ドールの危険性に気付かないまま、僕はこいつの子供を……。
『……肇?』
「国永、助けて」
『え?』
「零が……千冬が……頭、いた……」
『肇? おい、どうした。今何処に居るんだ?』
「電車……駅……終点、喜多見大和田……」
『きたみおおわだ? 調べてすぐに行くから待ってろ』
電話は一方的に切られてしまった。これで国永は此処にくる。ざまあみろ、僕の勝ちだ。あはははは。
僕の意識はゆるゆると真っ白になっていく。
頭が痛い。身体が重い。背後ではまだあいつが泣き叫んでいる。
煩いな、頼むから静かにしてくれよ。僕はもう眠りたいんだ。疲れたんだ。お前の世話なんてうんざりなんだ。
最後に聞いたあいつの声は、間違いなく笑っていた。
(国永視点)
肇から連絡があった。肇は確かに、『助けて』と言っていた。
零が、千冬が、頭が痛い、きたみおおわだ。
それしか聞き取れなかったが、とにかく肇が危ないらしい。
スマホできたみおおわだ駅を検索すると、喜多見大和田駅がヒットした。電車に乗って終点で降りる。そこに行けばいいんだな。
「苺香、喜多見大和田駅に行こう。肇が危ないらしい」
零に何かあったのか。そこにどうして千冬の名前が出てくるんだ?
千冬もそこに居るのか?
いくら考えても肇の置かれている状況が分からなくてもやもやする。それに、頭が痛いってなんだ?
たんに具合が悪いだけ?
いや、それなら零や千冬の名前が出てくるはずがないだろう。だとすれば零や千冬に関係のある事のはずだ。そして肇はそれに巻き込まれていると考えるのが自然だ。
電車に揺られている間もそわそわしてしょうがなかった。終点まであと何駅だ?
快速に乗ったから少しは早く着くと思うのだが。
ようやく喜多見大和田駅に着くと、俺は改札を飛びだした。
「ごめん苺香、走るよ」
俺は苺香の手を引っ張り走っていた。
さて、改札を出たのはいいが、右と左、どちらに行けばいいのだろうか。
俺は肇に連絡をした。
コール音が鳴り響く。いくら待っても肇は出ないし留守電にもならなかった。やっぱり肇に何かあったんだ。俺は通話を切る事なく改札から右へと曲がって歩きだす。
苺香と二手に分かれて探した方が効率がいいのは分かっているが、知らない場所で苺香を一人にする方が俺にとっては怖かったのだ。
「肇、何処だ」
駅から歩く事数分。肇は道のど真ん中で倒れていた。
「肇!」
通話を切って急いで肇の元に駆け寄るが、肇の反応はない。まさか死んでたりしないよなと思いつつ頬に触れてみると、温かかったのでとりあえずはほっとした。
周囲を見渡しても零や千冬の姿はなく、俺達以外には誰も居なかった。それに熱がある感じでもなかったのだ。ますます訳が分からない。
「う……」
「肇? おい、しっかりしろ」
「……国永……きて、くれたんだな……」
「当たり前だろ! いったいどうしたんだよお前。零は? 千冬は?」
「千冬は知らない……零、は……そこに……」
「そこ?」
肇の指差す方へ視線を向けるが、そこには誰も居なかった。もしかして俺にだけ見えなくなった訳じゃないよな?
実は零はドールじゃなくて幽霊だったとかいうオチとかいらないからな?
「う……頭いてぇ……」
ゆっくりと上体を起こそうとする肇の背中を支えてやると、肇はぽつりぽつりと自分の身に起こった事を話しはじめた。
「僕、零と家でえっちしてたんだよ」
「お、おう」
「そしたら急に零が僕に言うんだ。はじめえ、すきいって」
「え?」
「驚くだろう? 僕だって驚いたよ。意味だって分からずに言ってるに決まってる。だから僕は言ったんだ。意味も分からない癖にそんな事言うなって。そしたらさ、ちゃんと意味、分かってたよ。すきいって言われると嬉しいんだってさ。それにあいつ、僕が怒っても嬉しそうに笑うんだ。僕はいつもつまんなそうにしてるから」
感情を持つドールが一定数居る事は知っていた。きっと零も感情を持つようになったんだな。ういと同じように。
「だけど僕は零の成長を喜べなかった。人間みたいできもちわるいと思ったんだ」
「肇……」
「だから捨てようと思った。この駅で僕は零を拾ったんだ」
そうだったのか。
まあ、確かにドールの成長を喜べるかどうかは人それぞれだもんな。理想と現実の違いに落胆して、好きだったきもちが急激に冷めるのと同じように、それをきもちわるいと感じてしまうのもなんだか分かる気がするよ。
「そしたら零が、泣くんだよ。いかないでえって、瞳に涙を浮かべてさ。ドールが泣くなんて聞いた事あるか? ないだろ。それだけじゃなかった。僕が零に酷い言葉を言う度に、零はどんどん言葉が上手くなっていた。僕と零の間に子供が産まれればずっと一緒に居られると思ってるんだ」
「……まじか」
「そこで千冬だよ。身体を変えちゃえばいいって、千冬から子宮を取って自分のと入れ替えちゃえばいいんだって言ってた」
「は? なんだそれ」
「それでも僕はさよならをしたんだ。こんな奴に構ってないで一人で帰ろうとした。そしたらまた泣きはじめて、僕は歩く度に頭が痛くて、このままじゃ僕の記憶が消されると思ったんだ。だからお前に連絡した。そして僕は気絶した。零が何処に行ったのかは分からない。てっきり、目を覚ましたら隣に零が居て、此処であった事は全部覚えていないものだと思っていたくらいなんだ」
情報過多で頭が爆発しそうだった。零の成長速度が恐ろしい。それに、泣く程必死で肇を繋ぎ止めておきたかった癖に、どうして肇の傍に居ないのか。嫌でも想像してしまう。
「……千冬が危ない」
俺は苺香と肇を連れて再び電車に乗ると、千冬の家へと向かった。
頼む、杞憂であってくれ。
俺の心臓はドクドクと鳴り響いていた。
千冬にもしもの事があれば、佐倉桜が壊れてしまう。そんなのは当たり前だ。佐倉桜にとって千冬はたった一人の母親なのだから。
駅に着くと、千冬の家へと走った。インターフォンを鳴らす。
『……はい』
千冬だ。千冬は無事だったんだ。
「千冬!」
『……国永さん?』
わあ、俺の事、国永さんって呼んでくれた、嬉しい……じゃなくて。
「千冬に話しておきたい事があるんだ。苺香と肇も居る。良かったら中に入れてくれないか?」
『……肇?』
あ、しまった。千冬は肇が嫌いなんだった。
「き、緊急を要するんだ。それに今、肇も被害にあっている。色々と言いたい事はあるだろうけど、今はグッときもちを堪えてくれないか?」
『……分かりました』
中に入ると、千冬は肇を思い切り睨んでいた。心做しか声のトーンも落ちている。佐倉桜の一件でまだ怒っているのだろう。
「それで、話というのはなんでしょうか」
「肇のドールの事なんだけど、俺達は零って呼んでる」
「零……あまりよくない響きね」
「そうなのか? えと、その零って奴が肇と色々あって」
「色々の部分をぼかさないで頂戴。そこが一番重要なところでしょう」
「あ、悪い。えと、零が肇に好きだって言ったみたいで、それに対して肇はきもちわるいと思っちゃって」
「ドールが感情に触れたのね。よくある話だわ」
「それで、肇は零を捨てようとしたんだ。そしたら零が泣きはじめて、それでも肇がさよならを告げると、気絶するくらい酷い頭痛がして、それで怖くて俺に助けを求めてきたんだ」
「へえ、泣いたの。それで?」
「それで、千冬みたいに妊娠すれば、肇は零と一緒に居てくれると思ったみたいで」
「そう。なんとなく話が見えてきたわね。それで貴方は私の身を案じて此処にきたって事かしら」
「ああ」
千冬はとても頭の回転が速いのだろう。話が早くて助かる。
「私の方は大丈夫よ。桜もね」
「なら良かった」
「そうね。ドールが感情に触れて暴走するのはよくある話なの。厄介なのは、相手の記憶を操作する特殊能力よね」
「その、ドールが感情に触れるきっかけってのは、なんなんだ?」
「きっかけは様々だけど、肇には思い当たる節はあるのかしら」
「……ない」
「そうよね。肇はドールなんてどうでもよさそうだものね」
頼むから喧嘩はしないでくれよ。千冬が本気になったら誰も止められないんだからな。
「なら、長年連れ添った恋人相手に愛着が湧くのと同じ原理なんじゃないかしら。依存しているというか、甘えているというか、心を開いている……みたいな感じね」
「わ、分かりやすい例えをありがとう」
「さっきからずっと肇が喋らないのは、頭痛が酷いからなのね。そしてその子とのやりとりは全て覚えている」
「ああ」
「私は肇に聞いているの」
「ご、ごめん」
だから千冬、怖いって。肇が嫌いなのは分かるけど、もうちょっと優しく言ってあげてほしい。
「ねえ肇。その子とのやりとりは全て覚えているの? その記憶は本物なの?」
「……分からない。ずっと、耳に残ってるんだ。あいつの声が、僕の名前を呼ぶ声が……あいつ、笑ったんだ。満面の笑みで。だけど僕が倒れた時も笑ってた。僕の名前を呼びながら、僕に好きだと言いながら」
そこまでくるともはや愛着じゃなくて執着だな。
「そう。なら、もうその子に近付かない方がいいわね」
「どうしたら頭痛は治るんだ?」
「むりね。それは一種の呪いみたいなものなのよ」
「え、じゃあ肇は一生頭痛に悩まされるのか?」
「一生ではないわ。その子のきもちが肇から離れれば自然と治る。だけど好きという感情は色々と複雑なの。時間が解決してくれるのを待つしかないのかもね」
時間が経てば記憶は薄れる。その時を待つしか方法はないと千冬は言いたいのだろう。或いは、肇よりも好きな人に出会えれば。
「……ごめん、ちょっと寝る」
ソファにごろんと横になる肇。本当につらそうなのだが、そんな状態で眠れるのか?
「困った事になったわね」
「ああ」
「ねえ、貴方の知り合いに、ドールの首を簡単にへし折るような人は居ない?」
「は? え、いや、居るには居るけどあまり関わりたくないな」
ドールであるういの首を簡単にへし折るドール保持者。ういがますたーと呼んでいた男。
「ならそいつにその子の首をへし折ってもらいましょう」
「は?」
「その子が死ねば、肇は頭痛から解放されるわ」
「で、でもそんなのどうやって頼むんだよ。またいちから説明しろってか?」
「説明なんかする必要ないでしょ。ちょっと首をへし折ってほしい子が居るんだけど、でいいんじゃない?」
「い、いやぁ、どうかな」
ますたーに話が通じるとは思えないんだが。それにあいつの居場所なんて覚えてないし。
「その知り合いの人のドールって、ういでしょ?」
「え、そ、そうだけど」
「なら、ういを見つけて連れていってもらいましょう」
「そんなのどうやって」
「貴方はういと何処で出会ったの?」
そうだ、俺はういとスーパーで出会ったんだ。そこに行けばまたういと会えるのだろうか。あの時出会ったういとは別のういに。
「……分かった、行ってみる」
「肇は私の家で預かっておくわね。こんな状態じゃ家に戻るのもつらいだろうし」
「ありがとう。千冬も気を付けて」
スーパーでういを見つけてますたーのところに連れていってもらう。そして、ますたーに零の首をへし折ってもらうまでが今回俺に課せられたミッションだ。
俺が必ず肇を救ってやる。だから死ぬなよ、肇。
だけど僕はまだ高校生で、そんなお金なんてあるはずもなくて。中古でもいいから僕にも買えそうなドールはないのかなと思って色々とネットで調べてみたけど、どれも僕の手には届きそうにもない額で半ば諦めかけていたんだけど。
「……そうか。わざわざ買わなくても手に入るんだ」
世の中には不要になったドールを他の人に譲る事があるらしい。いらなくなったのでどうぞ、とタダで譲ってくれる人も居れば、いくらかお金を要求して譲る人も居るんだとか。
あとは、人のドールを奪ったり、捨てられているドールを拾ったりすれば手に入る。何も大金を支払ってまで新品や中古のドールを買わなくたっていいんだと僕は知った。
知ったからには手あたり次第声を掛けた。
貴方の連れはドールですか?
聞けば二分の一の確率でドールだった。
そのドールを譲ってほしいと言うと、大抵の人には断られる。それでも僕は諦めなかった。この頃の僕は、ドールが世界に潤いをもたらしてくれるのだと信じて疑わなかったのだ。
そしてようやく見つけた。
降りた事のない駅で、ドールは道に捨てられていた。ダンボールに入れておくなんて可哀想に。まるで犬や猫みたいじゃないか。
ああそうか。皆、ドールをペットか何かと勘違いしているんだ。そういえば、ドールは妊娠しないんだっけ。ネットで見た事がある。
ま、捨てる人が居るくらいだからな。奴隷、ストレス発散のサンドバック、性処理、玩具、メイド、犬、ごみ、置物、観葉植物。とてもじゃないが、ドールを家族のように扱う人なんて居ないのだろう。むしろそのために存在しているのだとさえ思えるくらいだ。
そうか、妊娠しないのか。ならいくらだって中に出しても問題はないんだよな。だからドールの性別は圧倒的に女が多いんだ。玩具なんかとは違って、見た目は人間で、しかも動くんだ。言葉だってそのうち喋るようになる。
僕は迷う事なくそのドールを拾った。ドールを拾ったお陰で家に帰ろうと思えたんだ。ああでも親にはなんて説明しよう。急に女の子を連れてくるなんて。ま、説明なんてしなくてもきっと何も言わないさ。いつもの通り、僕は空気で居るだけ。
家に帰ると、僕はすぐにドールをお風呂に入れた。いつからあそこに捨てられていたのか知らないが、まずは身体を清潔にしないといけないと思ったんだ。
身体を洗うとピンと立つ突起が目立ってしょうがなかった。僕はまだ童貞なのだ。女の子の全裸なんて初めて見たのだから僕のコレがこうなるのも仕方のない事なんだよ。
お風呂から出て髪を乾かして身体を拭いて服を着せて……なんて悠長な事してられない。僕はすぐにドールの胸を口に含んだのだ。
興奮した。勃起した。自分の右手で扱きながらドールの乳首を沢山舐めた。舐めているだけで射精した。今度はドールの股を開いて、クリトリスを沢山舐めた。ドールの吐息が甘くなる。ドールが喘ぐ。ドールは感じる事が出来るんだ。沢山舐めると愛液が溢れてくる。堪らず僕は舌を捩じ込んで、ピストンする。ドールが身を捩る。僕が興奮する。ドールが身体をビクビクと震わせる。ドールもいくんだ。僕は出したばかりのちんこをドールに突っ込んだ。腰を振った。きもちよくなった。射精した。中に出した。顔に出した。胸に出した。何回も出した。それから僕は、むらむらする度にドールで抜いた。
名前なんて付けようとすら思わなかった。ドールはドールだ。必要な時にだけ使って、いらなくなったら捨てればいい。僕にとってのドールはその程度の認識だった。
そうだな。ドールはペットだ。ペットには首輪を付けておかないとな。散歩もしてあげよう。これが僕のドールだって、街行く人々に見せつけてあげるんだ。
親には何も言われなかった。後にドールには特殊能力がある事を知ったんだけど、そんな能力を駆使しなくても、きっと僕の親は何も言わなかった。そういう人達なんだよ、あいつらは。部屋は無駄に広いのに、僕はいつも一人だった。朝から夜までほとんど帰ってこない。たまに帰ってきても僕に見向きもしない。僕という人間に関心がない。だから放置する。世の中ではそれをネグレクトというらしい。
ネグレクトとは、育児放棄の事だ。これは立派な虐待に値する。
誰でもいい。僕という存在を見つけてもらいたかった。だからドールという存在が世界に潤いをもたらしてくれるのだと信じて疑わなかったのだ。
それなのに今の僕はドールをペットだと思っている。僕のストレスを吐きだす対象。僕の性欲を吐きだす対象。
最低だよね、分かってる。でもいいんだよ。ドールだから傷付かない。僕が股を開けと言えば簡単に開いてくれる便利な人形。
だから国永がいちかを家族だって言った事に驚いた。こんな奴は居ないと思っていたからだ。
だって絶対嘘に決まっている。こんなに綺麗なドールを前にして、お前は本当に一度も欲情しないのか?
ほらやっぱり。
そう思ったのに、どうしてだろう。国永は本当にいちかを家族のように扱うんだよ。大切にしているのが見ているだけで分かるんだ。
そういえば、国永の前ではドールの名前を呼んだけど、僕がドールを名前で呼ぶなんてあの時以来だったよな。
あの変態野郎。あれ以来、連絡は取ってないけどさ。
そもそも国永はなんでドールに名前を付けたがるんだ?
零。
本当に僕が適当に付けた名前。
ぜろ。
何もない存在。いちにすらなれない存在。
僕だけのドール。
「ごめんな、零……さよならだ……」
お前の名前を呼ぶのはこれが最後だ。
「どう、して、どうしてはじめ、すてるの、わたし、すてるの」
ドールが一人称を使うなんて。遂に自我が芽生えはじめたとでもいうのか?
いや、此処で怯んじゃ駄目だ。僕はこいつを連れて帰らない。
「はじめ、はじめえ」
「……じゃあな」
僕は踵を返すと駅の方へと歩きだした。もう振り返らない。負けないぞ。
「はじめえ、はじめえ」
わんわんと泣く声がする。可哀想に。僕のドールが泣いている。助けてあげないと。
「……あ?」
なんだ、助けてあげないとって。同情なんてしねえよ。いらなくなったから捨てるんだ。僕だけじゃない、皆やってる。
もしかして記憶操作か?
僕の記憶を消して、いいように上書きするつもりか?
くそ、そうはさせないぞ。僕は絶対にこいつを連れて帰らないんだから。一歩、足を前に出す度に頭がズキズキと痛くなる。駅に着く前に僕の意識を失わせるつもりなのだろう。そして次に目を覚ます時には僕の隣にこいつが居る。僕がこいつと此処にきて、こいつを捨てようとしていた事なんてきっと綺麗さっぱり忘れているだろうよ。
ふざけんな。僕は負けない。特殊能力なんてクソ食らえ。
僕はスマホを手にすると国永に電話を掛けた。
出ろ、出ろ、出ろ。僕を助けろ、佐々木国永。出ないと千冬が危ないぞ。ドールの危険性に気付かないまま、僕はこいつの子供を……。
『……肇?』
「国永、助けて」
『え?』
「零が……千冬が……頭、いた……」
『肇? おい、どうした。今何処に居るんだ?』
「電車……駅……終点、喜多見大和田……」
『きたみおおわだ? 調べてすぐに行くから待ってろ』
電話は一方的に切られてしまった。これで国永は此処にくる。ざまあみろ、僕の勝ちだ。あはははは。
僕の意識はゆるゆると真っ白になっていく。
頭が痛い。身体が重い。背後ではまだあいつが泣き叫んでいる。
煩いな、頼むから静かにしてくれよ。僕はもう眠りたいんだ。疲れたんだ。お前の世話なんてうんざりなんだ。
最後に聞いたあいつの声は、間違いなく笑っていた。
(国永視点)
肇から連絡があった。肇は確かに、『助けて』と言っていた。
零が、千冬が、頭が痛い、きたみおおわだ。
それしか聞き取れなかったが、とにかく肇が危ないらしい。
スマホできたみおおわだ駅を検索すると、喜多見大和田駅がヒットした。電車に乗って終点で降りる。そこに行けばいいんだな。
「苺香、喜多見大和田駅に行こう。肇が危ないらしい」
零に何かあったのか。そこにどうして千冬の名前が出てくるんだ?
千冬もそこに居るのか?
いくら考えても肇の置かれている状況が分からなくてもやもやする。それに、頭が痛いってなんだ?
たんに具合が悪いだけ?
いや、それなら零や千冬の名前が出てくるはずがないだろう。だとすれば零や千冬に関係のある事のはずだ。そして肇はそれに巻き込まれていると考えるのが自然だ。
電車に揺られている間もそわそわしてしょうがなかった。終点まであと何駅だ?
快速に乗ったから少しは早く着くと思うのだが。
ようやく喜多見大和田駅に着くと、俺は改札を飛びだした。
「ごめん苺香、走るよ」
俺は苺香の手を引っ張り走っていた。
さて、改札を出たのはいいが、右と左、どちらに行けばいいのだろうか。
俺は肇に連絡をした。
コール音が鳴り響く。いくら待っても肇は出ないし留守電にもならなかった。やっぱり肇に何かあったんだ。俺は通話を切る事なく改札から右へと曲がって歩きだす。
苺香と二手に分かれて探した方が効率がいいのは分かっているが、知らない場所で苺香を一人にする方が俺にとっては怖かったのだ。
「肇、何処だ」
駅から歩く事数分。肇は道のど真ん中で倒れていた。
「肇!」
通話を切って急いで肇の元に駆け寄るが、肇の反応はない。まさか死んでたりしないよなと思いつつ頬に触れてみると、温かかったのでとりあえずはほっとした。
周囲を見渡しても零や千冬の姿はなく、俺達以外には誰も居なかった。それに熱がある感じでもなかったのだ。ますます訳が分からない。
「う……」
「肇? おい、しっかりしろ」
「……国永……きて、くれたんだな……」
「当たり前だろ! いったいどうしたんだよお前。零は? 千冬は?」
「千冬は知らない……零、は……そこに……」
「そこ?」
肇の指差す方へ視線を向けるが、そこには誰も居なかった。もしかして俺にだけ見えなくなった訳じゃないよな?
実は零はドールじゃなくて幽霊だったとかいうオチとかいらないからな?
「う……頭いてぇ……」
ゆっくりと上体を起こそうとする肇の背中を支えてやると、肇はぽつりぽつりと自分の身に起こった事を話しはじめた。
「僕、零と家でえっちしてたんだよ」
「お、おう」
「そしたら急に零が僕に言うんだ。はじめえ、すきいって」
「え?」
「驚くだろう? 僕だって驚いたよ。意味だって分からずに言ってるに決まってる。だから僕は言ったんだ。意味も分からない癖にそんな事言うなって。そしたらさ、ちゃんと意味、分かってたよ。すきいって言われると嬉しいんだってさ。それにあいつ、僕が怒っても嬉しそうに笑うんだ。僕はいつもつまんなそうにしてるから」
感情を持つドールが一定数居る事は知っていた。きっと零も感情を持つようになったんだな。ういと同じように。
「だけど僕は零の成長を喜べなかった。人間みたいできもちわるいと思ったんだ」
「肇……」
「だから捨てようと思った。この駅で僕は零を拾ったんだ」
そうだったのか。
まあ、確かにドールの成長を喜べるかどうかは人それぞれだもんな。理想と現実の違いに落胆して、好きだったきもちが急激に冷めるのと同じように、それをきもちわるいと感じてしまうのもなんだか分かる気がするよ。
「そしたら零が、泣くんだよ。いかないでえって、瞳に涙を浮かべてさ。ドールが泣くなんて聞いた事あるか? ないだろ。それだけじゃなかった。僕が零に酷い言葉を言う度に、零はどんどん言葉が上手くなっていた。僕と零の間に子供が産まれればずっと一緒に居られると思ってるんだ」
「……まじか」
「そこで千冬だよ。身体を変えちゃえばいいって、千冬から子宮を取って自分のと入れ替えちゃえばいいんだって言ってた」
「は? なんだそれ」
「それでも僕はさよならをしたんだ。こんな奴に構ってないで一人で帰ろうとした。そしたらまた泣きはじめて、僕は歩く度に頭が痛くて、このままじゃ僕の記憶が消されると思ったんだ。だからお前に連絡した。そして僕は気絶した。零が何処に行ったのかは分からない。てっきり、目を覚ましたら隣に零が居て、此処であった事は全部覚えていないものだと思っていたくらいなんだ」
情報過多で頭が爆発しそうだった。零の成長速度が恐ろしい。それに、泣く程必死で肇を繋ぎ止めておきたかった癖に、どうして肇の傍に居ないのか。嫌でも想像してしまう。
「……千冬が危ない」
俺は苺香と肇を連れて再び電車に乗ると、千冬の家へと向かった。
頼む、杞憂であってくれ。
俺の心臓はドクドクと鳴り響いていた。
千冬にもしもの事があれば、佐倉桜が壊れてしまう。そんなのは当たり前だ。佐倉桜にとって千冬はたった一人の母親なのだから。
駅に着くと、千冬の家へと走った。インターフォンを鳴らす。
『……はい』
千冬だ。千冬は無事だったんだ。
「千冬!」
『……国永さん?』
わあ、俺の事、国永さんって呼んでくれた、嬉しい……じゃなくて。
「千冬に話しておきたい事があるんだ。苺香と肇も居る。良かったら中に入れてくれないか?」
『……肇?』
あ、しまった。千冬は肇が嫌いなんだった。
「き、緊急を要するんだ。それに今、肇も被害にあっている。色々と言いたい事はあるだろうけど、今はグッときもちを堪えてくれないか?」
『……分かりました』
中に入ると、千冬は肇を思い切り睨んでいた。心做しか声のトーンも落ちている。佐倉桜の一件でまだ怒っているのだろう。
「それで、話というのはなんでしょうか」
「肇のドールの事なんだけど、俺達は零って呼んでる」
「零……あまりよくない響きね」
「そうなのか? えと、その零って奴が肇と色々あって」
「色々の部分をぼかさないで頂戴。そこが一番重要なところでしょう」
「あ、悪い。えと、零が肇に好きだって言ったみたいで、それに対して肇はきもちわるいと思っちゃって」
「ドールが感情に触れたのね。よくある話だわ」
「それで、肇は零を捨てようとしたんだ。そしたら零が泣きはじめて、それでも肇がさよならを告げると、気絶するくらい酷い頭痛がして、それで怖くて俺に助けを求めてきたんだ」
「へえ、泣いたの。それで?」
「それで、千冬みたいに妊娠すれば、肇は零と一緒に居てくれると思ったみたいで」
「そう。なんとなく話が見えてきたわね。それで貴方は私の身を案じて此処にきたって事かしら」
「ああ」
千冬はとても頭の回転が速いのだろう。話が早くて助かる。
「私の方は大丈夫よ。桜もね」
「なら良かった」
「そうね。ドールが感情に触れて暴走するのはよくある話なの。厄介なのは、相手の記憶を操作する特殊能力よね」
「その、ドールが感情に触れるきっかけってのは、なんなんだ?」
「きっかけは様々だけど、肇には思い当たる節はあるのかしら」
「……ない」
「そうよね。肇はドールなんてどうでもよさそうだものね」
頼むから喧嘩はしないでくれよ。千冬が本気になったら誰も止められないんだからな。
「なら、長年連れ添った恋人相手に愛着が湧くのと同じ原理なんじゃないかしら。依存しているというか、甘えているというか、心を開いている……みたいな感じね」
「わ、分かりやすい例えをありがとう」
「さっきからずっと肇が喋らないのは、頭痛が酷いからなのね。そしてその子とのやりとりは全て覚えている」
「ああ」
「私は肇に聞いているの」
「ご、ごめん」
だから千冬、怖いって。肇が嫌いなのは分かるけど、もうちょっと優しく言ってあげてほしい。
「ねえ肇。その子とのやりとりは全て覚えているの? その記憶は本物なの?」
「……分からない。ずっと、耳に残ってるんだ。あいつの声が、僕の名前を呼ぶ声が……あいつ、笑ったんだ。満面の笑みで。だけど僕が倒れた時も笑ってた。僕の名前を呼びながら、僕に好きだと言いながら」
そこまでくるともはや愛着じゃなくて執着だな。
「そう。なら、もうその子に近付かない方がいいわね」
「どうしたら頭痛は治るんだ?」
「むりね。それは一種の呪いみたいなものなのよ」
「え、じゃあ肇は一生頭痛に悩まされるのか?」
「一生ではないわ。その子のきもちが肇から離れれば自然と治る。だけど好きという感情は色々と複雑なの。時間が解決してくれるのを待つしかないのかもね」
時間が経てば記憶は薄れる。その時を待つしか方法はないと千冬は言いたいのだろう。或いは、肇よりも好きな人に出会えれば。
「……ごめん、ちょっと寝る」
ソファにごろんと横になる肇。本当につらそうなのだが、そんな状態で眠れるのか?
「困った事になったわね」
「ああ」
「ねえ、貴方の知り合いに、ドールの首を簡単にへし折るような人は居ない?」
「は? え、いや、居るには居るけどあまり関わりたくないな」
ドールであるういの首を簡単にへし折るドール保持者。ういがますたーと呼んでいた男。
「ならそいつにその子の首をへし折ってもらいましょう」
「は?」
「その子が死ねば、肇は頭痛から解放されるわ」
「で、でもそんなのどうやって頼むんだよ。またいちから説明しろってか?」
「説明なんかする必要ないでしょ。ちょっと首をへし折ってほしい子が居るんだけど、でいいんじゃない?」
「い、いやぁ、どうかな」
ますたーに話が通じるとは思えないんだが。それにあいつの居場所なんて覚えてないし。
「その知り合いの人のドールって、ういでしょ?」
「え、そ、そうだけど」
「なら、ういを見つけて連れていってもらいましょう」
「そんなのどうやって」
「貴方はういと何処で出会ったの?」
そうだ、俺はういとスーパーで出会ったんだ。そこに行けばまたういと会えるのだろうか。あの時出会ったういとは別のういに。
「……分かった、行ってみる」
「肇は私の家で預かっておくわね。こんな状態じゃ家に戻るのもつらいだろうし」
「ありがとう。千冬も気を付けて」
スーパーでういを見つけてますたーのところに連れていってもらう。そして、ますたーに零の首をへし折ってもらうまでが今回俺に課せられたミッションだ。
俺が必ず肇を救ってやる。だから死ぬなよ、肇。
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