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23 催眠実験

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授業が終わったあと、学園の制服のままマクシムは指定された魔術クラスの実験部屋に行くと、先日ロジェを連れて消えた眼鏡で黒髪の優男がニコニコと待ち構えていた。

「……なんでお前がいるんだ?俺はサレイユ様から実験の被験者として頼まれて来たんだが?」
「サレイユに頼んだのは僕なんだよ、マクシム・ラヴォーくん。今回、実験させていただきます魔術師のカラスバ=ノシタモクと申します」

そう言うとマクシムに向かってニッコリと笑うが、マクシムはますます眉間に皺が寄る。
サレイユから、魔術クラスの生徒の魔術実験の被験者になってくれないか?と言われて、騎士団長の息子で信頼も厚いサレイユから頼まれたら断る理由はなかったが、この男がいると分かっていたら断っていた。

「僕の父は王立魔術研究所で働いてて、騎士団長のサレイユのお父さんと知り合いなんだ。その縁でサレイユと僕は昔から友達なんだ」

コイツと品行方正なサレイユが友達?とマクシムは驚くが、このカラスバという男に腹が立って話したくないので、ダンマリを決め込んだ。

「じゃあマクシムくん、椅子に座って待っててください。他の人達も来ますが、実験を行うのは君を含めて5人の騎士クラスの人だよ。実験始めると記憶が切れるけど、危険なことはないので安心してください」

そのうち、騎士クラスの何人かがやってくる。マクシムは、あの男――カラスバがいるならロジェがいるのかもと思ったが、ロジェは姿を見せなかった。

『あの野郎に聞くのも癪だからな……』

マクシムは笑顔のカラスバに内心イライラしつつ、他の騎士クラスの生徒と他愛もない話をしていると、カラスバがマクシムら参加者に近づきながら話し始めてきた途端、急激な眠気が襲ってきた。

「皆さん、今から催眠の実験を始めますのでよろしく。今から見るのは現実でなく夢なのでガンガン自分の欲望を吐き出してくださいね……ってもう聞こえてないかな?」

カラスバの声が聞こえたが最後の方はよく聞き取れなかったが、ロジェの声が聞こえたような気がした。


どのくらい時間が経ったかマクシムはわからなくなったが、うっすらと会話が聞こえてきた。この声は聞き覚えがある……ロジェの声だ。

「あっ……あぁ……マクシム……僕とうとうマクシムと一つになれるんだね」

一つになる……?マクシムは確かにロジェとキス以上のことはしたいと確かに思っていた。夢にまで見るほどだったのかと思うが、これは夢ではないような……まるで感触や雰囲気までが肌に伝わってくるような現実の感覚のようだった。

ロジェ……俺は……

「ロジェくん、元カレとのセックスで喜ぶなんて本当に淫乱になったね」

ムカつく優男カラスバの声が聞こえて、意識が一気に蘇り視界が鮮明になった。そこには目の前にロジェが裸で騎士クラスの男達に組み敷かれていてマクシムがロジェの脚の間から伸し掛かるところだった。


「いっ……言わないでぇ……」

目が涙で潤み口からは涎を垂らしてうわずった声をあげているロジェがいた。顔や胸には白い体液がかかっているのがわかり、マクシムは青ざめるがすぐに頭に血が登りカッとなる。

「何をしてるんだよっ!!」

マクシムはロジェを組み敷いていた同じ騎士クラスの生徒たちを殴り倒す。そのまま倒れた騎士クラス4人は寝ているようにだった。

「どういうことなんだよ……」
「ねぇ、マクシム続きはしないの?」

組み敷かれていたロジェが今度はマクシムに抱きついてきて、マクシムは面食らう。

「お前、どうしたんだよ?そんなことを言うなんて……」
「あれ?マクシムくん、催眠が解けた?やっぱり5人からは難しいな」

抱きついてきたロジェを離し、声をする方に振り向いたマクシムは思いっきり見えたカラスバの顔に拳を振り切ると壁の方にカラスバの身体が吹っ飛んだ。騎士クラスのマクシムが本気で殴ったにも関わらずカラスバは身体を起こすと、殴られて割れて曲がった眼鏡を手で外した。

「……酷いなこの眼鏡、気に入ってたのに……一応、自分を強化魔法かけておいてよかった。さすが騎士クラスの生徒だね」
「あぁ?!ふざけるな!お前!」

マクシムはカラスバの胸ぐらを掴むと顔を殴りつけるが、強化魔法がかかっているカラスバは平然としていた。 

「強化魔法かかってるから殴っても意味ないよ。あーでも、ちょっとは痛いかも。さすが騎士クラス」
「うるせぇ!死ね!」

更にマクシムは殴りつけるが、カラスバは動じず面白そうに笑っていた。

「お前、ロジェに何をしたんだよ!」
「何って催眠の実験。ついでに騎士クラスの人の性欲処理してあげようと」

マクシムは更にカラスバの顔を殴るが眼鏡が粉々になるだけでカラスバは無傷のまま笑うだけだった。

「やだなあマクシムくん。君が性欲処理は浮気じゃないと言ったんじゃないか。ロジェくんに」
「……なんのことだ?」
「覚えてないの?君が娼館に行ってロジェくんと喧嘩した時に言ったんだよマクシムくんが」
「はぁ?お前には関係ないだろ」

マクシムはカラスバに言われて思い出す。娼館に行ったことをロジェに責められてた時に、苦し紛れに言ったことを。しかしその喧嘩した時にロジェに言った言葉がどうしてカラスバが知っているのかわからなかった。

「ロジェくんは僕の助手で性欲処理係だったんだけど、お互いの身体と心を通わせて今では僕の所有物ものになったんだ。君の言葉を借りれば、“性欲処理は浮気じゃない”から、これは浮気ではないんだ。僕達は真の愛で結ばれたんだ」
「はあ?フッざけんな!!れっきとした浮気じゃねぇか!」

マクシムは掴んでいるカラスバの胸ぐらを更にキツく掴んで殴るが、強化魔法をかけているためマクシムの拳のほうが血が滲んであかくなっていた。カラスバはマクシムをあざ笑うかのように口をニヤリとさせて言い放つ。

「マクシムくん、君が言ったんだけどねえ。性欲処理は浮気じゃないと」

マクシムは頭に血が登っていたために後ろからロジェが近づいてくることに気づかず更にカラスバを殴ろうとすると、背中に全裸のロジェに抱きつかれて驚き殴るのをやめた。ロジェの両肩に手をおいて、必死でロジェに言い聞かせようとする。

「ロジェ……、お前どうしたんだ!!あんな男に……お前は騙されてるんだ!」
「マクシム、僕を抱いてくれないの……?」
「何言ってるんだ!正気に戻ってくれ!」
「僕は正気だよ」

ロジェに気を取られている隙にカラスバは呪文を素早く唱えマクシムに拘束魔術をかけると、マクシムはその場に崩れ落ちて床に倒れた。カラスバは動けないマクシムを仰向けにさせるとロジェに命令した。

「さあロジェくん、元カレくんとセックスしてあげて彼を満足させてあげよう」

マクシムはカラスバの言葉を聞いて絶句してしまう。

「……なっ……やめろっ!!!」
「マクシム」

肌は朱がさしたように興奮しているロジェは、生まれたままの姿でマクシムの身体に跨ると、マクシムの顔にロジェは顔を近づけてキスをして舌を差し入れる。

「やめろ!こんなことでお前としたくない!」
「……マクシム、僕のキスは良くなかった?もっと上手にするから大人しくしてて」
「ロジェッ!やめろっ!」

ロジェは拘束魔術がかかったままのマクシムに深く口づけをしながら、マクシムの股間の膨らみを服の上から撫でる。ロジェが口を離すとマクシムのくちびると唾液の糸で繋がるが、マクシムは信じられないような目でロジェを見ていた。

「……ロジェ……」
「はぁっ…マクシムとのキスしたら我慢できなくなっちゃった……」

ロジェは欲望で蕩けた目で、マクシムの制服のスラックスを緩めて昂った怒張を空気に晒す。ロジェとのキスで興奮したのかすでに勃起して鍛えた騎士クラスの生徒の逞しく若い陰茎だった。まだ経験不足で淫水焼けをしていないのか、色はまだ肌の色に近かった。

「これがマクシムのチンポ……逞しくて立派だね……あっ、マクシムの匂い…すごく雄の匂いがするよ……」

陰茎を手で持ち口に先端を含むとロジェはマクシムの陰茎を根本まで一気に飲み込み、淫らな音をさせながら先端から根本まで頭を動かして奉仕する。すでに発情しているロジェは雄の匂いでますます興奮してしまい、唾液を溢れさせて口周りを汚してしゃぶっていた。マクシムの毛叢まで唾液で濡らしてしまうほど奉仕に夢中になり発情しているロジェを見てマクシムはショックを受けてしまい言葉が出てこなかった。
 
「どうしたんだいマクシムくん。ロジェくんが君のために奉仕してるのに嬉しくなさそうだね?」

カラスバは二人の行為を見下ろしながら見ていた。

「お口で奉仕は気に入らないみたいだね。本番してあげようロジェくん」
「うん……」

口での奉仕をやめロジェは、マクシムの昂った陰茎の上に跨がり手で自身の淫孔にあてがい次の奉仕への準備をする。

「やっ…やめろっロジェッ!!こんなの間違ってる!!」

嘆きにも近い声をあげてロジェにマクシムは言うが、ロジェはすでに欲望に蕩けた目でマクシムに優しく微笑む。

「マクシム、大丈夫だよ。これは性欲処理行為なんだよ。僕はもうカラスバくんの……御主人様の所有物ものだけど、これは性欲処理で浮気じゃないからいっぱい中出ししてね」

自ら所有物ものになった発言をしたロジェを見上げながらマクシムは目の前が真っ暗になった。
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