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元カレ御曹司は元カノの元カレを許さない
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しおりを挟む「私……下田くんに無理矢理……押さえつけられて……」
「いいよ、嫌なことを言わなくて」
「抵抗したけど……力じゃ敵わなくて……」
「波瑠」
「でも本当にキスされた以上のことはなくて……」
「もう大丈夫だよ」
「私は優磨くんの嫌いな汚い浮気女だから」
「違う! 俺が誤解してた!」
優磨くんは前のめりになり必死に訴える。
「汚くなんかない! これからはちゃんと波瑠を守らせてほしい! もう一度そばに居させて!」
「ごめんなさい……できない」
今の私には無理だ。優磨くんと元に戻るには心の傷を回復できない。
「優磨くんのそばにいると不安になる……」
「不安って?」
「また私の前から消えちゃうんじゃないかって……」
「そんなこともうしないよ!」
「一緒にご飯を食べるって約束も……朝起きてテーブルに残ったままのご飯を見るのは悲しかった……」
「ごめん……後悔してる。あの時は怒りでいっぱいで帰れなかった。でも信じて! 俺はもう離れない!」
「泉さんや美麗さんに言われて初めて私の状況に目を向けたのに?」
「それは……」
優磨くんは気まずそうに下を向く。
「LINEもずっと読んでくれなかった。信じてほしかったのは私だよ……」
「ごめん……」
「困ってる状況を話そうとしたら優磨くんは拒んだ」
「そうだね……冷静になれなかった。波瑠が浮気したんだって決めつけるしかできなくて……」
「今こうやって本当のこと知ってもらえてほっとした。でも私は弱いから、いつまでも怖くなる。優磨くんと離れるのしんどいって、私だってわかったから。だからもう深い関係になるのが怖い」
最後に「ごめんなさい」と呟いた。
「波瑠はいつも俺に謝るね。そうさせてごめん……」
優磨くんの目も潤んでいる気がする。
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