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同居の御曹司は甘やかすのがお好き
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しおりを挟む「波瑠が昨夜どんなに酔ってたか思い知ってほしいよ。敢えて片づけないでそのままだから」
優磨くんはリビングに行ってしまったので、私はベッドから下りると服を探す。寝室には着ていたであろうパジャマや下着がない。戸惑いながら取り敢えず毛布を体に巻く。
「服……服……」
頭を押さえながら廊下に行くと昨夜来ていた私の服と優磨くんのスーツが散っている。服だけじゃなくて靴は玄関に散乱し、下着も乱れて落ちている。
「優磨くん……何があったの?」
「まだ思い出さない? ってかその格好何?」
毛布を体に巻きつけた姿に今更ながら羞恥心が湧く。
「まだ酒が抜けてないみたいだね……」
「ごめんなさい……状況が把握できない……」
「昨日家に入った途端、波瑠が服を脱ぎ始めたの」
「え!?」
「俺の服も脱がしたんだよ」
「ここで……?」
「ここで」
優磨くんは指先を床に向ける。その足元には私のショーツが落ちている。
「もしかして……ここで私たち……」
「まあそういうこと」
顔を真っ赤にする私とは反対に優磨くんは意地悪な顔をして笑う。
「これ見て」
自分のシャツの襟を広げて私に肩を見せる。その肌には赤い痣がいくつもついている。
「それ……私が?」
「波瑠以外誰がいるの。あんなに乱れるなら、もう絶対俺がいないときは酒飲んじゃだめだから」
「本当にごめんなさい……」
これはもうひたすら謝るしかない。優磨くんに呆れられてしまう……。
「服着てきて。渡したいものがあるから」
「え? はい……」
言われるままクローゼットに行き服を着ると、リビングにいる優磨くんは何かを持って待っている。
「これは俺からのプレゼントだよ」
「え?」
「腕出して」
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