上 下
74 / 157
同居の御曹司は甘やかすのがお好き

74

しおりを挟む

「優磨さん」

運転席から声が聞こえて我に返った。

「ご自宅に向かってよろしいですか?」

見ると車はいつの間にか動き出していて、泉さんがバックミラーでこちらを窺っている。

「はい……自宅で構いません……」

優磨くんは息を乱して泉さんにそう告げると、私を座り直させてシートベルトを締めた。それくらい自分でできるのに、今の私は優磨くんに甘やかされている。

「お取り込み中お呼びして申し訳ありません」

「いえ……」

私も優磨くんも顔を真っ赤にする。
お互い夢中になって求め合ってしまった。いい大人なのだから場所を考えないといけなかったのに。

「リゾートの件ですが、明日朝早くからミーティングをしたいと先方が連絡してきました」

「明日……わかりました。俺は大丈夫です」

「それと、商業マネジメント事業部の方でも可能なら明日お話がしたいと」

「そっちは調整します」

「それと、至急返事をしてほしいと言っている部署が……」

私のわからない仕事の話になった途端に眠くなってきた。車の揺れが心地良い。

「波瑠? 眠い?」

「うん……」

優磨くんに頭をもたれていると車が揺れるたびに小さく頭をぶつける。

「ここに寝てな」

そう言うと優磨くんは自分の太ももをポンポンと叩く。吸い寄せられるように頭を載せて横になると頭を撫でられる。私は自然と目を閉じた。

優磨くんの膝枕は落ち着くな……。今夜はとっても幸せ。家に着く前に寝てしまうかもしれない。

「例の件ですが、写真をお預かりしています」

「え? その件は断ってもらったつもりだったのですが?」

「申し訳ありませんが私では何とも……」

「そうですよね……俺から父に言います」

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

社長室の蜜月

ゆる
恋愛
内容紹介: 若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。 一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。 仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。

大好きな背中

詩織
恋愛
4年付き合ってた彼氏に振られて、同僚に合コンに誘われた。 あまり合コンなんか参加したことないから何話したらいいのか… 同じように困ってる男性が1人いた

睡蓮

樫野 珠代
恋愛
入社して3か月、いきなり異動を命じられたなぎさ。 そこにいたのは、出来れば会いたくなかった、会うなんて二度とないはずだった人。 どうしてこんな形の再会なの?

幸せの見つけ方〜幼馴染は御曹司〜

葉月 まい
恋愛
近すぎて遠い存在 一緒にいるのに 言えない言葉 すれ違い、通り過ぎる二人の想いは いつか重なるのだろうか… 心に秘めた想いを いつか伝えてもいいのだろうか… 遠回りする幼馴染二人の恋の行方は? 幼い頃からいつも一緒にいた 幼馴染の朱里と瑛。 瑛は自分の辛い境遇に巻き込むまいと、 朱里を遠ざけようとする。 そうとは知らず、朱里は寂しさを抱えて… ・*:.。. ♡ 登場人物 ♡.。.:*・ 栗田 朱里(21歳)… 大学生 桐生 瑛(21歳)… 大学生 桐生ホールディングス 御曹司

偽装夫婦

詩織
恋愛
付き合って5年になる彼は後輩に横取りされた。 会社も一緒だし行く気がない。 けど、横取りされたからって会社辞めるってアホすぎません?

消えた記憶

詩織
恋愛
交通事故で一部の記憶がなくなった彩芽。大事な旦那さんの記憶が全くない。

Good Bye 〜愛していた人〜

鳴宮鶉子
恋愛
Good Bye 〜愛していた人〜

crazy Love 〜元彼上司と復縁しますか?〜

鳴宮鶉子
恋愛
crazy Love 〜元彼上司と復縁しますか?〜

処理中です...