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同居の御曹司は甘やかすのがお好き
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しおりを挟む床に落ちたスマートフォンを拾うと「泉さんすみません」と優磨くんは謝る。どうやら電話をかけてきたのは泉さんのようだ。
「申し訳ないのですが、今から迎えに来ていただけますか? ……はい、本当にすみません……失礼します」
通話を終えると優磨くんはエレベーターのボタンを押した。
「来て」
私の手を引いてエレベーターに乗る。ドアが閉まると優磨くんは私をエレベーターの壁に押しつけキスをする。
「んっ……ゆーまくん……」
「ったく……酔いすぎでしょ……」
私を壁との間に閉じ込めながら呆れたように呟く。
「だってぇ……ゆーまくん仕事に行っちゃいそうらからぁ……」
目が潤んでくる。顔を赤くした優磨くんが霞んで見える。
「お泊りじゃないの? ゆーまくん……」
「ごめん。お泊りは中止……これから仕事の話で泉さんが来る」
耳たぶを甘噛みされる。私の口から言葉にならない声が出る。
「それなのに、こんなに波瑠が乱れるから仕事にならない」
「ごめんらさい……もう邪魔しない……だから離れないで……」
「こんな状態の波瑠から離れられないよ。可愛すぎ……」
首に優磨くんの唇が吸い付く。体中が熱いのに、更に首が熱を持つ。服の上から胸を包まれ甘い声が漏れる。
「ゆーまくん……」
顔が再び近づき荒々しいキスをされた。
このまま時が止まればいいと願うのに、エレベーターが一階に着いた音がすると優磨くんは体を離し、私の手を取りフロアに降りる。
正面玄関を出ると目の前のロータリーに見慣れた車が停まった。
その車の後部座席のドアが開くと中に押し込まれ、後から乗ってきた優磨くんが私の腕を取り胸に引き寄せる。先ほどのエレベーターの中でのように荒々しくキスをされ、舌が私の舌に絡みつく。何度も角度を変えてキスを繰り返す。
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