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同居の御曹司は甘やかすのがお好き

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「それくらい好きなの。だから俺の気持ちも汲んで、甘えて。仕事も焦らなくてもいいから」

「うん。でも、そうなると私ブクブク太りそうなんだけど……」

「太っても可愛いから大丈夫」

優磨くんにここまで甘やかされて独占されたらダメ人間になる日は近いかも。
そう思いながらも求められる度に私は優磨くんと唇を重ねた。










退職するその日に外食しようと約束していたものの、優磨くんの仕事が終わりそうもないというので延期することにした。マンションに帰ったところで優磨くんから電話がきた。

「波瑠、もう家?」

「うん。今帰ったところだよ」

「あのさ、書斎に白い封筒あるか見てくれない?」

書斎に入ると机の上に確かに定形外サイズの白い封筒が置いてある。表に『城藤不動産株式会社』と印字されている。

「やっぱ忘れてきてたか……悪いんだけど、今から泉さんがそっちにその封筒を取りに行くから渡してくれない?」

「ああうん、わかった」

「あとちょっとで着くらしいから申し訳ないけど下で待ってて」

「うん」

通話を終えると封筒を持ってマンションの下で泉さんを待った。数分後に車が停まり、運転席から泉さんが顔を出した。

「お手数おかけしました」

「いえ……」

落ち着いた雰囲気の泉さんも優磨くんに負けず劣らず綺麗な顔をしている。城藤に関わる人は皆美形なのだろうか。秘書という仕事のイメージのせいか口数が少ない泉さんはミステリアスだ。

「ハルちゃーん!」

後部座席の窓が開き美麗さんが顔を出す。

「お姉さん!?」

「ねえ、ハルちゃんも今から優磨の会社に行かない?」

「え?」

思いがけない誘いだった。

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