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同居の御曹司は甘やかすのがお好き
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しおりを挟む「波瑠、おかえり。俺のとこに戻ってきてくれてありがとう」
「うん……ただいま。これからも優磨くんのところに戻ってきてもいい?」
「大歓迎……」
優磨くんは照れて私の肩に顔をうずめる。
この優しい人がいる限り、私の居場所はこの人のそば。そう思ってもいいよね。
「波瑠……お腹すいた……」
「朝ごはん食べてないの?」
「食べたけど、姉さんが来たからカロリー消費した。何か作って……」
「はいはい」
笑いながら返事をすると優磨くんは私の手を取りマンションの中に引っ張っていく。
それが今では嬉しくて、私は手を握り返す。部屋に戻るまでその手はずっと握られたままだった。
「あの……優磨くん?」
「なあに?」
「いい加減離れてほしいんだけど……」
背後に立つ彼の腕は私の腰に回り、後ろから抱きしめる格好になっている。料理を作っているときも片づけるときも、今もこうして洗濯物を干していても纏わりついて離れない。
「やっと遠慮なく触れられるようになったから」
そう言ってまた耳の後ろにキスをする。
「もう……暇なら手伝って」
私は優磨くんのパンツを肩の後ろに軽く放る。
「はい……わかりました……」
渋々優磨くんが離れて横に来ると洗濯バサミにパンツを挟む。
「今から干して乾くの?」
「ここの部屋高いから今日みたいな天気が良くて風がある日はすぐなんだよ」
地上ではそよ風でもこの部屋は高い位置にあるから風が強く感じることもある。洗濯物がよく乾いていいのだけれど、天気の悪い日は音がすごくて少々心配になる。
「へー、知らなかった」
何でも乾燥機にかけていた優磨くんは窓も滅多に開けないのだという。こんな部屋に住んでいるのにもったいないとつくづく思う。
「あとは? 何かやるの?」
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