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同居の御曹司は甘やかすのがお好き
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しおりを挟む「自信がないの……優磨くんに相応しくない……可愛くないし、貧乏だし、取り柄もないし……」
美人の元カノには敵わない。そばにいると優磨くんに恥ずかしい思いをさせてしまう。
「波瑠は可愛いよ。笑顔も泣き顔も、照れた顔も全部が可愛い」
恥ずかしくてまた優磨くんの胸に顔を隠す。
「お金なんて気にしない。波瑠がいれば他には何もいらない」
顔を上げられない。今優磨くんの顔を見たらきっと泣いてしまう。
「優磨くん……本当に違うの?」
「え?」
「今の女の人、本当に元カノじゃないの?」
顔を伏せたまま、疑問だけを優磨くんにぶつける。
「あれは彼女でも元カノでも何でもないよ。まず女として見てない。俺の姉だからね」
「え?」
思わず顔を上げてしまう。目の前に真剣な表情の優磨くんの顔がある。
「俺の姉の、城藤美麗」
お姉さん? 元カノじゃなくて?
「姉……」
「そう。俺の姉さん。だから泉さんに迎えに来てもらったの。波瑠の勘違いだよ。ピアスは姉さんが無理矢理泊まりに来た時に無くしたって言ってたやつ」
「そうなんだ……」
「ちなみにあのベッドで寝かせたこともないよ。姉さんはいつも書斎で寝てるから」
ああ、よかった……。
そう思ったら視界が霞む。目から涙が溢れる。
「波瑠?」
「お姉さん……そっかぁ……」
「やっぱ妬いてた?」
優磨くんの腕の中で小さく頷く。
安心した。優磨くんの元カノがあんな綺麗な人だったら勝てないじゃんって思ってしまったから。
「波瑠」
切ない声で名を呼ばれる。
「頼むから俺を好きって言って」
真っ直ぐ気持ちをぶつけてくれたこの人にもう言ってもいいよね、自分の正直な気持ちを。
「優磨くん……好き……」
そう言った瞬間優磨くんの唇が重なる。それは昨夜のキスと同じ、優しく触れて軽く噛んでゆっくりと舌が口の中に入ってくる。
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