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同居の御曹司は甘やかすのがお好き
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しおりを挟む私の頭に優磨くんの顔がくっつく。愛おしいとでも言うようにスリスリと押し付ける。
「下田と付き合ってるって知って、悔しいけど波瑠が幸せそうならよかったんだ。でも、この先俺が一番波瑠を大事にできるよ」
「私は優磨くんには釣り合わないよ……」
「俺はそうは思わない」
きっぱりと言い切る言葉に目頭が熱くなる。
「波瑠と居ると俺は強くなれるんだよ。波瑠のように綺麗な心でいなきゃって思うんだ」
「私、心が綺麗なんかじゃないよ……怒るし、嫉妬もする……優磨くんの元カノを見て苦しい……」
「嬉しい」
耳にキスをされた。心臓がぎゅっと締め付けられたように苦しい。
「手を出さないように必死なのに、波瑠があまりにも無防備に俺のそばにいるから……波瑠にとって俺は眼中にないのかと思ってた」
「だって……優磨くんに甘えちゃダメだから……私は意識しないようにしてた……」
「ならもう意識して。波瑠の全部を俺に向けて」
再び耳元で「好きだよ」と囁かれる。その甘い声にまるで体の感覚が耳だけにしかなくなってしまったように痺れてくる。
「俺がどれだけ待ったと思ってんの? 4年だよ? 4年間も波瑠だけが好きだった。今やっと腕の中にいるのに、手放すなんてできないよ」
髪に、こめかみに、耳に、キスの雨が降ってくる。
「ん……」
くすぐったくて体に力が入らない。バッグを地面に落としてしまった。優磨くんに抱きしめられていてよかった。足の感覚がなくて今にも倒れそうだ。思わず優磨くんの服をぎゅっと握ってしまう。
「波瑠だけを大事にする。絶対に離れないし裏切らない」
ああもう……こんなに大きい気持ちをぶつけられたら受け止めきれない……。
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