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同居の御曹司は甘やかすのがお好き
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しおりを挟む「波瑠、妬いてる?」
「え?」
「あいつが俺の元カノかもって嫉妬してる?」
「あの……」
嫉妬? このモヤモヤした気持ちは嫉妬なの?
「俺に女がいたら嫌? 波瑠はどう思ってる?」
「私は……優磨くんの恋愛の邪魔しちゃいけないから……元カノやこれからの彼女さんに悪いから早く出て行く……」
きっとさっきの元カノはいい気がしてないと思う。これ以上優磨くんの女性関係を知りたくない。傷つきたくない。
優磨くんが近づいて優しく私を抱きしめた。昨夜のことを思い出して緊張したけれど、もう抵抗しようとは思わなかった。
「まだ俺の気持ちに気づかないの?」
耳元でそう問いかけるから「不安になる」と素直に打ち明けた。
「もしもこの先優磨くんの気持ちが離れちゃったら、私今度こそ立ち直れない。だったら最初からお互い適度な距離でいた方がいいよ……」
「でも俺は嫌だよ」
強く抱きしめてくる。今までにないほど体が密着する。
「波瑠が好きだ。離れたりしない」
優磨くんが私の髪にキスをする。
「ずっと好きだったよ。初めて会った時からずっと」
「嘘だ……だって全然そんな態度じゃなかった」
一緒に企画を進めているときも飲み会でも、優磨くんはあまり自分のことを話さないし私にも深く関わってこようとしなかった。
「俺は自分が城藤の人間だって意識されたくなかった。金が目当てで接してくるやつが多かったし。だからいつも人と距離を置くんだ」
確かに優磨くんは家の話をすることを嫌っていた。
「でも波瑠はそんなの関係ないって態度で、普通に話しかけてくれたでしょ。みんな俺にはどこか遠慮してるのに」
「だって……優磨くんは優磨くんだし」
ふっ、と優磨くんが笑う吐息が耳にかかる。
「それが俺にとっては大きいことなんだよ。波瑠は俺の特別だ」
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