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第2章 

第18話

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だがそれは5分ももたなかった。アルゼオの我慢が効かなくなったのか、俺の首もとを噛むようになった。まだ理性が残っているのか痛みはまったくない。

「アルゼオ、辛くなってきたのか?」
「ヴゥ……いや、……大丈夫だ」

口ではそういいながらも噛む力は強くなる一方だ。何か少しでも良くなる方法はないのか?

「アルゼオ、どうにかして少しでも症状が和らげるこたはできないのか」
「……あるには、ある。……だがお前にはできない」
「なぜだ、お前が辛くなくなるならやってやる。俺だって頑丈だ」
「俺が!お前を傷つけたくないんだ……。だから頼む、出ていってくれ」

これは最後の警告だ、と言わんばかりにぎらついた目を向けられる。出ていってくれと叫んで言われた瞬間、心臓を銃で撃たれたような衝撃を感じた。

「そうか」

少し考えてから、俺は決めた。まだ俺に覆い被さっているアルゼオの胸を押して………もう一度抱き締めた。

「っ、!?」
「なら俺も言わせてもらう。わざわざこんな時間に帰ってきたのも、出ていけと言われてもここにいることも、全部なぜだと思う?俺は大丈夫だって言っただろ。辛いんなら遠慮せずになんでも言え」

「っ、後悔するなよ……」

その瞬間目の前は真っ暗になった。
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