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3.始動

55.限界突破

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プロテアへと戻ったオレとリリーとサラ。

「取り敢えず、ギルドのみんなにレベル99達成を伝えるか」

「そうした方が良いよ!みんな楽しみにしてたもん」

「そうよ。」

「よし。じゃあ…」

『えーと皆さま。リリーとサラのお陰でオレは無事です。それと、レベル99達成しましたー!!』

『『『『『うおおおおおっっ!!!』』』』』

ボイスチャットから割れんばかりの歓声。耳痛い!

『それともう一つ。何とヴァルキリーを倒す事が出来ました!!』

『『『『『おおおおおおおっ!!!』』』』』

二つ目の報告にも再度大きな歓声が挙がる。
反応を待っていると、まず喋り始めたのは並木さん。

『上野君レベル99おめでとう!!でもヴァルキリー倒したってどういう事?無理しないで、強かったらすぐ逃げてねって言ったよね?』

やばい。普段温厚な並木さんが怒っている。

『そ、それは…思ったよりも戦えて…じ、実はヴァルキリー弱かっ…』
『はーい言い訳はそこまで。私とリリーが着いた時には、樹は瀕死で、死ぬ直前だったわ。けれど一人でヴァルキリーに勝ってたわ。でも後先考えずに空中戦して、阿修羅撃って、本当にバカよね』

『ちょっ!?サラ!?』

『ふーん。あれだけ大事な時以外は無理しないでって言ったのに、二人が着く前に阿修羅?これはギルマスとして、後で上野君に説教だね。で、何か他に言い訳は?』

『す、すいませんでしたあ!!!』

『皆のサポートあってのレベル99なんだから…ね?』

『は、はい。今後無いように気を付けます!』

『取り敢えずよろしい。でも後で説教ね』

結論。怒らせると並木さんは怖い。

『で、話は戻るけど…レベルは99で上限?』

『あ、えーと…EXPバーが消えたので、一応99が上限みたいです』

ギルドメンバーから様々な反応が出るが、オレと並木さんとしてはこれは悪いニュースだ。
何故なら神と対抗するのであれば、プレイヤーのレベル上限が高ければ高い程、ステータスでプレイヤー有利となるからだ。

『99で上限だと、そこから先はプレイヤースキル次第って事だね』

『残念だけどそうなりますね。でも…』

オレはステータス画面を開き、点滅しているアイコンを見つめる。

『ステータス画面にアイコンが増えてて、それをタップすると上限突破って文字が……』

Lv99の表示の隣にある、点滅しているアイコン。
戸惑いながらオレはそのアイコンに触れた。
するとシステムメッセージが浮かび上がる。

------
Lv99を達成しました!レベル上限突破が可能となります。
レベル上限突破の試練を受けますか?YES / NO
------

『…上限突破?何だろうね。クエストでも受けるとレベル100以上でも開放されるのかな?』

『やってみないと分かりませんね。試練って文字が有るから戦いのクエストかな…?取り敢えず一回受けてみようと思います』

『うーん。それは仕方ないね。上野君。もう一度だけ言うけど、無理だけはしないでね?』

『了解です!』

ギルドチャットをやめ、リリーとサラと話始める。

「あー…並木さんが怖かった」

「そんなの自業自得だよ。怒られて良かったんじゃない?」

「ま、ギルドメンバーへの体裁も有るからね。怒られるのは仕方ない仕方ない」

「後でこっそり謝ろうとしてのに、サラがバラしたんじゃないか!」

「「あははっ」」

街中で三人の笑い声が響く。

「よしじゃあ早速限界突破の試練を受けてみるか」

「どんな試練何だろうね?樹、人柱よろしくね!」

リリーさんサラッと酷いこと言ってますよ?

「いきなりクエスト開始は流石に無いでしょ?まずその内容だけ確認してみたら?」

「じゃあ…とりあえず押してみる」

オレはシステムメッセージのYESをタップする。
すると…レベル上限突破の条件が表示される。
そこに表示された文字を読み上げる。

「限界突破の条件は…ボスモンスターの討伐と、上限突破クエスト(ソロ限定)のクリア。ボスモンスターはさっき倒したからか達成になってるね。クエストは何か嫌な予感しかしない」

「ソロ前提のクエストかー。ま、樹なら大丈夫じゃない?というか樹で無理なら他のプレイヤーは無理だわ」

「そうだね。樹でクエストの突破が無理なら、私は諦める!」

サラとリリーがそう言い切る。
オレはレベルだけで、他に強いプレイヤーは居ると思うんだけどね。

「取りあえず受けてみようと思う。けどその前にヴァルキリー装備の強化と、ポーション買い込んでおこう」
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