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第一部 クローディアと氷の精霊王
格下げされた元王子妃の新たなる領地
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ああ‥‥‥。
止めて下さいよ、王様。
家臣の皆さんー‥‥‥その視線は嫌です。
クローディアは、妹の発言を聞いて呆れた果てた一同から、慰めのような視線を受けていた。
なんで、そんな目で見るんですか!
そう叫んで逃げ出したくなるような、あまりに痛ましい思いをしながらこの妹を消し去ってしまった後に時間を巻き戻したいとクローディアは、恥ずかしさに耐えていた。
この馬鹿。
あんたは王国の習慣なんて知らないでしょうが!
心の声は誰にも届かないままに、精霊王は面白そうに口元を手で隠している。
それを見てクローディアは、さらに赤面してしまう。
ああ、笑われてる。
もうダメかな、アンナを黙らせてもいいですか?
ねえ、旦那様。
それに王様?
マクシミリアンにまで、憐みの視線を受けるのは納得がいかない。
睨みつけると、慌てて視線を逸らす元王子?
まだ、王子かもしれなけど、正式な公布が発布されていないし。
内々の内示だから改変もあり得るな、そうクローディアは思っていた。王様の一存だけでは世界は変えれないのだ。この国の政治には多くの貴族諸侯も関わっているし、神殿の総意も必要。
前の聖女が他国に嫁ぐ際に、神殿を離れるだけでも数か月の事務処理の期間があったしなーと考えると、王子の復帰はまだまだあり得るわけであり。
ここで彼を不遇のまま捨てておくのは、良作とも思えない。
とはいえ、わたしが彼を救ってやるのは報復したいという最初の考えに反するから、それはしないけど。
「あのー‥‥‥精霊王、いえ、旦那様‥‥‥。
その必要はありませんので‥‥‥」
ようやく、口を出たのはその一言だけだった。
詳細に語るのはどうにも自分が言うのでは、妹は納得しないだろうとそう思ったからだ。
さて、そうなると誰が適格なんでしょう?
クローディアは、王様を見てみた。
助けて頂けませんか?
そんな視線を送ってみる。
王様はこれまた偉大というか。
あなたも大変ですな、そんな目で見返してくるからクローディアは、更に恥ずかしさが増すのだった。
「司法長官。
貴族院の法を‥‥‥あの、王子妃に伝えるがいい」
「はっ? あ、かしこまりました」
あ、専門家いた!
クローディアの後方にいる男性が呼び出され、おほん。
と、一つ咳をすると国王の意図を察したのか発言する。
「アンナ王子妃様。
その申し出は、幾つかの要件から却下されます。
といいますよりか、まず、提案自体が無効でございます‥‥‥」
「はあ!?
なんでですか?
公爵家の娘が何の対価もなく家を出ることなど!?」
アンナはさすがに貴族に作られた法律に詳しくない。
それよりも、習慣すらも無茶苦茶だった。
司法長官は呆れた顔をさらに歪ませて、まだ説明をするのですか?
そう、王様を振り返っていた。
もちろん、それは肯定される。
彼はクローディアをあなたも大変ですなあ‥‥‥そんな目で見て追加の要件とやらの説明を始めた。
「いえ、ですから。
王子妃様。
それは、貴族である場合の話ですな。
男性が女性宅、つまり内婿として入る場合は必要ですが。
しかし、聖女様は外の家にでたわけでありまして‥‥‥」
「つまり、こちらから進呈しなければならないのだ。
妻よ、もう黙るがいい‥‥‥お前は王家の恥にしかならん」
「あなただって、王子の位を剥がれたら当家の入り婿になるのですよ!?」
「うっ‥‥‥」
「あの、御二方。
それ以前に、お二人様には国王様よりの罰としての王家を外れるように御下命があるのですから。
貴族籍があるだけでもまだましだと。
そう思って頂かなければなりません。
通常であれば――」
ここで司法長官は申し上げてよいですか、と国王をチラリと上目遣いになり、王はもうどうでもいいから早くしろと、手で合図するだけだった。それを確認して彼はそれならば、と口を開く。
ここから先は聞きたくないと、マクシミリアンは首を振っていた。
「悪くて、断首刑。
王に対する反逆と変わりませんからな。
良くて、貴族籍はく奪の上に国外追放。
まあ、そのようなところでしょうか。公爵位を頂けるだけで、最大の恩情と考えるべきでございます。
あのような、先程のような恥知らずの発言など‥‥‥。
臣下として見聞きするだけでも、己の恥辱のように感じれてしまいますので」
「あっ!
あなたには関係ない話でしょう、司法長官‥‥‥様」
「そんなことはありません、王子妃様。
上役や王族の行いはそれに仕える臣下として、その一挙手一投足。
発言に至るまで常に気になるものでございます。
王子妃様におかれましては、いまは公爵夫人でございますが‥‥‥。
来たる際には王妃になられあそばされます。
どうか、これを良き御縁としてご再考を‥‥‥」
「あなたー。
それでも、大臣の列に加わる者の発言ですか!?
上にある者に対してー‥‥‥」
「もうよい!
お前は口を慎め!!」
あらら、王子様怒りで立ちあがっちゃったわ。
そのまま、拳で殴りつけてくれないかしら。
クローディアは頭が痛くなりそうな、いやもうすでになっていたが。
この醜態・痴態がさっさと終わる事を祈らずにはおられなかった。
どこで発言したらいいんですか、旦那様?
そう見上げた精霊王はまだ面白そうに、王子夫婦の会話を楽しんでいた。
あ、駄目だこれ。
まだ、何か企んでるわ、旦那様。
許してないのね‥‥‥。
クローディアは嫌な予感がして、妹夫婦に視線を戻した。
「ああ、良いかな?
大臣?
司法長官か?
口を挟むようだが」
「は????
あっ、はい!
無論でございます、異論などございません!
‥‥‥精霊王、様」
「すまんな?」
「いえ、滅相もー‥‥‥」
いきなり申し出とその言葉を発した相手が誰かを理解し、司法長官は緊張のあまり語尾が引きつっていた。
ごめんなさい、司法長官さん‥‥‥。
バカで間抜けで世間知らずの妹が。
クローディアはその外見からは窺えないような毛皮の中で、悲しさとむなしさから泣きそうになっていた。
こんな展開、もうこりごりだわ。
そう思いながら、恥ずかしそうに俯くのだった。
精霊王はそんな妻の側に降り立つと、そっと包むように抱きしめてやる。
端から言葉で言えば聞こえはいいが、その見た目はあまりにもいかつい氷雪熊の毛皮を全身にすっぽりと着こんでいるクローディアを抱きしめているのだがらどこかシュールなものがあった。
「旦那様、愚かな妹をお許しください‥‥‥」
「気にするな、クローディア。
あちらに挨拶もなく、勝手に王妃に招いた非礼は確かにこちらの手落ちでもある。
そこは詫びねばならん。
王子妃、いずれ挨拶に伺うと御父上様にお伝えいただけるかな?」
「そんな、挨拶なんて必要が。
旦那様!?」
「いいのだ、王妃。
それも大事なことだろう。
そして、結納の問題だったな?」
え?
いまその話に戻るの!?
クローディアはなぜ、と不思議そうな顔になる。
このまま放っておけばあの夫婦、王国追放に出来るかもしれないのに、と。
「それは、ええ、まあ。
ですが、先程の‥‥‥。
もう、そのお話はー‥‥‥どうか、お忘れを」
「いやいや、そうはいかん。
非礼は改めねばならん。
ちょうど、王子がクローディアの神官時代の管理を任されるようだ。
では、土地を新たに付与するというのではどうかな?
東南東の、氷山の手前にある雪原すべてを進呈しよう。
ただし、あの地は結界外。
なのでな、王子妃。
魔獣も多数、いることになる。
それを駆逐できれば、進呈することにしよう。
このー‥‥‥クローディアが着こんでいる氷雪熊の縄張りになるがな?」
清々しい笑顔でそう伝え、いや拒否できない命令を王子夫妻は承諾するしかなかった。
死を予期させる嫌な悪寒と共に‥‥‥
止めて下さいよ、王様。
家臣の皆さんー‥‥‥その視線は嫌です。
クローディアは、妹の発言を聞いて呆れた果てた一同から、慰めのような視線を受けていた。
なんで、そんな目で見るんですか!
そう叫んで逃げ出したくなるような、あまりに痛ましい思いをしながらこの妹を消し去ってしまった後に時間を巻き戻したいとクローディアは、恥ずかしさに耐えていた。
この馬鹿。
あんたは王国の習慣なんて知らないでしょうが!
心の声は誰にも届かないままに、精霊王は面白そうに口元を手で隠している。
それを見てクローディアは、さらに赤面してしまう。
ああ、笑われてる。
もうダメかな、アンナを黙らせてもいいですか?
ねえ、旦那様。
それに王様?
マクシミリアンにまで、憐みの視線を受けるのは納得がいかない。
睨みつけると、慌てて視線を逸らす元王子?
まだ、王子かもしれなけど、正式な公布が発布されていないし。
内々の内示だから改変もあり得るな、そうクローディアは思っていた。王様の一存だけでは世界は変えれないのだ。この国の政治には多くの貴族諸侯も関わっているし、神殿の総意も必要。
前の聖女が他国に嫁ぐ際に、神殿を離れるだけでも数か月の事務処理の期間があったしなーと考えると、王子の復帰はまだまだあり得るわけであり。
ここで彼を不遇のまま捨てておくのは、良作とも思えない。
とはいえ、わたしが彼を救ってやるのは報復したいという最初の考えに反するから、それはしないけど。
「あのー‥‥‥精霊王、いえ、旦那様‥‥‥。
その必要はありませんので‥‥‥」
ようやく、口を出たのはその一言だけだった。
詳細に語るのはどうにも自分が言うのでは、妹は納得しないだろうとそう思ったからだ。
さて、そうなると誰が適格なんでしょう?
クローディアは、王様を見てみた。
助けて頂けませんか?
そんな視線を送ってみる。
王様はこれまた偉大というか。
あなたも大変ですな、そんな目で見返してくるからクローディアは、更に恥ずかしさが増すのだった。
「司法長官。
貴族院の法を‥‥‥あの、王子妃に伝えるがいい」
「はっ? あ、かしこまりました」
あ、専門家いた!
クローディアの後方にいる男性が呼び出され、おほん。
と、一つ咳をすると国王の意図を察したのか発言する。
「アンナ王子妃様。
その申し出は、幾つかの要件から却下されます。
といいますよりか、まず、提案自体が無効でございます‥‥‥」
「はあ!?
なんでですか?
公爵家の娘が何の対価もなく家を出ることなど!?」
アンナはさすがに貴族に作られた法律に詳しくない。
それよりも、習慣すらも無茶苦茶だった。
司法長官は呆れた顔をさらに歪ませて、まだ説明をするのですか?
そう、王様を振り返っていた。
もちろん、それは肯定される。
彼はクローディアをあなたも大変ですなあ‥‥‥そんな目で見て追加の要件とやらの説明を始めた。
「いえ、ですから。
王子妃様。
それは、貴族である場合の話ですな。
男性が女性宅、つまり内婿として入る場合は必要ですが。
しかし、聖女様は外の家にでたわけでありまして‥‥‥」
「つまり、こちらから進呈しなければならないのだ。
妻よ、もう黙るがいい‥‥‥お前は王家の恥にしかならん」
「あなただって、王子の位を剥がれたら当家の入り婿になるのですよ!?」
「うっ‥‥‥」
「あの、御二方。
それ以前に、お二人様には国王様よりの罰としての王家を外れるように御下命があるのですから。
貴族籍があるだけでもまだましだと。
そう思って頂かなければなりません。
通常であれば――」
ここで司法長官は申し上げてよいですか、と国王をチラリと上目遣いになり、王はもうどうでもいいから早くしろと、手で合図するだけだった。それを確認して彼はそれならば、と口を開く。
ここから先は聞きたくないと、マクシミリアンは首を振っていた。
「悪くて、断首刑。
王に対する反逆と変わりませんからな。
良くて、貴族籍はく奪の上に国外追放。
まあ、そのようなところでしょうか。公爵位を頂けるだけで、最大の恩情と考えるべきでございます。
あのような、先程のような恥知らずの発言など‥‥‥。
臣下として見聞きするだけでも、己の恥辱のように感じれてしまいますので」
「あっ!
あなたには関係ない話でしょう、司法長官‥‥‥様」
「そんなことはありません、王子妃様。
上役や王族の行いはそれに仕える臣下として、その一挙手一投足。
発言に至るまで常に気になるものでございます。
王子妃様におかれましては、いまは公爵夫人でございますが‥‥‥。
来たる際には王妃になられあそばされます。
どうか、これを良き御縁としてご再考を‥‥‥」
「あなたー。
それでも、大臣の列に加わる者の発言ですか!?
上にある者に対してー‥‥‥」
「もうよい!
お前は口を慎め!!」
あらら、王子様怒りで立ちあがっちゃったわ。
そのまま、拳で殴りつけてくれないかしら。
クローディアは頭が痛くなりそうな、いやもうすでになっていたが。
この醜態・痴態がさっさと終わる事を祈らずにはおられなかった。
どこで発言したらいいんですか、旦那様?
そう見上げた精霊王はまだ面白そうに、王子夫婦の会話を楽しんでいた。
あ、駄目だこれ。
まだ、何か企んでるわ、旦那様。
許してないのね‥‥‥。
クローディアは嫌な予感がして、妹夫婦に視線を戻した。
「ああ、良いかな?
大臣?
司法長官か?
口を挟むようだが」
「は????
あっ、はい!
無論でございます、異論などございません!
‥‥‥精霊王、様」
「すまんな?」
「いえ、滅相もー‥‥‥」
いきなり申し出とその言葉を発した相手が誰かを理解し、司法長官は緊張のあまり語尾が引きつっていた。
ごめんなさい、司法長官さん‥‥‥。
バカで間抜けで世間知らずの妹が。
クローディアはその外見からは窺えないような毛皮の中で、悲しさとむなしさから泣きそうになっていた。
こんな展開、もうこりごりだわ。
そう思いながら、恥ずかしそうに俯くのだった。
精霊王はそんな妻の側に降り立つと、そっと包むように抱きしめてやる。
端から言葉で言えば聞こえはいいが、その見た目はあまりにもいかつい氷雪熊の毛皮を全身にすっぽりと着こんでいるクローディアを抱きしめているのだがらどこかシュールなものがあった。
「旦那様、愚かな妹をお許しください‥‥‥」
「気にするな、クローディア。
あちらに挨拶もなく、勝手に王妃に招いた非礼は確かにこちらの手落ちでもある。
そこは詫びねばならん。
王子妃、いずれ挨拶に伺うと御父上様にお伝えいただけるかな?」
「そんな、挨拶なんて必要が。
旦那様!?」
「いいのだ、王妃。
それも大事なことだろう。
そして、結納の問題だったな?」
え?
いまその話に戻るの!?
クローディアはなぜ、と不思議そうな顔になる。
このまま放っておけばあの夫婦、王国追放に出来るかもしれないのに、と。
「それは、ええ、まあ。
ですが、先程の‥‥‥。
もう、そのお話はー‥‥‥どうか、お忘れを」
「いやいや、そうはいかん。
非礼は改めねばならん。
ちょうど、王子がクローディアの神官時代の管理を任されるようだ。
では、土地を新たに付与するというのではどうかな?
東南東の、氷山の手前にある雪原すべてを進呈しよう。
ただし、あの地は結界外。
なのでな、王子妃。
魔獣も多数、いることになる。
それを駆逐できれば、進呈することにしよう。
このー‥‥‥クローディアが着こんでいる氷雪熊の縄張りになるがな?」
清々しい笑顔でそう伝え、いや拒否できない命令を王子夫妻は承諾するしかなかった。
死を予期させる嫌な悪寒と共に‥‥‥
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