85 / 90
第八章 エイジスの蒼い髪
9
しおりを挟む
「はあ‥‥‥。
隣は元気にやってるね」
俺、隣に顔出してくるよ。
そう言って、アルフレッドはぷいと出て行ってしまった。
「ちょっと‥‥‥そんな」
手にした抜き身のナイフを掲げたままで、彼につれないなんて言うのも失礼ね。
そう思いなおしてナターシャはそれを鞘に納めた。
自分で嫌だと言いながら、何を言っているんだろわたし。
みんな共にやって来てくれたのに、アルフレッドの扱いが悪いと言うだけで機嫌を悪くしている。
なんて都合のいい女なんだろ。
「おまけに不出来で良ければ貰って下さいなんて‥‥‥」
我ながらなにを恥ずかしいことを怒りに任せて言ったんだろ。
あれは本当に、本心なのかしら?
ブラインドを開けて窓のガラス越しに、雲海に浮かぶ陽光を見て、これほど美しい紗の世界を見れるなんてなんて幸せなんだろう。
ナターシャはそう思ってしまった。
ついでに、あの告白も再度思いだし、陽光に染まる雲海のように真っ赤になる。
「だめね、どうもあの嘆きの塔で怨霊と契約してから、変だわ。
それまで黙っていること、外に出さないのが美徳だったことが全部、出て来ちゃってる。
なんでだろ、アルフレッド」
彼といると、自分がまるで違う自分になってしまう。
それまでのギース侯爵令嬢ナターシャではない、もう一人のナターシャ。
ねえ、あなたは一体誰なの?
夕闇に変化していくガラス窓に映る自分は本物?
あの時、カーティスたちが去った時になにかの呪いにかけられたりして?
そう思った時だ。
一瞬、自分の顔にカーティスが映り込んだような気がして、ナターシャははっと後ろに下がってしまう。
だが、それは単なる思い込みでー‥‥‥。
「はあ、やっぱりだめ。
告白なんて出来ない。
受け入れられなかったらどうしよう?」
あ、もうしてるじゃない。
そして、アルフレッドは出て行ってしまった。
嫌われたかな?
ナターシャはまた、膝を抱えて俯いてしまうのだった。
「竜王様。
うるさいですよ!!」
いつになく不機嫌なアルフレッドは、竜王がさあこれから呑もうとしていた酒を奪い取っていた。
「おい、それはわたしの‥‥‥いい、呑みっぷりだな、お前」
「そうですか?
まあ、兄弟多いですからね。
神事の際にも、お神酒を飲んでいましたし。
なんでこう神様ってのは、自分たちだけの世界で物事を決めたりするんですか、竜王様、アリア様!?」
二杯目も竜王からかっさらい、アルフレッドは勢いよく飲み干してしまう。
おいおい、大丈夫か?
それはただの酒ではー‥‥‥。
「竜族の酒なんて飲ませたら、早く止めなきゃ‥‥‥」
イフリーテが気を効かせてそれを奪おうとするが、既に時遅し。
アルフレッドは竜王がどこからか出していた、酒瓶を奪い取っていた。
「あのーアルフレッドさん?
それ、お酒であってお酒じゃないんですよ?
人間が飲んだら大変なことに――」
イフリーテのその言葉に、アルフレッドは彼女に顔を寄せた。
「何がどう変わるって言うんですか??
ねえ、イフリーテさん?」
「うわっ、酒臭い‥‥‥。
人間が飲むと、耐性がない存在は魂を燃やしてしまってー‥‥‥燃えないですね?
不思議??」
「本当ね、もう四杯目。
なのに、あなた酔ってる風情もないし、どういうこと?
ねえ、エバーグリーン?」
アリアが竜王に問いかける。
てっきり、口に含んだ時点で水にでもなるかのようにしたのかと思っていたのだが。
「いや、わたしは何もしていない。
それよりも、アリア殿。
気にならなかったか」
竜王は酒の肴と共にそれを頬張るアルフレッドを見て、合図のようなものをアリアとイフリーテに送った。
三者はそれぞれうなづいて、水に炎に更に水にと結界を気づかれないように幾重にも張り巡らしていく。
それはこの部屋だけでなく、ナターシャの周囲にもそれとは気づかれずに画策されていた。
「そろそろ良いかな?
さて、これで外からは余程の高位な神や魔でしか入り込めぬわけだが。
あの身分証の名前。
なあ、アルフレッド。
尋ねたいことがあるのだがな?」
さすがに少しばかり気分が良くなってきたのか、顔を赤くしたアルフレッドが竜王に振り替える。
「なんですか、竜王様?」
「聞きたいことがあるのだ。
お前の家名のな、ヤンギガルブ。
あれは、どこで貰った名前だ?」
名前?
アルフレッドは少し考えて、
「貰ったんじゃなくて、うちに古くからあるというか。
裏山に神殿があるんですよ、とはいっても古すぎて、祭壇くらいしか残ってないですけどね。
そこで毎年祭りをするんです。
その神事と取り仕切りるだけの家柄ですよ。
それが何か?」
この鳥の足、ナターシャも食べるよな‥‥‥
彼はそう言い、料理の備え付けられていた紙に鳥の足を数本くるんだ。
「お前はいつもナターシャだけを見ているのだな‥‥‥。
どれくらい古いのだ?
そのお前の家は?」
「古い?
うーん元はアデル神の神殿で、それがいつからかな?
グルガット王国だから枢軸連邦ができる前じゃないですか?
その時にうちの本家というかもう潰れたけど。
なんだったかな‥‥‥???」
アルフレッドは記憶を探るがうまく思いだせない。
ああ、そういえば祝詞にあの神殿の歴史を謳っていたっけ。
そう思いだして、口にしてみた。
「最初はアデル神。
それからいつからかロンデル男爵家がそこの管理人になり、ある日、その男爵家のお嬢様が倒れた。
で、気付いた時にはヤンギガルブの名を名乗り、世界を回るようにと神託を受けてそのお嬢様は旅にでた。
どこで死んだかもわからないけれど、当時、戦争をしていた竜の大国やエルフの国々を彼女は回って地図を作った、とか聞きましたけど?」
まさか、そう竜王とイフリーテは顔を見合わせる。
二人がまだ王になる前。
アリアが生まれるよりずっと以前。
もう数千年前に、彼女はいた。
「その名はー‥‥‥まさか??」
「名前?
確か二度ほど変わったかなあ?
最初はエシャーナで、旅立った時は‥‥‥ナフィーサ?」
「お前、その名をずっと知っていたのか?
ヤンギガルブの名前にしてもそうだ。
なぜ、もっと早く言わないんだ!!」
なぜって、豚と野菜の炒め物を口に頬張りながら、パンを噛んでアルフレッドはさあ?
そんな顔をする。
酒でそれらを流し込み、
「だって単なる神話でしょ?
そんなもの、飯のタネにもならない」
「‥‥‥ああ、いかにも現実主義のお前らしい、意見だ‥‥‥アルフレッド。
お前、その男爵家の血筋でもあるだろうし、ナフィーサ様の血縁ともなればー‥‥‥」
「なれば?」
「あのゲフェトの神殿で妙な出来事に巻き込まれてもおかしくない」
「どういうこと?
竜王様、なんか深刻そうな顔して変ですよ?」
神が三者もいて変な顔して。
アルフレッドは酒瓶をほぼ空にしてから、
「料理、貰って行きますよ?
ナターシャがお腹空かしているだろうし。
ねえ、竜王様?
その滅んだ本家が男爵家なら、分家の俺も貴族を名乗ってもいいんですか?」
「あー‥‥‥それは、まあ。
しかし、平気なのかそれを全部飲んで‥‥‥」
「平気ですけど?
そっか、名乗れるんだ。
そっか」
そう言いながら、呆気にとられる三者を部屋においてアルフレッドは出て行ってしまう。
「本当に平気なのか、あいつ。
竜のわたしですらー‥‥‥倒れるほどの量だぞ???」
とんでもない存在と旅をしているのかもしれない。
彼等は、背筋に冷や汗をかきながら残りの食事を静かに食べるのだった。
隣は元気にやってるね」
俺、隣に顔出してくるよ。
そう言って、アルフレッドはぷいと出て行ってしまった。
「ちょっと‥‥‥そんな」
手にした抜き身のナイフを掲げたままで、彼につれないなんて言うのも失礼ね。
そう思いなおしてナターシャはそれを鞘に納めた。
自分で嫌だと言いながら、何を言っているんだろわたし。
みんな共にやって来てくれたのに、アルフレッドの扱いが悪いと言うだけで機嫌を悪くしている。
なんて都合のいい女なんだろ。
「おまけに不出来で良ければ貰って下さいなんて‥‥‥」
我ながらなにを恥ずかしいことを怒りに任せて言ったんだろ。
あれは本当に、本心なのかしら?
ブラインドを開けて窓のガラス越しに、雲海に浮かぶ陽光を見て、これほど美しい紗の世界を見れるなんてなんて幸せなんだろう。
ナターシャはそう思ってしまった。
ついでに、あの告白も再度思いだし、陽光に染まる雲海のように真っ赤になる。
「だめね、どうもあの嘆きの塔で怨霊と契約してから、変だわ。
それまで黙っていること、外に出さないのが美徳だったことが全部、出て来ちゃってる。
なんでだろ、アルフレッド」
彼といると、自分がまるで違う自分になってしまう。
それまでのギース侯爵令嬢ナターシャではない、もう一人のナターシャ。
ねえ、あなたは一体誰なの?
夕闇に変化していくガラス窓に映る自分は本物?
あの時、カーティスたちが去った時になにかの呪いにかけられたりして?
そう思った時だ。
一瞬、自分の顔にカーティスが映り込んだような気がして、ナターシャははっと後ろに下がってしまう。
だが、それは単なる思い込みでー‥‥‥。
「はあ、やっぱりだめ。
告白なんて出来ない。
受け入れられなかったらどうしよう?」
あ、もうしてるじゃない。
そして、アルフレッドは出て行ってしまった。
嫌われたかな?
ナターシャはまた、膝を抱えて俯いてしまうのだった。
「竜王様。
うるさいですよ!!」
いつになく不機嫌なアルフレッドは、竜王がさあこれから呑もうとしていた酒を奪い取っていた。
「おい、それはわたしの‥‥‥いい、呑みっぷりだな、お前」
「そうですか?
まあ、兄弟多いですからね。
神事の際にも、お神酒を飲んでいましたし。
なんでこう神様ってのは、自分たちだけの世界で物事を決めたりするんですか、竜王様、アリア様!?」
二杯目も竜王からかっさらい、アルフレッドは勢いよく飲み干してしまう。
おいおい、大丈夫か?
それはただの酒ではー‥‥‥。
「竜族の酒なんて飲ませたら、早く止めなきゃ‥‥‥」
イフリーテが気を効かせてそれを奪おうとするが、既に時遅し。
アルフレッドは竜王がどこからか出していた、酒瓶を奪い取っていた。
「あのーアルフレッドさん?
それ、お酒であってお酒じゃないんですよ?
人間が飲んだら大変なことに――」
イフリーテのその言葉に、アルフレッドは彼女に顔を寄せた。
「何がどう変わるって言うんですか??
ねえ、イフリーテさん?」
「うわっ、酒臭い‥‥‥。
人間が飲むと、耐性がない存在は魂を燃やしてしまってー‥‥‥燃えないですね?
不思議??」
「本当ね、もう四杯目。
なのに、あなた酔ってる風情もないし、どういうこと?
ねえ、エバーグリーン?」
アリアが竜王に問いかける。
てっきり、口に含んだ時点で水にでもなるかのようにしたのかと思っていたのだが。
「いや、わたしは何もしていない。
それよりも、アリア殿。
気にならなかったか」
竜王は酒の肴と共にそれを頬張るアルフレッドを見て、合図のようなものをアリアとイフリーテに送った。
三者はそれぞれうなづいて、水に炎に更に水にと結界を気づかれないように幾重にも張り巡らしていく。
それはこの部屋だけでなく、ナターシャの周囲にもそれとは気づかれずに画策されていた。
「そろそろ良いかな?
さて、これで外からは余程の高位な神や魔でしか入り込めぬわけだが。
あの身分証の名前。
なあ、アルフレッド。
尋ねたいことがあるのだがな?」
さすがに少しばかり気分が良くなってきたのか、顔を赤くしたアルフレッドが竜王に振り替える。
「なんですか、竜王様?」
「聞きたいことがあるのだ。
お前の家名のな、ヤンギガルブ。
あれは、どこで貰った名前だ?」
名前?
アルフレッドは少し考えて、
「貰ったんじゃなくて、うちに古くからあるというか。
裏山に神殿があるんですよ、とはいっても古すぎて、祭壇くらいしか残ってないですけどね。
そこで毎年祭りをするんです。
その神事と取り仕切りるだけの家柄ですよ。
それが何か?」
この鳥の足、ナターシャも食べるよな‥‥‥
彼はそう言い、料理の備え付けられていた紙に鳥の足を数本くるんだ。
「お前はいつもナターシャだけを見ているのだな‥‥‥。
どれくらい古いのだ?
そのお前の家は?」
「古い?
うーん元はアデル神の神殿で、それがいつからかな?
グルガット王国だから枢軸連邦ができる前じゃないですか?
その時にうちの本家というかもう潰れたけど。
なんだったかな‥‥‥???」
アルフレッドは記憶を探るがうまく思いだせない。
ああ、そういえば祝詞にあの神殿の歴史を謳っていたっけ。
そう思いだして、口にしてみた。
「最初はアデル神。
それからいつからかロンデル男爵家がそこの管理人になり、ある日、その男爵家のお嬢様が倒れた。
で、気付いた時にはヤンギガルブの名を名乗り、世界を回るようにと神託を受けてそのお嬢様は旅にでた。
どこで死んだかもわからないけれど、当時、戦争をしていた竜の大国やエルフの国々を彼女は回って地図を作った、とか聞きましたけど?」
まさか、そう竜王とイフリーテは顔を見合わせる。
二人がまだ王になる前。
アリアが生まれるよりずっと以前。
もう数千年前に、彼女はいた。
「その名はー‥‥‥まさか??」
「名前?
確か二度ほど変わったかなあ?
最初はエシャーナで、旅立った時は‥‥‥ナフィーサ?」
「お前、その名をずっと知っていたのか?
ヤンギガルブの名前にしてもそうだ。
なぜ、もっと早く言わないんだ!!」
なぜって、豚と野菜の炒め物を口に頬張りながら、パンを噛んでアルフレッドはさあ?
そんな顔をする。
酒でそれらを流し込み、
「だって単なる神話でしょ?
そんなもの、飯のタネにもならない」
「‥‥‥ああ、いかにも現実主義のお前らしい、意見だ‥‥‥アルフレッド。
お前、その男爵家の血筋でもあるだろうし、ナフィーサ様の血縁ともなればー‥‥‥」
「なれば?」
「あのゲフェトの神殿で妙な出来事に巻き込まれてもおかしくない」
「どういうこと?
竜王様、なんか深刻そうな顔して変ですよ?」
神が三者もいて変な顔して。
アルフレッドは酒瓶をほぼ空にしてから、
「料理、貰って行きますよ?
ナターシャがお腹空かしているだろうし。
ねえ、竜王様?
その滅んだ本家が男爵家なら、分家の俺も貴族を名乗ってもいいんですか?」
「あー‥‥‥それは、まあ。
しかし、平気なのかそれを全部飲んで‥‥‥」
「平気ですけど?
そっか、名乗れるんだ。
そっか」
そう言いながら、呆気にとられる三者を部屋においてアルフレッドは出て行ってしまう。
「本当に平気なのか、あいつ。
竜のわたしですらー‥‥‥倒れるほどの量だぞ???」
とんでもない存在と旅をしているのかもしれない。
彼等は、背筋に冷や汗をかきながら残りの食事を静かに食べるのだった。
0
お気に入りに追加
446
あなたにおすすめの小説
【完結】本当の悪役令嬢とは
仲村 嘉高
恋愛
転生者である『ヒロイン』は知らなかった。
甘やかされて育った第二王子は気付かなかった。
『ヒロイン』である男爵令嬢のとりまきで、第二王子の側近でもある騎士団長子息も、魔法師協会会長の孫も、大商会の跡取りも、伯爵令息も
公爵家の本気というものを。
※HOT最高1位!ありがとうございます!
婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです
秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。
そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。
いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが──
他サイト様でも掲載しております。
気まぐれな婚約者に振り回されるのはいやなので、もう終わりにしませんか
岡暁舟
恋愛
公爵令嬢ナターシャの婚約者は自由奔放な公爵ボリスだった。頭はいいけど人格は破綻。でも、両親が決めた婚約だから仕方がなかった。
「ナターシャ!!!お前はいつも不細工だな!!!」
ボリスはナターシャに会うと、いつもそう言っていた。そして、男前なボリスには他にも婚約者がいるとの噂が広まっていき……。
本編終了しました。続きは「気まぐれな婚約者に振り回されるのはいやなので、もう終わりにします」となります。
悪役令嬢は高らかに笑う。
アズやっこ
恋愛
エドワード第一王子の婚約者に選ばれたのは公爵令嬢の私、シャーロット。
エドワード王子を慕う公爵令嬢からは靴を隠されたり色々地味な嫌がらせをされ、エドワード王子からは男爵令嬢に、なぜ嫌がらせをした!と言われる。
たまたま決まっただけで望んで婚約者になったわけでもないのに。
男爵令嬢に教えてもらった。
この世界は乙女ゲームの世界みたい。
なら、私が乙女ゲームの世界を作ってあげるわ。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ ゆるい設定です。(話し方など)
「結婚しよう」
まひる
恋愛
私はメルシャ。16歳。黒茶髪、赤茶の瞳。153㎝。マヌサワの貧乏農村出身。朝から夜まで食事処で働いていた特別特徴も特長もない女の子です。でもある日、無駄に見目の良い男性に求婚されました。何でしょうか、これ。
一人の男性との出会いを切っ掛けに、彼女を取り巻く世界が動き出します。様々な体験を経て、彼女達は何処へ辿り着くのでしょうか。
【完結】悪役令嬢は婚約者を差し上げたい
三谷朱花
恋愛
アリス・デッセ侯爵令嬢と婚約者であるハース・マーヴィン侯爵令息の出会いは最悪だった。
そして、学園の食堂で、アリスは、「ハース様を解放して欲しい」というメルル・アーディン侯爵令嬢の言葉に、頷こうとした。
[完結]本当にバカね
シマ
恋愛
私には幼い頃から婚約者がいる。
この国の子供は貴族、平民問わず試験に合格すれば通えるサラタル学園がある。
貴族は落ちたら恥とまで言われる学園で出会った平民と恋に落ちた婚約者。
入婿の貴方が私を見下すとは良い度胸ね。
私を敵に回したら、どうなるか分からせてあげる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる