金貨一枚の聖女

 
 ウィンダミア帝国皇太子、レオン・ウィンダミアはある日、呟いた。
「くだらん女がいいな。最高神エリアルの聖女はバカでいい。
 賢い女はいらん」
 この国では、次期皇妃は聖女であり、それを選ぶのはその夫になるレオンだった。 
 そして、聖女認定のその日。
 最初に聖女に選んばれたクルード公爵令嬢アリスにレオンは告げる。
「やっぱ、お前は賢いから要らん。
 俺はバカな女がいいのだ。自由にできるからな
 あのレイルド侯爵令嬢モニカでいいわ。
 消えてくれ、アリス」
 アリスは自分がけなされ馬鹿にされたと理解した瞬間、レオンの頬を張っていた。
 そして、次期皇帝に手を挙げた罪によりーー金貨一枚で売られてしまう。
 しかし、最高神エリアルはモニカを聖女に選ばなかった‥‥‥
 
 小説家になろうでも掲載しています。
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