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【幻影回忌 ―Regression of GHOST―】
Epilogue.幻影”回帰”
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「……やあ、レイジ」
町の風景もやや秋めいてきた十月七日。
鈴音学園ミステリ研究部には一人、アヤちゃんだけがポツンと座っていた。
いつも通り、彼女の指定席であるパソコン前のイスに腰掛け、俺が入ってきたことに気づくと向きを変えて挨拶をしてきたのだった。
「おう……元気、ないな」
「はは。それはお互いさまだろう? 酷い顔をしている」
「まあ……な」
ついこの間までは賑やかだったはずの部室。それが今や、すっかり様変わりしていた。
もう二度と戻ることのない騒がしさ。懐かしくても、それは最早手の届かないものだ。
ミス研の部長であり、騒がしさの元凶であったお天馬娘、安藤蘭は、二日前に帰らぬ人となった。強盗か通り魔か、とにかく詳細はまだ不明だが、彼女ともう一人、この学校の生徒が殺されているのが発見されたのだ。小さな町で起きた事件は、ニュース番組などで大きく報道されることもなく、情報はインターネットの真偽不確かな記事などで得るしかない状況だった。
「ずっと三人で好き勝手して、たまには友人も呼んで、尚更騒いで……なんて日々を、期待していたのだが。まだ、受け入れられないよ」
「……そだな」
俯き加減に話すアヤちゃんに、俺は同調する。
彼女の語るそれは、確かに幸福な夢模様だ。
「新しい情報はあるのかな。昼に見たときはまだなかったんだけど」
「ああ……少し待ってくれ」
アヤちゃんはすぐさまインターネットを開いて検索をかけ、幾つかの情報サイトやSNSから情報を引っ張ってきた。
「……新着記事があるようだ」
××県鈴音町で、学生二名が殺害されているのが発見された事件で、警察は男子学生が女子学生を殺害し、その後自殺を図ったものと見て、捜査を続けている。凶器は付近に落ちていた刃渡り18センチの包丁とみられ……以降は、現場の状況についてそれなりに詳しい説明がなされていた。
「そんな……シグレが……?」
「……アヤちゃん、知ってるのか?」
俺が訊ねると、アヤちゃんは沈痛な面持ちのまま頷く。
「ああ……あいつは、蒼木時雨は私の数少ない友人の一人だ。図書館で会って話すうちに仲良くなったのだが、どうしてあいつがランを……?」
「……俺たちの知らない何かがあったのかもな」
「シグレとランに、繋がりが……? 何か悩んでいたなら……話してくれれば良かったのに」
「悩んでいたから、言えないこともあったんじゃないかな。人って結構そういうものだし……だからランだって、あんな風に明るそうに見えて、辛そうな顔をしてるときもあった。……強がって生きている人は多いよ」
「……レイジ……」
アヤちゃんは今にも泣きだしそうで。強くありたいと心に決めている彼女が、まさに今強がっていることも容易に分かった。
だから、そっと彼女の肩に手を置く。
「……アヤちゃんもあんまり強がるなよ。俺も辛いし、アヤちゃんも辛いんだ。強くいようとか今は思わなくていいから……痛みはお互い分け合おう」
「……はあ。お前は強いよ、レイジ」
顔を背けてから、俺に見えないよう涙を拭って、アヤちゃんは弱々しく微笑む。
「ありがとう」
「……ああ」
お前がいてくれて――と、彼女は小声で呟いたのだが、それ以上は聞き取れなかった。
少し顔が赤らんでいたのは、涙のせいだろうか。
そんな顔をあまり見られたくもなかったようなので、俺は部室を去ることにした。
見て回りたいところは他にもあったから。
じゃあ、と一言だけ告げて、扉を開く。
背中越しにアヤちゃんは、またなと声を掛けてくれた。
*
「……おう」
部室を出て、渡り廊下に出ようとしたところで、ソウヘイに出くわした。
彼の後ろにはもう一人、女の子の姿がある。……妹のモエカちゃんだ。
「ソウヘイ。わざわざこっちまで?」
「まあ、なんだ……やっぱり心配だからな。あ、アヤちゃんがだぞ? お前も相当疲れた顔してっけど」
「……はは、ありがとう」
素直じゃないな、と内心思いつつ、俺は感謝の言葉を述べた。
ありがたい親友だな、こいつは。
「モエカちゃんはもう大丈夫なのか?」
「え……えっと、うん。まだ体は重い感じだけど、生活は問題ないかなと」
「そりゃ良かった。ソウヘイも、随分心配してたからな」
「余計なこと言うなっての。全く、自分探しの旅に出た挙句、辺境の村で体壊して療養してたなんて、普通信じられねえぜ」
「……はあ」
長い間行方不明だったモエカちゃんは、数日前にひょっこり西条家へ戻ってきたらしい。
今しがたソウヘイが言ったような胡散臭い言い訳をして家族を困らせたそうだが、とりあえず戻ってきたことに今は安堵しているとのことだ。
これから少しずつ問い質され、事情を打ち明けねばいけなくなるのだろう。……どこまで信じてもらえることやら。
「あの、レイジさん。元気出してくださいね。お兄ちゃん、こんなだけど……多分私のときより心配してるから」
「あのな。そんなワケ……って否定するとそれはそれで……ううん」
俺を心配していたことを否定すると、妹の心配をしていたことになる。ツンデレなソウヘイはどちらも認めたくないようで、ジレンマに苦しんでいる様子だった。
「はいはい、兄妹コントはそこまで。ホントありがとな、二人とも」
「……ああ。早く元気になってくれよ」
「分かってるさ」
アヤちゃんの様子も見てくるとソウヘイが言うので、俺はそのまま彼らと別れた。
二人がもう二度と悪しき魔の手にかからないことを、ただ祈る。
*
廊下でテンマくん、チホちゃんの二人とすれ違う。他の友人たちと会話をしていたので、二人は軽い会釈だけをしてくれた。俺も同じように返してから、屋上へと向かう。
立入禁止にはなっていたが、鍵も掛かっていないので昼食を屋上でとる生徒も多い。当然ながら人気はないので、一人になるには最適な場所だった。
……ここまで来て、ようやく俺は肩の力を抜ける。
「……はぁ」
小さく溜め息。ちょっとした演技でしかなかったのに、こうも疲れるものだとは。
実のところ、もう少し上手くやれるものだと甘く見ていた。……そんなわけはないのだな。
きっと、あいつだって……何度も繰り返し、上達していったのだ。
……こんなに色々変わったのに、世界は何も変わらない。
何かが一つや二つ欠け落ちたところで、世界は何事もなく進んでいくのだ。
元は無くならなかったはずのもの。或いは無くなっていたはずのもの。
それらは誰の記憶にも残ることなく……いや、そもそも存在することなく、上書きされていく。
「……馬鹿野郎。あれだけのシナリオを作っておいて……忘れてたなんて言わせねえぞ。魂が消えたら一つに戻ることは、分かってたはずだろ」
彼が辿った軌跡。
彼が作った物語。
それらが綺麗さっぱり無かったことにされたとしても……俺の魂には、何もかもが還元されている。
だから。
「……絶対に、忘れたりしねえからな。お前は……俺の親友だ」
……シグレ。
全ては回帰し、世界は穏やかに続いていく。
その裏で置き去りにされた何かがあったとしても。
だからただ一人、それを知っている俺だけは、忘れてはいけない。
俺たちがどんな物語を作り上げたのか、それを忘れてはいけないのだ。
この長い長いお話の最後にも、彼は一つのタイトルを付けた。
それは、俺たちの物語を表すのに、本当に相応しいタイトルだった。
この長い旅路を決して忘れずに。
心の中に刻み続けるための、名前。
遺された本には、こう記されていた。
――幻影回忌、と。
町の風景もやや秋めいてきた十月七日。
鈴音学園ミステリ研究部には一人、アヤちゃんだけがポツンと座っていた。
いつも通り、彼女の指定席であるパソコン前のイスに腰掛け、俺が入ってきたことに気づくと向きを変えて挨拶をしてきたのだった。
「おう……元気、ないな」
「はは。それはお互いさまだろう? 酷い顔をしている」
「まあ……な」
ついこの間までは賑やかだったはずの部室。それが今や、すっかり様変わりしていた。
もう二度と戻ることのない騒がしさ。懐かしくても、それは最早手の届かないものだ。
ミス研の部長であり、騒がしさの元凶であったお天馬娘、安藤蘭は、二日前に帰らぬ人となった。強盗か通り魔か、とにかく詳細はまだ不明だが、彼女ともう一人、この学校の生徒が殺されているのが発見されたのだ。小さな町で起きた事件は、ニュース番組などで大きく報道されることもなく、情報はインターネットの真偽不確かな記事などで得るしかない状況だった。
「ずっと三人で好き勝手して、たまには友人も呼んで、尚更騒いで……なんて日々を、期待していたのだが。まだ、受け入れられないよ」
「……そだな」
俯き加減に話すアヤちゃんに、俺は同調する。
彼女の語るそれは、確かに幸福な夢模様だ。
「新しい情報はあるのかな。昼に見たときはまだなかったんだけど」
「ああ……少し待ってくれ」
アヤちゃんはすぐさまインターネットを開いて検索をかけ、幾つかの情報サイトやSNSから情報を引っ張ってきた。
「……新着記事があるようだ」
××県鈴音町で、学生二名が殺害されているのが発見された事件で、警察は男子学生が女子学生を殺害し、その後自殺を図ったものと見て、捜査を続けている。凶器は付近に落ちていた刃渡り18センチの包丁とみられ……以降は、現場の状況についてそれなりに詳しい説明がなされていた。
「そんな……シグレが……?」
「……アヤちゃん、知ってるのか?」
俺が訊ねると、アヤちゃんは沈痛な面持ちのまま頷く。
「ああ……あいつは、蒼木時雨は私の数少ない友人の一人だ。図書館で会って話すうちに仲良くなったのだが、どうしてあいつがランを……?」
「……俺たちの知らない何かがあったのかもな」
「シグレとランに、繋がりが……? 何か悩んでいたなら……話してくれれば良かったのに」
「悩んでいたから、言えないこともあったんじゃないかな。人って結構そういうものだし……だからランだって、あんな風に明るそうに見えて、辛そうな顔をしてるときもあった。……強がって生きている人は多いよ」
「……レイジ……」
アヤちゃんは今にも泣きだしそうで。強くありたいと心に決めている彼女が、まさに今強がっていることも容易に分かった。
だから、そっと彼女の肩に手を置く。
「……アヤちゃんもあんまり強がるなよ。俺も辛いし、アヤちゃんも辛いんだ。強くいようとか今は思わなくていいから……痛みはお互い分け合おう」
「……はあ。お前は強いよ、レイジ」
顔を背けてから、俺に見えないよう涙を拭って、アヤちゃんは弱々しく微笑む。
「ありがとう」
「……ああ」
お前がいてくれて――と、彼女は小声で呟いたのだが、それ以上は聞き取れなかった。
少し顔が赤らんでいたのは、涙のせいだろうか。
そんな顔をあまり見られたくもなかったようなので、俺は部室を去ることにした。
見て回りたいところは他にもあったから。
じゃあ、と一言だけ告げて、扉を開く。
背中越しにアヤちゃんは、またなと声を掛けてくれた。
*
「……おう」
部室を出て、渡り廊下に出ようとしたところで、ソウヘイに出くわした。
彼の後ろにはもう一人、女の子の姿がある。……妹のモエカちゃんだ。
「ソウヘイ。わざわざこっちまで?」
「まあ、なんだ……やっぱり心配だからな。あ、アヤちゃんがだぞ? お前も相当疲れた顔してっけど」
「……はは、ありがとう」
素直じゃないな、と内心思いつつ、俺は感謝の言葉を述べた。
ありがたい親友だな、こいつは。
「モエカちゃんはもう大丈夫なのか?」
「え……えっと、うん。まだ体は重い感じだけど、生活は問題ないかなと」
「そりゃ良かった。ソウヘイも、随分心配してたからな」
「余計なこと言うなっての。全く、自分探しの旅に出た挙句、辺境の村で体壊して療養してたなんて、普通信じられねえぜ」
「……はあ」
長い間行方不明だったモエカちゃんは、数日前にひょっこり西条家へ戻ってきたらしい。
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これから少しずつ問い質され、事情を打ち明けねばいけなくなるのだろう。……どこまで信じてもらえることやら。
「あの、レイジさん。元気出してくださいね。お兄ちゃん、こんなだけど……多分私のときより心配してるから」
「あのな。そんなワケ……って否定するとそれはそれで……ううん」
俺を心配していたことを否定すると、妹の心配をしていたことになる。ツンデレなソウヘイはどちらも認めたくないようで、ジレンマに苦しんでいる様子だった。
「はいはい、兄妹コントはそこまで。ホントありがとな、二人とも」
「……ああ。早く元気になってくれよ」
「分かってるさ」
アヤちゃんの様子も見てくるとソウヘイが言うので、俺はそのまま彼らと別れた。
二人がもう二度と悪しき魔の手にかからないことを、ただ祈る。
*
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立入禁止にはなっていたが、鍵も掛かっていないので昼食を屋上でとる生徒も多い。当然ながら人気はないので、一人になるには最適な場所だった。
……ここまで来て、ようやく俺は肩の力を抜ける。
「……はぁ」
小さく溜め息。ちょっとした演技でしかなかったのに、こうも疲れるものだとは。
実のところ、もう少し上手くやれるものだと甘く見ていた。……そんなわけはないのだな。
きっと、あいつだって……何度も繰り返し、上達していったのだ。
……こんなに色々変わったのに、世界は何も変わらない。
何かが一つや二つ欠け落ちたところで、世界は何事もなく進んでいくのだ。
元は無くならなかったはずのもの。或いは無くなっていたはずのもの。
それらは誰の記憶にも残ることなく……いや、そもそも存在することなく、上書きされていく。
「……馬鹿野郎。あれだけのシナリオを作っておいて……忘れてたなんて言わせねえぞ。魂が消えたら一つに戻ることは、分かってたはずだろ」
彼が辿った軌跡。
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だから。
「……絶対に、忘れたりしねえからな。お前は……俺の親友だ」
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だからただ一人、それを知っている俺だけは、忘れてはいけない。
俺たちがどんな物語を作り上げたのか、それを忘れてはいけないのだ。
この長い長いお話の最後にも、彼は一つのタイトルを付けた。
それは、俺たちの物語を表すのに、本当に相応しいタイトルだった。
この長い旅路を決して忘れずに。
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