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Second Chapter...7/20
私たちの学び舎
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私の目覚めは遅い。少なくとも以前よりはぐんと遅い。
目覚まし時計なんて仕掛けないし、ひどい時には親が扉を叩くまでずっと布団を引っ掴んでぐうすかしているくらいだ。毎朝六時には起きて、朝食の後の予習なんてしていた頃が懐かしい。でも、思い出したいような記憶ではないけれど。
この日も、昨日の怪奇現象が影響したのか頭が重く、中々ベッドから身を起こすことができなかった。幸い母さんが怒り出すよりは前にリビングに行けたけれど、掛け時計の針は七時四十分を示していた。二十分で朝の準備をしなくちゃ学校に間に合わない。
「すっかり寝坊助ね」
「ごめんごめん、反省してるんだから」
「それじゃ、はい。さっさと食べて行きなさい」
お母さんは呆れたように笑いながら、テキパキと朝食を並べてくれる。私はお礼を言って、いただきますと手を合わせてすぐ、朝食に箸を伸ばした。
お父さんは、朝から部屋で仕事をしているらしい。まあ、厳密には仕事ではないのだけど。ここへ引っ越してくるまでに築いた資産を使って、投資運用をしているのだ。堅実な性格もあって、損失は出ていないし、満生台で生きていく分にはもう、十分な資金を仁科家は持っている。自慢するわけじゃないけどね。
テレビではニュースをしていて、久しぶりに伍横町というところで起きた事件について取り上げられていた。霧夏邸と地元の人から呼ばれている、所有者不在となってしまった邸宅で起きた事件の話だ。霊の仕業だという噂が広まっており、今でもたまにテレビでネタにされていた。
霊、か。
いたらいたで怖いのだけど、存在を確かめてみたいという好奇心だけは、ある。
身勝手な女だな、と心の中で自分にツッコミを入れた。
……もし会えたら。謝りたい人がたくさんいるな。
許してくれるかどうかなんて、分かりっこないけれど。
「ごちそうさま」
美味しい朝食を残さず平らげて、私は食器を片付けてから、学校に行く身支度をする。時間にして十分もかからない。適当に身だしなみを整えたら、後は鞄を提げて出発するだけだ。
「行ってきますー」
「はい、行ってらっしゃい」
お母さんが玄関まで見送ってくれる。私はにこりと笑って、外へと元気よく飛び出した。
今日はちょっとだけ、いつもより遅くなっちゃうかな。
*
満生台には、学校が一つしかない。人口が少ないゆえに、義務教育が必要な子どもの数もとても少ないのだ。現状でも、三つある教室のうち一つしか使っていない。教えることはバラバラだけど、皆ひとところに集まって、仲良く授業を受けている。
色々と弊害はあるけれど、一番大変なのはやっぱり双太さんに違いない。黒板に重要なワードを書き、教科書を読むというだけの教え方は成り立たないのだから。それでもめげることなく、一人一人にきっちり接してくれるのは、流石としか言いようがなかった。
歩いて数分もすれば、校舎が見えてくる。私の家は、どちらかと言えば学校に近い方だからありがたい。平屋建ての校舎は、けれど最近建て替えられているため、綺麗な外観をしている。中も設備は充実していて、学校生活を送る上で不便な点はほぼなかった。
ここが――盈虧園。不思議な名前のついた、私たちの学び舎。
玄関を抜け、教室の扉の前までやってくる。中からは既に、話し声が微かにしていた。……聞き馴染んだ声だ。誰と誰なのかはすぐに分かった。
ガラリとスライド式の扉を開く。教室には果たして、想像通りの人物が待っていた。一人は黒い短髪の、見るからに大人しそうな少年。そしてもう一人は対照的に、銀色に染まった髪が印象的な、不良少年である。
どちらも、私の親友だ。
「あら、珍しいわね。寝坊助の虎牙がいるなんて」
わざとらしく、私は銀髪の少年に向けて言った。本当は、扉を開く前からいることには気づいている。だけど、憎まれ口で始めるのが、私と彼、義本虎牙の常になっているのだ。
「あ、龍美。それは禁句」
中性的な顔立ちの、黒髪少年が仲裁に入る。彼――真智田玄人はこの満生台へ去年やってきた新参者ではあるものの、今ではすっかり街に、学校に馴染んで仲良しになっていた。
「ん?」
「お前も殴られてえか?」
「乙女の柔肌に傷一つつけようもんなら、背負い投げじゃ済まさないわよ?」
「……お前の場合は冗談じゃなさそうなんだよな」
「ふふふ……」
私たちの朝は、大概こんな風に幕を開ける。それが当たり前の日常だ。
「あ、このミステリ私も好きよ? あっと驚く仕掛けがあって」
玄人が手に持っていた本のタイトルを見て、私は反応してしまう。玄人とは読書という共通の趣味があるので、たまに感想を述べあったりするのだ。そんなとき、虎牙の奴は置いてけぼりになってしまう。ふふん、いい気味だ。
「みたいだね。僕も、そういう仕掛けが好きで、ネットで調べて面白そうなのを買うんだ」
「ああ、分かるわ。でも、ネタバレは踏まないように注意しないとねー」
「そこらへんに転がってるもんね」
「うんうん。まさに地雷だわ」
インターネットは情報の宝庫だけど、誰もがその情報を提供できるゆえ、話の核心に触れるような内容も当たり前のように転がっている。そういうものには本当に気をつけなくては、と常々思っているものだ。
話に一区切りついたところで、虎牙が退屈そうに欠伸を一つする。
「しっかし、大抵の学校はもうそろそろ夏休みだってのに、ウチはまだ先だもんなあ。何故ずらす」
「まあ、授業時間がちょっと少ないのが理由だと思うけれど。仕方のないことでしょ?」
「ちっ、俺にとっちゃあ、どんと一日休みが多い方が嬉しいぜ」
「その意見には賛同するわ」
健康面に気を使ったスケジュールなのだろうが、私も確かに、休みは一日でも長くほしかった。もともと私たちはインドア人間なのだし。
「ねえ、授業時間が少ないのって、やっぱり満生台だから?」
「そそ。病院へ通う子も多いしね。現に、一年の半分くらいは欠席の子もいるものねえ」
「……だね」
玄人は、物悲しげに呟くと、教室の端を見つめる。あそこには、私の言う一年に半分くらい欠席している子の席があった。
河野理魚という名の少女は、病弱なためかほとんど学校には来ないし、たまにやって来たところで誰とも会話することがなかった。ひょっとしたら、彼女の病は肉体的な不調でなく、精神的な不調をもたらすようなものかもしれないな、と私は考えていた。
玄人は、そんな理魚ちゃんをどこか気にしている、というか怖がっている節がある。私たちはお互いの過去をそれほど打ち明けあってはいないけれど、きっとその昔、理魚ちゃんくらいの女の子のことでトラブルでもあったんだろうなとも、私は推理していた。
私、勝手な推理が好きだな。
他愛のない話をしていると、もう朝礼の時間になったようで、チャイムの音が響く。そのすぐ後に、扉が開かれて、双太さん、それに私たちのお姫様、満雀ちゃんが入ってきた。
「おはよう、皆。おや、虎牙くんもちゃんと時間通りにいるね。感心感心」
やって来るなり、双太さんにそんなことを言われると、虎牙は踏ん反り返るような体制で双太さんを睨む。
「うるさいぞ、双太」
「あのね……一応先生なんだから」
「自分で一応って言うなよ、センセイ……」
想定外の返しに、悪口を言ったはずの虎牙が謎のフォローをする羽目になっていた。虎牙って、大抵の人と性格が合わないよなあ。彼についていけるのは私くらいのものかもしれない。
「よし、じゃあ満雀ちゃん、座ろうね」
「はい、双太さん」
双太さんは、満雀ちゃんを優しく席までエスコートする。その様子は、兄妹のようでもあり、年の差のある恋人のようでもあった。見ていて微笑ましい光景だ。
満雀ちゃんは治療の都合であまり出歩けなくなったと昨日聞いたが、学校には来られるようで、私はほっとした。あの笑顔が見られなくなるなんて、学校へ来る理由の半分くらいは無くなってしまいそうだ。
「よし、それじゃあ出席をとるよー」
双太さんが、朗らかな声でそう言い、一人一人の名前を呼び始める。あとはいつもと変わらぬパターンだ。デジャヴすら感じてしまう、普段通りの朝。
だけど、そのどこかに違和感を抱く私がいて。ふと横を見ると、さっきまで笑顔を見せていた満雀ちゃんが、どこか寂しそうに虚空を見つめているのが目に入った。
それが何故か、平穏の中の小さな亀裂のようにも思えてならなかった。
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この日も、昨日の怪奇現象が影響したのか頭が重く、中々ベッドから身を起こすことができなかった。幸い母さんが怒り出すよりは前にリビングに行けたけれど、掛け時計の針は七時四十分を示していた。二十分で朝の準備をしなくちゃ学校に間に合わない。
「すっかり寝坊助ね」
「ごめんごめん、反省してるんだから」
「それじゃ、はい。さっさと食べて行きなさい」
お母さんは呆れたように笑いながら、テキパキと朝食を並べてくれる。私はお礼を言って、いただきますと手を合わせてすぐ、朝食に箸を伸ばした。
お父さんは、朝から部屋で仕事をしているらしい。まあ、厳密には仕事ではないのだけど。ここへ引っ越してくるまでに築いた資産を使って、投資運用をしているのだ。堅実な性格もあって、損失は出ていないし、満生台で生きていく分にはもう、十分な資金を仁科家は持っている。自慢するわけじゃないけどね。
テレビではニュースをしていて、久しぶりに伍横町というところで起きた事件について取り上げられていた。霧夏邸と地元の人から呼ばれている、所有者不在となってしまった邸宅で起きた事件の話だ。霊の仕業だという噂が広まっており、今でもたまにテレビでネタにされていた。
霊、か。
いたらいたで怖いのだけど、存在を確かめてみたいという好奇心だけは、ある。
身勝手な女だな、と心の中で自分にツッコミを入れた。
……もし会えたら。謝りたい人がたくさんいるな。
許してくれるかどうかなんて、分かりっこないけれど。
「ごちそうさま」
美味しい朝食を残さず平らげて、私は食器を片付けてから、学校に行く身支度をする。時間にして十分もかからない。適当に身だしなみを整えたら、後は鞄を提げて出発するだけだ。
「行ってきますー」
「はい、行ってらっしゃい」
お母さんが玄関まで見送ってくれる。私はにこりと笑って、外へと元気よく飛び出した。
今日はちょっとだけ、いつもより遅くなっちゃうかな。
*
満生台には、学校が一つしかない。人口が少ないゆえに、義務教育が必要な子どもの数もとても少ないのだ。現状でも、三つある教室のうち一つしか使っていない。教えることはバラバラだけど、皆ひとところに集まって、仲良く授業を受けている。
色々と弊害はあるけれど、一番大変なのはやっぱり双太さんに違いない。黒板に重要なワードを書き、教科書を読むというだけの教え方は成り立たないのだから。それでもめげることなく、一人一人にきっちり接してくれるのは、流石としか言いようがなかった。
歩いて数分もすれば、校舎が見えてくる。私の家は、どちらかと言えば学校に近い方だからありがたい。平屋建ての校舎は、けれど最近建て替えられているため、綺麗な外観をしている。中も設備は充実していて、学校生活を送る上で不便な点はほぼなかった。
ここが――盈虧園。不思議な名前のついた、私たちの学び舎。
玄関を抜け、教室の扉の前までやってくる。中からは既に、話し声が微かにしていた。……聞き馴染んだ声だ。誰と誰なのかはすぐに分かった。
ガラリとスライド式の扉を開く。教室には果たして、想像通りの人物が待っていた。一人は黒い短髪の、見るからに大人しそうな少年。そしてもう一人は対照的に、銀色に染まった髪が印象的な、不良少年である。
どちらも、私の親友だ。
「あら、珍しいわね。寝坊助の虎牙がいるなんて」
わざとらしく、私は銀髪の少年に向けて言った。本当は、扉を開く前からいることには気づいている。だけど、憎まれ口で始めるのが、私と彼、義本虎牙の常になっているのだ。
「あ、龍美。それは禁句」
中性的な顔立ちの、黒髪少年が仲裁に入る。彼――真智田玄人はこの満生台へ去年やってきた新参者ではあるものの、今ではすっかり街に、学校に馴染んで仲良しになっていた。
「ん?」
「お前も殴られてえか?」
「乙女の柔肌に傷一つつけようもんなら、背負い投げじゃ済まさないわよ?」
「……お前の場合は冗談じゃなさそうなんだよな」
「ふふふ……」
私たちの朝は、大概こんな風に幕を開ける。それが当たり前の日常だ。
「あ、このミステリ私も好きよ? あっと驚く仕掛けがあって」
玄人が手に持っていた本のタイトルを見て、私は反応してしまう。玄人とは読書という共通の趣味があるので、たまに感想を述べあったりするのだ。そんなとき、虎牙の奴は置いてけぼりになってしまう。ふふん、いい気味だ。
「みたいだね。僕も、そういう仕掛けが好きで、ネットで調べて面白そうなのを買うんだ」
「ああ、分かるわ。でも、ネタバレは踏まないように注意しないとねー」
「そこらへんに転がってるもんね」
「うんうん。まさに地雷だわ」
インターネットは情報の宝庫だけど、誰もがその情報を提供できるゆえ、話の核心に触れるような内容も当たり前のように転がっている。そういうものには本当に気をつけなくては、と常々思っているものだ。
話に一区切りついたところで、虎牙が退屈そうに欠伸を一つする。
「しっかし、大抵の学校はもうそろそろ夏休みだってのに、ウチはまだ先だもんなあ。何故ずらす」
「まあ、授業時間がちょっと少ないのが理由だと思うけれど。仕方のないことでしょ?」
「ちっ、俺にとっちゃあ、どんと一日休みが多い方が嬉しいぜ」
「その意見には賛同するわ」
健康面に気を使ったスケジュールなのだろうが、私も確かに、休みは一日でも長くほしかった。もともと私たちはインドア人間なのだし。
「ねえ、授業時間が少ないのって、やっぱり満生台だから?」
「そそ。病院へ通う子も多いしね。現に、一年の半分くらいは欠席の子もいるものねえ」
「……だね」
玄人は、物悲しげに呟くと、教室の端を見つめる。あそこには、私の言う一年に半分くらい欠席している子の席があった。
河野理魚という名の少女は、病弱なためかほとんど学校には来ないし、たまにやって来たところで誰とも会話することがなかった。ひょっとしたら、彼女の病は肉体的な不調でなく、精神的な不調をもたらすようなものかもしれないな、と私は考えていた。
玄人は、そんな理魚ちゃんをどこか気にしている、というか怖がっている節がある。私たちはお互いの過去をそれほど打ち明けあってはいないけれど、きっとその昔、理魚ちゃんくらいの女の子のことでトラブルでもあったんだろうなとも、私は推理していた。
私、勝手な推理が好きだな。
他愛のない話をしていると、もう朝礼の時間になったようで、チャイムの音が響く。そのすぐ後に、扉が開かれて、双太さん、それに私たちのお姫様、満雀ちゃんが入ってきた。
「おはよう、皆。おや、虎牙くんもちゃんと時間通りにいるね。感心感心」
やって来るなり、双太さんにそんなことを言われると、虎牙は踏ん反り返るような体制で双太さんを睨む。
「うるさいぞ、双太」
「あのね……一応先生なんだから」
「自分で一応って言うなよ、センセイ……」
想定外の返しに、悪口を言ったはずの虎牙が謎のフォローをする羽目になっていた。虎牙って、大抵の人と性格が合わないよなあ。彼についていけるのは私くらいのものかもしれない。
「よし、じゃあ満雀ちゃん、座ろうね」
「はい、双太さん」
双太さんは、満雀ちゃんを優しく席までエスコートする。その様子は、兄妹のようでもあり、年の差のある恋人のようでもあった。見ていて微笑ましい光景だ。
満雀ちゃんは治療の都合であまり出歩けなくなったと昨日聞いたが、学校には来られるようで、私はほっとした。あの笑顔が見られなくなるなんて、学校へ来る理由の半分くらいは無くなってしまいそうだ。
「よし、それじゃあ出席をとるよー」
双太さんが、朗らかな声でそう言い、一人一人の名前を呼び始める。あとはいつもと変わらぬパターンだ。デジャヴすら感じてしまう、普段通りの朝。
だけど、そのどこかに違和感を抱く私がいて。ふと横を見ると、さっきまで笑顔を見せていた満雀ちゃんが、どこか寂しそうに虚空を見つめているのが目に入った。
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