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生徒会企画編

side中島&田中

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本館4階学生ホール

Side 中島
*9時00分*


『時間になりましたので、ドロボーの皆様にはミッションが課されます』

機械的な音の放送が終わって、俺と田中ちゃんは本館4階の学生ホールにいた。
最初の放送が終わってからすぐに田中ちゃんと合流して学生ホールに来た。此処なら学内でも中央だから何処にでも行けるし。

まぁ一番の理由は此処のスクリーンに何かヒントが出るかもしれないって事なんだけれど。
同じくスクリーンのある体育館は出入り口が狭いから引っ掛けかもしれないと俺は踏んでいる。

『今回はお前らに重要なミッションを与える』

事務的な説明が終わって生徒会長の台詞になった。

『この学園にあるという宝を盗み出し、俺達に渡せ。このミッションに成功した暁には多大な報酬が与えられるだろう。諸君の健闘を祈る』

ブツッと嫌な音を立てて放送が切れた。

「……」

放送が終わって、俺は田中ちゃんを盗み見た。

「……」

うわぁ……。
今まで見たことも無いような仏頂面してる。演劇部員としたら生徒会長の棒読み加減に我慢が出来ないのかも……。

「あ……」

何て言葉を掛けるべきか言葉に詰まっていると、不意に声を上げ上を見た。
ソレに倣って俺もそっちを向くといつの間にかスクリーンが下りていた。

『そうそう、言い忘れていた。此処に集まった奴等だけに特別に宝の場所のヒントをやろう』

スクリーンには学校全体の見取り図が映っていて、ところどころにポツポツと点がうってあった。
計5つある建物に各2つずつくらいはあるらしい。5点のは第五校舎と芸術館に点がある。

『せっかくのヒントだ。せいぜい有効活用するんだな』

生徒会長の上から目線な台詞に何処からか黄色い(正しくは黄土色な気もする)声がした。

『だが、コレはほんの一部だ。他の場所に宝が無い事も無ぇから気をつけろ』

つまり他の場所にもある、と。
しかし俺様路線な事言わせても棒読みとか本格的に生徒会長は大根っぽいな。このセリフに歓声を上げられるネコちゃん達はもしかしたらツワモノなんじゃないか……。

取り敢えず俺はスクリーンを写メった。

『間もなく警察がソコに到着する。せいぜい逃げ切って俺達に宝を献上しろ。以上だ』

まぁそんな感じで放送が切れた。どうやら此処ももう危ないらしい。

「さて、どうしよっか?」
「うーん、取り敢えず第五に行こうか芸術館に行こうか……」
「とりま第二校舎から下に降りて第五目指す?」
「そうしよっか」

俺と田中ちゃんは第五校舎を目指して学生ホールを後にした。





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