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第二章

島咲×藤原+倉科 天使VS悪魔パロ

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高校1年生の夏、オレの世界はガラリと姿を変えた。

いつも通りの日常が崩れたのはある交差点。
転がるボールを追いかけて公園から道路に飛び出す小さな子供。オレの横をすり抜けて車道に子供が足を踏み入れた瞬間、オレの身体は自然に動いていた。

響くコンクリートとゴムの摩擦音。甲高い悲鳴。

鈍い音がして吹っ飛ぶハズだったオレの身体は、子供を手前に引きそのまま後ろに突き飛ばした反動で地面に倒れて、それだけだった。

来ない衝撃にギュウっと瞑っていた目を恐る恐る開ければ視界に映ったのは宙に浮かぶ車と、反対側にさっきまでいなかった少し年上くらいの男が何か細い棒を構えていて、その様子はまるで……。

「魔法使い……?」

オレの呟きに反応するかのようにその人の周りにどこからともなくローブ(っていうの?)を着た男たちが出てきて、そいつ等が俺に杖を向けて、閃光が視界いっぱいに広がって、オレは公園の横の道路を歩いていた。
電柱に追突した車もコンクリートについた跡も無く車が流れて、公園では子どもが何事も無かったかのように遊んでいる。

オレが見たのは、白昼夢だったのか。
そうとしか言えない。最近疲れていたのか、幻覚を見る程今日は暑いのかもしれない。

帰って水分をとってクーラーの効いた部屋で休もう。こんな暑い日に用事も無く外を出歩いていたのがいけなかったんだ。

そう考えてオレは真っ直ぐ家に向かった。

家に着いて、手を洗って、冷蔵庫から冷えた麦茶を取り出してコップに注ぐ。
暑さのせいなのかはたまたさっき見た白昼夢のせいか、オレの咽はカラカラに渇いていて、気付いたら作り置きの半分を消費してた。飲み切っちゃっても問題は無いと思うけど何となく全部は駄目な気がして半分は冷蔵庫に戻した。

冷房をつけた自分の部屋に戻ってちょっと昼寝でもしようとソファに横たわって目を瞑る。

部屋は涼しくてソファは柔らかい。咽の渇きもおさまってるのに、眠れなかった。
瞼を閉じればさっきの白昼夢が脳裏に映る。

子どもが俺の横をすり抜けた時の焦燥感。地面に倒れた時の痛み。照りつける日差しと宙に浮く車。

そして、あの男。
向かいの歩道にそれまで人はいなかった。そっちにそんな注目はしてなかったから絶対とは言い切れないけど。

突如現れたその男は魔法使いで、俺の命を助けて行った。

全ての感覚がすげぇリアルで、泣きたくなるくらい鮮明に思い出せるのに、全て現実にはありえない俺の妄想。もう魔法を信じる歳でもないし夢と現実の区別くらいつくのに俺はアレが夢だったなんて信じられない。

どんなにリアルでも夢は夢。起きて気を確かにもって、数分もすれば納得するハズだ。

でも、どうしても離れないのはあの男で、オレを助けた後のあのホッとしような表情が忘れられない。混乱しててしっかりとは見れなかったけど綺麗な顔立ちをしていた気がする。

目を瞑ればあの男の顔ばっか頭に浮かんで、オレはいったいどうしちゃったのか。

だって、おかしいだろ?
同じ男、しかも夢に出てきた架空の存在のことを考えて昼寝も出来ないなんて。これで万が一夜まで眠れなかったらもうオレは絶対に頭がおかしくなっちゃったとしか考えられない。

溜息をついて尻ポケットに手を伸ばす。
そっから高校入学祝に買ってもらった携帯端末を取り出して親友の倉科に電話を掛けた。

呼び出し音がしばらく鳴って、諦めかけた所で眠たそうな声がした。

「あい、もしもし?」
「倉科? オレだけど」
「……詐欺は間に合ってます。」

ちょっと遅めに出た二言目は最初よりもしっかりしていて、寝ているところを起こしちまったことを悪く思いつつ倉科の反応の速さに驚いた。

「寝てた? 起こしてごめんな」
「や、別にいいけど。で、どうかしたのか?」

倉科の優しさに甘えて、俺はさっきの白昼夢について話した。
オレの全く信じられないだろうとんでもない話を倉科は適度に相槌を打ちつつ真剣に聞いてくれて、話し終ると俺はどこかすっきりした気持ちになった。

「まぁ、ソレが白昼夢だったのか現実だったのかは俺には分からないけど……」
「現実かもしれないって信じてくれんの!?」

倉科の言葉につい大声を上げて話を遮ってしまったけど倉科の声は冷静で、でも温かくて、受話器の先で苦笑いする倉科の姿が頭に思い浮かんだ。

「俺に起こったことじゃないから夢かどうかなんてわかんねぇよ。でもお前は現実だったんじゃないかと思ってる。なら現実かもしれないだろ」
「……お、おう」

倉科はオレが嘘をついて倉科をからかっているという考えを欠片も持ってないみたいで、ソレが俺と倉科の付き合いからなのか倉科の性格なのかわかんねぇけど、電話口でケラケラと笑う倉科の声は俺をあったかい気持ちにさせた。

「で、まぁ夢だったとしてもお前はその魔法使いの男をどこかで見たことがあるんじゃないのか? 現実で気になってるから夢にまで出てきてしまった。じゃなきゃ夢から覚めた後に顔なんて鮮明に思い出せないだろ? お前は飛び出した子どもの顔覚えてるか?」
「いや、全然思い出せない。まぁそんな余裕無かったってのもあるんだろうけど」
「とりあえずこれは夢だって仮定した話だからそんな気にしなくていいけど。とにかく夢だとしてもその男が気になるなら気にしてればいいんじゃないか? 知らない奴だと思ってももしかしたら学校ですれ違った事のある先輩だったり、好きな映画のエキストラだったりとか俳優だったりするかもしれないじゃん? 大したこと無かったらそのうち忘れるかも知れねえし」

なるほど……無意識的に気になっていた人が夢に出てきたってのはありかもしれない。
夢に見る程男が気になってるってのも何かアレだけど……。

「逆に夢じゃなかったら……忘れた方が良いかもしれないな」

俺が自分の無意識に疑問を持ちつつある時に掛けられた倉科の言葉で俺は一瞬世界が止まった様な気がした。

「忘れる? こんな気になってるのに? そっちのがいいの?」

俺が次の言葉を出せないでいるうちに倉科は話を続けた。

「魔法を使う人間、ソレがお前を助けてそして何事も無かったかのように元に戻した。飛び出した子供も、車の運転手もそんな様子は無かったなら覚えているのはお前だけ。魔法によって何が行われたかなんて俺にはわかんねぇけど、万が一お前の記憶がうっかり消しそこなったとかなら何されるかわかんねぇじゃん。俺はお前に危険な橋は渡って欲しくない」

倉科の声は真摯で、どこまで本当かは分からない中で万が一を心配してくれていることが伝わってきて、俺はその通りにしようと思った。

わざわざ危ない事をする必要はないし、きっと夏の暑さが見せた白昼夢だ。

そう思って俺は倉科に俺を言って電話を切った。





・・・



夏休みが終わって、幸か不幸か結局なにが起こるという事は無かった。

ただ、夢だったという事にしたならあの魔法使いの男を視界に探しても良いんじゃないかとオレは夏休み中映画を見たり、雑誌をめくったりはしていて、それでもあの男を見付けることはできなかった。

見つからなかったならもうソレで良いにしてしまいたいのに今だに反対側の歩道とかにいるんじゃないかと無意識にあの男を探している。

それはきっとあのホッとしたような表情がすごく優しかったからで……。

「そーいや倉科も優しいよな」
「は?」

購買で買った菓子パンを頬張りつつ振り向いた倉科はどことなく間抜け面だったけどやっぱ何か落ち着いた。

「またどうかしたのか?」
「んーん、何でもねぇ」
「そうか。まぁ何か言いたくなったらいえばいいだろ」

踏み込み過ぎない距離感も優しさの一つだよなぁと倉科を見てると思う。

優しくてあったかい気持ちにさせられる。
あの白昼夢の男とは何か違うけれど……アイツは何か、慈しむって言葉が似合う感じ。倉科は気遣い、かな。

そうなるとオレは大事にされたいのか? しかも美形の男に?
ホントこの夢がオレの願望だったら穴掘って隠れて埋まりたくなるな。
でも、現実にいるかどうか分からない奴にこんな心を傾けんのも不毛だし、いい加減にしとかなきゃだよな……。もうすっぱり諦めよう。

アイツは俺の見た架空の存在なんだ。


・・・


翌日。学校はざわついていた。

「どうかしたのか?」

ざわつく教室でいつも通りに席についていた倉科に話しかけると、倉科は少し憮然とした表情でオレを見た。

「海外留学してた島咲先輩が今日帰ってくんだって。この学校の生徒会副会長」

生徒会……この学校に入学して半年経ったけどそういえば生徒会長は何度か見たことがあったけれど副会長は見たことが無かった。

「俺も新入生歓迎会でちょっと前で話してたの見ただけだからあんましらねぇけど……そういや藤原は新歓休んだっけ」
「おー、風邪ひいて寝込んでた」
「その後すぐ留学行ったらしいからまぁ知らねぇかもな。線が細い感じの美形だから女子がはしゃいでて男子が嫉妬に狂ってる」

なるほど。
でも倉科が美形に対して心が狭いとか意外だ。他の生徒程分かりやすくは無いけれどちょっと不機嫌がにじみ出てる。

「どうせ美形が帰ってきてもちょっと女子がはしゃぐだけで俺達がどーこーなるってワケじゃないんだろ? 気にしねぇわ」
「……まぁ、そうだな」

フォローの言葉をかけても倉科は不機嫌なままで、ソレが気になったけどその時は気にしない事にした。


・・・


そして、あの時の倉科が何であんなに不機嫌だったのか、俺は今やっと分かった。

「倉科、雪華様はこちら側の住人だ。返してもらう」
「戯言を言うな!! 藤原は人間だ!」

夕日の差し込む時間になってしまった放課後の教室。
そこにいるのはオレと倉科、そしてあの魔法使いの男……島咲副会長で、倉科は俺を庇うように立っていて傷だらけだった。

何が起きているのか分からない。
倉科の部活が終わるまで教室で暇をつぶしていて、そこに現れたのが島咲副会長だった。

あの夢に出てきた魔法使いと、副会長はそっくりでむしろ同一人物としか言えなかった。
オレはただただ驚くだけで、動くことができなかった。

「久しぶりですね」

ふわりと笑う副会長に一瞬だけ見惚れて、その後やっと言われた言葉の意味を理解した。
でも、俺は副会長の外見すら知らなくて、思い当たるのはあの白昼夢。

「助けてくれた……」
「はい。覚えていてくださったんですね。流石は魔王のご子息……」

魔王?
今この人魔王って言った?
魔王ってあのRPGでいう勇者に倒される、世界征服とか目論んじゃう奴?

「お迎えに上がりました。貴方様にはこのような下界は相応しくありません。どうかこの私に貴方様を魔界へとお運びすることをお許しください」

副会長は恭しく跪いてオレの手の甲に口づけた。
正直訳が分からないのにただ動けなくてこのままオレがどうなるかなんて分からないのに、その時オレは面識もないハズの副会長の言葉に従おうとしていた。

オレと副会長を中心にしてパァっと謎の魔法円のようなモノが床に描かれて、その瞬間、倉科の声がした。

「藤原!! 駄目だ!!」

その声に、脳みそが震えるような衝撃がして、動かなかったオレの指先が少し動いた。
それだけなのに今まで轟轟としていた魔法円が消えた。

振り向けば息を切らした倉科が教室の入り口で立っていて、副会長が舌打ちをした。

「藤原! ソイツについてっちゃ駄目だ!!」
「倉科……?」

状況が把握できず呆気に取られるオレに……いや、オレの足もとに跪く副会長に向かって倉科が飛びかかった。
オレにあらない様にはしているがオレのすぐそばを狙った踵落としは空を切り、オレの頬に切った風があたる。

狙われた本人である副会長は一瞬で後ろに飛びのいて、倉科から距離をとった。

「やはり貴様が天界の軍師だったか……倉科誠」

天界? 軍師? 何それ。
またRPGみたいな単語が出てきてオレはオレの前に立つ倉科を見上げる。

「倉、科……コレ、何? 何がどうなってんの……?」
「藤原、悪いけど今はあんま詳しく話してる時間はない。ただ、アイツは……お前を攫いに来た悪魔だ。多分、夏休みに会った時に目を付けられたんだろ……。そして、俺は天使だ。人間界の守護を任されてる。こういう悪魔から人間を守るようになっ!!」

言い終るか終らないかの所で、倉科はいつの間にか手にしていた大きな剣を構えて副会長に斬りかかった。
でも副会長はソレを片手で止めて不快そうな表情をした。

「そう言って雪華様を騙すのか? お前達は本当に汚いな」
「騙す? 悪魔如きが何を言っている……」

目の前で何が起きているのか全然分からない。
ただ、副会長がオレを迎えに来て、倉科がソレを引き留めようとしているらしいってだけは分かった。

「我等魔族がヒトの腹からしか生まれることの出来ないのをいいことに我等が魔王の御子息を攫ったのは貴様等の方だろう!! 次期魔王を手中に収めれば魔界まで支配できると考えて!!」
「藤原! 悪魔の狂言に耳を貸しちゃ駄目だ!! 連れてかれる!」

副会長が言っている事と倉科が言っていることが食い違う。そして、俺はどっちを信じていいのか分からない。

倉科は友達だ。
ずっと前から……小学生の時に初めて会って、それからずっと一緒だ。信じるなら普通倉科だ。でも今の副会長の怒りに満ちた表情や、あの時……オレを助けてくれた時の優しい表情はどうしても嘘には思えない。

「返せ!! 我らが王子を貴様等薄汚れた天界の住人なんかには渡さない!」
「が……っ!! うあぁぁああ!」

副会長の振り払った手から氷のようなモノが放たれて、倉科の身体を引き裂いた。

「倉科、雪華様はこちら側の住人だ。返してもらう」
「戯言を言うな!! 藤原は人間だ!」

剣が床に落ちて、今にも蹲りそうな倉科がそれでもオレを庇うように立っていて、俺は決断をした。

「ごめんな。倉科」
「藤原!?」

オレは立っているのがやっとの倉科の前に出た。

「雪華様?」
「なぁ、俺がアンタに連れてかれたら倉科は助かるんだろ? なら連れてけよ」

後ろで倉科が叫んでいるけど気にならない。
どっちが本当かなんて分からない。

けれど、目の前で倉科が傷つけられるのは嫌だった。

「雪華様、天界の者にそのような慈悲を掛けるのは……」
「勘違いするんじゃねぇ。俺はまだどっちを信じたわけじゃない。アンタが言ってることが真実なら、アンタについてきゃ分かる。でも、嘘なら……倉科が助けに来てくれるんだろ? ただのリスク回避だ」

今のオレには決断できない。
けれど、そう言ったオレに副会長は優しく微笑みかけた。

「えぇ、すぐに私が正しい事を証明して見せます。今すぐ魔界へお連れします」

ゆっくりと近づいた副会長がオレを抱き締めて、その瞬間またあの魔法円が足もとに広がった。
最後に映ったのは泣きそうな表情をした倉科だった。



END
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