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第二章 イケメンスローライフ?
39.突発的な行動 ※一部ニャンタ視点
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目的の薬草を採取する所まで走ると、木の枝に引っかかりそのまま転がって行った。
そう、転がって行ったのだ。
急に崖があるなんて誰も思わないだろう。
「ここどこなんだ?」
結局、俺は絶賛森で迷子になっている。
ニャンタを困らせるつもりが、俺が困ったことになってしまった。
転がったところで待てば良かったが、カレンから近くに薬草がたくさん生えていると誘われた。
向かっているはずなのに一向に薬草が見当たらない。
カレンが言うにはもう少し先にあるらしい。
ちなみに転がっても無傷なのは、スライムのイムりんのおかげだ。
転がったと同時にお腹に張り付いていたイムりんが、体を広げてクッションになってくれた。
さすが俺の隠れ脂肪だな。
イムりんがいることで、俺もガリガリには見られにくくなったと思う。
今は疲れたのかまたお腹に張り付いて寝ている。
「トモヤ、この先に薬草がたくさんあるよ」
森を抜けるとそこには大量の薬草が生えていた。
本当に薬草の群生地となっていた。
ただ、群れていたのは薬草だけではなかった。
そして俺は忘れていた。
薬草が生えるところには奴らが集まることを……。
「お前達って……」
『ガルルルウゥゥ』
声からして明らかにやばい存在が群をなしていた。
『あいつら魔物だ!』
カレンが言わなくても俺だって気づいている。
だって、あいつらイヌみたいな見た目なのに、全く可愛らしさがない。
今も口の中にあるもう一つの口が大きく開いてる。
「おい、どうするんだよ」
とにかく今この状況をどうにかするしかない。
逃げるにも気づいたら魔物に囲まれている。
『イムりんに助けてもらうといいよ』
カレンに言われた通りお腹に張り付いているイムりんを体から離すように引っ張った。
「イムりん助けて!」
俺の言葉を理解したのだろうか。
イムりんは体を広げると俺を包み込んだ。
あれ?
俺イムりんに飲み込まれたぞ?
だんだんと息が苦しくなり、視界がボヤけている。
『ギャアン!』
魔物の鳴き声が聞こえるような気がするが、ニャンタ達が来たのだろうか。
それなら大丈夫……かな。
俺はその場で意識を失った。
♢
「くそ、またあいつ勝手に走りやがって!」
俺はわんわん団とともにトモヤを追いかける。
ある程度予想はしていたが、こんな早くに逃げ出すとは思いもしなかった。
あいつの場合は逃げ出すというよりは、一つのことしか頭にないだろう。
きっと今頃薬草を探してみんなの役に立つことしか考えていないはず。
そこがあいつの良さでもあるが、心配なところでもある。
「ニャンタ……タイガーさんこっちです」
鼻のきく犬の半獣ならトモヤを探すのは簡単だろう。
だが、俺達は目の前に来て驚きが隠せなかった。
「本当にこの下か?」
「崖の下からトモヤさんの匂いがします」
レトリバーの話では崖の下からトモヤの匂いがするらしい。
嘘だと思いたいが、こんなところでレトリバーが嘘をつくはずもない。
それにトモヤなら崖から落ちそうだと言える自信がある。
だって、魔物に自ら突っ込んで――。
どこか嫌な予感がした。
あいつなら本当に魔物に突っ込んで行きそうだからな。
俺はすぐにロープを巻いて崖の下を降りていく。
わんわん団も俺に続いていく。
ここからは魔物と遭遇する頻度は増えていくからな。
「トモヤどこだー!」
名前を呼ぶが返事はない。
「魔物はいるか?」
「周囲にはいないが、血の臭いが強くなってきました」
「ああ、それは俺も気づいている」
崖から降りた途端、周囲に血の臭いが広がっていた。
トモヤの匂いもそれに混ざっているが、周囲に飛び散っている血の色からして魔物なのは確かだ。
草木の間を通り抜けると、さらに血の臭いが強くなった。
鼻を手で押さえないと獣人の俺達には咽せてしまいそうだ。
それに目の前の光景に俺は息を呑んだ。
周囲には魔物の死骸が転がっている。
その中心にはトモヤが一人で立っていた。
まるで息をしていないように立ち尽くしている姿に警戒を強める。
魔物の中には人の体に乗り移る奴がいるからな。
だが、トモヤはその場で倒れた。
警戒しているはずなのに、俺はいつのまにか体が動いていた。
「お前大丈夫かよ!?」
虚ろな目でトモヤは微笑んでいた。
どうやら魔物に操られている様子はないようだ。
「はぁー、無事で良かった。心配かけんなよ」
トモヤを強く抱きしめる。
今言えるのは無事でよかった。
ただ、それだけだ。
「これはお前がやったのか?」
俺の言葉にトモヤは頷いていた。
トモヤが何者かはわからない。
ただ、人とは違う何かしらの力があるのは感じる。
「そうか……。でも無事でよかった。少し休むといい」
俺の言葉にトモヤはゆっくりと体を俺に預けた。
本当にこいつは俺がいないとダメなんだからな。
いや、さすがにそれはないか。
そう、転がって行ったのだ。
急に崖があるなんて誰も思わないだろう。
「ここどこなんだ?」
結局、俺は絶賛森で迷子になっている。
ニャンタを困らせるつもりが、俺が困ったことになってしまった。
転がったところで待てば良かったが、カレンから近くに薬草がたくさん生えていると誘われた。
向かっているはずなのに一向に薬草が見当たらない。
カレンが言うにはもう少し先にあるらしい。
ちなみに転がっても無傷なのは、スライムのイムりんのおかげだ。
転がったと同時にお腹に張り付いていたイムりんが、体を広げてクッションになってくれた。
さすが俺の隠れ脂肪だな。
イムりんがいることで、俺もガリガリには見られにくくなったと思う。
今は疲れたのかまたお腹に張り付いて寝ている。
「トモヤ、この先に薬草がたくさんあるよ」
森を抜けるとそこには大量の薬草が生えていた。
本当に薬草の群生地となっていた。
ただ、群れていたのは薬草だけではなかった。
そして俺は忘れていた。
薬草が生えるところには奴らが集まることを……。
「お前達って……」
『ガルルルウゥゥ』
声からして明らかにやばい存在が群をなしていた。
『あいつら魔物だ!』
カレンが言わなくても俺だって気づいている。
だって、あいつらイヌみたいな見た目なのに、全く可愛らしさがない。
今も口の中にあるもう一つの口が大きく開いてる。
「おい、どうするんだよ」
とにかく今この状況をどうにかするしかない。
逃げるにも気づいたら魔物に囲まれている。
『イムりんに助けてもらうといいよ』
カレンに言われた通りお腹に張り付いているイムりんを体から離すように引っ張った。
「イムりん助けて!」
俺の言葉を理解したのだろうか。
イムりんは体を広げると俺を包み込んだ。
あれ?
俺イムりんに飲み込まれたぞ?
だんだんと息が苦しくなり、視界がボヤけている。
『ギャアン!』
魔物の鳴き声が聞こえるような気がするが、ニャンタ達が来たのだろうか。
それなら大丈夫……かな。
俺はその場で意識を失った。
♢
「くそ、またあいつ勝手に走りやがって!」
俺はわんわん団とともにトモヤを追いかける。
ある程度予想はしていたが、こんな早くに逃げ出すとは思いもしなかった。
あいつの場合は逃げ出すというよりは、一つのことしか頭にないだろう。
きっと今頃薬草を探してみんなの役に立つことしか考えていないはず。
そこがあいつの良さでもあるが、心配なところでもある。
「ニャンタ……タイガーさんこっちです」
鼻のきく犬の半獣ならトモヤを探すのは簡単だろう。
だが、俺達は目の前に来て驚きが隠せなかった。
「本当にこの下か?」
「崖の下からトモヤさんの匂いがします」
レトリバーの話では崖の下からトモヤの匂いがするらしい。
嘘だと思いたいが、こんなところでレトリバーが嘘をつくはずもない。
それにトモヤなら崖から落ちそうだと言える自信がある。
だって、魔物に自ら突っ込んで――。
どこか嫌な予感がした。
あいつなら本当に魔物に突っ込んで行きそうだからな。
俺はすぐにロープを巻いて崖の下を降りていく。
わんわん団も俺に続いていく。
ここからは魔物と遭遇する頻度は増えていくからな。
「トモヤどこだー!」
名前を呼ぶが返事はない。
「魔物はいるか?」
「周囲にはいないが、血の臭いが強くなってきました」
「ああ、それは俺も気づいている」
崖から降りた途端、周囲に血の臭いが広がっていた。
トモヤの匂いもそれに混ざっているが、周囲に飛び散っている血の色からして魔物なのは確かだ。
草木の間を通り抜けると、さらに血の臭いが強くなった。
鼻を手で押さえないと獣人の俺達には咽せてしまいそうだ。
それに目の前の光景に俺は息を呑んだ。
周囲には魔物の死骸が転がっている。
その中心にはトモヤが一人で立っていた。
まるで息をしていないように立ち尽くしている姿に警戒を強める。
魔物の中には人の体に乗り移る奴がいるからな。
だが、トモヤはその場で倒れた。
警戒しているはずなのに、俺はいつのまにか体が動いていた。
「お前大丈夫かよ!?」
虚ろな目でトモヤは微笑んでいた。
どうやら魔物に操られている様子はないようだ。
「はぁー、無事で良かった。心配かけんなよ」
トモヤを強く抱きしめる。
今言えるのは無事でよかった。
ただ、それだけだ。
「これはお前がやったのか?」
俺の言葉にトモヤは頷いていた。
トモヤが何者かはわからない。
ただ、人とは違う何かしらの力があるのは感じる。
「そうか……。でも無事でよかった。少し休むといい」
俺の言葉にトモヤはゆっくりと体を俺に預けた。
本当にこいつは俺がいないとダメなんだからな。
いや、さすがにそれはないか。
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