58 / 70
ストーカーライフ
58. 大蛇という名の魔迷宮
しおりを挟む
「やっとご主人様に会えましたー!」
「いやああああ、こっちに来ないでくれー!」
無防備の俺にダンジョンは抱きついてきた。脳内ではこいつが男だとわかっている。
わかっているはずだが見た目が完璧に女性と遜色ない。
だってゴブリンもダンジョンに怯えているぐらいだ。
「女がいる……オラを殺しに来たんだ!?」
「せっかくご主人様に会えたのに……」
ダンジョンは少し寂しそうにこちらを見ていた。
俺は急いで自分に精神耐性を付与した。中が男とわかっているからなのか、今回は一回の付与で大丈夫そうだ。
「いや、別にお前が悪いわけじゃないんだぞ?」
「なら何がいけないんですか?」
「どう見てもお前の見た目がダメなんだ」
「なんでですかー! 私は立派な男じゃないですか!?」
いやどこから見ても立派な女性だ。
胸はソフィアと同様に目立たないが、細身の服を着ているからか、腰のくびれがはっきりとわかる。
長くなびくその髪の毛もさらさらしている。
「いや、俺達は女性が苦手で――」
「なら男として証明すればいいんですね!」
そう言ってダンジョンは自分の服に手をかけた。
「おい、やめろおぉぉ!」
「いやああああああ!」
俺とゴブリンの声はダンジョンに響き渡った。
一方コボルトは鼻の下が今までに見たことないぐらい伸びていた。コボルトだけど、こいつもしっかりと男のようだ。
♢
ダンジョンは新しいスキルを使ったら、人型の姿になったらしい。
「恐ろしい……」
「あれはあれで見るんじゃなかった」
「兄貴、オラのなんて人差し指ぐらいですよ」
「いや、お前の人差し指は大きいから大丈夫だ。俺の方が――」
服を脱いで現れた裸体に俺達はこの世の絶望を感じた。
ダンジョンの股間には、この世のものとは思えない凶悪な悪魔がついていた。
俺が小指ならダンジョンについているのは大蛇だ。
いや、俺も決して小さいわけではない。世の中サイズが全てではないはずだ。
あの見た目にあの大きさは反則だ。むしろ女性の見た目をしていて怖いという感覚より、股間についているものの方が怖いと思った。
ダンジョンの股間もダンジョンだったということだ。
「これで男とわかってもらえましたね」
「ああ、もう早く服を着てくれ」
「そんな……ご主人様はこんな時まで風邪をひかないように心配してくださるんですね。ダンジョンだから風邪を引かないのに――」
ダンジョンはそのまま全裸のまま震えている。寒いなら早く服を着た方が良いが、着ないのは自身のダンジョンを自慢しているとしか思えない。
「そういえばご主人様の愛情でたくさんスキルを覚えたんです!」
どうやらダンジョンはスキルを覚えたようだ。ただ、愛情とか誤解を招くようなことを言わないでほしい。
コボルトが反応してしまう。
「ボス、浮気ですか? それは浮気ってやつですか?」
すでに遅く、コボルトは嫉妬して爪を引っ掛けてきた。
「兄貴は浮気症なんですね。男としてダメですよ」
別に浮気をしているわけではないため、ゴブリンにも後から躾が必要だ。
「あはは、やっぱり私も皆さんと仲間になれてよかったです」
そんな様子を見てダンジョンは笑っている。
笑っているのは良いが早く服は来た方が良いと思う。
笑うたびにダンジョンもぶるんぶるんと揺れている。
「いや、お前は仲間じゃないからな!」
俺達の気持ちは一緒だった。
だってそんな大きな逸物を持ったやつを仲間と認めるわけがない。
男は下半身の大きさにシビアなんだからな。
「いやああああ、こっちに来ないでくれー!」
無防備の俺にダンジョンは抱きついてきた。脳内ではこいつが男だとわかっている。
わかっているはずだが見た目が完璧に女性と遜色ない。
だってゴブリンもダンジョンに怯えているぐらいだ。
「女がいる……オラを殺しに来たんだ!?」
「せっかくご主人様に会えたのに……」
ダンジョンは少し寂しそうにこちらを見ていた。
俺は急いで自分に精神耐性を付与した。中が男とわかっているからなのか、今回は一回の付与で大丈夫そうだ。
「いや、別にお前が悪いわけじゃないんだぞ?」
「なら何がいけないんですか?」
「どう見てもお前の見た目がダメなんだ」
「なんでですかー! 私は立派な男じゃないですか!?」
いやどこから見ても立派な女性だ。
胸はソフィアと同様に目立たないが、細身の服を着ているからか、腰のくびれがはっきりとわかる。
長くなびくその髪の毛もさらさらしている。
「いや、俺達は女性が苦手で――」
「なら男として証明すればいいんですね!」
そう言ってダンジョンは自分の服に手をかけた。
「おい、やめろおぉぉ!」
「いやああああああ!」
俺とゴブリンの声はダンジョンに響き渡った。
一方コボルトは鼻の下が今までに見たことないぐらい伸びていた。コボルトだけど、こいつもしっかりと男のようだ。
♢
ダンジョンは新しいスキルを使ったら、人型の姿になったらしい。
「恐ろしい……」
「あれはあれで見るんじゃなかった」
「兄貴、オラのなんて人差し指ぐらいですよ」
「いや、お前の人差し指は大きいから大丈夫だ。俺の方が――」
服を脱いで現れた裸体に俺達はこの世の絶望を感じた。
ダンジョンの股間には、この世のものとは思えない凶悪な悪魔がついていた。
俺が小指ならダンジョンについているのは大蛇だ。
いや、俺も決して小さいわけではない。世の中サイズが全てではないはずだ。
あの見た目にあの大きさは反則だ。むしろ女性の見た目をしていて怖いという感覚より、股間についているものの方が怖いと思った。
ダンジョンの股間もダンジョンだったということだ。
「これで男とわかってもらえましたね」
「ああ、もう早く服を着てくれ」
「そんな……ご主人様はこんな時まで風邪をひかないように心配してくださるんですね。ダンジョンだから風邪を引かないのに――」
ダンジョンはそのまま全裸のまま震えている。寒いなら早く服を着た方が良いが、着ないのは自身のダンジョンを自慢しているとしか思えない。
「そういえばご主人様の愛情でたくさんスキルを覚えたんです!」
どうやらダンジョンはスキルを覚えたようだ。ただ、愛情とか誤解を招くようなことを言わないでほしい。
コボルトが反応してしまう。
「ボス、浮気ですか? それは浮気ってやつですか?」
すでに遅く、コボルトは嫉妬して爪を引っ掛けてきた。
「兄貴は浮気症なんですね。男としてダメですよ」
別に浮気をしているわけではないため、ゴブリンにも後から躾が必要だ。
「あはは、やっぱり私も皆さんと仲間になれてよかったです」
そんな様子を見てダンジョンは笑っている。
笑っているのは良いが早く服は来た方が良いと思う。
笑うたびにダンジョンもぶるんぶるんと揺れている。
「いや、お前は仲間じゃないからな!」
俺達の気持ちは一緒だった。
だってそんな大きな逸物を持ったやつを仲間と認めるわけがない。
男は下半身の大きさにシビアなんだからな。
0
お気に入りに追加
87
あなたにおすすめの小説
幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない…
そんな中、夢の中の本を読むと、、、
外れスキル持ちの天才錬金術師 神獣に気に入られたのでレア素材探しの旅に出かけます
蒼井美紗
ファンタジー
旧題:外れスキルだと思っていた素材変質は、レア素材を量産させる神スキルでした〜錬金術師の俺、幻の治癒薬を作り出します〜
誰もが二十歳までにスキルを発現する世界で、エリクが手に入れたのは「素材変質」というスキルだった。
スキル一覧にも載っていないレアスキルに喜んだのも束の間、それはどんな素材も劣化させてしまう外れスキルだと気づく。
そのスキルによって働いていた錬金工房をクビになり、生活費を稼ぐために仕方なく冒険者になったエリクは、街の外で採取前の素材に触れたことでスキルの真価に気づいた。
「素材変質スキル」とは、採取前の素材に触れると、その素材をより良いものに変化させるというものだったのだ。
スキルの真の力に気づいたエリクは、その力によって激レア素材も手に入れられるようになり、冒険者として、さらに錬金術師としても頭角を表していく。
また、エリクのスキルを気に入った存在が仲間になり――。
憧れのスローライフを異世界で?
さくらもち
ファンタジー
アラフォー独身女子 雪菜は最近ではネット小説しか楽しみが無い寂しく会社と自宅を往復するだけの生活をしていたが、仕事中に突然目眩がして気がつくと転生したようで幼女だった。
日々成長しつつネット小説テンプレキターと転生先でのんびりスローライフをするための地盤堅めに邁進する。
神様のミスで女に転生したようです
結城はる
ファンタジー
34歳独身の秋本修弥はごく普通の中小企業に勤めるサラリーマンであった。
いつも通り起床し朝食を食べ、会社へ通勤中だったがマンションの上から人が落下してきて下敷きとなってしまった……。
目が覚めると、目の前には絶世の美女が立っていた。
美女の話を聞くと、どうやら目の前にいる美女は神様であり私は死んでしまったということらしい
死んだことにより私の魂は地球とは別の世界に迷い込んだみたいなので、こっちの世界に転生させてくれるそうだ。
気がついたら、洞窟の中にいて転生されたことを確認する。
ん……、なんか違和感がある。股を触ってみるとあるべきものがない。
え……。
神様、私女になってるんですけどーーーー!!!
小説家になろうでも掲載しています。
URLはこちら→「https://ncode.syosetu.com/n7001ht/」
転生無双なんて大層なこと、できるわけないでしょう!〜公爵令息が家族、友達、精霊と送る仲良しスローライフ〜
西園寺わかば
ファンタジー
転生したラインハルトはその際に超説明が適当な女神から、訳も分からず、チートスキルをもらう。
どこに転生するか、どんなスキルを貰ったのか、どんな身分に転生したのか全てを分からず転生したラインハルトが平和な?日常生活を送る話。
- カクヨム様にて、週間総合ランキングにランクインしました!
- アルファポリス様にて、人気ランキング、HOTランキングにランクインしました!
- この話はフィクションです。
異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
クラス転移で手に入れた『天性』がガチャだった件~落ちこぼれな俺がみんなまとめて最強にします~
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
阿久津雄介とそのクラスメイトは、最弱国家グルストンに勇者として召喚された。
──天性なる能力を授けられ、世界を支配するドラグネス皇国の考案した遊戯、勇者大戦なる競技の強化選手として抜擢されていく。
しかし雄介の手に入れた能力はガチャ。
他にも戦力とは程遠い能力を授かるものと共に補欠として扱われた。
日々成長していくレギュラー入りしたクラスメイト達。
置いていかれる環境に、自分達もなんとかしようと立ち上がる雄介達。何もできない、なんの役にも立たないと思われた力で雄介達はほんの僅かな手応えを感じていた。
それから少しづつ、自分たちの力を高める為に冒険者の真似事をしていくことに。
目指すはクラスメイトの背中。
ゆくゆくはレギュラー入りと思っていたが……
その矢先にドラグネス皇国からの手先が現れる。
ドラゴン。グルストン王国には生息してない最強の種族が群を率いてやってきた。
雄介達は王命により、ドラゴン達の足止め役を引き受けることになる。
「別に足止めじゃなく倒しちゃってもいいんですよね?」
「できるものならな(可哀想に、恐怖から幻想が見えているんだろうな)」
使えない天性、大人の一般平均値を下回る能力値を持つ補欠組は、世界の支配者であるドラグネス皇国の尖兵をうまく蹴散らすことができるのか?
┏━━━━━━━━━┓
┃書籍1〜3巻発売中 ┃
┗━━━━━━━━━┛
==========================================
【2021.09.05】
・本編完結(第一部完)
【2023.02.14追記】
・新しく第二部を準備中です。もう少しお待ちください。
(書籍三巻の続き〜)を予定しています。
【2023.02.15追記】
・SSはEXTRAからお引越し、書籍用のSS没案集です。
・追加で増えるかも?
・書籍用の登場人物表を追記しました。
【2023.02.16追記】
・書籍における雄介の能力変更をおまけに追記しました。
【2023.03.01〜】
・五章公開
【2023.04.01〜】
・WEB版の大雑把なあらすじ公開(書籍版とは異なります)
==========================================
神に同情された転生者物語
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。
すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。
悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる