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ストーカーライフ
27. 本質の変化
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俺は今地面に座っているゴブリンとコボルトに説教をしている。
なぜ、説教しているかって……?
こいつらが森を破壊していたからだ。
森の木は薙ぎ倒され、地面には大きな穴がそこら中に開いている。
以前までの綺麗な森は無くなってしまった。
その原因が目の前にいる二体のせいだからだ。
「だからあれはボスが――」
「ほぉ、俺のせいにするつもりか?」
俺の言葉にゴブリンは首を横に振っている。
振りすぎて頭が今にも飛んでいってしまいそうだ。
「ボス! 拙者は逃げていただけで森を壊したのはゴブリンです」
「なっ!? お前だけ逃げるのはずるいぞ!」
「それでゴブリンはこれをどうするつもりだ?」
「ほとんど森を壊したのは兄貴なのに…….」
「あぁん?」
「すみません」
ゴブリンは膝をついて、おもいっきり頭を地面に擦り付けていた。
いわゆる"土下座"の姿勢だ。その影響で地面がまた割れている。
勢いよく謝るゴブリンにコボルトはニヤニヤとしていた。
だが、それを俺は見逃していない。
「おい、コボルト!」
「ボスなんでしょうか?」
「お前も一緒に遊んでいたよな?」
「いや、でも……」
「一緒に遊んでいたよな?」
圧をかけるとコボルトは今日も見事な二つ折りになっていた。どうやら反省はしているようだ。
世の中現実は甘くないからな。こういうのは連帯責任だ。
「それでこれからどうするつもりなんだ?」
「どうするって言ってもあれは兄貴が――」
「口答えはしない!」
「理不尽だ……」
本当にどうにかしないと森がすでに荒地になっているからな。
一部俺が二人を抑えつけた影響もあるが、元々はこいつらのせいだ。
決して俺のせいでは……ないはずだ。
「ここは拙者の出番ですね!」
「何かできるのか?」
「ただの犬だと思ったら痛い目見ますよ? 拙者の力を見るが良い!」
コボルトは両手を上げてぐるっと回す。
周りには魔法陣が展開され、コボルトはそのまま片脚を軸にして大きく回転した。すると魔法陣も同時に回転する。
「秘技! 土属性最上位魔法"ファイナルアースクエイク"!」
何やら呪文を唱えると大きく地面が揺れ出した。
「おい、なにをするつもり――」
どんどん揺れが激しくなり立っているのもやっとだ。
生きていた中で地面が揺れる経験がない俺は少しずつ吐き気が襲う。
「ボス! どうしましょうか……」
「んあ?」
「初めて使ったので制御できなさそうです」
まさか制御ができない魔法を使うとは思いもしなかった。
そして、俺の吐き気も制御できない。
「おぇー!」
俺は割れた地面の中に胃液とともに食べた物を吐き出した。
服で口元を拭き取るとギロリとコボルトを睨む。
「おい……」
「すみません! 拙者の修行不足でした!」
俺は突然の揺れに対して怒ったが、辺りを見渡すと残っていた木もそのまま倒れ、森はさらに悲惨な状況になっていた。
もうここまで来たら修行不足と言い訳ができないレベルだ。
森が壊滅しているのだ。
ここまできたら普通では直せないだろう。
「ボスどうしましょう。このままだと人間がやってきますよね?」
「こんなにめちゃくちゃにされたら原因を探しにくるだろうな」
原因を探るためや被害を調べるために冒険者を中心に人々が森に入ってくるだろう。
「それって女も来るのか?」
「だろうな」
「ヒエエェェェェー!」
ゴブリンとコボルトはお互いに身を寄せ合って震えている。
そんなに人間が苦手なんだろうか。
まぁ、俺も人のこと言えないな。
「とりあえず俺がどうにかするよ」
俺はある付与魔法を唱えることにした。自然界の掟に背くことになるため、これは木や地面には使いたくなかったのだ。
だがここまで来たらやるしかない。全てを元に戻さないといけないからな。
「ボス?」
「兄貴?」
「まぁ、全ては飼い主の責任だよな……。はぁー、エンチャント"性質変化"復元化」
森全体が性質変化の付与魔法が対象になるように魔法を発動させた。
性質変化はそもそも元々ある本質を変える魔法だ。
だからこの魔法をかけた森は森としての機能を失ってしまう。そもそも森の本質が何かと言われればわからないが……。
「ボスすごいです!」
「兄貴は神様だ!」
森は自然と復元され、逆再生するかのように倒れた木は動き出し地面に突き刺さる。それと同時に地面は固くなり草が生え出した。
気づいた頃には森は普段と同じ光景に戻っていた。
「おい、ゴブリンそのまま木を叩いてくれ」
ゴブリンはチラチラと俺の顔を見ていた。流石にもう怒らないから目で確認しないでくれ。
「なんでオラが……」
「いいから!」
「イエッサアアァァァ!」
ゴブリンは勢いよく木を叩くと半分に折れ曲がった。
それでも折れた木は生きているのか、うにょうにょと動き出し元に戻っていた。
「うわぁ、気持ち悪い……」
たしかに誰が見ても気持ち悪いだろうな。
これがエンチャント"性質変化"復元化の力だからな。
なぜ、説教しているかって……?
こいつらが森を破壊していたからだ。
森の木は薙ぎ倒され、地面には大きな穴がそこら中に開いている。
以前までの綺麗な森は無くなってしまった。
その原因が目の前にいる二体のせいだからだ。
「だからあれはボスが――」
「ほぉ、俺のせいにするつもりか?」
俺の言葉にゴブリンは首を横に振っている。
振りすぎて頭が今にも飛んでいってしまいそうだ。
「ボス! 拙者は逃げていただけで森を壊したのはゴブリンです」
「なっ!? お前だけ逃げるのはずるいぞ!」
「それでゴブリンはこれをどうするつもりだ?」
「ほとんど森を壊したのは兄貴なのに…….」
「あぁん?」
「すみません」
ゴブリンは膝をついて、おもいっきり頭を地面に擦り付けていた。
いわゆる"土下座"の姿勢だ。その影響で地面がまた割れている。
勢いよく謝るゴブリンにコボルトはニヤニヤとしていた。
だが、それを俺は見逃していない。
「おい、コボルト!」
「ボスなんでしょうか?」
「お前も一緒に遊んでいたよな?」
「いや、でも……」
「一緒に遊んでいたよな?」
圧をかけるとコボルトは今日も見事な二つ折りになっていた。どうやら反省はしているようだ。
世の中現実は甘くないからな。こういうのは連帯責任だ。
「それでこれからどうするつもりなんだ?」
「どうするって言ってもあれは兄貴が――」
「口答えはしない!」
「理不尽だ……」
本当にどうにかしないと森がすでに荒地になっているからな。
一部俺が二人を抑えつけた影響もあるが、元々はこいつらのせいだ。
決して俺のせいでは……ないはずだ。
「ここは拙者の出番ですね!」
「何かできるのか?」
「ただの犬だと思ったら痛い目見ますよ? 拙者の力を見るが良い!」
コボルトは両手を上げてぐるっと回す。
周りには魔法陣が展開され、コボルトはそのまま片脚を軸にして大きく回転した。すると魔法陣も同時に回転する。
「秘技! 土属性最上位魔法"ファイナルアースクエイク"!」
何やら呪文を唱えると大きく地面が揺れ出した。
「おい、なにをするつもり――」
どんどん揺れが激しくなり立っているのもやっとだ。
生きていた中で地面が揺れる経験がない俺は少しずつ吐き気が襲う。
「ボス! どうしましょうか……」
「んあ?」
「初めて使ったので制御できなさそうです」
まさか制御ができない魔法を使うとは思いもしなかった。
そして、俺の吐き気も制御できない。
「おぇー!」
俺は割れた地面の中に胃液とともに食べた物を吐き出した。
服で口元を拭き取るとギロリとコボルトを睨む。
「おい……」
「すみません! 拙者の修行不足でした!」
俺は突然の揺れに対して怒ったが、辺りを見渡すと残っていた木もそのまま倒れ、森はさらに悲惨な状況になっていた。
もうここまで来たら修行不足と言い訳ができないレベルだ。
森が壊滅しているのだ。
ここまできたら普通では直せないだろう。
「ボスどうしましょう。このままだと人間がやってきますよね?」
「こんなにめちゃくちゃにされたら原因を探しにくるだろうな」
原因を探るためや被害を調べるために冒険者を中心に人々が森に入ってくるだろう。
「それって女も来るのか?」
「だろうな」
「ヒエエェェェェー!」
ゴブリンとコボルトはお互いに身を寄せ合って震えている。
そんなに人間が苦手なんだろうか。
まぁ、俺も人のこと言えないな。
「とりあえず俺がどうにかするよ」
俺はある付与魔法を唱えることにした。自然界の掟に背くことになるため、これは木や地面には使いたくなかったのだ。
だがここまで来たらやるしかない。全てを元に戻さないといけないからな。
「ボス?」
「兄貴?」
「まぁ、全ては飼い主の責任だよな……。はぁー、エンチャント"性質変化"復元化」
森全体が性質変化の付与魔法が対象になるように魔法を発動させた。
性質変化はそもそも元々ある本質を変える魔法だ。
だからこの魔法をかけた森は森としての機能を失ってしまう。そもそも森の本質が何かと言われればわからないが……。
「ボスすごいです!」
「兄貴は神様だ!」
森は自然と復元され、逆再生するかのように倒れた木は動き出し地面に突き刺さる。それと同時に地面は固くなり草が生え出した。
気づいた頃には森は普段と同じ光景に戻っていた。
「おい、ゴブリンそのまま木を叩いてくれ」
ゴブリンはチラチラと俺の顔を見ていた。流石にもう怒らないから目で確認しないでくれ。
「なんでオラが……」
「いいから!」
「イエッサアアァァァ!」
ゴブリンは勢いよく木を叩くと半分に折れ曲がった。
それでも折れた木は生きているのか、うにょうにょと動き出し元に戻っていた。
「うわぁ、気持ち悪い……」
たしかに誰が見ても気持ち悪いだろうな。
これがエンチャント"性質変化"復元化の力だからな。
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