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寮生活

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お茶が終わりしばらく話した後いったん二人はそれぞれ部屋に戻った。

夕食は一緒に食堂に行く約束をした!


ん~それまで何をして過ごそうかしら。

とりあえず、明日から使う教科書を読んで過ごしていると………何やら廊下が騒がしい……。

そぉぉぉっと…扉を開けて覗くと…

ダージリンと女子学生が揉めていた…


「なぜ!!私だって他国の王族なのに!!特別室じゃないのです!!!っ」

「何度も申していますが、特別室はこの国の姫君の娘であらせられ、バゲット殿下の婚約者であるコットンキャンディー姫君がお使いになられているので、マスカット姫様は他のお部屋を用意致しました」

姫君の後ろで……専属侍女らしき人と護衛がオロオロしている。

多分……小国なのね。

はぁぁ……と1つため息をつき、
敢えて羽を出してその場に入った。

「あら、ごきげんよう」ニコッ

「!?」

「姫君!?」
ダージリンは目を見開き驚いている。


「なんの騒ぎですの?わたくしの部屋まで響いておりましたのよ?」

「あ…その……えっと……」

さっきまでの威勢はどこに行ったのか…

コットンの美しく愛らしい姿にマスカット姫はタジタジになってしまった。

立ち振る舞いから全てにおいてコットンキャンディーには敵わないと瞬時に
マスカットの脳裏に植えつけられたからだ。

「あら、わたくしったら失礼致しました。わたくし、コットンキャンディー.ペガーノと申します」ニコッ


「なっ………その…わたくし…マスカット.ブドーと申します…」

「あら、ブドーといえば、ワインや葡萄ジュースがとても美味しいですよね、わたくし大好きですの」ニコッ


「え!?コットンキャンディー姫様!?ブドーをご存知なのですか!?」

マスカット姫の目はキラキラと輝いた。


「ええ、存じていますよ?お母様もあそこの産地のワインは大好きですの」

「ティリエ姫様が!?嬉しいです……」

とても感激している

「あの、わたくしの部屋がよろしければかわりましょうか?」ニコッ

「そ、それはなりません!姫様!!」
ダージリンが止めに入る。
きっと…レインボー王家からの要請なのだろう。

「いえ!?そのお気持ちだけで…私は今のお部屋で大丈夫ですわっ!!」

あら…あれだけ揉めていたのに……

「宜しいの??」首をコテンと曲げる


「はい!!!あの…その……出来たらお友達になって下さい!!!」

ガバっと頭を下げる………。

あらまぁ………

「ちょ、ちょっと頭を上げてください、マスカット姫…」

「はい…」

「仮にもお姫様なのだから、簡単に頭を下げては駄目なのよ?」ニコッ


「は、はい……」


「ふふ、もちろんお友達になりましょ?」ニコッ

「ありがとうございます!!!」

「クスクス お友達なのだから敬語もなしよ、コットンと呼んで」

「では、私のこともマスカと呼んでください!」

「ん~マスカねぇ…まーちゃんでもいい?」

「まーちゃん!?はい!!!可愛いですッ」

「ふふ、ならまーちゃん宜しくね」

「うん、コットン!!」

「じゃ、また夕食の時にね」

「うん、またね!!」

侍女と護衛はコットンに頭を上げてマスカットと共に戻っていった。

「コットン…ありがとうございました」

「ん?ああ…揉め事??ふふ、全然平気よ」ニコッ


「さすが……俺の姫様…」ポソッ

「ん?何か言った?」

「いいえ、何も」ニコッ

「そ?ならいいけど~。ね!ダージリン」

「なんです?」

「食堂って何がオススメかしら!?」

「んーー、そうですねー」

「ダージリンがいつも頼むのは何?」

「私はビーフシチューが多いですね。お肉がゴロゴロ入ってて……」


「お肉がゴロゴロかぁ~美味しそうね」

「はい!とても美味しいです」

「ならそれにしようかな~」

部屋の前でダージリンと別れてまた
部屋に入る。

ん~同性の友達が増えて嬉しいなぁ~!
ふふんふーんふふふん。

しかし、この部屋絵の一つでもあればいいのに…殺風景なのよね……。

食事まで時間あるし!!

絵でも描こうかしら!!!

空間から画材を取り出して、絵を天馬族の魔法で描いていく。

よし!!出来た!!!!

描いたのは、美しいお花畑にいる
二匹のペガサス!

これを額縁にいれて壁に掛けた。

ん~いいじゃない!!!

そうだ、まーちゃんにもそうね~
あの小国の写真が確か前にお兄様から貰ったのよね。空間をゴソゴソをあさり

「あった!!!」

それはブドー小国の有名なスポットの写真!

澄み渡る様な海の上の丘に2つの葡萄の木が絡み合って生えている。
まるで恋人のように。

確か、恋愛成就スポットなのよね~!
これを描こう。

また魔法で絵を描いていく。

んーいい出来!!!美しいわね~!!!
それを額縁にいれてリボンをつけた。

ふふ、喜ぶかしら?楽しみね!!

夕食の待ち合わせの時間になり、待ち合わせの場所に行くとまーちゃんもいた。

「みんな!!ごめんおまたせ~」

「コットン!!」

「全然待ってないから大丈夫よ」

「コットン~!」

「ふふ、まーちゃんとみんなも仲良くなったのね?」

「ええ、まーちゃん??まーちゃんと私達も呼んでもいい?」

「もちろん」にこ

「では私達の事も、ミールとレードと呼んでね」ニコッ

「うん、ミール、レード」

「あ、そうだ。ミールとレードにはどんな絵がいいか聞いてから描こうと思ってまだ描いていないのだけど、これをまーちゃんに」ニコッ

「あけてもいいの?」

コクコクとコットンが頷く

リボンを解いて包み紙をあけると……

見慣れた景色が……国を出て一ヶ月
懐かしさと嬉しさで涙がポロポロ溢れる。

「まぁ……泣かすつもりはなかったのよ…いらないなら私が引き取るから」
コットンは焦っていた……

でもまーちゃんは首を横にふりふりと振った。

「懐かしくて…嬉しくて…つい泣いてしまったの。素敵な絵をありがとうコットン」

ひょいっとミールとレードが絵を覗き込む。

「うわぁ~素敵な風景!!!まーちゃんの国はこんなに美しくて素敵ななのね!!」

「さすが!!ワインNO1の国ね!!いいなぁ~一度行ってみたい!!!」

「なら!?夏休暇一緒にうちにこない??」

「「「え!?いいの!?」」」

「もちろんよ!!!」ニコッ

「わぁ~行きたい~」

「行きたい!!!!」

「是非行きたい!!!」

四人は和気あいあいと食堂に入っていく

周りには男女揃って沢山の生徒で賑わっていた。

「あ!!コットン!!ここ、ここ!!」

「シナモンとバゲット?」

4人でそのままその席に座る。

「コットン達が来るかと思って席を取っておいたんだ」

「ふふ、ありがとう。シナモン、バゲット」ニコッ

「どういたしまして」

「夏にまーちゃんの国に皆で旅行に行く約束をしたのよね」

三人はコクコクと頷く。
シナモンとバゲットのイケメンパワーに圧倒されながらも……。

「え!?ブドー王国に?俺も行く!!!いいかな?マスカット姫」

「俺も行きたい!!!夏は仕事もないし!」

「ええ、是非お二人もいらして下さい」
ニコッ

「「やったぁぁ」」

あらまぁ…すっかり仲良しね。クスクス

「その……俺もいいだろうか……」

ん???と一同振り向くとダージリンがいた。

「ダージリンも行きたいの?」

コクコクと頷く

「まーちゃん、ダージリンもいいかしら?」

「ダージリン先生も婚約者になったの??」

「うん」

「なら、全然いいわよ」クスクス

「先生としてではなく、婚約者ならね」

「先生としてだと羽目を外せないものね」クスクス


「ふふ、確かにそうね」クスクス


「「「羽目を外すつもりなのか!!」」」

3人の婚約者は声が……

「言葉のあやよね……」

「ええ…」

「うん……」

「そうよね…」

それを聞くと……なぜか3人の顔が一気に赤くなった……。


「んー、ダージリン!確かにビーフシチュー美味しいわ!!教えてくれてありがと」

「口にあったなら良かった」ニコッ


「うわぁ~コットンのまわりはキラキラしているわね……」

「ほんと……」

「羨ましいわね……」


私達も……こんな美しい婚約者をゲットしないと!!!と気合がはいる友人3人だった。苦笑
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