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王宮

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「ここが、コットンの部屋で隣はシナモンの部屋だよ護衛だからね」

「ありがとう、シュガー」

「ありがとうございます殿下」

「何か必要な物があったら遠慮なく専属侍女に言ってくれ。あ、そうそうコットンの滞在中の専属侍女のナツメグだ」

「ナツメグと申します、心よりお仕えさせて頂きます、宜しくお願い致します」

カーテシーをするナツメグ


「ありがとう、ナツメグ。宜しくね」ニコッ

「はい!!」

「じゃ、明日からは学園だし今日は夕食は皆で取るけどそれまではゆっくりしていて」ニコッ

「ありがとう、シュガー」

「ふふ、またね」

手を振って戻って行った。


「入りましょう、姫様」

「うん」

部屋に入るとピンクテイストの
素敵な部屋だった。

「素敵な部屋ね」

「ふふ、お気に召されてシュガー様も喜びになりますわ」

シュガー???

「シュガーがこの部屋を??」

「ええ、王妃様と部屋の用意で揉めながら権利を勝ち取り用意をしておいででした」クスクス


「あら、それは有り難いわね」


「姫様は、ティリエ姫様に良く似ておいでですので、前両陛下もお喜びになりますね」

「お祖父様とお祖母様よね」

「はい」ニコッ

「楽しみね、お会いしたことがないのよ」

「天上は……遠いですものね……」

「ええ…」

話しながらナツメグはちゃっちゃと
荷物をといて片していく。

さすが王宮侍女ね……仕事が早い。

「姫様、こちらには両陛下からの贈り物のドレスや寝間着が多数ございますので、好きにお使いくださいとの事です」

「あら、後でお礼を言わないとね」

「はい」ニコッ

ナツメグが使用人に指示を出して
ティーセットを持ってこさせて
お菓子と紅茶を入れてくれた。

「んー美味しいわ、ありがとうナツメグ」

「レインボー王国は紅茶も有名でこちらの銘柄はティリエ姫様が好んで飲んでいた物になります」ニコッ


「お母様が……美味しいわ」

甘みが強い茶葉なのね。

少しゆっくりしてからナツメグに
王宮内を案内してもらっている。

「姫様、こちらは騎士団の訓練場になります」

「へぇ!!見てみたいわ!」

「では、こちらにどうぞ」

案内されると訓練場の観客席のような場所で練習が見れるようになっている。

剣の打つかる音や矢を放ったような音がしていた。

一際目立っているのは赤い髪の毛の
背の高い人。
優雅な身のこなしでとても目を引く

「あの、赤い髪の毛の人は?」

「騎士団長になりますわ、メレンゲと申します」

「メレンゲ……」

ぽーっとした顔でみていると…

「姫様、メレンゲはちなみに独身になります!!婚約者もおりませんよ!」

「!?そ、そうなの?」

「はい!あの者は私の兄なので」クスクス

「ナツメグのお兄様なの!?」

「はい……あの容姿なのに…女っ気のかけらもない……武骨者なのです」

「そ、そう」

「呼びますね?」

「え!?ちょっとナツメグ!?」

「メレンゲお兄様ーーーーー!!!!」

ナツメグが……耳がきーーっとなるくらいの大声で叫んだ。

すると、赤い髪の毛の騎士団長が気が付き、転移魔法で目の前に来た。

「なんだよ、ナツメグ。うるせぇぞ!!今は仕事中だぞ!!」

「お兄様、隣をご覧くださいませ」

「ん??」
ようやくコットンに気が付いたのか、
コットンを見るなり顔が真っ赤になってしまった…。

「あらまぁ……これは…遅い春かしら…」

「ナツメグ……お兄様どうされたの??」

「コホン、こちらはティリエ姫様とペガーノ国王陛下のご息女でいらっしゃいます、コットン.キャンディー姫様でございます」

「ハッ!? これは…姫様…大変失礼を…私はメレンゲ.クリムワーズと申します。レインボー王国の騎士団長を勤めております」

「ご丁寧な挨拶ありがとう、わたくしは先程ナツメグが話してくれたコットンキャンディーと申しますわ、これからこの王国でお世話になります。宜しくね」
ニコッ


「はい!!!宜しくお願い致します!」

メレンゲが騎士の礼をする。

「ナツメグ、素敵なお兄様ね」ふふ

「……そう言ってもらえるとありがたいです」苦笑


コットン達が去っても…メレンゲをはじめとする王国騎士達はしばらく…
ぽぅ~っと余韻に浸っているのだった…


「これは、きっと今日はもう訓練に身がはいらないでしょうね」ポツリ


「ん?ナツメグ何か言った?」

「いえ、何も言っておりません」ニコッ

シナモンを見るも首を横に振る。

空耳かしら……。

「次は植物室にご紹介致しますね」

「植物室!?」

「はい、王宮薬師や王宮魔術師などが管理し、使用しております」

「色々な植物がありそうね、楽しみだわ」

「姫様…猛毒な植物もあるやもしれませんので…むやみやたらに触るのはやめてくださいね」

シナモンに釘をさされる……

「………ええ…分かっているわよ。もう子供じゃないのよ!!!」

頬を膨らますコットン


「そういう表情がもはや子供なのですよ」クックッ

「…………………」

「姫様はまだ12歳ですので、充分お子様でいらっしゃいますので大丈夫ですよ」

ナツメグからのフォロー

そうだ、私12歳ということになっているのよね!!

しばらく歩いていると植物が沢山見える透明のガラスパレスのような建物に着いた。

わぁ~これ色んな角度から太陽の光が差し込むように作られているのね。


「姫様、こちらが植物室になります」

きぃぃぃ…ナツメグが扉をあけてくれた。

「入っていいの??」

「ええ、どうぞ」ニコッ

中に入ると少し外よりも気温が高く、
色々な植物が生き生きとしていた。

「おや、ナツメグどうしたんです?」


「これは!?第一王子殿下!!」

ナツメグがカーテシーをする

「堅苦しい挨拶は省略でお願い」

「は、はい!」

「こちらの愛らしいレディは誰だい?」

「こちらは、ティリエ姫様とペガーノ王国陛下のご息女であらせられる、コットンキャンディー姫様でございます」


「コットンキャンディーと申します。しばらく王国でお世話になります」
カーテシーをする。

「ああ!!君が噂のティリエ叔母様の姫君か!!!君の兄上二人は一晩で伴侶を決めて君に一刻でも早く会えるように…滞在は…たったの1日だったんだ」クスクス


「………ええ…兄の専属護衛から聞きましたわ…」


「でも、こうひと目姫君を見たら姫君の兄達の気持ちも理解出来たよ」ニコッ

「そ、そうですか……」

「君と俺は従兄妹だし、是非滞在中は
遊びに行ったりしようよ」

遊びに!!!行きたい!!

「はい!!是非」ニコッ

シナモンの視線がなぜか怖いけど…
見なきゃいいのよ、見なきゃ!!


その後色んな植物を第一王子殿下に教えて貰い王子殿下に挨拶をして植物室を後にした。

そう言えば……第一王子殿下のお名前を伺っていないわね……。

「ナツメグ、第一王子殿下のお名前を教えて貰える?」

「はい、第一王子殿下のお名前は、ローリエ様で御座います」

「ローリエ殿下ね。分かったわ、ありがとう」

「いえ、これからも知りたいことは何でもお聞きください!!特にメレンゲの事なら何でも知ってますので!!」


「そ、そう。ありがとう」ニコッ


騎士団長かぁ~確かに赤い髪に、
中性的な顔立ちで素敵だったわよね~

「では、晩餐までごゆっくりなさってください」

「うん、ありがとう」

「そちらのベルを鳴らしましたらすぐ飛んで参りますので!」

「ふふ、ゆっくりで大丈夫よ」

パタン


「ん~やっと一人になれたなぁ……。晩餐まであと…3時間くらいかしら…」

少しゆっくりしようかしら……

でも、せっかくだし空からこのお城を見てみたいわ!!!

ふふふふ
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