転生幼児は夢いっぱい

meimei

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寝坊

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「カシ………さま……カシウス様!!」


「ん~~なにぃ……まだ僕眠たい……むにゃむにゃ」
カシウス



「カシウス様!!起きてください!!」
マルス


マルスの後ろには専属の侍女が控えている。



「もぉ~~なに?僕まだ眠いんだけど。それに今日もお休みのはずじゃなった?」
カシウス


先生の都合でしばらくお休みで
自主学習なのだがカシウスはもう
10歳にしてすでに学園初等部より
中等部のすら終わっている……。なんなら高等部すらおわっているのである。

だって……中身20代後半だしね。

転生して動けるようになってからひたすら本を読み漁って歴史や
魔導書も記憶してある。



「はい、本日の学習はありません…が!!!現在何時だと?」
マルス


ん?朝でしょ?


「何時なの?」
カシウス



「11時になりました……。侍女が何回もカシウス様を朝食にお呼びに来たそうなのですが。」
マルス



「えっ!!!11時!?お昼の!?」
カシウス


コクンと頷くマルス


ええええーーー!!!今日は冒険するつもりで張り切ってたのに!


「さっさと何か食べて冒険者ギルドに行く!!!」
カシウス



「了解です…。カシウス様失礼ですが……その」
マルス


「なに?僕忙しいのだけど」
カシウス

いそいそと侍女に手伝って貰って身支度しているカシウス。



「カシウス様は、学園は中等部から入学なさるのでしょうか?」
マルス


学園………学園かぁーー。でも勉強はあらかた終わってるしなー。



「分かんない……必要?」
カシウス



「勉強や魔術は必要ないとおもうのですが……友を作ったり、仲間との絆や青春を考えたら必要かと…きっとかけがえのないものになると思うのですが……」
マルス


あーーー、友達かぁ。

確かに僕友達いないかも…………


確かに社会に出るまでは楽しかったんだよなぁ……。

まさか……信頼していた仲間に裏切られるとは思わなかったけど…。



「そうだね………前向きに考えてみようかな」
カシウス



「はい」ニコッ
マルス


でもどうせ行くなら……魔法学園がいいかなー。

魔法学園ならシンシア姫はいないだろうし、薬学も学べるし。



「行くなら魔法学園にするよ」
カシウス 



「カシウス様でしたらそのほうが宜しいですね」
マルス


それに魔法学園ならシンシア姫もおられないだろうし。



「さっ!!パンも食べたし!!冒険者ギルドにいこー!!売り上げも報告しなきゃでしょ!」
カシウス


「ええ、行きましょう」
マルス


パッ



「こんにちわ!アニーさん」
カシウス


「こんにちわ、カシウス様。先日は素敵な贈り物ありがとうございます。」ペコリ
アニー


「ふふっ、どういたしまして」
カシウス



「本日は先日の屋台の売り上げ報告ですか?」
アニー


さすがアニー!!出来る受付け!


「うん!!この袋に入っているのが全部の売り上げだよー」
カシウス



「かしこまりました、数えますね」
アニー


アニーは目の前で数える。




「楽しみだな~」
カシウス

ほぼ元手ゼロだからな~



「合計金額が出ました。カシウス様お収めください。売り上げ金額は依頼書に書いて保存しました。」
アニー



どれどれ……え!!!金貨30枚!!

元手ゼロなのに30万ゲット!!

平民は金貨1枚で余裕があって1年過ごさせるくらいなんだって。

ここの物価はわりと低いのかもね!


ちなみに金貨より上は白金貨で
1枚で100万だよー!


「ありがとうー!!!また僕のカードに入れてくれる?」
カシウス


「はい、かしこまりました」
アニー


お財布には金貨3枚あるしじゅうぶん!



「それと……その」
アニー


ん?



「何?」
カシウス



「商業ギルドから、また宜しければ屋台をお願いしたいと…名指で指名が来ました…」
アニー



「ふぇ!?僕に?」
カシウス



「はい。海の恵みのイカ焼きというものがまた食べたいと要望が凄まじいみたいで……私も食べてみたかった……」ボソッ
アニー


ん?アニーも食べたいの???

空間からタレをつけて焼いてあったイカ焼きを取り出した。

時間停止だからホカホカだ



「はい、もし良かったら食べてみてね」
カシウス



「え!!!!いいのですか!?」
アニー

アニーはイカ焼きとカシウスの顔を何回も交互に見た。



「ふふふっ……うん。いいよ!じゃ僕は行くよ~またねー!」
カシウス


カシウスはマルスと街の方に歩いていった。



ギルド内にはふんわりカシウスがくれたイカ焼きのいい匂いが漂っていた。

イカ焼きに視線を感じたアニーはさっさとカシウスから贈られたカバンにしまい何食わぬ顔でまた業務を続けた。


ん~~独り占めするか……ギルド長にも……お裾分けするか…迷うところよね~。

頭の中ではイカ焼きを独り占めするか分けるかで葛藤していた。

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