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第八章 魔人決戦篇
EP225 極光の剣士
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「極光の・・・勇者・・・。」
「先刻、観測史上最大の極光が夜空を覆ったのだ。
そして明け方に、其方と仲間たちが帰還し、天空魔城が崩落した。
逆算して考えれば、あの極光は"魔王を倒した余波"と考えるのが妥当だろう。」
「写真を見せてもらったけど、本当に凄かったわ!
空一面が光ってて、まるで昼間みたいに明るいの!その後、2週間ぶりの太陽が昇って来たみたい!」
「へぇ・・・そっか・・・。」
花の興奮ぶりとは真逆に、征夜の表情は暗く沈んでいた。励ますつもりで言った資正としても、この反応は予想外だ。
「どうした?浮かない顔だな。世界を救ったのだから、もう少し誇って良いのだぞ?」
「それは分かってるんですが・・・。」
「・・・吹雪の剣豪も、今の其方を見たら喜ぶだろう。」
(いつ聞いても、この呼び名はむず痒いのぉ・・・。)
300年ぶりに聞いた呼び名に、征夜から言われた当初は少し興奮した。
だが冷静になって思い返すと、中々に恥ずかしいものがある。自らの子孫が"崇拝"していると知った今では、尚更である。
だが、何はともあれ自分は征夜の憧れらしい。
大切な弟子を元気づける為ならば、多少の羞恥も苦にはならない。この名で気分が上がるなら、安いものだろう。
資正はそう思って、剣豪の名を出したのだが――。
「いえ、ご先祖様が見たら、落胆すると思います。
僕は師匠にも"剣豪様"にも、全く及ばないですよ・・・。」
当の本人が絶賛しているのに、そうとも知らない征夜は資正の言葉を否定する。
普段は謙遜を尊ぶ資正とて、ここまで頑なに否定する彼が少し哀れに思えてくる。
「何故だ?其方は良くやったと思うぞ。魔王を倒し、多くの罪無き者を救ったではないか。」
「助けたのは・・・ミサラです。」
「・・・そうか。」
地上に下ろす為の気泡魔法は、全てミサラが作った物だ。アレが無ければ、せっかく助けた人も死ぬ事になっただろう。
そして、資正は知っていた。
ミサラが征夜の大切な仲間であり、どのような末路を辿ったのか――。
「師匠は・・・狼の勇者は・・・"たった一人"で邪神と魔王を倒した。
それに引き換え僕は3人の仲間を危険に晒し、1人を死なせた上での勝利です。・・・師匠とは、比較になりませんよ。」
「征夜・・・そこまで悲観しなくても・・・良いと思うわ・・・。」
「花殿の言う通りだ。某は運が良かっただけなのだ。
他の四人が災害を食い止めてくれたから、某は天界に突入出来た。
それに、某が来るまでの間に、天界の神々は何人も命を落としていた。某とて、全てを救えてはないのだ。」
「ですが、"魔王との戦い"には仲間を巻き込まなかった。」
「・・・そうだな。」
手は貸してもらったが、決着を付けたのは資正なのだ。
アランも、料理長トニオも、ヴィルヘルム1世も、あと1人も、誰一人として天界には乗り込んでいない。
危険な役を自ら買って出て、完璧に遂行してみせた資正。今の征夜には、彼が"格の違う存在"に思えて仕方がなかった。
「師匠には、以前にも話した事があったかも知れません。
僕は"誰にも頼らない男"になりたかった。そう決意して、この世界に転生したんです。
それなのに・・・ミサラに頼って・・・花に頼って・・・シンに頼って・・・。」
「征夜・・・某も以前に言った筈だ。"見果てぬ夢に溺れて、大義を見失うな"と。
"全知全能の神"にでも、其方は成りたいと言うのか?なら、そんな夢は捨ててしまえ。罪無き人を救うのが、"其方の使命"なのだろう?」
資正の言う事は真理だった。
人生には、常に"果たすべき責任"が付き纏う。
今回の責任は魔王を倒す使命。それを遂行する為には、自らの夢や主義を曲げてでも進む必要がある。
その先で仲間が死んでも、罪無き人を見殺しにしても、どんな犠牲を強いてでも、果たさなければならいのだ。
資正はコレを、征夜の罪悪感を消す為に言った。
ところが彼の心に巣食う罪の意識は、更なる餌を得て増大する――。
「今の夢は・・・少し違うんです。」
「違う・・・とな?」
「昔の僕は・・・"完璧な自分"に憧れていたんです。でも今は・・・違うんですよ。」
「では、お前の夢とは何だ?言ってみよ。」
資正は好奇心を抑え切れなかった。
この質問がパンドラの箱を開ける結果になって、征夜の心を更に深く抉る事になっても、彼の夢を知りたかったのだ。
「誰よりも強くなって、大勢の人を・・・罪無き人を・・・大切な人を・・・救いたいんです。
誰にも頼らなければ、誰も巻き込まなければ・・・ミサラは・・・死なずに済んだんです・・・。
"全てを守れる自分"・・・それが僕の中に居る、今の"夢の姿"なんです・・・。」
「征夜・・・あなた・・・。」
「・・・なるほどな。」
資正と花は、やっと分かった気がした。
征夜がここまで、自分の"夢に執着する理由"が。
「誰にも見下されたくない。自分の価値を認めてほしい。・・・そんな"馬鹿げた思考"で、どこまでも"幼稚な思考"で、僕は転生しました・・・。
もしも・・・見栄を張らずに・・・女神様から能力を受け取っていれば・・・今もミサラは・・・!」
「それは結果論ではないか。
某は確信できる。もしも能力を貰っていたら、今のお前は全くの別人になっていたと・・・。」
征夜はこれまで一度も、"チート能力"に憧れた事は無かった。ラースと死闘を繰り広げる中でも、その考えは変わらなかった。
征夜にとって、能力は"あさましい物"だった。
自らの成長を阻害し、前世の醜い自分を揺り戻す存在。そんな物を手に入れては、自分の前途は閉ざされると思っていた。
だが、今になって思う。
"自らの成長"と"ミサラの命"では、天秤に掛けるまでもない。
自分の"くだらないエゴ"が、彼女を殺したのかも知れない。そう思うと、勇者として讃えられる気分にはなれなかった。
「勇者様は・・・師匠は・・・まさに僕の夢だった。
仲間の誰も犠牲にせず、たった一人で切り込み、"戦争"を終わらせた。そんな事、今の僕には出来ません。」
「征夜、某は其方が思うような"高潔な英雄"ではない。美化し過ぎなのだ。
人には言えないような経験も、仲間を守れなかった過去もある。・・・某とて、完璧ではないのだ。」
思い起こせば、彼は恥の多い人生を送って来た。
"伝説"には美談だけが残る。たとえ英雄に汚点があっても、それは語り継がれない事。
彼と仲間内。そんな、限られた人間しか知り得ない真実に、彼は今も苦しめられていた。
「師匠から見れば、そうかも知れません。・・・ですが、剣豪様も勇者様も、永遠に僕の夢なんです。」
「先祖への思慕に水を差す気はないが・・・件の剣豪とて、"仏"ではないのだぞ・・・!
あの時は・・・ただ・・・家内と結ばれたくて・・・大義を持っていた男を・・・。」
資正が江戸幕府に反抗する男を捕らえた理由は、他でもない"利己心の発露"だった。政治的な信条など、あまり含まれていない。
名を上げて、幕府から報酬を貰い、後に妻となった思い人との婚姻を認めてもらう。それだけの理由で、"大義を持った敵"の城を落としたのだ。
資正からすれば、あの出来事は"一生の恥"の一つだ。
妻子から引き剥がされても尚、勇者としての使命をスンナリと受け入れた彼。そこには"罪滅ぼし"の意志も含まれていた。
「吹雪の剣豪は、何の犠牲も出さずに敵を制圧しました。
無力な敵にも犠牲を出さなかった。それに引き換え、僕は囚われた人たちすら・・・救えなかった・・・。
剣豪様の名を語るなんて・・・許される筈が無い・・・あつかましいにも・・・程がある。」
だが、征夜は資正の言葉を、微塵も気に留めていなかった。当然だろう。彼は剣豪の正体を知らないのだ。
崇拝し、盲信する"剣豪の偶像"に思いを馳せる彼は、内に秘めた罪悪感を一層強くする。
「では・・・お前は、自分を何だと言うのだ?」
「極光の勇者でも、吹雪の剣豪でも、狼の勇者でもない。ただの"剣士"です。
剣豪の名を受け継ぐには、心技体どれも、まだまだ精進が足りません・・・。」
「"極光の剣士"か・・・。」
勇者や剣豪ほど締まりのある名前ではないが、資正には不思議と、この名前が征夜に合っている気がした。
「すみません師匠。少し・・・風に当たって来ます。」
「あっ!征夜!待ってよ!」
俯いたまま閉口した資正を置いて、征夜は布団から立ち上がった。
テントの入り口を開けて、差し込む光の向こう側へと進んで行く彼に、花も慌てて追従する。
薄暗いテントの中に、一人残された資正は物思いに耽っていた――。
「そうか・・・伝説と化した剣豪は・・・既に我が手を離れていたのだな・・・。
アイツが追っているのは、伝説の剣豪であり・・・某ではない・・・。どうやら某は、想像以上に老いていたらしい・・・。」
勇者でも剣豪でもなく、ただの剣士。征夜が放った言葉は、今の資正にも突き刺さった。
老いによって牙を抜かれ、山に籠っていただけの自分に、征夜を説教する権利があるのだろうか。考えるまでもなく、無いと即答できる。
「精進が足りんのは・・・某の方だったか・・・。」
"衰え"に負けた自分が、更なる高みを目指す弟子の夢を、叩き折ろうとしていた。
自分はどれほど愚劣で、愚かなのだろうかと思い、資正は強く猛省した。
~~~~~~~~~~
「征夜・・・あの・・・。」
「花・・・僕は"極光の剣士"なんて異名すら・・・本当は欲しくなかったよ・・・。」
テントから出た征夜は、花の言葉を遮るように声を掛けた。
暗く沈んだ様子の彼を元気付ける為に、花は懸命に励ましの言葉をかける。
「でも、世界を救ったなら、讃える名前が必要じゃない?
オーロラの剣士・・・とっても・・・カッコいいわ・・・!」
「ハハッ・・・分かってないなぁ・・・花・・・。」
「え?」
懸命に絞り出した励ましの言葉を切り捨てて、征夜は少し笑いを含んだ声を出した。
花としては、自分の言葉の何が面白いのか分からずに、立ち尽くす事しか出来ない。
だが、征夜が次に放った言葉を聞いて、全てを納得する――。
「"双牙の閃刃"の方が・・・"カッコいい"だろ・・・?」
「あっ・・・。」
振り返った征夜の口は笑っていて、目は泣いていた。
笑いながら泣いている。征夜の不思議な感情を、花は恋人として瞬時に理解する。
「あっ・・・えと・・・うん・・・。」
だが理解したところで、かけられる言葉が無かった。
直後、崩れ落ちるようにして、征夜は地面に膝を付く。
「うっ・・・うぅっ・・・くっ・・・み、ミサラぁ・・・!」
「分かってる・・・貴方が一番辛いわ・・・たくさん泣いて良いよ・・・ここには、私しか居ないから・・・。」
花は彼を見下ろしながら、背中を摩る事しか出来ない。
すると征夜は、まるで母からあやされる子供のように、本音を吐き出し始めた。
「ひくっ・・・ぐすっ・・・何が・・・勇者だよ・・・!何が・・・双牙の閃刃だよ・・・!
死んじゃったら・・・意味が無いだろ・・・馬鹿野郎!!!馬鹿・・・野郎・・・!」
征夜は跪き、両手で地面を殴りながら泣いた。
悔しい、悲しい、虚しい、辛い、苦しい。様々な負の感情が渦となり、彼の心を抉っていく。
しかし、そんな感傷に水を差す者が居た――。
「坊主!手が空いてるなら貸せ!
怪我人の治療に、瓦礫の撤去、やる事は山積みだぞ!」
遠くからやって来たアランが、征夜に発破を掛けた。
周囲には天空魔城の瓦礫が飛散し、それに当たった怪我人が大勢居る。猫の手も借りたい状況であるのは、間違いない。
「あ、アランさん・・・征夜は今・・・。」
「・・・ん?何泣いてんだ!そんな暇無いんだぞ!」
花の制止も聞かずに、アランはズケズケと征夜の間合いに入り込む。
悲しむ暇などない。助けを求める人は大勢居る。
勇者なら、その"責務"を果たせ。そう言わんばかりの言動に、花は少し苛立ちを覚えた。
しかし征夜の怒りは、花の物とは比較にならなかった――。
「あぁ!テメェに言われなくても!分かってんだよッ!!!」
「え?うぶぅ"ッ!?」
「征夜っ!?」
鈍い音と共に、鋭い殴打がアランの鼻頭に飛んだ。
衝撃で投げ出された中年の体は背後の木に直撃し、後頭部と鼻から血を流している。
「せ、征夜!何してるの!?」
「今度は・・・止められなかったか?」
尻餅をついたまま痙攣するアランを見下ろしながら、征夜は皮肉を呟いた。
試験を受けた当時は簡単に受け止められた征夜の攻撃も、今では全く反応出来ないほどに成長していた。
「ぼ、坊主・・・何のつもりだ・・・!」
「前からずっと!次に会ったら、ブン殴ってやろうと思ってた!」
彼と最後に会ったのは、教団の島から脱出する時だ。
あの時はまだ、資正の友人で"少し厳しい試験官"という程度の認識だった。
だが、ラースの日記を読んだときに気が付いた。
このアランと言う男は、"許してはいけない存在"だと――。
「意味も無く!悲しみを産み過ぎたんだよ!テメェは!」
「ごほぉっ!!!」
ラースが闇に堕ちたのは、アランの試験が原因だ。
あの事件さえ無ければ、今の世界は全く違う形になっていた。
邪悪な魔王は居ない。今もグランディエルが魔界を統治し、ある程度の平和が保たれていた。
教団に殺された人も、教団に入って死んだ人も、"4体の竜"に殺された人も、きっと居なかった。
もしかしたら、ラースには家族が居たかも知れない――。
「くだらない試験を作りやがって!何人を不幸にすれば気が済むんだ!人の繋がりを!一体何だと思ってる!!!」
「ぐぉっ!あぐっ・・・ごぽっ・・・!」
ラースの恨みが、ラースに殺された人々の恨みが、そして何より"ミサラの恨み"が、怒りの臨界点を噴き飛ばした。
堪忍袋の尾を切られた征夜は、もう止まらない。何度も何度も殴打し、力の限り踏み付け、全身全霊で顎を蹴り上げる。
「はぁ"・・・はぁ"・・・あ"ぁ"ぁ"・・・!」
「こ、この息・・・まさか!」
この息遣いを、花は聞いた事があった。
修羅の瞳を開眼する直前の征夜がしていた、悶え苦しむような吐息だ。
肺が破れそうなほどに痛々しい呼吸の音を、花は確かに覚えていた。
(・・・まだ間に合う!)
この状態は、凶狼と修羅の中間。
完全に理性を失う前の今なら、彼を止められる筈だ。
<<<気導弾!!!>>>
テニスボールほどの大きさの白い球が、征夜の右手に現れた。
ラースを殺した時ほどではないが、ソレは確かに完成された気導弾である。
コレが直撃すれば、アラン如き木っ端微塵だろう――。
「征夜!やめて!」
「・・・ッ!」
後ろから抱きついた花は、懸命に征夜を止めた。
すると、最初は暴れていた彼も少しずつ大人しくなり、右手に込めた気導弾も収束していく。
「大丈夫ですか!?アランさん!」
「あ・・・あぁ・・・ありがとな・・・。」
花の回復魔法がアランの体を包み込み、傷を癒していく。しかし征夜は、それすらも気に食わない。
「・・・今回は、花に免じて許してやる。
だがな、覚えとけよ!花だって、死んでたかも知れないッ!テメェのせいでなぁッ!!!」
「ぐほぁっ!!!」
「征夜!」
回復したばかりのアランの鼻頭を、征夜は力の限り踏み付けた。折れてしまった鼻の骨を治すために、花は再び回復魔法をかけた。
「行こう、花。・・・ペっ!」
「え、えぇ・・・。」
花の手を握り締めた征夜は、アランの額に唾を吐き捨てて立ち去った。
いつになく激怒した恋人に若干の恐れを抱きながらも、花はそれに追従する。
一人残されたアランは、征夜の背面を睨み付けながら恨み言を呟いた。
「・・・俺たちには、優秀な奴が必要なんだ。優秀な転生者がな。」
あの試験の本質は、冒険者の資格検定などではない。
その実態は、ユニオンフリーダムに相応しい人材の選定だ。
あの悪名高い試験に参加するのは、ソントに転生した転生者ぐらいのものだ。何も知らない者だけが、彼の試験を受験する。
アランとしては成功しても良し。失敗しても良し。
成功して気分が上がった者でも、仲間を殺して絶望した者でも良い。
成功した者は程よく煽り、組織への参加を促す。
失敗した者には自らの手で仲間を殺した事は伝えず、真実を隠したまま組織に引き入れる。
頼れる身内を失った者には、"洗脳"が良く効くのだ。そして何より、失う者が無い奴は強い。
「この程度の犠牲が何だ。俺たちには・・・"大義"があるんだ!」
アランは歯軋りをしながら、痛む体を引き摺って、その場を去った――。
「先刻、観測史上最大の極光が夜空を覆ったのだ。
そして明け方に、其方と仲間たちが帰還し、天空魔城が崩落した。
逆算して考えれば、あの極光は"魔王を倒した余波"と考えるのが妥当だろう。」
「写真を見せてもらったけど、本当に凄かったわ!
空一面が光ってて、まるで昼間みたいに明るいの!その後、2週間ぶりの太陽が昇って来たみたい!」
「へぇ・・・そっか・・・。」
花の興奮ぶりとは真逆に、征夜の表情は暗く沈んでいた。励ますつもりで言った資正としても、この反応は予想外だ。
「どうした?浮かない顔だな。世界を救ったのだから、もう少し誇って良いのだぞ?」
「それは分かってるんですが・・・。」
「・・・吹雪の剣豪も、今の其方を見たら喜ぶだろう。」
(いつ聞いても、この呼び名はむず痒いのぉ・・・。)
300年ぶりに聞いた呼び名に、征夜から言われた当初は少し興奮した。
だが冷静になって思い返すと、中々に恥ずかしいものがある。自らの子孫が"崇拝"していると知った今では、尚更である。
だが、何はともあれ自分は征夜の憧れらしい。
大切な弟子を元気づける為ならば、多少の羞恥も苦にはならない。この名で気分が上がるなら、安いものだろう。
資正はそう思って、剣豪の名を出したのだが――。
「いえ、ご先祖様が見たら、落胆すると思います。
僕は師匠にも"剣豪様"にも、全く及ばないですよ・・・。」
当の本人が絶賛しているのに、そうとも知らない征夜は資正の言葉を否定する。
普段は謙遜を尊ぶ資正とて、ここまで頑なに否定する彼が少し哀れに思えてくる。
「何故だ?其方は良くやったと思うぞ。魔王を倒し、多くの罪無き者を救ったではないか。」
「助けたのは・・・ミサラです。」
「・・・そうか。」
地上に下ろす為の気泡魔法は、全てミサラが作った物だ。アレが無ければ、せっかく助けた人も死ぬ事になっただろう。
そして、資正は知っていた。
ミサラが征夜の大切な仲間であり、どのような末路を辿ったのか――。
「師匠は・・・狼の勇者は・・・"たった一人"で邪神と魔王を倒した。
それに引き換え僕は3人の仲間を危険に晒し、1人を死なせた上での勝利です。・・・師匠とは、比較になりませんよ。」
「征夜・・・そこまで悲観しなくても・・・良いと思うわ・・・。」
「花殿の言う通りだ。某は運が良かっただけなのだ。
他の四人が災害を食い止めてくれたから、某は天界に突入出来た。
それに、某が来るまでの間に、天界の神々は何人も命を落としていた。某とて、全てを救えてはないのだ。」
「ですが、"魔王との戦い"には仲間を巻き込まなかった。」
「・・・そうだな。」
手は貸してもらったが、決着を付けたのは資正なのだ。
アランも、料理長トニオも、ヴィルヘルム1世も、あと1人も、誰一人として天界には乗り込んでいない。
危険な役を自ら買って出て、完璧に遂行してみせた資正。今の征夜には、彼が"格の違う存在"に思えて仕方がなかった。
「師匠には、以前にも話した事があったかも知れません。
僕は"誰にも頼らない男"になりたかった。そう決意して、この世界に転生したんです。
それなのに・・・ミサラに頼って・・・花に頼って・・・シンに頼って・・・。」
「征夜・・・某も以前に言った筈だ。"見果てぬ夢に溺れて、大義を見失うな"と。
"全知全能の神"にでも、其方は成りたいと言うのか?なら、そんな夢は捨ててしまえ。罪無き人を救うのが、"其方の使命"なのだろう?」
資正の言う事は真理だった。
人生には、常に"果たすべき責任"が付き纏う。
今回の責任は魔王を倒す使命。それを遂行する為には、自らの夢や主義を曲げてでも進む必要がある。
その先で仲間が死んでも、罪無き人を見殺しにしても、どんな犠牲を強いてでも、果たさなければならいのだ。
資正はコレを、征夜の罪悪感を消す為に言った。
ところが彼の心に巣食う罪の意識は、更なる餌を得て増大する――。
「今の夢は・・・少し違うんです。」
「違う・・・とな?」
「昔の僕は・・・"完璧な自分"に憧れていたんです。でも今は・・・違うんですよ。」
「では、お前の夢とは何だ?言ってみよ。」
資正は好奇心を抑え切れなかった。
この質問がパンドラの箱を開ける結果になって、征夜の心を更に深く抉る事になっても、彼の夢を知りたかったのだ。
「誰よりも強くなって、大勢の人を・・・罪無き人を・・・大切な人を・・・救いたいんです。
誰にも頼らなければ、誰も巻き込まなければ・・・ミサラは・・・死なずに済んだんです・・・。
"全てを守れる自分"・・・それが僕の中に居る、今の"夢の姿"なんです・・・。」
「征夜・・・あなた・・・。」
「・・・なるほどな。」
資正と花は、やっと分かった気がした。
征夜がここまで、自分の"夢に執着する理由"が。
「誰にも見下されたくない。自分の価値を認めてほしい。・・・そんな"馬鹿げた思考"で、どこまでも"幼稚な思考"で、僕は転生しました・・・。
もしも・・・見栄を張らずに・・・女神様から能力を受け取っていれば・・・今もミサラは・・・!」
「それは結果論ではないか。
某は確信できる。もしも能力を貰っていたら、今のお前は全くの別人になっていたと・・・。」
征夜はこれまで一度も、"チート能力"に憧れた事は無かった。ラースと死闘を繰り広げる中でも、その考えは変わらなかった。
征夜にとって、能力は"あさましい物"だった。
自らの成長を阻害し、前世の醜い自分を揺り戻す存在。そんな物を手に入れては、自分の前途は閉ざされると思っていた。
だが、今になって思う。
"自らの成長"と"ミサラの命"では、天秤に掛けるまでもない。
自分の"くだらないエゴ"が、彼女を殺したのかも知れない。そう思うと、勇者として讃えられる気分にはなれなかった。
「勇者様は・・・師匠は・・・まさに僕の夢だった。
仲間の誰も犠牲にせず、たった一人で切り込み、"戦争"を終わらせた。そんな事、今の僕には出来ません。」
「征夜、某は其方が思うような"高潔な英雄"ではない。美化し過ぎなのだ。
人には言えないような経験も、仲間を守れなかった過去もある。・・・某とて、完璧ではないのだ。」
思い起こせば、彼は恥の多い人生を送って来た。
"伝説"には美談だけが残る。たとえ英雄に汚点があっても、それは語り継がれない事。
彼と仲間内。そんな、限られた人間しか知り得ない真実に、彼は今も苦しめられていた。
「師匠から見れば、そうかも知れません。・・・ですが、剣豪様も勇者様も、永遠に僕の夢なんです。」
「先祖への思慕に水を差す気はないが・・・件の剣豪とて、"仏"ではないのだぞ・・・!
あの時は・・・ただ・・・家内と結ばれたくて・・・大義を持っていた男を・・・。」
資正が江戸幕府に反抗する男を捕らえた理由は、他でもない"利己心の発露"だった。政治的な信条など、あまり含まれていない。
名を上げて、幕府から報酬を貰い、後に妻となった思い人との婚姻を認めてもらう。それだけの理由で、"大義を持った敵"の城を落としたのだ。
資正からすれば、あの出来事は"一生の恥"の一つだ。
妻子から引き剥がされても尚、勇者としての使命をスンナリと受け入れた彼。そこには"罪滅ぼし"の意志も含まれていた。
「吹雪の剣豪は、何の犠牲も出さずに敵を制圧しました。
無力な敵にも犠牲を出さなかった。それに引き換え、僕は囚われた人たちすら・・・救えなかった・・・。
剣豪様の名を語るなんて・・・許される筈が無い・・・あつかましいにも・・・程がある。」
だが、征夜は資正の言葉を、微塵も気に留めていなかった。当然だろう。彼は剣豪の正体を知らないのだ。
崇拝し、盲信する"剣豪の偶像"に思いを馳せる彼は、内に秘めた罪悪感を一層強くする。
「では・・・お前は、自分を何だと言うのだ?」
「極光の勇者でも、吹雪の剣豪でも、狼の勇者でもない。ただの"剣士"です。
剣豪の名を受け継ぐには、心技体どれも、まだまだ精進が足りません・・・。」
「"極光の剣士"か・・・。」
勇者や剣豪ほど締まりのある名前ではないが、資正には不思議と、この名前が征夜に合っている気がした。
「すみません師匠。少し・・・風に当たって来ます。」
「あっ!征夜!待ってよ!」
俯いたまま閉口した資正を置いて、征夜は布団から立ち上がった。
テントの入り口を開けて、差し込む光の向こう側へと進んで行く彼に、花も慌てて追従する。
薄暗いテントの中に、一人残された資正は物思いに耽っていた――。
「そうか・・・伝説と化した剣豪は・・・既に我が手を離れていたのだな・・・。
アイツが追っているのは、伝説の剣豪であり・・・某ではない・・・。どうやら某は、想像以上に老いていたらしい・・・。」
勇者でも剣豪でもなく、ただの剣士。征夜が放った言葉は、今の資正にも突き刺さった。
老いによって牙を抜かれ、山に籠っていただけの自分に、征夜を説教する権利があるのだろうか。考えるまでもなく、無いと即答できる。
「精進が足りんのは・・・某の方だったか・・・。」
"衰え"に負けた自分が、更なる高みを目指す弟子の夢を、叩き折ろうとしていた。
自分はどれほど愚劣で、愚かなのだろうかと思い、資正は強く猛省した。
~~~~~~~~~~
「征夜・・・あの・・・。」
「花・・・僕は"極光の剣士"なんて異名すら・・・本当は欲しくなかったよ・・・。」
テントから出た征夜は、花の言葉を遮るように声を掛けた。
暗く沈んだ様子の彼を元気付ける為に、花は懸命に励ましの言葉をかける。
「でも、世界を救ったなら、讃える名前が必要じゃない?
オーロラの剣士・・・とっても・・・カッコいいわ・・・!」
「ハハッ・・・分かってないなぁ・・・花・・・。」
「え?」
懸命に絞り出した励ましの言葉を切り捨てて、征夜は少し笑いを含んだ声を出した。
花としては、自分の言葉の何が面白いのか分からずに、立ち尽くす事しか出来ない。
だが、征夜が次に放った言葉を聞いて、全てを納得する――。
「"双牙の閃刃"の方が・・・"カッコいい"だろ・・・?」
「あっ・・・。」
振り返った征夜の口は笑っていて、目は泣いていた。
笑いながら泣いている。征夜の不思議な感情を、花は恋人として瞬時に理解する。
「あっ・・・えと・・・うん・・・。」
だが理解したところで、かけられる言葉が無かった。
直後、崩れ落ちるようにして、征夜は地面に膝を付く。
「うっ・・・うぅっ・・・くっ・・・み、ミサラぁ・・・!」
「分かってる・・・貴方が一番辛いわ・・・たくさん泣いて良いよ・・・ここには、私しか居ないから・・・。」
花は彼を見下ろしながら、背中を摩る事しか出来ない。
すると征夜は、まるで母からあやされる子供のように、本音を吐き出し始めた。
「ひくっ・・・ぐすっ・・・何が・・・勇者だよ・・・!何が・・・双牙の閃刃だよ・・・!
死んじゃったら・・・意味が無いだろ・・・馬鹿野郎!!!馬鹿・・・野郎・・・!」
征夜は跪き、両手で地面を殴りながら泣いた。
悔しい、悲しい、虚しい、辛い、苦しい。様々な負の感情が渦となり、彼の心を抉っていく。
しかし、そんな感傷に水を差す者が居た――。
「坊主!手が空いてるなら貸せ!
怪我人の治療に、瓦礫の撤去、やる事は山積みだぞ!」
遠くからやって来たアランが、征夜に発破を掛けた。
周囲には天空魔城の瓦礫が飛散し、それに当たった怪我人が大勢居る。猫の手も借りたい状況であるのは、間違いない。
「あ、アランさん・・・征夜は今・・・。」
「・・・ん?何泣いてんだ!そんな暇無いんだぞ!」
花の制止も聞かずに、アランはズケズケと征夜の間合いに入り込む。
悲しむ暇などない。助けを求める人は大勢居る。
勇者なら、その"責務"を果たせ。そう言わんばかりの言動に、花は少し苛立ちを覚えた。
しかし征夜の怒りは、花の物とは比較にならなかった――。
「あぁ!テメェに言われなくても!分かってんだよッ!!!」
「え?うぶぅ"ッ!?」
「征夜っ!?」
鈍い音と共に、鋭い殴打がアランの鼻頭に飛んだ。
衝撃で投げ出された中年の体は背後の木に直撃し、後頭部と鼻から血を流している。
「せ、征夜!何してるの!?」
「今度は・・・止められなかったか?」
尻餅をついたまま痙攣するアランを見下ろしながら、征夜は皮肉を呟いた。
試験を受けた当時は簡単に受け止められた征夜の攻撃も、今では全く反応出来ないほどに成長していた。
「ぼ、坊主・・・何のつもりだ・・・!」
「前からずっと!次に会ったら、ブン殴ってやろうと思ってた!」
彼と最後に会ったのは、教団の島から脱出する時だ。
あの時はまだ、資正の友人で"少し厳しい試験官"という程度の認識だった。
だが、ラースの日記を読んだときに気が付いた。
このアランと言う男は、"許してはいけない存在"だと――。
「意味も無く!悲しみを産み過ぎたんだよ!テメェは!」
「ごほぉっ!!!」
ラースが闇に堕ちたのは、アランの試験が原因だ。
あの事件さえ無ければ、今の世界は全く違う形になっていた。
邪悪な魔王は居ない。今もグランディエルが魔界を統治し、ある程度の平和が保たれていた。
教団に殺された人も、教団に入って死んだ人も、"4体の竜"に殺された人も、きっと居なかった。
もしかしたら、ラースには家族が居たかも知れない――。
「くだらない試験を作りやがって!何人を不幸にすれば気が済むんだ!人の繋がりを!一体何だと思ってる!!!」
「ぐぉっ!あぐっ・・・ごぽっ・・・!」
ラースの恨みが、ラースに殺された人々の恨みが、そして何より"ミサラの恨み"が、怒りの臨界点を噴き飛ばした。
堪忍袋の尾を切られた征夜は、もう止まらない。何度も何度も殴打し、力の限り踏み付け、全身全霊で顎を蹴り上げる。
「はぁ"・・・はぁ"・・・あ"ぁ"ぁ"・・・!」
「こ、この息・・・まさか!」
この息遣いを、花は聞いた事があった。
修羅の瞳を開眼する直前の征夜がしていた、悶え苦しむような吐息だ。
肺が破れそうなほどに痛々しい呼吸の音を、花は確かに覚えていた。
(・・・まだ間に合う!)
この状態は、凶狼と修羅の中間。
完全に理性を失う前の今なら、彼を止められる筈だ。
<<<気導弾!!!>>>
テニスボールほどの大きさの白い球が、征夜の右手に現れた。
ラースを殺した時ほどではないが、ソレは確かに完成された気導弾である。
コレが直撃すれば、アラン如き木っ端微塵だろう――。
「征夜!やめて!」
「・・・ッ!」
後ろから抱きついた花は、懸命に征夜を止めた。
すると、最初は暴れていた彼も少しずつ大人しくなり、右手に込めた気導弾も収束していく。
「大丈夫ですか!?アランさん!」
「あ・・・あぁ・・・ありがとな・・・。」
花の回復魔法がアランの体を包み込み、傷を癒していく。しかし征夜は、それすらも気に食わない。
「・・・今回は、花に免じて許してやる。
だがな、覚えとけよ!花だって、死んでたかも知れないッ!テメェのせいでなぁッ!!!」
「ぐほぁっ!!!」
「征夜!」
回復したばかりのアランの鼻頭を、征夜は力の限り踏み付けた。折れてしまった鼻の骨を治すために、花は再び回復魔法をかけた。
「行こう、花。・・・ペっ!」
「え、えぇ・・・。」
花の手を握り締めた征夜は、アランの額に唾を吐き捨てて立ち去った。
いつになく激怒した恋人に若干の恐れを抱きながらも、花はそれに追従する。
一人残されたアランは、征夜の背面を睨み付けながら恨み言を呟いた。
「・・・俺たちには、優秀な奴が必要なんだ。優秀な転生者がな。」
あの試験の本質は、冒険者の資格検定などではない。
その実態は、ユニオンフリーダムに相応しい人材の選定だ。
あの悪名高い試験に参加するのは、ソントに転生した転生者ぐらいのものだ。何も知らない者だけが、彼の試験を受験する。
アランとしては成功しても良し。失敗しても良し。
成功して気分が上がった者でも、仲間を殺して絶望した者でも良い。
成功した者は程よく煽り、組織への参加を促す。
失敗した者には自らの手で仲間を殺した事は伝えず、真実を隠したまま組織に引き入れる。
頼れる身内を失った者には、"洗脳"が良く効くのだ。そして何より、失う者が無い奴は強い。
「この程度の犠牲が何だ。俺たちには・・・"大義"があるんだ!」
アランは歯軋りをしながら、痛む体を引き摺って、その場を去った――。
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