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初めての絶頂

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激しくなった抽送に、ヒメは眉を顰めつつも何とか耐える。今日は潤滑剤代わりの分泌液が十分あるからだろうか、いつも程にはきつくない。

(でも優しくもない!)

ついさっきまでは良い雰囲気だっただけに、その反動で酷く機嫌は悪かった。とは言え、もうこうなったアギトは止まることはない。何時もの様にヒメが体力尽きて気絶するか、終了を嘆願し、そのまま眠りに落ちるまでは止まることはないだろう。

(でもっ、きょう、はっ、んうっ)

一度灯りかけた情欲の灯火は、そうそう簡単に消えてしまうことはなく、時折、アギトの剛直や恥骨が、ヒメの未熟な快感を呼びよせる『良い場所』に当たっては、快感のフラッシュを焚くのだった。

「は、ぁんっっ」

「!!」

(ああ、またやっちゃった……っ!)

ヒメの悩ましい声を聞くたびタガが外れていくアギト。抽送する速さは今までで最も早くなり、それにつられて弾むヒメの胸は凄いことになっていた。

(おっぱい痛い……ああもう)

このままではいけないと、ヒメは渾身の力を振り絞り、両足をアギトの腰に絡めて自分から引き寄せ、アギトの動きを制限しようとするが……。

(ええ、嘘!? 止まんないよぉ!?)

むしろ密着した分、良い所に当たる率が高くなってしまい、喘ぎ声を上げてしまう頻度が増えてしまった。これがまた、余計にアギトの興奮に拍車を掛けてしまうのだった。

「ひあぁんっ」(ああ、そうじゃなく……えっとえっと……)

等とまとまらないでいるヒメの腰を、アギトが強く引き寄せた!

(あっ、終わるんだ……!?)「んむっ!?」

唐突にアギトが舌を絡めてきた。完全な不意打ちだったヒメは少しばかり酸欠になりながら、アギトの剛直が震えるのを感じた。

「んむっ(チュクチュク)ぷはっ! ……苦しい」

「……あ、す、すまん」

「………………」(……そうだわ)

ヒメが苦しいと口にして動きを止めたアギトと、ヒメは自分の位置を変える。即ち、ヒメが上になったのだ。そして完全に体重を預けると、ピッタリと密着しながらアギトの耳元で囁く。

「次はこれでお願い」

少年は少女の『おねだり』にすぐに沸騰し、萎えずにいたままの剛直を突き上げるのだった。ヒメとしては、上にのしかかられるのは、一応体重が掛からないように気を配られてはいるが、重く感じるし苦しく感じていた。だから自分が上になれば負担も軽減すると思って、どうせ続けるのなら次はこれで、と思って口にしただけなのだが……。

(あっ、やっ! これ、さっきよりっ)「はぁんっ!」(ああっ、やっぱり……)

それまではアギトが突き入れるだけの状態だったのが、ヒメが上になった事で、その体勢に慣れないアギトがヒメの体を密着させたまま、上下に揺らしたりと、試行錯誤し始めたのだ。結果、ヒメの敏感な部分は、より密着したままの状態で、更にこすりつけられる様な格好となってしまった。さらに悪い事に、抽送の手際も段々と良くなってきて、加えてヒメが良い声を上げるポイントを探るかのような腰つきに変わってきたのだ。

「やっ、ぁぁんっ! ふっ、んっ、あんっ! ちょ、ま、くうっ! だ、めへぇっ」

「ふっ! ふっ! ふっ! ふっ! ふっ!」

(ああ、なにこれ……なんかやばい。やばいやばいやばああ)「ああ――――っっ!」

その瞬間、ヒメの絶叫と共に体は大きく痙攣し、痛い位にアギトの体にしがみついてきた。

「……っはぁっ、はぁっ、はぁっ……」

やがて体の力を弛緩させると、荒い息遣いでアギトに全体重を預けたのだった。

「……もしかして、イったのか?」

「!?(かあぁぁぁあっっ!!)」

確かにそうだったのだろうが、わざわざ指摘された事でヒメは軽いパニックを起こす。しかしもっと劇的だったのはむしろアギトの方だっただろう。

「ヒメが……イった……おれがイかせた……。うおおおおっっ!」

「えっ!? あっ、やっ、あああああんっ!!」

狂ったように腰を突き上げてくるアギトに、イったばかりのヒメは強すぎる刺激に意識が飛びそうになる。

「ひあぁあぁぁぁっっ! や、やめ、やー、っっあ――――っ!!」

連日10回近い強引なセックスを強いられてきた少女の体は、それでも少しずつ快感を覚え始めていた。慣れというべきかも知れない。ただ、それも許容を大きく超えてしまっては、またしても苦痛にしかならないのだが……止めてもらえるはずもなく、苦痛の波が去るのを待つ以外にない。

「やっ、あっ、きつっ、いいっ、あっ、あーっ!」

少年には苦痛の声と喜びの声は区別がつかない。本人は苦痛の声をあげていても、聞こえてくるのは嬌声だからだ。ヒメの体も、行き過ぎた快感をずっと発しているわけではなく、

「あーっ! あーっ、あっ、はっ、んっ、ふぅっ」

やがて通常の快感へとシフトしていくと、今度はしっかりと自分が感じていることを認識するヒメであった。

(ああっ、やっ、これっ、だめっ……)

しかし突き上げられ、時折上体を起こされて胸を揉みしだかれ、また抱き寄せられて擦り上げられる。寄せては返す並のような快感に溺れ始めていたヒメは忘れていた。あの絶頂の事を。

(あっ、あっ、ああっ、くるっ、きちゃうっ、あっ、あっ)「あ――――っっ!!」

ビクビクと2度目の絶頂を迎えたヒメを、もう堪らぬとばかりにアギトは体を入れ替え組み敷いた。

(あっ……え? あっ)「だっ……やあぁ――――っ!!」

こうなっては何時ものアギトに戻ってしまっていた。力任せに振りたくる腰、遠慮会釈無く膣内を抉る剛直、揉みしだかれる胸……結局は何時も通りであった。

(ああ、持った方なのかしら……)

ヒメは心の中で嘆息していた。しかし彼女の諦観には見落としがあった。自分がすでに快楽を覚え始めているという事を。そして仮に絶頂を迎えても、アギトが止まってくれることはないと言う事も。

結局この日は、アギトが6回、ヒメが7回程イッた所でヒメが気を失って強制終了してしまう。何時もより短かったことに、少し不満顔のアギトであった。

●●●

~~◆◇◆◇◆~~

コリスは少し悩んでいた。ドンガメが何を求めて自分を連れてきたかったのか、分かった上でついて来ているからだ。話は少し遡る。

「おおい! ドンガメぇ!」

「………………ん? 何か呼んだ?」

「ふざけんなテメエ! さっきから呼んでんだろうが! すぐ返事しろやグズがぁ!」

クラス内で素行の悪い4人組は何時も標的にしていた対象、クラス内で孤立気味のアギトがどうも強いらしく、更にあっさりクラスを見捨てて行ってしまって当たる相手が居なかった。そこで大柄でずんぐりとした見た目ながら、良く言えば余り物事に動じない、悪く言えば愚鈍に映るドンガメを標的に選んだのだ。実際、これまでも何度か標的にしたことがあったが、大した抵抗も無かったので彼等の下した評価は『ザコ』であったのだが……。

「今大事なメモを読んでるから」

「……はぁ!? 俺の用件が先だろうが!! 偉そうに自己主張してんじゃねえぞ!?」

「ねえ……」

「ああ!?」

「僕が本気で君を殴ったらどうなると思う?」

「………………ぷっ、うっひゃひゃひゃひゃ!! お前が! 俺を! 殴る!?」

取り巻き3人も一緒に盛大に笑う4人。

「何か可笑しい?」

「今までさんざんやられ放題だったテメエが! 俺に! 盾突くだと!? 在り得ねえだろ!!」

「いや、だって、間違って殴り殺したら面倒臭いじゃない」

「………………は?」

そんな言葉が出て来ると思ってなかったのか、理解が及ばず変な声が出ていた。

「でもここならさー。もし仮に僕が君を殺したとして、誰が裁くんだろうね?」

「……おま、何言って……」

「試してみようか?」

バッキャアァッッ

「ぅひっぃ!?」

ドンガメはおもむろに拳を振り上げると、勢い良く床に叩きつけ……フローリングの床を砕いた。

「おっと……割と頑丈に作ってあるなぁ。コンクリがすぐ出て来ると思ってなかったから怪我しちゃうところだったよ」

「「「「「………………」」」」」

ドンガメが何でも無いように床を打ち抜いた光景に、クラスメート全員がシンと静まり返る。そして極々僅かに彼から離れ始めていた。さっきこいつはなんて言った? 相手を殺しても問題ないような事を言わなかったか? と。

「ふう。ま、いっか。メモの続きを読むのは後でも……。ね、コリスさん」

「……ぇ? あっ、ひゃいっ!?」

まさか自分が呼ばれると思ってなかったコリスは盛大にキョドった。

「少し話良いかな?」

「……ぇ? え? わ、私と、ですか?」

「うん、そう。すぐ終わるっていうか、文章で書いてるから僕のスマホ読んでもらうだけで良いんだ」

「……わか、りました」

名指しされてしまったコリスは周りを気にしつつ、さりとて女子の中では元々浮き気味だった彼女に助け舟が出される様子も無かったため、渋々ドンガメの下に移動してスマホを受け取る。そしてその表示された内容を見て、

「なぁっ!?」

「(しーっ)」

思わず叫びかけるも、ドンガメが内緒だよ、と言わんばかりに口の前に人差し指を立てるのを見て、怒声を飲み込む。彼女が怒りで声を上げたくなるのも無理はなかった。そこには、これから起こり得る事態について丁寧に書かれていたからだ。これからキバが残していった食料が乏しくなってくると、戦える人、主に男子がクラスの主導権を握るだろうと言うこと。更には食料を盾に、従わない者をペンションの外に放逐する可能性があること。そして女子は……慰み物になる可能性が極めて高い事。これらの事が起きるのも時間の問題であるとも書いてあった。
コリスもそういう嫌な未来を想像しなかったわけではない。しかし、食料供給源として期待されたアギトはさっさとクラスメイトを見捨てて出て行ったし、委員長も責任を感じてか余り発言しなくなってしまっていた。現に、何時もなら先程の様な小競り合いは割って入っていたのだが、口も出していない。
ここで、何故ドンガメがわざわざそれをコリスに伝えたのか、というと、

「君が好きだからそんな目に遭って欲しくない。僕と一緒に来て欲しい。願わくは添い遂げる覚悟を持って」

と、書かれていたのだ。つまりこれは恋文であるらしい。随分と脅迫じみた、という形容詞がつくが。それ故コリスは怒り、しかし、コリスにこれからの事を考えさせるには十分だった。

「どうかな?」

「……(キョロキョロ)わかり……ました」

「~~~~っ(ぐっ!!)」

(えっ? ……ドンガメ君てば、そんなに嬉しいの?)

自分の事を好きだとは書いてあったが、思いもよらぬ全力のガッツポーズを取るドンガメに、コリスは不覚にも少しばかり心が揺れたのであった。
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