ゲームを始めたはずの私は、なぜか異世界で勇者《最弱職》になりました

二章 ダンジョン探索は冒険者のロマンでしょ？

喫茶店に行ったはずの私は、なぜか現魔王と会いました10

「ハディア、とても上手な演技でしたよ」

「うん。ありがとうございます、お姉様！」

　ハディアちゃんは、褒められてとても嬉しそうにしてる。
　つまり、さっきハディアちゃんが言ったことは、嘘じゃなかったということだ。
　それでも、どうしてこんなことを......？

　それに、一介のお姫様とその妹が、人通りもそこまで少なくない場所にいるのに、なんで注目されていないのかも気になる。

「疑問がかなりあるようですね。ですが、詳しいことを教えることはできません。ですが、一つだけ教えてあげます。人を生き返らせる魔法は禁術です」

　私は、予想していたこととは違うことを教えられ、さらに謎が深まる。

　けど、私はすぐに理解した。
　お姫様は、私が誰かの魔法によって、生き返ったのではないか？と思ってるということだ。

「これ以上は教えられませんから。ただ、一つだけ。人を生き返らせる魔法は、王家のものしか知りません」

　そして、さらに教えてくれた。
　お姫様は、それをいい終えると、何かの魔法を唱え、空間の捻れた輪ができあがる。
　そして、お姫様は一度こちらを振り返り、

「言い忘れてました。これを仕掛けたのは、全て私です」

　とんでもないことを言って、その輪に入ってしまった。
　輪に入ると、そこには何も残っていなかった。