上 下
70 / 222
一章 異世界で勇者《最弱職》になりました

中央都市へ行くわよ!23

しおりを挟む
「なっ!嘘じゃないんだよ!本当のことなんだ!ウィンソウ家は──」

 私は、ハンディーのその話を途中で切って、もう一度こう言った。

「うんうん。ハンディーの言いたいことはわかった。わかったから、とりあえず謝ろっか」

「全然わかってないだろ!なんで俺はこんなところに当たってしまったんだ......」

 ハンディーは失礼極まりないことを言っているが、私は心が広いから許してあげることにする。
 みんなに迷惑がかかってるわけでもないし。

「ハンディー、あなたはシズから許してもらえる権利を与えられたのよ?なら、謝るしかないわよね?早く謝りなさい!」

「!......ご、ごめんなさい」

 渋々という感じではあったものの、一応謝ってはいるので、それでよしとする。

「なあ、やっぱ違くないか?なんで俺はこんなにも不憫な思いをしなきゃいけないんだ?」

「えっ?居候みたいなもんだからだけど?」

 当たり前のことだ。
 だってそうでしょ?居候みたいなもんには何してもいいでしょ。
 してることはただのクズ以外の、なにものでもないわけだから。

「とにかく、ウィンソウ家はあり得ないぐらいの強さを持ってた、魔剣使いなんだよ!少なくとも、の間ではそう言われてるんだよ!」
しおりを挟む

処理中です...