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特別章 死ぬ前の頃の私
私の誕生日
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「ねえ、お姉ちゃん。日付をまたいですぐにおめでとうって言いに来るのやめてよ!」
「いいじゃん、仲の良い姉妹みたいで!」
私は大体その時間には寝ている。
それを、お姉ちゃんに起こされる気分は、最悪という言葉以外思い浮かぶわけがない。
「とにかく、私は寝てるんだから、起こさないでよ!」
それだけ言って、私は布団にくるまる。
「そんなに冷たくされると、お姉ちゃん泣いちゃうぞ?」
なんか言ってるけど、無視。
程なくして、私は眠りについた。
❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈
私は、駅のホームにいた。
それも、お姉ちゃんと一緒に。
というのも、これから私の誕生日プレゼントを買いに行くということらしい。
で、電車を待ってる。
もう来るらしいけど。
私は、後ろを向いてお姉ちゃんの方を見ながら歩く。いわゆる、後ろ歩き。
「で、どこまで──」
私は、そこで踏み外した。
ホームから落ちる。それがわかった。
けど、そう気づいたときには、お姉ちゃんが私の手を引っ張ってくれる。
けど、その反動でお姉ちゃんは足を踏み外し、線路に落ちる。
電車はもう、そこまで来ていた。
そこからの記憶はない。
ただ、あまりの衝撃に気絶したことだけは覚えている。
私が目を覚ますと、そこは病院だった。
日付は変わっていない。
空は紅く染まっている。
しばらくして、お姉ちゃんが死んだことは聞かされた。
いま、私は病院の屋上にいた。
安全な柵の内側ではなく、危険な外側。
私は一歩踏み出し、空に舞った。
私の誕生日は、最悪の誕生日となった。
「いいじゃん、仲の良い姉妹みたいで!」
私は大体その時間には寝ている。
それを、お姉ちゃんに起こされる気分は、最悪という言葉以外思い浮かぶわけがない。
「とにかく、私は寝てるんだから、起こさないでよ!」
それだけ言って、私は布団にくるまる。
「そんなに冷たくされると、お姉ちゃん泣いちゃうぞ?」
なんか言ってるけど、無視。
程なくして、私は眠りについた。
❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈
私は、駅のホームにいた。
それも、お姉ちゃんと一緒に。
というのも、これから私の誕生日プレゼントを買いに行くということらしい。
で、電車を待ってる。
もう来るらしいけど。
私は、後ろを向いてお姉ちゃんの方を見ながら歩く。いわゆる、後ろ歩き。
「で、どこまで──」
私は、そこで踏み外した。
ホームから落ちる。それがわかった。
けど、そう気づいたときには、お姉ちゃんが私の手を引っ張ってくれる。
けど、その反動でお姉ちゃんは足を踏み外し、線路に落ちる。
電車はもう、そこまで来ていた。
そこからの記憶はない。
ただ、あまりの衝撃に気絶したことだけは覚えている。
私が目を覚ますと、そこは病院だった。
日付は変わっていない。
空は紅く染まっている。
しばらくして、お姉ちゃんが死んだことは聞かされた。
いま、私は病院の屋上にいた。
安全な柵の内側ではなく、危険な外側。
私は一歩踏み出し、空に舞った。
私の誕生日は、最悪の誕生日となった。
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